「う~ん・・・中々うまくいかないわね・・・」
あれから校舎の屋上でコロンと魔術の練習をしているのだがまったくもって上手くいかない。
皇帝の守護者が使う技なのだからよほどの威力があるはずなのだが魔力のコントロールや術のイメージが掴めない。
まあこの雨の中で炎属性の技を練習するという事自体が間違っているのかもしれないが。
いっそのことその道のプロにでも教えてもらおうかなと思う。
「私もどんな技かはぼんやりとしか分からないのよね・・・雨も降って来たし。」
「でも凄く手ごたえを感じる、流石は貴方のお兄さんね。」
「いや~褒めても何も出ないわよ~」
コロンが体をクネクネさせる。
コロンは兄思いというよりかはただのブラコンではないのか?なんて事を思いつつ精神を集中させる。
「そろそろテントに入ったらどうだ?レインコート着てても冷えるだろ?」
エーリヒがテントの中から声を掛けてきた。
「心配してくれてありがとう、でももう少しだけ、この技が完成すればもっと強くなれる。」
「そうか、せいぜい風邪ひかないようにな。」
エーリヒがテントに戻る。
「しかし冷たい人ね・・・あんなのが兄貴の友人だと思うと・・・」
コロンが頭を抱える。
ところでエーリヒなら何か知っているかもしれない。
どうしても駄目な時には話を聞いてみようか。
最終更新:2011年05月14日 10:30