「あら?付いてきたの?」

ハインツは後ろを振り返った。

「のじゃ。」

パトリシアが笑顔を作る。

「久しぶりじゃの、ハインツ。」

「そうね、ざっと2ヶ月くらいかしら。」

ショッピングモールの中にあった店の中でジュースを買った。

「はい、オレンジジュース、流石に酒はマズいでしょ?。」

「確かにの、この体も不便なもんじゃのう・・・。」

「私よりはマシじゃない?少なくともこんなのよりはいいと思うわ。」

ハインツはその白い髪を指で梳いている。

「レイトは元気かの?」

「元気よ?頭の先からつま先までピンピンしてるわ。」

レイト・ベスカルート。

第24代帝国皇帝にしてバウンティーハンター協会本部長、つまりこの国で相当エラい人である。

「うむ、ならいいのじゃ。」

「で、どんな命令を受けてきたの?」

「ここに来たのはレイトの命令じゃないのじゃ、ただの小遣い稼ぎなのじゃ、ハインツは命令で来たのかの?」

「こっちの場合はガーランドの命令よ、ゾンビ狩りですって。」

「ゾンビ狩りじゃと?ガーランドとやら、見た目に反して恐ろしい人間じゃの・・・」

「でも貴女よりは年下よ?」

「うちはああいう男は苦手なのじゃ・・・。」

「魔女が何言ってんのよ。」

「魔女が恋をしちゃ、いかんのかの?」

「あんたの場合恋愛対象が大すぎるのよ。」

「そうかの?」

「そうなの。」

パトリシア・アウグスト・ベルタ・ツェーザー 賭博と道化の魔女
彼女の力を得るには彼女に賭けで勝たなければならない。
条件をクリアしても、彼女に気に入られるかどうか・・・。

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最終更新:2011年04月15日 19:43