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「時渡り」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
時渡り
- (2009/12/03 (木) 00:00:08) の編集履歴(バックアップ)
時渡り
???
(
セレビィ
) 「泣いているの?」
IKOMA
「泣いてはおらぬ。」
アリマ♪
「悲しんでいるの?」
IKOMA
「この感情は悲しみというものなのであろうか?」
アリマ♪
「久しぶりね。
イコマ
の。」
IKOMA
「
ロッコー
の。しばらく見なかったな。」
アリマ♪
「そなたの頂の木々は凍り、焼け落ち、坊主でござる。ぬしはまるで河童でござる。」
IKOMA
「河童とはいかにも。」
アリマ♪
「Vamos! Vamos! ALCINDO Sartori! ole!」
IKOMA
「汝の言葉。私にはわからぬ。」
アリマ♪
「ボクもよくわからないよ。あたいもよくわかんない。」
IKOMA
「汝は山。私と同じく様々なものの集まり。」
アリマ♪
「余とそちは同じじゃ。うちと同じや。ボクと同じ。」
IKOMA
「だから言葉を選んでもらえぬか?混乱する。」
アリマ♪
「わかったよ。みんなの代わりにボクが一人でしゃべるよ。」
IKOMA
「この地の民は私を山神として信仰し、敬い、
IKOMA
神と呼ぶ。」
アリマ♪
「
ロッコー山
でボクが神さまって呼ばれたことはなかったね。」
IKOMA
「信仰のない地なのであろう。」
アリマ♪
「よくわからないよ。でも
ロッコー山
の民は、ボクを大事にしてくれる。」
IKOMA
「本来、山と民は共存するものなのだ。」
アリマ♪
「だけど、ここ燃えちゃったね。山頂は凍ってる。」
IKOMA
「ふむ。」
アリマ♪
「どうするの?」
IKOMA
「何もせぬ。」
アリマ♪
「何もしないの?」
IKOMA
「これから冬を迎える。そして春が訪れる。さすればまた木々は芽吹き、新たな生命が生まれる。」
アリマ♪
「また繰り返すの?」
IKOMA
「命は繰り返す。山がある限り、また命を産み。山もまた新たな命を育む。」
アリマ♪
「愚かなあの連中を止めないの?」
IKOMA
「そのようなことはできぬ。」
アリマ♪
「
イコマ
の。あなたには火を操る力があるのに。」
IKOMA
「私の力?」
アリマ♪
「この地を7日と7晩の間、焼き尽くすだけの力があるのに。」
IKOMA
「私をあがめる民をたたるなど私が望むことではない。」
アリマ♪
「ボクには人をたたる力はないけどね。」
IKOMA
「
ロッコー
の。汝の力とは?」
アリマ♪
「ボクにあるのは時を渡る力。」
IKOMA
「ふむ。」
アリマ♪
「やつらを止めないの?」
IKOMA
「終わってしまったことだ。」
アリマ♪
「でも、また繰り返すかもしれないよ。」
IKOMA
「汝は止められるのか?」
アリマ♪
「ボクにはそんな力はない。ボクは時を渡る力を持つだけ。」
IKOMA
「あの者たちを過去に戻し、過ちを起こさぬよう諫めることはできぬのか?」
アリマ♪
「ボクにはそんな力はない。今を生きる者を過去に戻すなんて力はない。」
IKOMA
「人を過去に戻すことはできぬのか?」
アリマ♪
「生命の力が強すぎる。生きとし生けるものを操ることはできないよ。」
IKOMA
「死人であれば?」
アリマ♪
「瞑府の民?」
IKOMA
「死人であれば、時を遡らせることができるのか?」
アリマ♪
「できるかもしれないよ。」
IKOMA
「ところで
ロッコー
の。」
アリマ♪
「何?」
IKOMA
「汝、何故
アリマ♪
と名乗る?」
アリマ♪
「それは、また今度教えてあげるよ。くすくす。」
<<時渡り・完>>
(2009.12.3)