「将来ねぇ、俺には耳が痛いな。」
俺はさっさと立ち去ると階段を上がって艦橋に入った。
当たり前だが止める人間はいない。
だが目の前を遮る人間はいた、それも意外な人物だ。
「迎えに来てやったぞ、ライカ。」
籠崎栄斗、つまり俺の夫だ。
「何でエイトがここにいんだよ!」
「迎えに来たと言っただろ?それともまた何かやらかしたのか。」
「やらかしたよ。」
「一体何をやらかしたんだ?正直に言ってみろ。」
「・・・・・・た。」
「え?」
「・・・・・出来た。」
「何て?」
「だから!栄斗との子供が出来たって言ってんだよ!」
「・・・・ああ、そうか、何ヶ月だ?」
「三か月だ。」
「そうか・・・・・・・ってえええええええええええっ!?」
「五月蠅いぞ栄斗、落ちつけ。」
「い、いやいやいやいやいやだだだだだだって・・・。」
「ああ、俺も「一発」でデキるとは思わなかった。」
「・・・・・。」
栄斗は口を開けたまま固まってしまった。
「最近気分が悪かったからな、もしやと思ったらその通りだ。」
栄斗は何も言わず後ろを向いた。
「・・・栄斗?」
「うわあああああああああ!また赤字だああああああああっ!」
そう言うと栄斗は頭を抱えて走り出してしまった。
・・・そんなにショックだったのだろうか?
最終更新:2011年11月03日 18:37