画像処理されたかのように赤く染まった屋上で俺は飯の準備をしていた。

夕焼けと曇り空が重なるとごくまれにこういう状況になるらしいが、俺は滅多に見たことが無い。

最後に見たのは・・・死体が山のように積まれた戦場だった。

まるで血が全て空気に溶け込んでしまっているかのような赤さだ。

まるで夢のような感覚を覚える。

もしかしてこれは夢だろうか?と自分の頬をつねってみる。

痛いから夢ではないようだ。

そう言えば前もこんな事をしたような記憶がある。

俺もそんなに変わってはいない、ということだろうか。

「あれ?どうしたんですか?」

ヴォルフが心配してくれているのか声を掛けてくれた。

「いや、何でもない。」

皿を並べて飯を盛る。

正直カレーライスというものは食べにくくて好きではない、まあナンとかいうパンみたいなのに付けて食べるよりかは食べやすいし手も汚れないので楽なのだが。

毎週決まった曜日にカレーを食べるのは海軍が発祥らしい。

潜水艦乗りが曜日感覚を得る為に始めたのが発症なのだが本国ではカレーはなじみが薄かったのであまり普及しなかった。

本格的に普及し始めたのは前の戦争が終わって本国が日本になったころだろうか。

「ま、俺は美味くて食べやすけりゃどうでもいいんだがな。」

誰にも聞こえないように呟く。

うん、聞かれていない。

ちょっと寂しくなったが気にしない。

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最終更新:2011年06月05日 16:50