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  • last school days

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

last school days

最終更新:2020年03月13日 22:58

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集

入学当初は長いように思えた高校生活もいよいよあと2ヶ月を残すところとなった。
時間ってのは楽しい時ほど早く過ぎ去ってしまうって言うが、まったくもってその通りだと思う。
俺は帰りのHRの後、いつものようにSOS団の部室へと足を運ぶ。
この何の変哲も無い日常を、今頃になってやっと俺はかけがえのない貴重なものなんだと認識するようになった。
おいしいお茶を煎れてくれる未来人や、定位置で黙々と本を読む宇宙人。
退屈しのぎにゲームの相手になってくれる超能力者。それらをおもうがままに統率する団長。
数え切れないほど巻き込まれた面倒ごともその一つ一つが俺の中では色鮮やかに輝き続けている。

この時間も、この会話も、この関係もみんなずっと続いていくものだと思っていた。

ノックもせずに部室に入り、自分でお茶を煎れるのがもう習慣になってしまった。
慣れとは怖いものだな。朝比奈さんが卒業していなくなった当初はあれだけ憂鬱に感じられたこの空間も、今ではこれが当たり前のように感じられる。
もう少しすれば長門や古泉・・・そしてハルヒにも毎日のようには会えなくなるのか。考えまいとしてきたがいざ卒業を目の当たりにすると、嫌でも頭の中に浮かんでしまう。
俺がそうやって感慨深くしんみりしているとハルヒがやってきた。
「お茶!」
開口一番にそう吐き捨てると、パソコンの前に座して不機嫌そうな面持ちで頬杖をつきながらなにやら思案にふけっていた。
ハルヒ、お前も俺と同じようなことを考えたりするのかな?ハルヒがそういう気持ちになっているところを想像すると、なんとなくだが安心感みたいなものが込み上げた。ああ、俺だけじゃないんだって。
俺は雑用兼お茶汲み係としての職務を全うし、いつもどおり古泉とゲームをして暇をつぶした。


なあハルヒ、お前にとってこの3年間は俺と同じようにかけがえのない貴重なものになったかい?
俺みたいな凡人と過ごした時間がその中に含まれているとしたなら、これ以上に嬉しいことは無いぞ。


卒業式が終わった後、俺は誰に命令されるでもなくSOS団の部室へと歩を進めた。
最後の最後まで変わらない。卒業式で涙を流さずにいれたのも、まだSOS団としての日常が終わってないと頭のどこかで考えていたからだろう。
部室に入ると、そこにはなぜか朝比奈さんがなつかしのメイド服姿でいて、ハルヒと楽しそうに喋っていた。
何でもSOS団最後の日だからとご丁寧に制服まで着て登校してきたんだと。1年ぶりのメイド姿、正直たまりませんよ朝比奈さん。
土日の野外活動で何度か会ったことはあるものの、この久しぶりのSOS団の雰囲気に思わず涙が出そうになった。

それから午後まるまるSOS団のお別れ会となった。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。俺はこれから年を取るたび、この言葉をずっと実感することになるんだろうな。
古泉も長門も、別れを惜しみつつそれぞれ帰っていった。朝比奈さんは誰かが帰るたび泣き出しそうになっていたが、そのたびに俺が慰める。
本当は俺も慰められる立場なのだが、この3年間俺がどのようなポジションにいたか知る者はそれがどれだけ不可能な事か分かるだろう。
おかげで俺は何事にも動揺しない素振りをみせるという強靭なハリボテの精神力が身についた。活動のたびに払わされるジュース代と引き換えにな。感謝してるぞハルヒ。
そしてとうとう朝比奈さんも俺とハルヒに涙をぼろぼろこぼしながら挨拶をし、名残惜しそうに帰っていった。


部室に残ったのは俺とハルヒだけとなった。
夕日で赤く染まる部室が俺をさらに感傷的な気分へと駆り立てる。
「楽しかった毎日もこれで終わっちまったな・・・」
ハルヒの制服姿ももうこれで見納めか。そう思うと物凄く損な気持ちなる。
「一応言っとくけど、卒業しても活動は今までどおり続けるわよ!SOS団は永久に不滅なんだから!」
いつもどおりの元気さで俺に向かって宣言するハルヒを見て、この3年間が頭の中を駆け巡った。ハルヒが俺を訝しげに見つめている。
「ちょ、ちょっと、何泣いてんのよ!ホンットみっともないわね!」
いつの間にか目が涙で滲んでいた。俺は慌てて拭う
「スマン、なんか・・・その・・・」
「なによ、言いたいことがあるならはっきりいいなさい!」

俺は心の中の疑問をハルヒにぶつけてみた。俺もちょっとぐらい青春したってかまわないだろう?

「なあハルヒ、お前はこの3年間どうだった?」
「どうって・・・そりゃあ楽しかったわよ。思い出もたくさん出来たし、それなりに面白い体験もしたしね!」
「その中に、俺との思い出も入ってるか?」
「な、なに気持ち悪い質問してんのよ!あんたって時々信じられない位クサイ台詞吐くわよね!」
「で?どうなんだ?」
「・・・・・・入ってないわけ無いじゃない。あ、あんただって雑用とはいえSOS団の一員なんだから」
なんとか正直な気持ちを聞き出したかったがどうやら無理そうだ。
「そうか、そりゃ嬉しい限りだ」
そういって俺は帰る用意を始めた。さようならハルヒ、SOS団、俺の輝かしい高校生活。

ドアノブに手をかけると突然ハルヒから呼び止められた。
「ちょっとまちなさい!キョン!あんたねぇ自分だけ質問しといた挙句、満足したから帰るなんていい度胸してるじゃない」
別に満足はしてないがな。仁王立ちで俺を見つめるハルヒを後光が差している。なるほど、今のおまえは確かに神様みたいだよ。
「なんだ?おまえも何か聞きたい事があるのか?」
「あたりまえじゃない!山ほどあるわよ!ここであんたを問いただすと日が暮れちゃうから・・・そうね、帰りながらにしてあげるわ!」
ふふんと鼻を鳴らしてご機嫌な笑みを浮かべるハルヒ。この時ばかりは俺も少しばかりハルヒの魅力に取り込まれそうになった。

少しだけ延長を許された俺の高校生活。3年間を締めくくるにふさわしい時間が少しずつ動き出した。


「ちょっと何よこの自転車!乗り心地最っ悪ね!」
いいかハルヒ?まず自転車の荷台は人を乗せるもんじゃない。そしてそもそもなんでおまえは当然のごとく自転車にまたがってるんだ?
「そんなこと分かってるわよ!あんた意外と律儀なのね。それよりも高校生活の最後にこんな美少女と二人乗りで帰れるんだから、ありがたいとぐらい思ったらどうなの?」
「大体、こんなスピードじゃ話す暇なく帰りついちまうぞ!」
「ふふん♪それなら心配無用よ。・・・あっそこ左ね」
見知らぬ道を指示されるがままに進む俺。正直ハルヒがどこへ行くつもりなのか、まったくもって見当がつかなかったが、最後の日くらいこいつの好きなようにさせてやろうと思った。
こいつとの帰りを純粋に嬉しいと思うなんて、俺もずいぶん変わっちまったね。

いくらハルヒが軽いとはいえ、二人乗りで坂を上るのはきつい。俺の自転車を漕ぐスピードが遅くなるとこいつは俺を馬車馬のように扱いだした。
「だらしないわよ!根性出しなさい根性!」
そんなこと言ったってな、他の奴らが部活で必死こいて汗を流しながら心と体を鍛えてる一方、こちとら茶を啜りながらボードゲームに興じて老後の生活を先取りしてたんだ。
根性やら体力やらとは俺とは無縁と考えてもらっていいぞ。
「自慢すんな!アホ!」
ハルヒは一喝するとゴール間近、鞭振るう騎手のごとく俺の後頭部を目一杯ぶん殴った。痛ってぇ!
「あんたは何の取り柄も無いゴクツブシなんだから、根性の一つや二つどっかから捻り出しなさいよ!」
酷い言われようだな俺。
あのなハルヒ、俺はお前の知らないところで根性垂れ流しの連続だったんだ。二人乗りで坂を上りきる根性なんざ、もはや茶渋ほども残っちゃいねぇよ。
なんてこと言える筈も無く、俺は自分の筋肉の限界を無視し、膝から聞こえる悲鳴を無視し、絶えず浴びせられるハルヒの罵声を無視し続け一心不乱にペダルを漕ぎ続けた。

ようやく坂を上りきるとハルヒは自転車から飛び降りた。自販機くらいしかないこの高台の公園でいったい何をしようというのか。
色々疑問は尽きないがこいつの考えてることを予想することほど、無意味で無価値なことは無い。
例えそのハルヒの考えが俺が迷惑を被るものだったとしてもだ。心配したって来るもんは来る。
俺はハルヒにちょっと用を足してくるからと言い残し、遊具近くのお世辞にもきれいとは言えないトイレへと急いだ。

用を済ませ外を見渡すと、ハルヒが見当たらない。
確かさっき一目散に遊具の方に向かって行ったのは見えたんだが、いかんせん周りが暗すぎる。街灯もろくに無いのかここは。
俺がとりあえず目が慣れるまで適当にその辺をうろつこうと決めたときだった
「キョーーーーーーーーーーーーン!」
声のする方を向くと、そこにはこっちに向かってくるハルヒがいた―――宙に浮きながら。
良かったじゃないかハルヒ。これでお前もめでたく超能力者の仲間入りってわけだ。ははは。
なんて馬鹿馬鹿しいことを考えてる頭とは対照的に体はハルヒを受け止める体制に入っていた。

案の定間に合わなかったらしく俺はハルヒを抱えたまま尻餅をつく羽目となった。

「久しぶりにブランコに乗ったんだけど楽しいわねー。こんなに興奮するものだったかしら」
分かってるさ。こいつが何事にも全力投球、そしてブランコが大人しく止まるまで待ってるような気の長い奴じゃないってことは。
まだ名残惜しそうに揺れてるブランコを見つめながら俺は無理やり自分を納得させた。
「早く退いてくれハルヒ。今ならスカイダイブの件は不問にしてやるから。」
「やっぱ子供の頃の記憶なんて曖昧ね。ブランコなんて考え事をするか、人生に疲れてうなだれる時ぐらいにしか使わないつまらないものって思ってたのに。」
俺が砂埃を払いながら立ち上がってる傍でハルヒはそうのたまわった。
「ねえ、キョンあんたもブランコ乗ってみなさいよ」
俺はハルヒの言葉に従うのは癪だったが、大ダメージを負った腰を労わるためブランコに腰掛けた。
ほどなくハルヒも隣に座る。
「この公園、前まで良く来てたんだけどね。高校に入ってSOS団作ってからはすっかりご無沙汰だったわ。でもなかなかいい所でしょ?」
俺はハルヒの言葉を無視した。腰の痛みもあるが、坂を登ってやってねぎらいの言葉一つ無いハルヒに少なからず苛立ちを覚えたからだ
「キョン?なんか反応しなさいよ!」
「・・・・・・・・・・・・」
俺に出来るささやかな反抗といえば、これぐらいだからな。下手に反論すると火に油を注いじまう。
「怒ってるの・・・?」
「・・・・・・・・・・・・」
「ねえってば・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
ハルヒはおもむろにポケットから缶コーヒーを取り出すと俺の方に差し出した。
「お願い・・・機嫌直してよ。最後の学校生活がこんな風に終わるなんて、嫌・・・」
ハルヒは擦れた声でつぶやいた。
「ごめんなさい・・・」
流石にこれには俺もやりすぎたかな、なんて心が痛み出したからハルヒの方を向き微笑みながら俺は、少しは反省したか?と優しく声をかけてやった。
「機嫌直してくれる?」
「ああ、今日だけ特別にな」
ハルヒから缶コーヒーを受け取りそう答える。こいつが俺にコーヒーおごってくれるなんて滅多に無い事だしな。

 

それからしばらく気まずい沈黙が流れる。ようやく俺がハルヒに質問を投げかけた。この空気を作りだした張本人は一応俺だしな。
「そういえば、俺に聞きたい事ってなんなんだ?」
俺は頭の片隅に忘れ去られていた本来の目的を引きずり出す事に成功した。
「ああ、そういえばそういう目的で一緒に帰る事になったんだったわね。」
お前もか、ハルヒ。
「じゃあ質問その1ね。あんたにとってSOS団ってなに?簡潔に、それでいて分かりやすく答えなさい」
最初っから難問だな・・・そういう問いを持ち出されるとクサイ答えしか思い浮かばなくなっちまうんだよなぁ。
「どうしたの?あんまり長い事考えてると日が暮れるわよ」
もうとっくに暮れてますよハルヒさん。
「そうだな・・・」
こういうことって一度答えが思いついちまうとなかなか離れないもんで、仕方が無く俺は最初に思いついたままの言葉を言ってみた。
「もう一つの家みたいな感じだ。家族とはまた別のな」
ハルヒは下を向きながら震え、堪えきれなくなったのかプッと噴出すと一気に笑い出した。
「あんったって、なんでそんな背中がむず痒くなるようなことしか言えないわけ?」
そうだな。俺も出来る事なら直したい。
「じゃあ逆に聞くが、お前にとっては何なんだよ」
ハルヒは急に真剣になると俺にむかって言い放った。
「SOS団は私とって高校生活そのものよ!SOS団の活動のために学校に来ていたといっても過言じゃないわ」

目が暗闇に慣れてきたからか、大真面目な顔で言い切るハルヒを見つめながら俺は少なからず尊敬の念を抱いた。

 

「なによ。人の顔をじろじろ見て気持ち悪いわね!」
思わず見とれてしまっていた。失態だな。あわてて目線を逸らすとハルヒが次の質問を投げかけた。
「質問その2ね。あんたにとってこの3年間はどんなものだったの?今度は出来るだけ具体的に、それでいて分かりやすく答えなさい!」
そりゃ俺がハルヒにした質問じゃねえか。さっきのことを逆手に取られたな。
今度の質問は流石に考えた。これ以上クサイ台詞言い放って爆笑されるのはゴメンだ。
しかし考えれば考えるほどさっきと同じように同じ答えしか浮かんでこない。
かけがえの無い貴重なもの―――なんて答えハルヒが納得するはずもなく、格好の笑い種となってしまう。
俺はどうにかなるだろうなと、思いつくまで長々と喋り始めた。

「ちょっと話がずれるがな、ハルヒ。」
「なによ?答えない気?」
「いや、答えだすまでの準備みたいなもんだ」
「ふーん。いいわ話してみなさい」
俺はハルヒから貰ったコーヒーを一口飲むとゆっくりと喋りだした。
「俺はなハルヒ、小さい頃はお前と同じように宇宙人や未来人や異世界人、超能力者がいたらいいなあって思ってたんだ」
「あんたが?意外ね」
「そんな奴らがいたらどんなに楽しいだろうって考えてて、ホントは居るわけ無いってことを認めたくなかったんだ。」
「・・・今でも?」
「ああ、今でもだ。だからお前がへんてこな部を作ったとき俺はあからさまに嫌そうにしてたけどな、心の奥底ではどこかわくわくしてたんだ。つまらない日常から、面白くて迷惑で不思議な非日常に連れ出してくれる日を」
「・・・・・・・・・」
ハルヒは何故か黙り込んだが、俺は気にせず続けた。
「そしてSOS団は俺にそんな非日常をもたらしてくれた。朝比奈さんや長門や古泉ももちろんそうだが、ハルヒお前には特に感謝しっぱなしだ。お前がいなけりゃ、高校生活は凡人の俺にふさわしい空っぽの3年間だったろうよ」
「・・・・・・・・・」
「だから、この3年間は俺にとってかけがえの無い貴重なものだ。おそらくこれ以上の学校生活はどこのどいつも送れないだろうぜ。」
結局最後は同じもんになっちまったな。どうやら俺はアドリブとかそういうのまでクサイものにしてしまうらしい。
と、反省してコーヒーに口を付けると、なにやらすする音が聞こえてきた。まだ飲んでないぞ?

横を振り向くとハルヒはうつむいて泣いていた。
「どうしたんだ?」
そんなに俺の言葉が嬉しかったのか?目をこするハルヒを見ながら俺はそんなことを考えていた。
「言ってみろよ」
優しく諭してやる。するとハルヒは堪えられなくなったのか突然本格的に泣き出した。公園中にハルヒの泣き声が響き渡る。
正直戸惑ったが、俺はブランコから降りるとハルヒの元へ近づき胸を貸してそっと頭を撫でてやった。

しばらくして幾分か落ち着いたハルヒはすすり泣きしながら俺に語りかけてきた。
「あ、あたし・・・ずっとひとりだと思ってた。みくるちゃんも有希も古泉君もあんたも・・・ック本当はただ面倒な事に巻き込まれて退屈なだけなんじゃないかって思ってた。
不思議な体験をして・・・胸が高鳴ってたのもあたしだけなんじゃないかって・・・ヒクッ・・・でも、それでも意地になって毎日を楽しくしようとした。今は楽しくなくても、きっといつかみんな私と同じ気持ちになってくれるって思いながら
・・・どうしようもなく・・・不安だったぇど・・・ック・・・ヒック・・うわあああああああああああああん」
なんてこった、まさかハルヒが不安とか孤独を感じて生きてたなんて。
「3年間・・・ずっと1人で溜め込んでたのか?」
ハルヒは息を止めこくりとうなずくと無理むりやり涙を抑え、
「・・・キョン!あんたをSOS団の団員にして本当に良かった。あたしいつも・・・今日だってあんたにきつくあたってたけど、なんだかんだいいながら従ってくれるあんたにあたしとっても感謝してたのよ!」
「・・・ありがとう。キョン」
俺を見つめながらそう言った。いつも強気でみんなを引っ張っていたハルヒが素直になって見せた弱気な一面、もっと早めに言ってくれればいつでも支えてやったのに。
「俺もだよ。ありがとうハルヒ」
しばらく俺とハルヒは抱き合ったまま動かなかった。
小説やドラマならここでキスのひとつでもして愛の告白なんかしたりするんだろうが、俺はハルヒが見せた弱みにつけこんでの告白なんざしたくなかった。
それに、ハルヒから今までの本音と俺に対する思いを告白してくれただけでも、十分お互いの距離を縮めあえたと思うしな。

ふと上を見上げると綺麗な星空が浮かんでいた。余計な明かりがない分、星ひとつひとつの輝きが際立って見える。
「ハルヒ、星が綺麗だぞ」
俺がそうつぶやくと
「なんで気付くのよ!あたしが教えてあげようと思ったのに、台無しじゃない!」
と怒られてしまった。なるほど、俺をこんな薄暗い高台の公園連れてきた理由はそれか。
「そうか、悪かったな」
俺もハルヒもまたしばらく黙ったまんま動かなかった。こんなに綺麗な星を見たのは生まれて始めてかもしれない。
やがてハルヒが静かに口を開いた。
「キョン。最後の質問よ」
「なんだまだあったのか?」
「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者、またはそれらに準ずる何か、そんなものこの世に存在すると思う?」
さっきそれに近しいことを言ったはずだがな・・・
不純物一切ゼロ、頭上の星の如く輝かんばかりの笑顔でハルヒは続けた。
「YESかNOで答えよ!」
そんなもん決まってんだろ

 

「YESだ」

 

―――こうして俺の長い長い高校生活の最後の日が幕を閉じた。

 

エピローグ

俺が大学生となり、1人暮らしを始めてからすでに一週間が経過していたた。
1人暮らしを始めたきっかけは俺にも自立しなきゃなって思いが少なからずあったのと、古泉が俺に朝倉が住んでいたような立派なマンションを貸し出してくれたからだった。

 

―――「実は機関の運営するマンションが一室空いていましてね。この3年間あなたには色々と迷惑をおかけしたものですから、そのお詫びとしてよろしければ是非使ってください」
「俺よりもハルヒに貸し出してやったらどうだ?きっと喜ぶぞ」
「涼宮さんではいろいろと不都合な点がありましてね。なにしろ年頃の女の子ですから」
「年頃な女だとなにかまずいことがあるのか?」
「いえいえ、こちらの話です。・・・で、どうですか?もちろん家賃や光熱費なんてものは一切払っていただかなくて結構ですよ。」―――

 

なにか胡散臭いものを感じたがまあいい、こいつに遠慮するのも馬鹿らしいしなとその時は大して深く考えずに承諾してしまった。
この判断がどんだけ間違いだったかは後になってよーく身に染みて理解できたぞ古泉。

それにしても広い部屋だ。いいのか?一大学生がこんな部屋使って。
その上家具家電つきときたもんだ。その気にならなくても一家全員ここに住めるぞ。
いまだ疑問が消えなかったが俺は大画面テレビでニュースを見ながらボーっと時間を過ごしていた。
あの日以来ハルヒからの電話は一度もきていない。ミーティングがある時はあたしからかけるから、さびしくても電話しちゃ駄目よ!
なんてことを言われた日には誰だって自分からかけるのはためらわれるだろう。

 

それほど日がたっていないのに、俺は何故か無性にあいつらに会いたくなっていた
特にハルヒ、理由なんてものはない。会いたくなったから会いたい、それだけだ。
きっとそのうち収集がかかるからそれまでの辛抱だな・・・そんな風に思っているとチャイムが鳴った。
インターホンなんて便利なものに俺には使い慣れてないので、いつもどおりの癖で玄関へと歩を進めドアを開けた。
「お久しぶりです。新しい生活には慣れましたか?」
「キョンくん久しぶり~元気にしてましたぁ?」
「ご無沙汰・・・」
突然の訪問者、それはSOS団のメンバーだった。
「古泉に朝比奈さん、それに長門!いったいどうしたんだ?なんの連絡もせずに」
「詳しい話は後ほど団長の涼宮さんから直接聞いて貰うとしましょう」
そういってみんな勝手にずかずかと上がりこんでいく。
「うわぁ~立派なマンションですね~」
「ユニーク・・・」
「そうだ古泉、肝心のハルヒはどうした?」
「そろそろ来ますよ」
再びチャイムが鳴った。今度の訪問者はずいぶんせっかちらしい。俺がドアを開けるまでもなく次々と部屋の中に上がりこんでいった。

なんなんだ!こいつらは?俺が間抜けな声で叫ぶと古泉が答えた。
「心配要りません。機関の者達です。」
そいつらは俺の部屋に入るなり持って入ったダンボールを開け、なにやらいそいそと作業にとりかかっている。久しぶりの感覚だ、状況が全く飲み込めん。
するとなにやらちっこい作業着を着た奴があれやこれやと指示し始めた。
「その棚どかして、組み立てた机と椅子を置きなさい!大切な服はハンガーにかけて・・・ってスペースがない?もとあった服引っ張り出したらいいじゃない。
あいつの服なんてどうせろくなのしかないんだし」
忘れもしない、この声、偉そうな態度、黄色いリボン。あれほど会いたかったあいつがそこにいた。
涼宮ハルヒは古泉の機関の人達にマシンガンのごとく指令を出している。

「古泉、ここでハルヒと同棲でもしろっていうのか?」
「そっちでもいいんですが・・・。涼宮さんはそれよりもあなたの意思を尊重したようで」
「一体どこが!わけか分からんこと言ってないで説明しろ!」
俺が声を荒げるとハルヒが口を挟んできた。
「うるっさいわね!指示が通らないじゃないの!」
なあハルヒ、お前は怒ってても俺に迷惑をかけている時が一番楽しそうに見えるんだがなぜだろうね?
「これがどういうことか説明しろ」
「聞きたい?」
あたりまえだ。
「簡潔に分かりやすく述べろ」
ハルヒはもったいぶった笑みを浮かべながら嬉しそうに言った。

 

「あんたの部屋、今日をもってSOS団の新しい部室とするわ!」

 

「みんな!大学の講義が終わり次第、毎日ここに集合だからね!」

 

「安心なさい、あんたはいつも通り暮らしてていいから」

 

「あ、ホワイトボードはそこじゃなくて向こうでお願い」

 

・・・ここで俺はようやく自我を取り戻しすことに成功した。
えーと、状況を整理しようか。
俺の部屋が部室になった―――以上。

みるみるうちにに出来上がっていくSOS団の部室。すごいな、大型プロジェクターにコピー機まで完備してる。
ついに作業が終わったらしく、古泉の機関の人たちは肩で息をしながら帰っていく。
玄関でハルヒがアメを配ってたが、それを受け取って帰る姿はなんとも涙を誘うものだった。本当にご苦労様です。

 

「さて・・・まず何の説明もなくこんな事をしたか教えてもらおう」
「あんたが望んだ事だからでしょ!高校最後の日のこと忘れたとは言わせないわよ!」
なるほどあれか・・・
「たしかにな、SOS団の活動は楽しかったって言った。だが俺の部屋を部室にしていいとは一言も言ってないぞ。」
「そこじゃないわ!」
何だと?
「あんたにSOS団のことどう思ってるって聞いた時、自分が何ていったか覚えてる?もう一つの家みたいだったって言ったのよ。
すなわち!団員は家族同然!家族が同じ家に集まって何が悪いの?」
本日二度目の自己喪失を体験しながら、俺はただ立ち尽くす事しか出来なかった。

「だから我々も涼宮さんの提案に乗っかる事にしたんです。僕としてもSOS団の活動には非常に楽しませてもらいましたから何か恩返しが出来ないかと思いましてね。
それにしても貴方が我々のことをそんな風に認識していたなんて、嬉しい限りです」
黙れ、このホモサイキック。
「すごいのよ古泉くん!あんたの住んでるここも古泉くんの知り合いのマンションだから家賃いらないんだって。この家具とか設備とかもねうんたらかんたら・・・・」
上機嫌に俺に事を説明するハルヒ。台所を借りてお茶を淹れている朝比奈さん。本を黙々と読みふける長門。ボードゲームを持ち出して一戦いかがです?と古泉。
かつての当たり前の日常―――もう勝敗は完全に決したようだな。

 

ハルヒの目がくらむほど眩しい笑顔を見ながら、俺は大学生活の4年間を生贄に捧げる覚悟を決めた。

 

FIN

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