「なあ、そこのお兄さん。」
ビル街の方を歩いていると小柄な男に話しかけられた。
「どうしました?何か用でも?」
「いや、兄さん結構いいガタイしてるからさ、ちょっと強そうだなって。」
「・・・特に用が無いのなら帰りますが。」
「まあまあ待ってくれって、お兄さん、アンタ強そうだ、その強さを生かしてガッポリ稼いでみない改かい?」
「稼ぐ?どういう事だ。」
「お、その気になってくれましたか、実はこの地下でちょっとした大会を開催してるんですわ、勝てばかなりの賞金が出ますぜ。」
「こんな状況で大会か、それも地下で、にわかには信じられんが・・・本当なんだろうな?」
「ああ、本当ですぜ、今まで何人も大金を持って出て行きましたよ。」
いかにも怪しい話だ、だがこんな状況だというのに地下で大会を開く余裕のある人間はまずいない。
もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。
「分かった、出よう。」
「おお!出てくれるか!じゃあトーナメントかミッションかを選んでくれ。」
「トーナメントは数人の参加者から勝ち抜き方式で勝ちあがってゆく、ミッションは制限付きの闘いだが1回勝てばそれでいい。」
「ミッションで頼む、条件は何でもいい。」
「ミッションですな、最後に名前と使用する武器を。」
「マーク・ウルフ、武器は拳銃だ。」
「マーク・ウルフ・・・拳銃・・・っと、これでOKですぜ、ここのマンホールから地下の受付に行ってこの紙を渡してくだせえ。」
「分かった。」
「では、ご武運を祈りますぜ。」
男がマンホールを開けようとした。
「あれ?道具が無いな・・・どこに行ったんだか。」
「ちょ、ちょっと待ってくれませんか?あまり人が来ないもんでマンホールを
開ける道具を無くしちまったようで・・・。」
「そんなもの無くても十分だ。」
私はマンホールの取っ手を持って持ち上げた。
「わ!マンホールを素手で持ち上げおった!お兄さん力持ちでんな~。」
「この程度普通ではないのか?まあいい、行ってくる。」
「い、行ってらっしゃい・・・。」
最終更新:2011年03月16日 13:37