巽綾子とは「金田一少年の事件簿」のエピソード「飛騨からくり屋敷殺人事件」の重要人物。
CV:日野由利加/演:橋本愛(堂本版)、葉山レイコ(道枝版)
概要
巽家の当主の妻であり、「飛騨からくり屋敷殺人事件」の作中では既に故人(8年前に31歳で亡くなっている)。
龍之介(実際には征丸の方)、もえぎ、隼人の母親でもある。
人物
一言で言うとお嬢様育ちの悪い部分を凝縮した性悪女。
貧しいながらも何かと目立つ紫乃が気に入らないからという些細な理由で、壮絶なイジメを行なった。トラウマに苛まれる紫乃の姿からも、その時の行いの酷さが窺える。
鋭いツリ目のきつい顔立ちをしているが、裕福な家の出身というだけで巽家への嫁入りに成功し、悠々自適の生活を送っていた。が、最も溺愛し実子と思っていた龍之介は、実の弟と思っていた隼人や義母であった紫乃を「邪魔だから」という理由だけで毒殺しようとする程、性格が醜く歪んでしまっている。逆に実子であった征丸は、環境や紫乃の養育もあってか素直で母親思いの優しい人間になっているのだから、子供の教育という面でも良い母親ではなかったようだ。
巽家に嫁いでからも性悪ぶりは変わらず、紫乃や環といった使用人はよくその被害に遭っていた様子。優しい普通の子である環ですら「私だって何度辞めてやろうと思ったことか」とまで回想していることから、目の敵にされていた紫乃はもう想像を絶するほどのイビリを受けたことだろう。
死亡した後も紫乃の夢に出てくる等、ある意味では「首狩り武者」よりも恐ろしい亡霊と言える。
死因は不明だが、29歳(紫乃と同級生・8年前死去から逆算)という若さで早死にした点は、今までやって来たことへの報いと言えるかもしれない。
せめてもの救いは、生き残った子供たちにはこの女の残酷な面は見受けられないということなのかもしれない…(それどころか、隼人やもえぎは実母を反面教師として毛嫌いしている。夫の蔵之介が紫乃を後妻にしたのも、散々綾子に虐げられていた彼女を不憫に思ってのことだったのかもしれない)。
そもそも隼人に至っては「性格を一番継承してるのは龍之介兄さんだと思ってた(から実子でないと知った時驚いた)」とまで事件後に暴露している始末。
アニメでは上記の紫乃への「あんたの子供は幸せにはなれない」の一言(幻聴)だけが台詞であり、後半の「運命には逆らえないんだ」は、征丸(の幻影)が言った様に演出されている。
余談
この事件は全体を見れば「綾子が幼少期から紫乃を虐めなければ起こらなかった」事件である。
そのため、この事件はファンや読者から「最早、綾子が犯人」「綾子が全ての元凶」「諸悪の根源」と言われる。
なお、病院で紫乃と擦れ違うシーンで綾子に付き従っていた使用人達は「資産家令嬢であった綾子が巽家に嫁いだ」がゆえに綾子を慕っていたとされているが、裏を返せば「巽綾子という人物そのものは慕っていない」とも受け取れる。
それと同様に、学生時代に綾子と共に紫乃をイジメていた綾子の取り巻きも、所詮は単なる令嬢に取り付く腰巾着であり、イジメそのものも綾子に従う形で行っていた可能性もある。
29歳と言う若さで逝去したのは、ある意味では「天罰」と解釈でき、更に最期まで紫乃の実子である龍之介を何も知らずに自分の息子として育てていた事実が、事件の真相と共に発覚し、死体蹴りを受ける事にまでなった。
関連項目
最終更新:2025年02月15日 20:28