「美味しい!」

コロンが驚いたような声を上げた。

あの後ヴォルフとルーデルが手直ししたのでカレーの量は増えたが辛さは大分マシになっているようだ。

普通の辛口カレー程度の辛さだから私でもいくらかは食べやすくなっている。

「隠し味はコーヒー牛乳と蜂蜜ね、これが辛さとコクを引き出しているのよ。」

「ま、エーリヒの作ったカレーは食えたもんじゃないからな、そこはヴォルフの腕ってことだろ。」

ルーデルがカレーと牛乳を交互に口に入れている。

「お前が甘口好きなだけだろう、俺は辛いのが好きなんだ。」

エーリヒは自分のカレーに何かのスパイスをふりかけている。

「何だ?やらんぞ?」

視線に気付いたのかエーリヒが皿を隠した。

「やめておけ、喉が潰れるぞ。」

ルーデルがエーリヒを睨む。

「失礼だな、まるで俺が味覚音痴のような言い方だ。」

「自覚なかったのか?」

「お子様の味覚よりはマシだろうけどな、お前ピーマン嫌いだろ。」

「んな訳あるか、そういうお前こそ梅干苦手じゃねえか」

「和食が気に食わんだけだ、出されたものなら別だかな。」

「少しは意思表示って奴しろよ、そんなんだから型物扱いされんだよ。」

「俺は十分堅物だ、そう思われている方がいい。」

「・・・難しい奴だな、相変わらず。」

一番にルーデルが皿を空っぽにし、自分のテントに向かって歩いてゆく。

カレーはまだ減る気配はない、どうせなら少しおかわりでもしようかなと私はご飯を追加したのだった。

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最終更新:2011年06月06日 11:17