ABOUT 父帰る/屋上の狂人
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感想
前売りチケットは見事に撃沈したhana*でしたが、元々、当日券に全てを賭けていたので、それほどの落ち込みもなく、どちらかと言うと「私の戦いはこれからだぜ!」ってな感じ(笑)
そしていよいよ、当日券発売当日。
前日にしか予約が出来ないので、最初は3/31だったのですが、この日は運良く午後から出勤だったので、前日深夜に帰宅したにも関わらず、9:30には電話の前にて待機。
10時にはすでにNTTのテープがかかり、30分後には腐り始めるhana*....。
「しばらく経ってから、おかけ直しください。」と仰るテープにまで、「しばらく待っても、チケットが残っている保障は誰がしてくれるんじゃっ!」と故障中。
今日は無理だな....と悟りつつ、諦めることも出来ないhana*は、不真面目にも本を片手に読書しながら電話を操作して、11:28見事に完売のアナウンスを耳にしました。
そしてふてくされ気味に出社。
翌、4/1。この日は朝から、昨日とは何かが違う気がしていた。
何がって、負ける気がしなかった(笑)。
一体どこのどなたと、何を戦うのかも不明だが、とりあえず10:00にゴングが鳴り響いた(はず)。
私のそんな気持ちとは裏腹に、昨日と同様、NTTのテープばかりに繋がる電話。
それでも昨日とは違うのである。何が違うか。それは私の気持ち(笑)。今日のhana*は何の根拠も、昨日は拘っていた保障すらない自信に満ち溢れているのである。
しかし時計の針は11時を回り、無常にも相変わらずNTTのテープばかり。
さすがの思い込みhana*にも、嫌な空気が漂ってきた、そんな時であった。
「トゥルルルル....トゥルルルル....トゥルルルル....」
今まで聞いてきた音とは違う音がhana*の耳に入る。すっかり忘れかけていた、電話の呼び出し音だった。
負ける気がしないっ!と、強気で豪語していたくせに、「順番にお繋ぎしておりますので、このまま暫くお待ち下さい。」などと、ますますもって聞きなれない(というより、初めて)声にビビリまくる初心者hana*。「お待たせいたしました。」と、とても感じのよい声(肉声)を聞くと、余計にパニクってしまい....
「あ....あの....ち、父帰る/屋上の狂人という舞台の当日券が欲しいんですけど....」
と、専用ダイヤルにも拘らず、やたら丁寧というか、なんというか....(恥)
そんなhana*の胸中を察したか、不幸にもhana*の電話を取り次いでしまったお姉さんは、hana*を怪しむことも嫌がることもなく、とても優しく丁寧に説明をして下さり、当日券キャンセル待ちの整理番号を伝えて下さいました。
念の為、頂いた整理番号の確認をして登録完了すると、そのお姉さんは「あの....キャンセル待ちという事で、なんとも言えませんが....是非、会場にお越し下さい。お持ちしています。」と、暖かい声援(?)まで送ってくださったのである。
その言葉に気をよくしたhana*は、受話器を置き、たった今もらった当日券キャンセル待ちの整理番号を眺めつつ、不気味な笑みを浮かべ再び叫ぶのであった。
「負ける気がしないぜっ!」(進歩なし。恥)
さっきのビビリはどうした?!と、我ながらツッコミ所満載な戦いは、一先ず幕を下ろしたのである。
余談:この日は休日出勤だったのだが、hana*の妙なテンションとご機嫌振りに、同僚、後輩はさぞかし恐ろしい思いをしたことと思われ....
いよいよ第2ラウンドの開幕。
hana*が取れたのは、4/2の18時の部。の、当日券キャンセル待ち。当然、キャンセルが出なければならないのである。
まず、前売り券が購入出来た方々は、当然ながら開場時間から開演時間までの間に劇場に入場すればいい訳だが、前日に当日券購入の整理番号を入手した方々は、開演1時間前までに劇場入り口に集合しなくはならない。ここで遅れてしまうと、整理番号は無効となり、キャンセル待ちの整理番号を持っている人たちの、そのまた後ろに並ばなくてはならなくなる。そして、hana*も手にした当日券キャンセル待ちの整理番号を持っている方々は、開演15分前までに劇場入り口に集合。こちらも勿論、時間厳守である。
一体、当日券がどれほど用意されているのか、はたまたキャンセルは出ているのかなどわからないことだらけ。
そんな中、私は友人と共に17時に劇場シアタートラムに到着。
とりあえずお茶でもしようかと、近くのcafeひ入るも、友人はソワソワ落ち着かない様子。そんな彼女を落ち着かせようと、私は「大丈夫だよ。私、今日は負ける気がしないんだよね。」と、励ました。私はここで、その友人がそうだよね。と、笑ってくれることを期待していたのだが、その友人はニコリともせずにのたまった。
「あんたの何の根拠もない自信なんて聞いてないわよ!入れるかどうかが問題なの!」
....ごもっとも....さすが、長年付き合いのある友人は手厳しい。確かに、この時の私の自信には何の根拠もない。外していたら、なんて言い訳をしていたんだろう。
しかし、昨日はその何の根拠もないhana*の自信が吉と出たんじゃないか。そのお陰で今、2人してここにいるんじゃないか。やっぱり大丈夫!と、1人満足してコーヒーに口をつけると、友人は早々に席を立ち、早く並ぼうと出口に向かった。まだ17:20にもなってないんですけど.....
なんだかんだで、キャンセル待ちの集合時間。
係りの方が、整理番号順になるように声をかけ、その順番に整理番号と氏名、電話番号の確認(この頃は身分証明書の提示はありませんでしたが、今は身分証明書の提示が必要です。)をしていく。そのまま暫く並んでいると、徐々に列が前へと進んでいる。よく分からないまま、前に習って進んでいくと、劇場の中へ入って行った。そう、見事チケットが入手出来たのである。
根拠のない自信に満ち溢れていたhana*も、その自信に全くもって信頼を寄せてくれなかった友人に対して、私の自信が吉と出た手柄をひけらかすことも忘れて、呆然とチケットと紙幣を交換した。
私たちが手にしたチケットは、舞台から見て1番奥のトラムシートなる半立見席。いよいよ劇場に入場です!
未だ半信半疑の私達は、フラフラとエントランスホールの中程へと歩みを進め、耳に入って来たままにパンフレットを購入。そのまま劇場入り口へ。
係りの方がいて、私達のチケットを見て席まで案内してもらうと、1番後ろとは言え舞台が近くに感じる。そうか、定員200名だもんな。この辺でやっと、「入れたね。」とか「良かったね。」、「舞台近くない?」などの会話を交わせる程に落ち着いてきた。
その舞台には、最初に上演される「父帰る」の舞台セットが組まれている。パンフレットやポスターで見た、昔の日本家屋。すごい凝った造りで、私は早くも舞台の世界に入り込んでしまった。
舞台の奥行きがフルに使われていて、本当にそこで生活している人がいるみたい。
劇場は1階席のみで、きっとどの席からも舞台はよく見える。反対に、客席の小さな動きも舞台から把握できるかもしれない。
チケットを取る時、どうして定員200名なんて!と、怒り心頭したこともあったんだけど(笑)、劇場に実際に足を踏み入れて、その世界に入ってしまったmiuは、剛さんはこういう所で舞台をやりたかったんだ。そんな中に今、私はいるんだ。こんな世界に入れて、そこで剛さんのお芝居が見れるのは、すごく贅沢なことだと感じていた。
私はこの舞台のことを知った時、「菊池 寛さんって、どんな本を書いた人だったっけ?」と、大学時代、国文学を専攻していたとは思えない初歩的な疑問に遭遇し、書店に足を向けた。
しかしどの書店を探しても「父帰る」も「屋上の狂人」も見当たらない。そこで検索してみると、どうやら「父帰る」の方は取り扱っているらしいことが判明。早速、取り寄せることにした。
数日後、書店に届いた「父帰る」を取りに行き、近くの喫茶店で早速読破。短編だからすんなり読みきった。
大体のあらすじは、父(沢竜二さん)は20年前に妻(梅沢昌代さん)と子供を置いて家出。その間長男(剛さん)は、弟(勝地涼さん)と妹(西尾まりさん)が父親がいないことで苦労をしないようにと、必死で家族を支えてきた。しかし、その父が突然帰ってくる。母、弟、妹は父のことをすんなり受け入れられるが、今まで必死に父親役を果たしてきた長男は、父をどうしても素直に受け入れることが出来ない....。
まず感じたのは、私たちが生活している現代と、物語で描かれている時代とが違うということ。私には父親が帰ってくることは勿論、受け入れることも理解が出来なかった。
家族のあり方が違うということもあると思う。現代では父子家庭や母子家庭は、特に珍しいことでもないし(現に私の家も母子家庭である)、それほどの苦労を感じない。
その為か私には、現実感を感じないというか、感情移入がしにくかった。
しかし、実際に舞台を見ていると、そんな考えが一気に吹き飛んでしまった。劇場に足を踏み入れただけで、その時代にタイムスリップしてしまったような感覚だった。
暗転の後、舞台に証明が当たり、そこには夕飯を待ちながら寛いでいる賢一郎と、夕飯の支度をしている母・おたか。確実にそこで生活をしている2人。賢一郎が呼んでいる新聞をめくる音が耳に届いた時は、私はその家で飼われている猫にでもなった気がしていた。
現代ですらそんなことは言えまい。と感じるような言葉を、賢一郎が父親に声を荒げて投げつけるシーンがあるのだが、私はそこで賢一郎がどれ程父親を必要としていたのかを感じた。(後にパンフを見ると、同じことを剛さんが話していたと知り、大感激♪)
本で読んでいた時はすごく難しく感じていたのに、猫になって家の中でその話を聞いて、様子を見てみると、ちっとも難しくなんかなかった。そこにあるのは、人それぞれに形は違うけれど、父親への愛情に溢れている暖かい話。
それにしても、剛さんの舞台観劇は初めてだったのですが....。
いいお声でした(照)
勝地さんとの兄弟姿もすごく良かった。変な日本語なんだけど、本当にしっかりした頼れるお兄さん。
それに、剛さんの和服姿って素敵だわ(大照)
剛さんのファンの方なのか、客席にも和服姿の方が多数見えました。
私はこの話で剛さんが演じる役を知った時、とても観たい!と、それまで以上に思った。だからどちらかと言うと、「屋上の狂人」の本がどうしても欲しかった。
が、どこを探しても見当たらず....きっと短編だから、表題は違うのだと思う。
「父帰る」があっという間に終わり、拍手で一気に体だけ現代へと連れ戻されると、劇場内は次第に明るくなり、10分間の休憩。すごく集中していた為、時間的には30分程度だったはずなのに、一気に疲労感というか、長編の名作映画を1本観終えた感じ。
友人もそんな感じだったらしく、暫くは2人とも黙したままだった。
徐々にタイムスリップした体と心が合体してくると、舞台に下ろされた幕の奥からは、舞台のセットを換える物音がしている。ここで職人さん好きのhana*の血が騒いだのは言うまでもない。
「あの幕の後ろでは、今、何が行われているのだろう....?とか考えてるんでしょ?」
と、これまた現代になじんだ友人に、これまた鋭いツッコミを入れられ赤面。
そんな風にして10分が過ぎ、またしても劇場内の照明が落とされた。
「父帰る」の時とは全く違った明るい音楽が鳴り響き、舞台を覆っていた幕が一気に払われると、屋根の上で笑っている剛さんがいた。
幼い頃から高い所に登るのが好きだった義太郎は、屋根に登っては彼にしか見えない天神や天狗と会話し、彼らの舞を見て喜んでいる。彼を心配する父(沢さん)や母(梅沢さん)の手配した祈祷も治療も効果がない。狐憑きだと言われてしまった長男は、世話好きな隣家の漁師(高橋 克巳さん)が連れて来た、怪しい巫女(キムラ緑子さん)によって悪霊払いされるが....
こちらは笑いが絶えない、明るくて優しいお話でした。
屋根の上での剛さんの言動から目が離せなくって.....
舞台のことを話していた雑誌に「屋根には結構な奥行きがあるから大丈夫(落ちたりしない)。」と話していたのを読んでいたのですが、もうハラハラしっぱなし。日頃の剛さんの運動神経やバランス感覚を見ていても、屋根の上で片足立ちされるとこっちの心臓が痛くなってしまって....
そんな風に感じていたのは私だけではなかったようで、劇場中から「ひゃぁぁっっ!」と言う声が聞こえました(笑)
これは私の勝手な憶測なのですが、剛さんはどんなに役に没頭していてもすごく冷静な、草なぎ剛の部分が奥底にいる気がするんです。
だから、客席から起こるそんな声を楽しんでいらしたように感じました。
祈祷や治療をしようとする両親も、祈祷している巫女さんを怪しんで、義太郎を守ろうとする次男(勝地さん)も、大人しく祈祷を受けない義太郎を抑えている吉治(宮川一人さん)も、誰もが心底義太郎の幸せを願っている。だから暖かい。
私はやっぱり猫になって、1日中義太郎と一緒に屋根の上で過ごしてみたくなった。
義太郎の話す言葉に耳を傾けたり、義太郎の声を子守唄に昼寝したり、そんな風に1日を過ごせたら、きっと幸せだろうと思う。
.....って、私相当疲れているのだろうか.....(滝汗)
そしてやはりあっという間に舞台は終了。
本当に大きな拍手が鳴り響きました。私も後から手を見ると、真っ赤になっていた。
舞台の奥(義太郎の家の中)からカーテンコールで再び登場した皆さん。中心に立った剛さんは、すごく晴れやかなお顔。
お辞儀をして、また家の奥へと帰って行くのですが、剛さんは歩調を緩め....
再び客席の法を向いて、深々とお辞儀をしてくれました。
その姿を見て、勝手に妄想。
きっと、私たち観客がどれだけ入り込んで、どれだけ感動したのか、剛さんに伝わったんだ!
思い込みmiuの暴走は誰も止められず....(笑)
劇場のエントランスでアンケートを書いた私たちは、感動と興奮冷めやらぬまま近くのレストランへ。
注文を済ませると、どちらからともなくつぶやいた。
「次、いつ行く?」(笑)
今回も当日券キャンセル待ちの整理番号をgetしたhana*。
しかしその番号は、前回の整理番号の倍ほど大きい数字....。
つまり。整理番号順に列になると、後方になるのである。
「これはさすがに無理....かも....(滝汗)」>
そんな不安を胸にシアタートラムに向かったものの、いざ劇場が見えると前回の感動がよみがえり、期待で胸が踊ってしまうのであった。
そんなhana*の不安と期待をよそに、キャンセル待ちのチケット販売時間が訪れ。
前回同様、さくさくと販売が進んでいく。
そしてhana*はと言うと....
入れたのである。私の手に握り締められていた5000円札は、あっという間に光り輝く入場チケット(と、おつりの1000円札)へと摩り替わった。
「やったぁぁぁ~っっ!!」
と、私が大声を出したいほどの喜びを感じたのは、劇場内へと足を踏み入れた時であった。
私が手にしたチケットは、立見席。
とは言え、劇場の両脇にある階段の1段に1人ずつ立つので、しっかり見れるし窮屈さも感じない。(前回私が見たトラムシートと立見席は、4000円。)
そして私が手にしたチケットの番号は立見席の3番。
座席にして言うと、劇場(舞台正面で見たときの奥行き)中央よりやや前方なのである。中央よりと言っても、ここはシアタートラム。なんせ定員は200名程度。
これはもしや....すごく舞台に近いのでは....?
ここなら、舞台上の人物の表情までハッキリ見えるのではないだろうか....
そんな期待を胸に、じっと開演時間を待つのであった。
そしてついに待ちに待った瞬間が。劇場内の照明が落とされ、すぐ近くの舞台からはかすかに物音が聞こえる。これはきっと、剛さんが舞台に現れた音かも知れない....などと考えていると、舞台が明るく照らされ、そこには剛さんが座っていた。
やっぱりっ!すっっっごく近いっっ!!
前回は後方の席だった為、舞台全体が見え、初めて見るにはすごくいい席だったと思うのだが、残念ながら舞台にいる方々の表情までは、私の視力では望めなかった。(でも充分堪能しましたよ。文句なしでした。)
だからこそ、今回は舞台の近くがいいと思っていたのである。
前回、私がいきなりその世界に引き込まれた、たかと賢一郎の姿。
今回はその賢一郎の表情までしっかり見える。最初はこんなに穏やかな表情をしていたんだ....
そんな感動に浸っていると、剛さんが最初の台詞を発した。
∑( ̄□ ̄ノ;)ノ 声がっっっ!!!
すごく聞き取り易いし、相変わらずの美声なのですが....ちょっと喉がイガイガしてる感じ....だったのではないでしょうか.....?私の勝手な推測なんだけどね....(汗)
でも、やっぱり前回のときとは声が違ったし、なんと言っても今回は1日に最低2回。多ければ3回の公演がある。やっぱり喉も疲れるんだろうな....
なんて心配をその場でできる訳もなく、劇場を出てから考えたんだけど....(苦笑)
さすがに声の異変には、すぐに気付いたんだけど、すぐに舞台に集中してしまいました(^‐^;)
だって....。声のことはあっても、前回見た時より迫力があって、素敵だったんだもの。
私が前回すごく感動した、賢一郎が父親に声を荒げて思いを伝える場面。
今回もすごかった。前回は後方とは言え、その場面で剛さんの顔が見える位置だったんだけど、今回は剛さんの背中が見える位置。
でもその背中がすごい!
背中からすごく伝わってくるの。怒りも憎しみも。どんなに消し去ろうとしても消し去れなかった愛情も。全部伝わってくるの。
それでね、思い出したんだけど。
以前、たしか「黄泉がえり」の時だったと思うんだけど....本当に記憶が定かではないんだけど、塩田監督が仰っていたように思うから、やっぱり「黄泉がえり」の時だったと思う。
「彼は背中で語れる人」って言葉。
その言葉を聴いた時、感覚的に理解できた。でも、間近で実際にそれを見て、本当に納得できた。
だって、本当に背中が語ってるんだもん。それ以外に言いようがない。
前回は「屋上の狂人」への感動のほうが大きかったんだけど、今回は「父帰る」での感動がすごく大きかった。
剛さんは雑誌とかで、お芝居してると「生きてる」って感じるって話していたけど、こういうことなのかな....って思った。
舞台って、同じ時間をかけて同じ台詞を言って、同じことの繰り返しのようで実は違うんだろうなって思った。
その時のお客さんも違うし、何より演じている人自身、昨日とさっきと一緒ってことはないんだもんね。
同じ台詞を繰り返しているから、余計に昨日やさっきとの違いを感じるのかもしれないなって感じた。
やっぱり贅沢な舞台でした。
毎週土曜の朝の恒例行事と化してきた、チケット獲得のための電話。
だって、何度でも見たいんですもの....(/▽\*)
何回か挑戦して心得たこと。それは、どんなに頑張っても、繋がるのは11時を回ってからのこと。
それでもやはり、10時にはかけ始めてしまうのが、Fan心理でしょう....(^▽^;)
そんな訳で、この日もhana*は9:45には電話の前で待機。
すでに電話帳に登録されている、チケット予約特設番号を訳もなく確認したり、時計の針を勝手に進めてしまおうかと言う、どうしようもない上、全くもって意味のない衝動と戦いつつ、予約受付開始時間となったのである。
2回目の時、感想を読んでくださった方ならお分かりと思うが、私は1人で劇場に足を運んだ。何故なら、1回目の時は一緒だった友人と予定が合わなかったから。
そんな中私1人で、しかも舞台の近くで2回目を見たことにいじけていた友人は、
「今度こそ、私が整理番号をgetして、自分の力で見るんだっっ!」
(1回目も私が整理番号をgetした。)と、張り切っていた。
それでも私が電話をかけたのは、別に彼女を信用していなかったからではない。
ただ単に、これで私が整理番号をgetしたら、彼女は相当悔しがるだろうと言う、単なる意地悪からである(笑)
とは言うものの、私自身が行けなくなってしまった2回を含めると、すでに私は4回も整理番号をgetしているのだから、そうそう取れるものではないだろうと、完全に諦めていたのである。
しかし世の中何が起こるか分からない。
全く欲がなかった。....と言えば嘘になるが、今までの中では1番のんびりと優雅な気分でかけていた私の耳に、突然呼び出し音が聞こえたのである。
慌てて時計を確認すると、その針は10:06を指している。
普通なら、この時間で呼び出し音を聞けば喜ぶのだろうが、この日の私は整理番号は取れないものと確実に思っていた為、違うことを思った。
∑( ̄□ ̄;) もう無くなったのっっ!
いくらなんでもそれはないだろう....と、今なら自分に突っ込みを入れられるのだが、この時は心底心配になった。
だって、某女性週刊誌(剛さんの表紙に釣られ、買ってしまった....照)には、前売り8分完売!!と書かれていたんだから、当日券が6分で完売することだって有り得るのではなかろうか....と、そんなもっともらしい理屈を考えた訳でもないけど、パニくっていた。
しかし、冷静に考えれば今まで1時間半はかかっていた完売に、いきなり6分ってのはおかしな話で....
ついに取れたのである。
キャンセル待ちではなく、ただの当日券の整理番号がっっ!
全ての手続きが終わると、私は急いで友人に電話。
しかし当然ながら話中である。そこで友人の携帯に電話をかけてみる。するとコチラも話中....
もしや両手で....?( ̄ω ̄;)いや、それはいくらなんでも....家族に手伝ってもらうと言う、ズルを働いていたのである。それで何が自分の力でなんだか....
とりあえず、彼女のお兄さんの携帯にかけてみた。
すると、スゴイ勢いで出るではないか。しかし、様子がおかしい。
私の耳に入ってきたのは、聞き慣れた「もしもし」ではなかった。
「父帰るの当日券下さいっっ!」
....いや、チケット買うのに電話は掛かって来ないでしょう....
私が大爆笑をしたのは、言うまでもない。
大体、身分証名が必要になったのに、どうするつもりだったのだろう....
何はともあれ、私たちは無事に、そして初の当日券の整理番号を手に入れたのである。
舞台当日。この日は当日券の整理番号を手にしていた為、開演1時間前の2:00にはシアタートラムにいなくてはならない。
そこで私たちは、少し早いがお昼を三軒茶屋で食べることにして、12時に三軒茶屋で待ち合わせた。
私と違って友人は、感情の起伏が激しいタイプ。
かと言ってヒステリックな訳ではないのだが、興奮するととにかく落ち着かないし、挙動不振になる。
この日も当然、おかしかった。
当日券が購入出来ると言う事は、たしかにキャンセル待ちより先に席を選べるのだから、舞台から近い席を選べるかも知れない。
ただ前回の私のように、端っこで立ち見だけど、舞台からは近い席。と言うのも存在するのである。
ただ、素直に喜んでいる友人に水を差すことはないと、黙っていた。
出来ることなら友人の為にも、そして私の為にも、前回より見やすくて舞台に近い席だといいな....と、思っていた。
友人の方も、自分の性格をよく把握しているらしく(笑)、
「私は舞い上がっちゃうから、席はhana*が決めてね!」
と、私の腕を強く掴んで何度も言っていたので、尚更、いい席であることを祈った。
しかし。
考えが甘かったのは、私の方であった。
そう。彼女は舞い上がっていたのである。そのことはきっと、彼女が1番良く理解していたのであろう。だからこそ、あんなにくどいほど、私の腕を握り締めていたのだ。
私たちの整理番号は10番と11番。
座席表を見せられた時、私たちの願った通りの席が、まだいくつかあったのである。
舞台全体が良く見えて、舞台から近く、きっと舞台にいる人の表情までよく見える席。
劇場の幅から見て中央であり、舞台を前にしたらやや前方という、素晴らしい席を探し当てた瞬間だった。
それは私が係りの人に「ココがいいです。」と、指し示すより少し早かった。
「いっ1番前が2つ空いてるよっっ!」
その声は紛れもなく私の友人であった。そう、彼女は舞い上がっていたのだ。
そのことを彼女は把握していた。彼女が把握していても、自分ではどうしようもないから、舞い上がっているのである。
そんなこんなで、結局私たちは最前列の両端と言う、素晴らしく舞台に近い席を手に入れたのである。
あんな状態の奴を、1人にしていいものなのやら.....(冷汗)
チケットを手にしてからの約1時間、だから言ったのにっ!とわめく彼女を尻目に、私は笑い続けていた。
さっきの誰にも物を言わせないであろう、彼女の勢いはそれほど凄まじかったのである。
結局私たちは、彼女が「父帰る」で剛さんが近い席、私が「屋上の狂人」で剛さんが近い席へと別れた。
今だから言うけど....きっと、彼女の方が両方見易いと思ったの。
私の席からだと、きっと「屋上の狂人」の屋根の上が見辛いだろうなって。
私は既に2回見ているし、今回はすごく近くから、剛さんや俳優さんたちの表情を見るのもいいなって、そう思ったのだ。
私は3回しか見ていないけど、その中でも今回が1番良かった。
舞台と客席のテンションと言うのかな、すごく近く感じたの。
よく演者さんたちが、お客さんと旨くコミュニケーションが取れたって表現をするけど、あぁいうことを言うのかも知れない。
「父帰る」、ますますの迫力を増してました。
迫力をなしただけではなくて、家族の感じが強まってた。
自分でも驚いたんだけど、舞台が見終わった時に初めて自分が泣いていることに気付いたの。それだけ集中してた。
今までで1番舞台に近い席だったから、剛さんだけでなく、いろんな方の表情が良く見えたし。勝地くんの表情もすごく印象に残ったな。父親に会えた嬉しさも、兄がそのことを喜んでいないと気付いた時のハッとした表情も、すごく良かった。
今回は剛さんが父親に感情をぶつける場面を、ほぼ正面から見たんだけど、剛さんの表情もすごかった。
父親の前で胡坐をかくのに、実はすごくドキドキしているとか、胡坐をかいてはみたものの、父親が直視できないとか。言葉では言っていないのに、やっぱり父親を父親として思っているのが伝わってきた。でも、俺が家長としてやってきたんだぞ!って気持ちも。
10分の休憩時間になって、今まで5分位で次の「屋上の狂人」に頭の切り替えが出来たんだけど、この日はなかなか出来なかった。
あっと言う間に休憩時間が終わってしまったけど、不思議なもので「屋上の狂人」の明るい音楽を耳にすると、心はすっかり義太郎にくびったけ状態(笑)
きっと義太郎の隣で空を眺めていたら、嫌な事も、自分の中のドロドロした部分も、忘れられる気がする。
毎日じゃなくていいから、本当に疲れてしまった時にそっと隣に座ってみたい。
でも、吉次と同じように怒られてしまうんだろうな....
そこは気付かれないように....そぉぉっと....(笑)
いざ始まってみると、屋根の上の剛さんも想像以上に結構見えました。
客席も、さっきまでの雰囲気とは全然違うの。
きっと客席のコンディションも、私が見た中で最高だったと思う。
義太郎さんの新技も見れたし♪お父さんと吉次が相撲の話をした時、屋根の上の義太郎がね....(〃▽〃)これ以上は秘密♪
そして何より驚いたのは、今までは気付かなかった事実。
屋根から下りた義太郎。これが、すっごぉぉぉく近いっっ!
屋根の上のイメージがあまりにも鮮烈だったので、このことを忘れていました。
あんなに剛さんの近くに行くことは、きっと後にも先にもないでしょう....
初めて剛さんが近いことに気付いた衝撃が、ようやく落ち着き、舞台に集中。
本当に手を伸ばせば届く距離に舞台があるので、皆さんの表情が見えたし。
そして私は再び世界に引き込まれていたのです。面白くて楽しくて、本当に良く笑った。
客席中が笑っていた。
その時、私を現実に引き戻したのは、幸か不幸か剛さんでした。
そんな近くでこっちを向かないで下さいっっ!!
分かってます。たまたま私がいた方向を向いたのです。そんなことはすっごくよく分かっています。
だけど、心臓に悪いんですっっ!!
そこに惚れたんだけど....義太郎の行動は先が読めず.....
思わず目を逸らしてしまった....今から思えばもったいない....のだろうか?
いや、今思い直しても、あれ以外ないだろう。
とにかく(笑)いろんな意味で最高でした。
「屋上の狂人」の最後。兄弟愛の暖かい場面でも、私が見た中で1番感動した。
剛さんの声も戻っていたし♪
来週も見たいけど....無理かなぁ....
昨日もしつこく電話したのですが....
やはりダメでした....キャンセル待ちも無理だった....
それでも、ダメモトで行ってきてしまいました。シアタートラム。
キャンセル待ちのキャンセル待ちなので、本当に望みはないと分かっていたんだけど。
やっぱり入れなかったんだけどねそれでも行って良かったですよ。
それはシアタートラムやシスカンパニーの方々が、毎日毎日、1人でも多くの人を劇場内に入れようと努力してくださっていたから。
私が初めて舞台を見たのは封切直後だったけど、その頃は存在していなかったキャンセル待ちのキャンセル待ちだって、劇場の人は断ることだって出来たと思う。でも、当日券の後にキャンセル待ちの整理番号持っている人の数と席を確認して、キャンセル待ちのキャンセル待ちをしている人たちにも整理番号を配ってくれて、何度も入れるか分かりませんって説明をして、本当に整理番号がなくなった時も、入れなかった時も、ごめんなさいって丁寧に頭を下げてくれた。
本当の所、それってすごく面倒だったんじゃないかと、我ながら思うんだよね。
劇場の横とは言え、公道な訳だし駅の近くだけに、ただでさえ人が多いから、本当に大変だったんじゃないかと思う。
でも、すごく丁寧に対応してくれたのが、本当に印象に残った。
だから、最後も劇場に行ってみて、それでダメだったら本当にどうしようもないんだって、潔く諦めようって思ったんだよね。(劇場で働いてる方には、ご迷惑だったかも....)
舞台の内容は、私もココで何回もupしていたけど、劇場での嬉しかったことなんかは書いたことがなかったので、最後に書いておこうと思いました。
本当に嬉しかったんだもの。花束とか預かってくれる時も、すごく丁寧に対応してくださって。
劇場でお仕事されていた皆さん、1ヶ月間ありがとうございました。
最終更新:2006年12月22日 21:41