親父が焼き鳥をつまみにビールを飲むのが好きなように、俺も烏賊の姿揚げをつまみにソーダを飲むのが好きだ。
金はかかるがこれがやめられない、特に徳用姿揚げとラージソーダはが揃えば文句なしなのだが。
「贅沢言ってる場合じゃないか・・・」
桜上水はあの後怒って帰ってしまったから今は俺一人で店にいる。
「で、大将はどうするんだ?島に残るのか?」
「いや、俺も一緒に行くよ、どうせこんな店じゃあ稼ぎはは少ないし。」
「まあ元手0なんだから儲かってるだろ。」
「まあ、本土に帰ってから賞金稼ぎに指名手配されなきゃいいんだ。」
店主は小銭を数えている。
「ま、俺から言わせればグレーゾーン、ってところだな、店開いて稼いだことがバレなければの話だが。」
バリボリと姿揚げを噛み砕き、ソーダを流し込む。
体に悪いがやめられないんだな、これが。
「お嬢ちゃんは帰ったらどうするんだい?」
「さあな、取らぬ狸の皮算用はしない方針なんでね。」
「そうかい、慎重なこった。」
そうこうしているうちにソーダが無くなった。
「大将、おかわり。」
最終更新:2011年06月03日 17:19