怨み屋本舗(テレビドラマ版)

概要

テレビ東京系列にて、木下あゆ美主演でテレビドラマ化。金曜スポパラ内ドラマ24の第4シリーズとしてテレビシリーズ第1作『怨み屋本舗』が2006年7月14日より9月29日にかけて放送された*1

また、2008年1月6日には『怨み屋本舗スペシャル 家族の闇 モンスター・ファミリー』が放送された*2*3。スペシャルの放送に先駆け、関東地区のみ4日連続(2008年1月2日〜5日深夜、1日の放送で2〜4話ずつ)で第1作の再放送を実施した*4

2009年1月7日には水曜ミステリー9特別企画として『怨み屋本舗スペシャル2 マインドコントロールの罠』が放送され*5、エンディングにて同年夏より新シリーズを放送することが発表された。

2009年7月3日より9月25日まで、ドラマ24の第16シリーズとしてテレビシリーズ第2作『怨み屋本舗 REBOOT』が放送された。第1作は1話完結(11・12話を除く)であったが、『REBOOT』では1つのエピソードを前・後編の2話に分けて放送していた。

なお、登場人物などの設定は原作と一部異なる。

登場人物

登場人物の設定については、怨み屋の本名や過去が明かされず、先代や支店の存在にも言及されていなかったり、シュウや里奈の初登場が原作よりも早いなど、原作と異なる部分が多々ある。また、第1シリーズ第4話のバーテンダー役、『REBOOT』第11話の警察官役で原作者・栗原正尚が特別出演している。

怨み屋本舗工作員

■怨み屋
演:木下あゆ美
復讐代行業を営む謎の美女。普段は黒のロングヘアのかつらを付けて変装しているが、状況に応じて素の茶色のショートヘアに戻す。都内高級ホテルのスイートルームを延泊し続けている。蒼い蝶の標本のコレクションを大切にしている[注 6]。
愛車は第1作と『スペシャル』ではシトロエン・C3プルリエル、『スペシャル2』ではフィアット・500、『REBOOT』ではプジョー・207cc。

■情報屋(初代)
演:寺島進(TV1〜SP2)
怨み屋のビジネスパートナー。秋葉原に「ホキマ情報研究所」という事務所を構え、ありとあらゆる情報を入手する。ペットはパグのリンダ。
悪を自称する怨み屋のパートナーでありながら、快楽殺人を笑い話にする竹内コウ達に激怒したり、最終話で里奈に「何があっても振り返るな。ちゃんとした大人になれ。」と言ったりと、とても正義感が強い。
『スペシャル』と『スペシャル2』では船の中に、『REBOOT』では新大久保*6に事務所を移転している。『スペシャル』において本名が獅堂 詠示であることを春日に暴かれる。
『REBOOT』での所在は不明で、仕事を引き継いだ2代目情報屋も把握していない。

■情報屋(2代目)
演:加藤雅也*7(REBOOT)
初代から仕事を引き継いだ新たな情報屋。自称「世界一の情報屋」。初代同様に正義感が強い。
いつでもタバコを吸える場所に居たいという理由から滅多に外出はしない(怨み屋曰く「引きこもり」)ほどの超ヘビースモーカーであったが、『REBOOT』第7話で依頼料の大幅減額の条件として怨み屋によって半強制的に禁煙させられ、以後は火の点いていないタバコを銜えているようになる。
12年前、世界放浪の旅から帰国した時には家族全員が亡くなっており、行き場をなくしたところを荒川区の大衆食堂の主人である峰島に救われ、住み込みで働いていた。

■シュウ
演:竹財輝之助(TV1〜SP1)、小野健斗(SP2〜REBOOT)
怨み屋の工作員。熟女専門のホスト。愛車はアウディ・TT(SP2)。
ドラマでは怨み屋の実弟という設定ではなく、工作員の一人に過ぎない。シュウという名前が本名なのか源氏名なのかも不明。

■十二月田猛臣(しわすだ たけおみ)
演:前田健
驚異の身体能力を誇るオタク。その特異な能力を買われ、怨み屋の工作員となる。情報屋をマクロイン王国での上官、怨み屋をその婚約者だと思い込んでいる。
第1作では情報屋の隣室に住んでいた。また、REBOOTではオタク仲間が5人いて広場でオタ芸を踊っていた。

■杉河里奈(すぎかわ りな)
演:葵
17歳(REBOOTでは20歳)。第1作で依頼者として怨み屋と出会い、その後は工作員として働くことで依頼料を返済している。『スペシャル2』で引き受けた仕事で依頼料を完済し、『REBOOT』では高校を卒業して花屋で働いていたが、自らの意思で再び工作員としての仕事を受けることになった。
ドラマでは登場が原作よりも早く、早い時期に工作員になっている。また、借金総額が500万円ではなく300万円となっている。
工作員として働く中、親友の青山美香を失い里奈自身も犯人の長谷矢を怨み長谷矢の殺害に協力をした。この件もあって工作員の中でも怨み屋を慕っており、無印の最終話では怨み屋が姿を消したことを寂しがったり、REBOOT最終話で他の工作員が怨み屋を悪魔と言い表す中「たまには優しい時もある。」と意見した。

■水科マキ(みずしな マキ)*8
演:夏目ナナ(REBOOT)
以前に怨み屋へ依頼をしたことがあり、その依頼料の残金の支払い*9のために、普段は西銀座のナイトクラブ「エゴイスト」のママとして働いており、必要に応じて怨み屋の工作員としての仕事も行う。
女であることを武器にして仕事の為なら標的との性行為も厭わない。男を手玉に取ることに天性の才能がある。本人は工作員の仕事をストレス発散と考えており、怨み屋の仕事とは別に、男から虐げられている女性からの依頼も無償で引き受け、自らの報酬は女性への慰謝料とともに男から搾取している。

警察関係者

■寄木聡(やどろぎ さとし)
演:きたろう
渋谷南署の刑事。階級は警部。事件の陰に暗躍する怨み屋の影に気付き、その正体を追う。第8話で五反野進を暴行した3人組が事件を自供した際の言動から若干傲慢なところもあるが刑事としては模範的かつ誠実な人物で、『TV1』最終話では怨み屋から「この世のどこに正義があるのか?」と侮られた際や、『REBOOT』第0話では査問委員を担当する警察幹部から「くだらない正義は捨てろ」と問われた際に、「この世に正義はある」と断言してみせるなど、根は曲がった事や理に反する事を嫌う直向な心の持ち主。
『TV1』最終話では、部下の野田を正当防衛で殺害してしまったことにより、野田の母・文枝の逆怨みを買い、怨み屋に寄木の抹殺を依頼されてしまう*10
『スペシャルI』では白川家に怨み屋のことを追求した際タカヒコの爆弾で多量のガラスと共に吹き飛ばされるが生還し、包帯だらけで車椅子の状態でもまだ怨み屋を追い続けており春日から気遣われていた。『スペシャルII』では傷は完治して聖美を殺害した桐生を逮捕する。
『REBOOT』第0話での査問会の後に轢き逃げ*11に遭い、一時意識不明の重体となっていたが回復し、つくばセントラル病院*12に入院していた。最終話では、完治してはいないが杖を使えば歩行ができるくらいに回復し退院し、その後も怨み屋を追い続けるというラストシーンだった。
テレビスペシャル1のDVD特典では、死亡した野田のことを「俺を恨んでいるか?」と語りかける描写が追加され、白川家の中で怨み屋のことを白川一家3人追及する途中に中にあったタカヒコの爆弾によって白川一家3人と共に爆死した。このことで怨み屋は文枝の依頼を回想しており、文枝の依頼により実質的殺害である模様である。ラストシーンでは警察署内で寄木の遺影が描写された。

■野田修一(のだ しゅういち)
演:マイク・ハン(TV1)
寄木の部下で階級は巡査。エリート志向で出世欲が強いが、1話で味山や第9話で部下を売った長谷川に激怒していることから正義感は強い模様。
恋人商法に騙され貢いだ事で借金があり、情報屋に第11話の対象者である竜ヶ崎寅男(後述)が担当した事件調書を横流ししていた。
最終話にて宮野警視正にそそのかされ、寄木を殺害しようとするが反撃に遭い死亡。享年28歳。

■春日隼人(かすが はやと)
演:窪塚俊介(SP1〜SP2)
寄木の部下で階級は巡査。ギャンブルにより借金があり情報屋に捜査情報を提供していた。情報屋の本名を調べ上げるなど調査能力は高い。
『スペシャル2』で情報屋を公文書偽造容疑で逮捕しようとするが怨み屋に接触し、最低年収5,000万円を保証するという誘いに乗った。聖福教の闇献金リストを手に入れるため、フリージャーナリスト・渡辺誠の愛人である篠原彩を自殺を装い殺害した。そのリストの対価に怨み屋や情報屋に1億円を要求したため、怨み屋の策略により聖福教暗殺者・アイスクリスタル[注 14]と相討ちとなり死亡する。享年26歳。

■婦人警官
演:立花彩野(TV1)
渋谷南署の婦人警官。名前は不明。

東京ベイテレビ関係者

いずれも『REBOOT』で登場。

■星影静香(ほしかげ しずか)
演:長谷部瞳(幼少期:柴田杏花)
24歳。東京ベイテレビ報道局記者。山梨県出身。ニュースショーの視聴率テコ入れのために、アナウンス部門から異動してきた新人記者。正義感が強いがその想いはデスクの城島に全く取り合ってもらえず、不本意な取材や編集を強要され自己の倫理観と報道の現実の間で思い悩んでいる。
幼少の頃に強盗に遭い、押し入れに隠れていたところ自分の母親(演:麻田真夕)が強盗(久我山)に暴行されるのを見てしまう。数日後に母親が自殺。そのことを思い出さないよう封印していたが、最終回にて依頼を装い呼び出した怨み屋から、その当時のことを知らされる。
怨み屋達の様々な策略に翻弄され、最後は久我山を生放送中に殺害してしまい逮捕されるも、その際の顔は安らかなものであった。その後の寄木との取調べの際には、寄木に「罪を憎んで人を憎まずなんてただの綺麗事」と以前までの主張を翻した上で「あなたの心の中にも、怨み屋はいますよ」と話している。これは彼女の正義感が崩壊したことを示す。
父親の和夫は静香の母親のことで心を病んでいたようだが、第6話での彼の描写はない。

■城島進一(じょうじま しんいち)
演:田中哲司
41歳。東京ベイテレビ報道局デスク。世田谷区在住。既婚で3人の娘がいる。「どんな事件でも視聴者が喜ぶような商品に仕立てるのがテレビ報道」という歪んだ信条を抱いており、仕事に対する姿勢は非常に強引かつ自己中心的で、事件の被害者のことなど省みず、無茶な取材や事実を歪曲した番組編集を行うことも厭わない上に、それによって被害者やその家族などが傷つく様を目の当たりにしても一切悪びれもせず、怨み屋が後述の誤認取材の被害者に城島の実質的殺害を勧めるほど。
最終回にて、怨み屋の策略によって唆され、久我山と遺族である奈良崎による生討論番組を放送し、更に視聴率を取るために久我山の別事件での遺族である星影をも利用しようと目論んだが、生放送中に星影が久我山を殺害するという前代未聞かつ重大な放送事故を引き起こしてしまい、(視聴率こそ48%を超えたが)上層部より全責任*13を押し付けられる形で懲戒免職となって*14報道業界から永久追放となり、職・地位・社会的名誉を一挙に失う。その上、情報屋(2代目)によって個人情報を流出させられ、世間からは「殺人を予見しながら生放送した人でなし」「殺人テレビの城島」等のレッテルや二つ名を付けられ、家族にも見放され、街では道行く度に人々から後ろ指を指され続けるという生き地獄を味わう事となった*15

■大川(おおかわ)
演:斉木しげる
東京ベイテレビ報道局部長。
久我山の顔と名前を全面に出す城島案に当初は反対するも、民放視聴率トップに気を良くして久我山を視聴率稼ぎに利用するも、局員の星影が久我山を殺害する一部始終を生放送してしまう前代未聞の事態に愕然としてしまう。後日、城島に責任を押し付け突き放した*16

■オカムラ
演:多門勝
東京ベイテレビ報道局記者。城島同様、性格が悪く被害者のことを省みない。

■タキタ
演:長尾長幸
東京ベイテレビカメラマン。

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最終更新:2024年11月17日 10:34
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*1 テレビ大阪のみ6日遅れで放送。

*2 2008年3月19日にリリースされたDVD版のタイトルは『怨み屋本舗スペシャルI 家族の闇 モンスター・ファミリー 真実の結末ノーカット版』。TV版とは若干ストーリーが異なる。

*3 ネット局は、テレビ東京系6局と岐阜放送。なお、岐阜放送は今回独立局で唯一のネットかつテレビ東京系と同時での放送である(第1作は未放送)

*4 テレビ愛知のみこの再放送を4日連続同時ネット。

*5 テレビ愛知のみこの再放送を4日連続同時ネット。

*6 2代目との初対面時の怨み屋の言動より。

*7 『スペシャル2』のエンディングにおける『REBOOT』の予告には寺島進が出演していた。

*8 源氏名であり本名は不明。

*9 『REBOOT』第4話での仕事で完済。

*10 DVD版の『スペシャルI』で殉職してしまうが、事故なのか依頼による実質的殺害なのかは不明。TV版では『スペシャルI』以降も生存している。

*11 『スペシャル2』での、警察幹部と聖福教との癒着の件の口封じとみられる。

*12 茨城県牛久市に実在している病院。

*13 久我山殺害直後、大川と共に茫然自失で立ちすくんで放送中止などの措置が遅れ、自体悪化の一因となった。

*14 その際激怒して大川に掴みかかって怒声を上げながら警備員に連れて行かれた。

*15 実はこの一連の経緯はかつて城島から奈良崎一家を殺害した犯人と疑われた事で執拗な取材に追い回され、それが原因で職や家族を失う羽目になった誤認取材の被害者による城島の社会的抹殺という依頼内容だった。

*16 この際、激怒した城島に掴みかかられるも「責任とらないって言ってるだろ」と突き返した。