やはり船での移動は時間がかかり波が荒れていると危険なため地下トンネルを掘って地下鉄を通す計画があったらしい。
「この地下鉄が完成してれば脱出もいくらか楽だったんだけどね~」
ツチグモの大群を文字通り「爆破」しながら地下に立てこもっている生存者の救出に向かう事にしたのだが、明かりが不十分で周囲の状況も把握しづらい。
幸いコロンは何故か「光る」ため私の周囲はある程度明るかった。
だがいつどこからゾンビが襲ってきてもおかしくない状況なのは確かだ。
「『無い物をねだるな、現状を把握してなるべく努力しろ。』って言ってたわよ?」
「誰が?」
「兄貴の嫁さん。」
「来夏じゃない。」
もう聞き飽きたガトリングの発射音を聞き流しながらトンネルの天井が抜けやしないかと心配してみる。
「安心して、水平爆撃並の衝撃を受けても耐えられるから。」
考えを読まれるというのは便利なのだろうけど。
でもちょっとだけイラっとするのは仕方ない事だろうと。
「お好みで読心機能をOFFにできるけどどうする?」
「最初からそうしてくれれば助かったんだけどね。」
「はいは~い、機能OFFっと。」
コロンの事だ、また勝手に考えを読まれるかもしれない。
私はなるべく重要な事は考えないようにしよう、と決めた。
「あら?でも自分の考えを制御できる人って中々いないわよ?」
この調子だから。
最終更新:2011年04月24日 09:40