「異常なし、そろそろ帰る?」
ジョーカーとアーサーは団地を見回っていた。
「そうだな、一通り見ては見たが・・・相変わらずゾンビしかいないな。」
「気のせいだったんじゃない?」
「いや、確かに嫌な予感がした。」
「もう、強情なんだから。」
アーサーが腕を組んだ、その時。
巨大な拳がアーサーの上に現れ、そのまま下に
落ちた。
地面が割れ、瓦礫と砂埃が飛び散る。
「・・・予想的中か。」
ジョーカーが振り返る。
身長は3mを優に超えているだろうか、4本腕の巨人が立っていた。
人間の姿はかろうじて留めているものの、その体は戦車ですら投げ飛ばせそうなほど巨大だった。
「・・・。」
ジョーカーは拳銃に弾を込め、巨人に向かって飛びかかった。
巨人がそれに合わせ拳を振りかざす。
「♠10(スペードテン)!」
蹴りと同時に弾丸を拳に叩き込む。
だが次の腕が迫っている。
「♠J(スペードジャック)!」
「♠Q(スペードクイーン)!」
「♠K(スペードキング)!」
残り3本の腕に蹴りと弾丸を撃ちこまれ、巨人が怯む。
「♠A(スペードエース)!」
その隙に顔面に弾丸を一発撃った。
だが巨人は怯んだだけで今度は4本同時に殴りかかった。
しかしその拳はジョーカーに届く事はなかった。
「ロイヤルストレートフラッシュ!」
ジョーカーが指を鳴らした。
それと同時に5か所に打ち込まれた魔力が爆発を起こす。
爆煙と共に巨人が地面に倒れた。
「・・・何とか倒したようだな。」
「みたいね。」
瓦礫の山からアーサーが這い出てきた。
「流石はハウンドドック、その程度じゃあ死なんか。」
「舐めないでもらえる?」
「褒めてるんだよ。」
「でもアレ、何だったのかしらね。」
「さあな、ゲルトルートに報告しておく必要がありそうだ。」
最終更新:2011年03月17日 11:24