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更ける夜」(2018/03/09 (金) 21:42:46) の最新版変更点

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*更ける夜 ◆.ji0E9MT9g 秋山が、海東が、ヒビキが、そして五代雄介が死んだ。 その志村の報告を受けて、橘朔也の胸には後悔と無念が押し寄せていた。 自分が先の戦いで情けない隙を見せたことと、彼らの死。 決して自分が戦いを続けられていれば助けられた命であった、などと驕る気はない。 ジャックフォームにすらなれない今の自分では、彼らと対等にならともかく、彼らを守る戦いなど、出来ようはずもなかった。 元々合理的な思考を広げる橘にはこんなIFを考えても意味がないことなど分かりきっていたが、しかしそれでこの惨状を受け入れられるほど、彼は達観して等いなかったのである。 「チーフ、お気持ちはお察しいたしますが……、もう間もなくこのエリアは禁止エリアになります。……G4とGトレーラーと遺品の回収と、フィリップくんを移動させないと……」 ふと見上げれば、志村が告げるのすら苦しそうにしながら、そう言い切った。 自分がこうして途方に暮れている間、彼はじっと待ち、そして自分を奮起させるために彼の性格からすれば言いにくいであろう遺品の回収、などということまで言ってくれたのだ。 未来の部下であり、自分にとって面識のない男ではあるものの、この場に来てからずっと変わらず自分を上司として尊敬し続けてくれている彼に、これ以上気を遣わせるわけにも行くまい。 ここまで情けない醜態しか見せていない自分をここまで気遣ってくれるのだから、彼はきっと未来でも自分の信頼を一身に受けているに違いない。 そんな真っ直ぐな未来の部下の言葉を受けて、橘はようやく立ち上がった。 「……そうだな、すまない、志村。ただ、時間はあともう15分ほどだけだ、フィリップとGトレーラーに遺品、俺たちで二手に分かれるべきだと思うが……」 「それなら、俺がGトレーラーと遺品を回収します。チーフと違って俺は一度彼らのその、遺体を見てますし場所もわかっています。 ショックもきっと、チーフが今から彼らを探して見つけた時に受けるそれに比べれば……、あってないようなものだと思いますから」 「……本当に済まない、志村、君には辛い仕事を押しつけてばかりだ」 「いえ、俺が未来でチーフに受けた恩に比べればこのくらい当然です、では、時間もないので……」 言って、志村は踵を返して早走りで駆けていった。 その背中を見送りつつ、自分がいつまでもへこたれていては、彼に申し訳が立たないと橘もまた、先ほどまでと大きくその様相を変貌させた病院であった残骸に向けて歩き出した。 ◆ 「全く、あの男は何時の時代もああなのか?」 一方で、橘から少し離れたところでため息と共にそう吐き出したのは志村であった。 自分たちの時代で自分たち新世代ライダーを率いていた過去の仮面ライダーの一人、橘朔也。 自分をまんまと信用し、利用するのが容易い性格もあいまって志村からすれば一種の“理想の上司”であったのだが、まさかあの状況で茫然自失として座り込むとは思わなかった。 先ほど、病院で二人の参加者を殺し、意気揚々と残った弱り切った参加者を探すため歩いていた矢先にその声を聞いたときは、流石の彼も橘の悪運に初めて羨望のような感情を抱きかけた。 だが、周辺で見つけた死体――うち二人は志村のスコアだが――について報告したところ、いきなりフリーズしてしまった姿を見て、確信した。 ――これでこそ我らが“橘チーフ”だ、と。 無論その感情に尊敬など一切存在しない。 先ほど殺さなかったのも、この戦いのルール上、彼を殺しても利には繋がらないためだ。 もちろん、正体を知られた時に彼が立ちはだかる可能性を考慮すれば殺すメリットもなくはないが、しかし志村は確信している。 橘はどこまで言っても、自分の障害にはなりえないということを。 と、そこまで考えて、彼は最初の遺体を発見する。 体中を銃創で穴だらけにされた秋山蓮の死体を。 「……」 本来彼が演じている志村純一という男が本当に存在していたとしたら、きっと秋山の痛ましい遺体に手を合わせ、そして泣きながら彼の近辺に何か元の世界で彼の帰りを待つ人にその死を伝えられる装飾品でも探したのだろう。 しかしここにいる男は、もちろんそんな殊勝な感情など持っているわけがない。 故に、その目には涙の一つすら浮かばせず、いつもの笑顔もなしに、その遺体を蹴り飛ばす。 もう死んだ男の前で演技などする意味もなく、またもうすぐに禁止エリアになるここに他の参加者が来るわけもあるまい。 故に彼は完全に素の状態で、彼の周りに何か役立つものはないかと容赦なくまさぐっていく。 するとすぐに、その遺体の下に固い感触が伝わって、彼は不気味に笑った。 ――そこにあったのは、もちろん彼が死の寸前まで身につけていたナイトのデッキ。 中に問題なくサバイブのカードがあることも確認して、彼はそれを懐に収める。 これはオルタナティブのデッキと同じく、極力秘匿するべき手札で、かつ手持ちの中ではジョーカーに次いで強力なものであると彼は確信していた。 これが一番の収穫だ、と彼は笑ってその場を立ち去ろうとし――。 「あぁ、そう言えば、大事なこれを取っていくのを忘れてたな」 デイパックより取り出したGK-06ユニコーンで彼の首を掻き切った。 窒息死であったために凝固を始めていた彼の筋肉と血液の抵抗をものともせず両断された首と胴体の間、そこにあった銀の首輪を満足げに眺めて。 彼は、Gトレーラーの元へと急いだ。 ◆ 「橘朔也……、無事だったのか、すまない僕は途中から気を失っていて、どうなったかよくわかっていないんだ。もし知っているなら教えてくれ、五代雄介は、皆はどうなったんだ?」 「……あぁ、もちろん教えるのは構わないが、ここはあと10分ほどで禁止エリアになる。E-5エリアの方に移動するのが先だ」 そう言って瓦礫の山に歩いて行く橘を見て、しかしフィリップは決してこの戦いが自分たちにとって最高の終わり方をしなかった、ということを察してしまっていた。 だが、もしもその結果が最悪なものであったとしても、自分にはそれを聞く義務がある、と思う。 そうして失われた命と向き合いそれを継ぐことこそが、自分たちにできる死者への最高の手向けだと思うから。 そう考えて、彼は重い覚悟を抱きながら橘の後を追った。 ◆ 「――恐らく、ここまで来れば大丈夫だろう」 歩き出して数分後、自分の前を歩く橘がそう呟いたことで、フィリップは立ち止まる。 それを受けて、橘は数俊の迷いを見せた後、その重い口を開いた。 「今、俺以外に生存が確認できた仲間は志村だけだ。それと、実は俺も志村も戦いの途中で気を失い、最終的な戦いの顛末はわからなかった」 「――それだけじゃ、ないんだろう?」 苦しいながらに絞り出したその言葉を受けて、橘は一瞬目を伏せ、しかししっかりとフィリップを見据えて、言った。 「あぁ、志村によると、周辺に遺体が確認できたのは秋山、海東、ヒビキ、そしてこれはベルトからの推測だが五代雄介の4人、他は持ち物まで含めて誰の痕跡も見つからなかったらしい」 無事に、逃げられていればいいんだがな、と口にすると、フィリップはやるせない表情を浮かべ拳を握りしめていた。 ライジングアルティメットとなった彼しか知らない自分と比べて心優しい、仮面ライダーの鑑ですらあったらしい五代を見ているフィリップからすると、そのショックもより大きいに違いなかった。 顔を伏せ、いくらかの間深く深呼吸をしていたフィリップは、はっとしたように顔を上げ、周りを見渡した。 「橘朔也、志村純一はどこだ?君と合流したんじゃないのか?」 「あいつは、今禁止エリアになる前にE-4エリアでG4とGトレーラー、それに彼らの遺品を回収している。本来はこんな仕事ばかり押しつけたくはないんだが……」 「そうか……彼には、助けられてばかりだな、僕は」 「――チーフ!フィリップ君!」 寂しげに呟いた二人の声を待っていたように、志村がそこに現れる。 「遅かったな、大丈夫だったか?」 「バイクとGトレーラーを移動していたので……、心配させてすみませんでした。遺品は全てGトレーラーに乗せてあります」 言って彼はいつものように笑う。 その手に持っていたのは――。 「それは……、首輪か」 「えぇ、急いでいたので血塗れで申し訳ありません。お二人の首輪解除のサンプルに必要かと思いまして」 冷静を装ってはいるものの、自分で首を切り落としたことに流石にショックを隠しきれない、と言った様子の志村を受けて、二人は顔を見合わせ、しかし言わなくてはならないだろう、と口を開く。 「志村……、すまないが、首輪の解析は既に終わってるんだよ、お前も知っていると思ったがもし伝わっていなかったなら、辛い思いをさせてすまなかった」 「いえ、それは知っています。でも、その時解析した首輪って確か、ネガタロス……って参加者のでしたよね?」 申し訳なさそうに余分に辛い思いをさせたことを謝罪する橘に、志村はしかし何か確信でも持っているかのようにそう返す。 その自信がどこからわき出るのか分からず、二人は困惑した表情を浮かべた。 「あぁ、確かにそうだが……、それがどうかしたか?」 「野上良太郎が言っていたんです、彼の世界に存在するイマジンは人に憑依し、その人格を奪うことも出来る、と。それで、ネガタロスの首輪にはその制限に使われる技術が余分に使われているかもしれないとそう思ったんですが」 「こういっては何だけど志村純一、君は君を騙し冴子姉さんたちを殺した野上良太郎の言葉を信じられるのかい?」 「ええ、奴の嘘を見抜けなかった俺が言っても説得力がないかもしれませんが、あの言葉には嘘はないと思います」 真っ直ぐにこちらを見つめそう言う志村に、橘は感嘆の声を上げる。 自分がこの惨状へのショックを隠し切れていない中で、彼はこの犠牲をも飲み込んで次に出来る何かを探している。 その為に涙を飲んで遺体から首輪を回収し、騙された相手の言葉さえも信じてでも大ショッカーに抗う仮面ライダー全員の為になることを行おうとしているのだ。 これを頼もしく感じなくて何だというのだろう。 改めて自分の不甲斐なさを確認し、しかしこれ以上志村にばかり気を遣わせることなど出来ないと彼は面持ちを引き締める。 「わかった、そういうことなら……フィリップ、首輪解析機を出してくれ。俺は再度首輪の解析をしてみる。恐らく今からなら放送の直後には解析が終わるはずだ」 「チーフ……、ありがとうございます!」 そう言って勢いよく志村が頭を下げるが、しかし感謝したいのはこちらの方だ、と橘は思う。 未来でも変わらない仮面ライダーの雄志と受け継がれる魂を、彼を通して見たのだから。 なれば、彼がそれを学んだと思っている自分がへこたれていては、彼にも失礼だった。 そのまま、首輪解析機に秋山から採取してきたらしい首輪を入れ、慣れない戦闘でのダメージを引きずるフィリップには休息を、志村には周辺の参加者が近づいてこないかの見回りを命じる。 こうして、解析を待つ橘の目には、もう一度再起の炎が宿ったのであった。 ◆ 深夜0時。 オーロラのような光から吐き出されてきた無数の飛行船を見て、三人は今一度首輪解析機の置いてあるエントランスへと戻ってきた。 それぞれの表情は決して明るくない。 病院戦での生存者が戻ってくるのではと見回りをしていた志村が一人もそれを見つけられていないことが、自分たちの知らない場所で彼らが全滅したのでは、と危惧させることに繋がっていたのだ。 しかしどちらにせよその答えはこの放送で出る、とメモとペンを構えるのだった。 『時間だ。これより第二回放送を開始する』 そう言って長身の眼鏡の男――曰く三島正人――は放送を始めた。 感情の起伏が一切見られない三島にフィリップはNEVERを無意識に重ねたが、しかし彼がNEVERかどうか考えても結論は出ないとそれを切り上げる。 そして短い挨拶の後、死者の名前が告げられる。 五代雄介、秋山蓮、草加雅人、天美あきら、日高仁志。 その死を既に知っていたはずの名前が告げられるのが、辛い。 一人告げられるごとにその手を止めてしまいそうになるが、これ以上の迷惑はかけられないと各人は手を動かし続けた。 ――乃木怜治。 ――矢車想。 ――鳴海亜樹子。 「……えっ?」 最後の名前を聞いたとき、フィリップの手が止まるのを、橘は確かに見た。 彼が言うには、病院での戦いの際、上記の三人と葦原を含めた五人で金居と戦い、そしてフィリップは勝利したらしい。 その後すぐに意識を刈り取られたので詳しいことはわからない、とはいいつつも死体も見つからなかったことから彼ら四人の生存はほぼ確実だとそうどこかで甘く見ていたのだ。 ――実際、亜樹子が殺し合いに乗っていなければ彼らは無事を貫いていられたのだが。 しかし、そんなことを知るよしもなくショックを受けたフィリップを気にすることもなく、放送は続く。 禁止エリアを述べ、取りあえずはE-5から動かなくていいと安堵したのもつかの間、放送は意外な展開を見せる。 『失礼。まことに急ですが、今回のあなたの出番はここまでです』 突如現れた、三島と同じく不気味な男となにやらボソボソと話をしたかと思えば、三島はここに来て初めて顔色を変えてそそくさと画面外へと消えていった。 「一体、何が始まると言うんだ……」 定時放送という場で起こった主催でさえ把握し切れていない突然のイレギュラーに、橘はそう漏らす。 そして、彼の言葉を受けるかのように先ほどまでとは段違いの迫力でもって――怪人を三人も連れ添って――現れたのは、謎の風格を持つ女であった。 生身であるように見えて、しかし普通の人間ではないことが画面越しの雰囲気からしても伝わる。 その不可思議な女はラ・バルバ・デと名乗った。 そして、それよりも彼らに衝撃を生んだのは――。 「首領代行……だと!?」 大ショッカーの最高幹部、そしてその後に続くその肩書きだ。 首領代行。 もしも言葉通りに信じるのなら、今回の放送には首領が直々に出向きたかったところを彼女が代わりに出てきた、ということである。 つまり、首領が自分たちに何か告げることがある、という暗黙の了解がその場にあった。 彼女は首領からの伝言を預かってきたと言い、その前に、と殺害数ランキングを公開した。 しかしそこにあったのは4つの世界の名前のみ。 クウガ、剣、キバ、W。 奇しくもここにいる三人の世界はそれぞれ含まれている。 フィリップがその数に首を傾げるのと同時、誰にも気付かれないようにしつつ志村は安堵したようにも、嘲笑うようにも見える不思議な表情を浮かべた。 ともかくそれを終え、彼女は首領からの言伝とやらを伝えるために間を置いて――。 『人が、人を殺してはならない』 確かにそう、口にした。 ◆ 放送を終え、先ほどまでの張り詰めた空気が一旦解放されると同時、フィリップはその場に膝をついた。 「亜樹ちゃん、照井竜に続いて、君まで……」 この危険な状況でようやく合流できた元の世界の仲間、鳴海亜樹子。 そんな彼女が、一瞬自分が目を離した隙に死んでしまったという事実は、フィリップの胸を打った。 そのフィリップの横で、橘もまたなにやらもの思いに沈んでいるようだったが、それに水を差す男が一人。 「チーフ、フィリップ君、お気持ちはお察ししますが、どうやら首輪の解析が終わったようです」 その言葉には放送によるショックは見受けられない。 しかしきっと彼にも色々と思うところがあるのを押して自分たちのやらなければいけないことを思い出させようとしているのだ、と橘は好意的に解釈する。 思考を一旦中断し、首輪解析機から吐き出された秋山の首輪解析の結果をまじまじと見つめた橘は、しかし次の瞬間に驚嘆の声を上げていた。 「違う……ネガタロスのものとは全くの別物だ……」 そうして吐き出された言葉に、傷心のフィリップもゆっくりと立ち上がり、その目に浮かんだ涙を袖で拭った。 赤くなった瞳で画面を見つめると、そこには確かにネガタロスの首輪を解析した際の結果と大きく異なる図解があった。 そして何より彼らを熱くしたのは――。 「この構造なら……、或いは一度分解して詳しく内部を観察できれば参加者のものも解除できるかもしれない」 未知の技術の集合体であったネガタロスのものとは違い、自分たちでも理解できる部品が多く使われていることだ。 これならば、あるいは幾つかの首輪を犠牲にするかもしれないが、先ほどのネガタロスのものに比べれば解除に希望を持てるというものだ。 武器の解析もこれには必要ないかもしれない、と希望を持つ橘だが、しかし今度は別の問題が頭をもたげてくる、それは――。 「ということは或いは参加者に応じて首輪に種類があるかもしれない、ということか?」 それは、首輪の種類が参加者の種類に合わせ用意されているかもしれないという危惧。 最悪の状況を考えれば、一人一人別の首輪を用意されている可能性も考えられる。 であれば、首輪の解除など夢のまた夢、まさかこの絶望を味わわせるために首輪の解析機を置いたのか、とも思うが。 「……いや、この構造は北岡秀一のものと同じに見える。ネガタロスという参加者のものとは違っても、あるいは生身の人間に用いられている首輪は同種のものかもしれない。何にしても、もっと首輪を集めて解析しないとはっきりしたことは言えないだろうね」 その首輪の数には同じだけの死が伴うという事実を噛みしめながらフィリップは口に出す。 そんな残酷なことをすることに対する忌避感ももちろんあるが、しかし首輪の解除には既に散った参加者たちから更にその尊厳を奪うことをしなくてはいけないのだ。 全く大ショッカーは悪趣味の塊だ、と苦虫を噛み潰したような顔をするが、その後ろで志村も思考に沈んでいるようだった。 それをチラと見やって、フィリップは何か違和感を覚える。 しかしそれをうまく言葉に出来ないまま、志村は持っていたもう一つの首輪を差し出した。 「すみません、時間がなくて他に回収できたのは既に封印され回収が容易だったカテゴリーキングのものだけです、何か役に立てば良いですが……」 「いや、十分だ。データが増えるならそれに越したことはないからな」 言いながら橘は首輪解析機に金居の首輪を入れる。 これで深夜一時過ぎにはこの首輪の解析も出来るだろう。 しかしその間また待つだけというのも、と橘は立ち上がる。 「すまない志村、少しここに残っていてくれ、俺は遺品を整理してくる」 「一人で出歩くのは危険だよ、橘朔也。僕もついて行く」 「わかりました、二人が戻るまで俺がここを守ります」 そう言って笑いかける志村を背に、二人は廃墟と化した病院から移動する。 全く以て頼もしい男だ、と志村への信頼を一層深める橘に反して、フィリップはどこか物思いにふけっているようだった。 「橘朔也、こんなことを言うのは何だけど、放送前から志村純一の様子がおかしいとは思わないか?」 「……?そうか?俺にはいつも通りのように見えるが」 「そうか、僕の考えすぎかもしれないな……」 そう言ってもう一度深い思考に沈んだ様子の彼をみやりながら、橘は思う。 きっと、彼は元の世界からの仲間が死んでしまったショックで少し疑心暗鬼に陥っているだけだ。 探偵という職業も相まって、疑うことが多かったからこその一種の職業病なのだろうが、きっとすぐに志村を疑うことをやめるだろうと橘はそれについて考えるのを止めた。 (それよりも……放送の女、ラ・バルバ・デと言ったか。やはり門矢の戦ったガドルやあのダグバと仲間なのだろうか……) 思考を切り替えた彼が思うのは、先ほどの放送の女。 ラ・バルバ・デと名乗った女の名前は、名簿にあるガドル、ダグバのそれと非常に似ている。 であれば、恐らくは彼らと同じ世界の存在であろう。 数時間前までの橘なら、恐ろしいダグバの仲間というだけでその存在にも恐怖を抱いていただろう。 しかし。 (先の放送で、ガドルは死んだということは分かった。門矢と葦原でさえ勝てなかった相手を倒せる仮面ライダーもこの場にはいるということだ……) 彼の今の胸には、死んでいった仲間への弔いの気持ちと、何より共に戦える仲間たちの強さを信じられる思いがあった。 であればダグバや、バルバに自分が恐怖し縮こまっている暇などない。 そうしている間にヒビキや矢車と言った仲間がまた失われるのは、もう我慢ならなかった。 それに、彼の胸を熱くするものはそれだけではない。 (人が人を殺してはならない、だと?一体どの口がそれを言うと言うんだ……!) ダグバの所属する、通称クウガの世界。 そこに存在する参加者がこの12時間で12人もの参加者を殺しているというのに、同郷の彼女は人を殺してはならない、などとほざいた。 それが橘の脳裏に焼け焦げていく東條の、死にゆく北條の姿と重なって、彼の恐怖を打ち消していた。 人をゲーム感覚で殺しながら、他者には偉そうにそれを禁ずるなど、その言葉の意味を理解していないサイコ野郎だと彼は思う。 きっと、自分たち仮面ライダーはそんな理不尽に屈してはいけないのだ、と そうして着いたGトレーラーでその手にヒビキの音角を拾い上げながら、彼は思う。 もう自分に、立ち止まっている時間などないのだ、と。 自分に出来る全力を、これまで以上に惜しんではならないのだ、と。 そうして一層その覚悟を強めた彼の横で、フィリップはまた思考に沈んでいた。 (志村純一……僕の勘違いならいいんだけど……) それは、先ほどGトレーラーを持ってきた時からの彼に感じる違和感。 乃木といたときには感じなかった謎の違和を、ここに来て強く意識せざるを得ないのだ。 それが何を指すものなのかは正直まだわからない、しかし首輪の解除の話題に関して、彼は何か焦っているようにすら感じる。 それに何かよくない感情が沸いて、フィリップを困惑させるのだ。 (……亜樹ちゃんが死んでしまって疑い深くなっているのかな、本当は仲間を疑うべきじゃないんだろうけど……) どうしても拭いきれないそれを抱きながら、フィリップはまたしても志村の待つ首輪解析機の元へと歩いて行った。 ◆ 「首輪の種類が異なる……、か」 橘たちがGトレーラーに向かった後で、一人になった彼は小さく呟いた。 当たり前だが、もしも首輪がその参加者の種族ごとに分けられているなら、自分は人間のそれでは解除できないと言うことになる。 解除中にアンデッドだと看破されれば、流石の橘も自分の首輪を解除することをやめるだろう。 何かうまい言い訳を考えなければ、と思考する一方で、同時に懸念も浮かぶ。 もしカテゴリーキングの首輪よりもジョーカーのものの方が首輪の設計が複雑だったなら、と。 であれば、今解析している金居の首輪では自分の首輪の解除には不十分である、必要なのは――。 「相川始のもの、か」 先の放送でも呼ばれなかった自分と対になるその名前を呟く。 最悪の場合、彼の首輪を手に入れなくてはなるまい。 全くそうしても解除できない可能性もあるとなれば、今フィリップを殺すのも一つか、と彼は考えるが。 「いや、結論を急ぐのはまずい、今はこのまま奴らに好きにさせておく方が良いだろうな」 結果を急いで解除できるものを解除できなくしてしまっては意味がない、と彼は思考を切り替える。 そうだ、殺すのは奴らに首輪の解除が出来ない、と判明したときでも遅くはないはず。 どちらにせよ奴らの実力では自分には勝ちようもないのだ、今はまだ泳がせておいて何の問題もあるまい。 と、首輪に関する思考をそこで中断し、彼は先の放送について考える。 「殺害数ランキングの下位が紹介されなかったのは、俺の嘘が一瞬で明るみに出されるから、か?」 それは、殺害数ランキングの下位の不紹介について。 バルバと名乗る女は様々な理由がどうのと言っていたが、恐らくは間違いなく自分がついた嘘である天美あきらと園咲冴子殺害の犯人が野上良太郎と村上峡児のものであるという嘘がバレてしまうのを避けるためだ。 全く世界単位でキルスコアを二人も上げられないとは情けない、と彼は鼻で嗤う。 ともかく、これで奴らが自分に優位に立ち回れる可能性もなくなった。 悪評も随分と広がったし、彼らの名前が次の放送で呼ばれるのも、そう可笑しくないだろう。 首輪の解除が可能な参加者を手中に収め、主催すら仲間につけて最早この殺し合いを制したのも同然だと、彼は不気味に笑って。 次の瞬間、戻ってきた二人の駒を、いつもの好青年の笑顔で出迎えた。 【二日目 深夜】 【E-5 病院跡地】 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】精神疲労(大)、全身に中程度の火傷(手当済み)、仲間の死に対しての罪悪感、自分の不甲斐なさへの怒り、クウガとダグバ及びに大ショッカーに対する恐怖(緩和)、仲間である仮面ライダーへの信頼 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW、、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×4、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードは付いてません)@仮面ライダーカブト、ディスクアニマル(アカネタカ)@仮面ライダー響鬼、変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:まずは今後の方針を考える。 2:首輪の種類は一体幾つあるんだ……。 3:志村純一と共にみんなを守る。 4:小野寺が心配。 5:キング(@仮面ライダー剣)、(殺し合いに乗っていたら)相川始は自分が封印する。 6:出来るなら、始を信じたい。 【備考】 ※『Wの世界万能説』が誤解であると気づきました。 ※参戦時期のズレに気づきました。 ※ザビーゼクターに見初められたようです。変身もできるのか、保留扱いで生かされただけなのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※首輪には種類が存在することを知りました。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】全身打撲、ダメージ(中)、仮面ライダーG4に――時間変身不可? 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、ナイトのデッキ+サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎ラウズカード(クラブのJ~K、ダイヤのK)@仮面ライダー剣 【道具】支給品一式×4(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 、G3の武器セット(GM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーン)@仮面ライダーアギト 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 0:後々地の石を奪い逃げた白い仮面ライダー(サガ)を追い、地の石を奪う。 1:バットショットに映ったアルビノジョーカーを見た参加者は皆殺しにする。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。 5:フィリップを懐柔し、自身の首輪を外させたい。 6:首輪を外させたらすぐにフィリップを殺す。正体発覚などで自分の首輪を解除させるのが困難になっても最優先で殺害。 7:ライジングアルティメットを支配し、首輪を解除したら殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 【備考】 ※555の世界、カブトの世界、キバの世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。  ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。  ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。 ※封印(SEAL)のカードは破壊されました。 ※オルタナティブ・ゼロ、ナイトのデッキは極力秘匿するつもりです。 【フィリップ@仮面ライダーW】 【時間軸】原作第44話及び劇場版(A to Z)以降 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、照井、亜樹子、病院組の仲間達の死による悲しみ 【装備】ガイアドライバー@仮面ライダーW、ファングメモリ@仮面ライダーW、ロストドライバー+(T2サイクロン+T2エターナル)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×2、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン+ヒート+ルナ)@仮面ライダーW、メモリガジェットセット(バットショット+バットメモリ、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW)、ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW、首輪(北岡)、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実 、首輪解析機@オリジナル 【思考・状況】 1:志村純一……、僕の勘違いならいいけど……。 2:大ショッカーは信用しない。 3:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。 4:園田真理を殺したのは白い化け物。 5:首輪の解除は、状況が落ち着いてもっと情報と人数が揃ってから取りかかる。 6:志村純一は信用できる……? 【備考】 ※バットショットにアルビノジョーカーの鮮明な画像を保存しています。 ※園咲冴子と天美あきらを殺したのは村上峡児と野上良太郎だと考えています。 ※鳴海亜樹子と惹かれ合っているタブーメモリに変身を拒否されました。 ※T2サイクロンと惹かれあっています。ドーパントに変身しても毒素の影響はありません。 ※病院にあった首輪解析機をエクストリームメモリのガイアスペース内に収納しています。 【全体備考】 ※E-4大病院が崩壊し廃墟となりました。 ※Gトレーラー内にはG4の充電装置があります。 ※G4は説明書には連続でおよそ15分使えるとありますが、実際どのくらいの間使えるのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4を再度使用するのにどれくらい充電すればいいのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4システムはデイパック内ではなくGトレーラー内に置かれています。 ※E-5エリアにGトレーラー、トライチェイサー2000Aが停車されています。 ※ブラッディローズ@仮面ライダーキバ 、ディエンド用ケータッチ@仮面ライダー超電王、カイザポインター@仮面ライダー555、装甲声刃@仮面ライダー響鬼、カイザギア(ドライバー+ブレイガン+ショット+)@仮面ライダー555、デザートイーグル(2発消費)@現実、変身一発(残り二本)@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト、五代の不明支給品×1、草加の不明支給品×1、ガイアドライバー(五代)@仮面ライダーWがE-5エリアのGトレーラー内に置かれていますが、志村がどこまで回収したかは不明です。 もしかするとE-4エリアに置き去りのものもあるかもしれません。 |113:[[第二回放送]]|時系列順|116:[[対峙(前編)]]| |113:[[第二回放送]]|投下順|116:[[対峙(前編)]]| |110:[[Kamen Rider:Battride War(12)]]|[[橘朔也]]|| |~|[[志村純一]]|| |~|[[フィリップ]]||
*更ける夜 ◆.ji0E9MT9g 秋山が、海東が、ヒビキが、そして五代雄介が死んだ。 その志村の報告を受けて、橘朔也の胸には後悔と無念が押し寄せていた。 自分が先の戦いで情けない隙を見せたことと、彼らの死。 決して自分が戦いを続けられていれば助けられた命であった、などと驕る気はない。 ジャックフォームにすらなれない今の自分では、彼らと対等にならともかく、彼らを守る戦いなど、出来ようはずもなかった。 元々合理的な思考を広げる橘にはこんなIFを考えても意味がないことなど分かりきっていたが、しかしそれでこの惨状を受け入れられるほど、彼は達観して等いなかったのである。 「チーフ、お気持ちはお察しいたしますが……、もう間もなくこのエリアは禁止エリアになります。……G4とGトレーラーと遺品の回収と、フィリップくんを移動させないと……」 ふと見上げれば、志村が告げるのすら苦しそうにしながら、そう言い切った。 自分がこうして途方に暮れている間、彼はじっと待ち、そして自分を奮起させるために彼の性格からすれば言いにくいであろう遺品の回収、などということまで言ってくれたのだ。 未来の部下であり、自分にとって面識のない男ではあるものの、この場に来てからずっと変わらず自分を上司として尊敬し続けてくれている彼に、これ以上気を遣わせるわけにも行くまい。 ここまで情けない醜態しか見せていない自分をここまで気遣ってくれるのだから、彼はきっと未来でも自分の信頼を一身に受けているに違いない。 そんな真っ直ぐな未来の部下の言葉を受けて、橘はようやく立ち上がった。 「……そうだな、すまない、志村。ただ、時間はあともう15分ほどだけだ、フィリップとGトレーラーに遺品、俺たちで二手に分かれるべきだと思うが……」 「それなら、俺がGトレーラーと遺品を回収します。チーフと違って俺は一度彼らのその、遺体を見てますし場所もわかっています。 ショックもきっと、チーフが今から彼らを探して見つけた時に受けるそれに比べれば……、あってないようなものだと思いますから」 「……本当に済まない、志村、君には辛い仕事を押しつけてばかりだ」 「いえ、俺が未来でチーフに受けた恩に比べればこのくらい当然です、では、時間もないので……」 言って、志村は踵を返して早走りで駆けていった。 その背中を見送りつつ、自分がいつまでもへこたれていては、彼に申し訳が立たないと橘もまた、先ほどまでと大きくその様相を変貌させた病院であった残骸に向けて歩き出した。 ◆ 「全く、あの男は何時の時代もああなのか?」 一方で、橘から少し離れたところでため息と共にそう吐き出したのは志村であった。 自分たちの時代で自分たち新世代ライダーを率いていた過去の仮面ライダーの一人、橘朔也。 自分をまんまと信用し、利用するのが容易い性格もあいまって志村からすれば一種の“理想の上司”であったのだが、まさかあの状況で茫然自失として座り込むとは思わなかった。 先ほど、病院で二人の参加者を殺し、意気揚々と残った弱り切った参加者を探すため歩いていた矢先にその声を聞いたときは、流石の彼も橘の悪運に初めて羨望のような感情を抱きかけた。 だが、周辺で見つけた死体――うち二人は志村のスコアだが――について報告したところ、いきなりフリーズしてしまった姿を見て、確信した。 ――これでこそ我らが“橘チーフ”だ、と。 無論その感情に尊敬など一切存在しない。 先ほど殺さなかったのも、この戦いのルール上、彼を殺しても利には繋がらないためだ。 もちろん、正体を知られた時に彼が立ちはだかる可能性を考慮すれば殺すメリットもなくはないが、しかし志村は確信している。 橘はどこまで言っても、自分の障害にはなりえないということを。 と、そこまで考えて、彼は最初の遺体を発見する。 体中を銃創で穴だらけにされた秋山蓮の死体を。 「……」 本来彼が演じている志村純一という男が本当に存在していたとしたら、きっと秋山の痛ましい遺体に手を合わせ、そして泣きながら彼の近辺に何か元の世界で彼の帰りを待つ人にその死を伝えられる装飾品でも探したのだろう。 しかしここにいる男は、もちろんそんな殊勝な感情など持っているわけがない。 故に、その目には涙の一つすら浮かばせず、いつもの笑顔もなしに、その遺体を蹴り飛ばす。 もう死んだ男の前で演技などする意味もなく、またもうすぐに禁止エリアになるここに他の参加者が来るわけもあるまい。 故に彼は完全に素の状態で、彼の周りに何か役立つものはないかと容赦なくまさぐっていく。 するとすぐに、その遺体の下に固い感触が伝わって、彼は不気味に笑った。 ――そこにあったのは、もちろん彼が死の寸前まで身につけていたナイトのデッキ。 中に問題なくサバイブのカードがあることも確認して、彼はそれを懐に収める。 これはオルタナティブのデッキと同じく、極力秘匿するべき手札で、かつ手持ちの中ではジョーカーに次いで強力なものであると彼は確信していた。 これが一番の収穫だ、と彼は笑ってその場を立ち去ろうとし――。 「あぁ、そう言えば、大事なこれを取っていくのを忘れてたな」 デイパックより取り出したGK-06ユニコーンで彼の首を掻き切った。 窒息死であったために凝固を始めていた彼の筋肉と血液の抵抗をものともせず両断された首と胴体の間、そこにあった銀の首輪を満足げに眺めて。 彼は、Gトレーラーの元へと急いだ。 ◆ 「橘朔也……、無事だったのか、すまない僕は途中から気を失っていて、どうなったかよくわかっていないんだ。もし知っているなら教えてくれ、五代雄介は、皆はどうなったんだ?」 「……あぁ、もちろん教えるのは構わないが、ここはあと10分ほどで禁止エリアになる。E-5エリアの方に移動するのが先だ」 そう言って瓦礫の山に歩いて行く橘を見て、しかしフィリップは決してこの戦いが自分たちにとって最高の終わり方をしなかった、ということを察してしまっていた。 だが、もしもその結果が最悪なものであったとしても、自分にはそれを聞く義務がある、と思う。 そうして失われた命と向き合いそれを継ぐことこそが、自分たちにできる死者への最高の手向けだと思うから。 そう考えて、彼は重い覚悟を抱きながら橘の後を追った。 ◆ 「――恐らく、ここまで来れば大丈夫だろう」 歩き出して数分後、自分の前を歩く橘がそう呟いたことで、フィリップは立ち止まる。 それを受けて、橘は数俊の迷いを見せた後、その重い口を開いた。 「今、俺以外に生存が確認できた仲間は志村だけだ。それと、実は俺も志村も戦いの途中で気を失い、最終的な戦いの顛末はわからなかった」 「――それだけじゃ、ないんだろう?」 苦しいながらに絞り出したその言葉を受けて、橘は一瞬目を伏せ、しかししっかりとフィリップを見据えて、言った。 「あぁ、志村によると、周辺に遺体が確認できたのは秋山、海東、ヒビキ、そしてこれはベルトからの推測だが五代雄介の4人、他は持ち物まで含めて誰の痕跡も見つからなかったらしい」 無事に、逃げられていればいいんだがな、と口にすると、フィリップはやるせない表情を浮かべ拳を握りしめていた。 ライジングアルティメットとなった彼しか知らない自分と比べて心優しい、仮面ライダーの鑑ですらあったらしい五代を見ているフィリップからすると、そのショックもより大きいに違いなかった。 顔を伏せ、いくらかの間深く深呼吸をしていたフィリップは、はっとしたように顔を上げ、周りを見渡した。 「橘朔也、志村純一はどこだ?君と合流したんじゃないのか?」 「あいつは、今禁止エリアになる前にE-4エリアでG4とGトレーラー、それに彼らの遺品を回収している。本来はこんな仕事ばかり押しつけたくはないんだが……」 「そうか……彼には、助けられてばかりだな、僕は」 「――チーフ!フィリップ君!」 寂しげに呟いた二人の声を待っていたように、志村がそこに現れる。 「遅かったな、大丈夫だったか?」 「バイクとGトレーラーを移動していたので……、心配させてすみませんでした。遺品は全てGトレーラーに乗せてあります」 言って彼はいつものように笑う。 その手に持っていたのは――。 「それは……、首輪か」 「えぇ、急いでいたので血塗れで申し訳ありません。お二人の首輪解除のサンプルに必要かと思いまして」 冷静を装ってはいるものの、自分で首を切り落としたことに流石にショックを隠しきれない、と言った様子の志村を受けて、二人は顔を見合わせ、しかし言わなくてはならないだろう、と口を開く。 「志村……、すまないが、首輪の解析は既に終わってるんだよ、お前も知っていると思ったがもし伝わっていなかったなら、辛い思いをさせてすまなかった」 「いえ、それは知っています。でも、その時解析した首輪って確か、ネガタロス……って参加者のでしたよね?」 申し訳なさそうに余分に辛い思いをさせたことを謝罪する橘に、志村はしかし何か確信でも持っているかのようにそう返す。 その自信がどこからわき出るのか分からず、二人は困惑した表情を浮かべた。 「あぁ、確かにそうだが……、それがどうかしたか?」 「野上良太郎が言っていたんです、彼の世界に存在するイマジンは人に憑依し、その人格を奪うことも出来る、と。それで、ネガタロスの首輪にはその制限に使われる技術が余分に使われているかもしれないとそう思ったんですが」 「こういっては何だけど志村純一、君は君を騙し冴子姉さんたちを殺した野上良太郎の言葉を信じられるのかい?」 「ええ、奴の嘘を見抜けなかった俺が言っても説得力がないかもしれませんが、あの言葉には嘘はないと思います」 真っ直ぐにこちらを見つめそう言う志村に、橘は感嘆の声を上げる。 自分がこの惨状へのショックを隠し切れていない中で、彼はこの犠牲をも飲み込んで次に出来る何かを探している。 その為に涙を飲んで遺体から首輪を回収し、騙された相手の言葉さえも信じてでも大ショッカーに抗う仮面ライダー全員の為になることを行おうとしているのだ。 これを頼もしく感じなくて何だというのだろう。 改めて自分の不甲斐なさを確認し、しかしこれ以上志村にばかり気を遣わせることなど出来ないと彼は面持ちを引き締める。 「わかった、そういうことなら……フィリップ、首輪解析機を出してくれ。俺は再度首輪の解析をしてみる。恐らく今からなら放送の直後には解析が終わるはずだ」 「チーフ……、ありがとうございます!」 そう言って勢いよく志村が頭を下げるが、しかし感謝したいのはこちらの方だ、と橘は思う。 未来でも変わらない仮面ライダーの雄志と受け継がれる魂を、彼を通して見たのだから。 なれば、彼がそれを学んだと思っている自分がへこたれていては、彼にも失礼だった。 そのまま、首輪解析機に秋山から採取してきたらしい首輪を入れ、慣れない戦闘でのダメージを引きずるフィリップには休息を、志村には周辺の参加者が近づいてこないかの見回りを命じる。 こうして、解析を待つ橘の目には、もう一度再起の炎が宿ったのであった。 ◆ 深夜0時。 オーロラのような光から吐き出されてきた無数の飛行船を見て、三人は今一度首輪解析機の置いてあるエントランスへと戻ってきた。 それぞれの表情は決して明るくない。 病院戦での生存者が戻ってくるのではと見回りをしていた志村が一人もそれを見つけられていないことが、自分たちの知らない場所で彼らが全滅したのでは、と危惧させることに繋がっていたのだ。 しかしどちらにせよその答えはこの放送で出る、とメモとペンを構えるのだった。 『時間だ。これより第二回放送を開始する』 そう言って長身の眼鏡の男――曰く三島正人――は放送を始めた。 感情の起伏が一切見られない三島にフィリップはNEVERを無意識に重ねたが、しかし彼がNEVERかどうか考えても結論は出ないとそれを切り上げる。 そして短い挨拶の後、死者の名前が告げられる。 五代雄介、秋山蓮、草加雅人、天美あきら、日高仁志。 その死を既に知っていたはずの名前が告げられるのが、辛い。 一人告げられるごとにその手を止めてしまいそうになるが、これ以上の迷惑はかけられないと各人は手を動かし続けた。 ――乃木怜治。 ――矢車想。 ――鳴海亜樹子。 「……えっ?」 最後の名前を聞いたとき、フィリップの手が止まるのを、橘は確かに見た。 彼が言うには、病院での戦いの際、上記の三人と葦原を含めた五人で金居と戦い、そしてフィリップは勝利したらしい。 その後すぐに意識を刈り取られたので詳しいことはわからない、とはいいつつも死体も見つからなかったことから彼ら四人の生存はほぼ確実だとそうどこかで甘く見ていたのだ。 ――実際、亜樹子が殺し合いに乗っていなければ彼らは無事を貫いていられたのだが。 しかし、そんなことを知るよしもなくショックを受けたフィリップを気にすることもなく、放送は続く。 禁止エリアを述べ、取りあえずはE-5から動かなくていいと安堵したのもつかの間、放送は意外な展開を見せる。 『失礼。まことに急ですが、今回のあなたの出番はここまでです』 突如現れた、三島と同じく不気味な男となにやらボソボソと話をしたかと思えば、三島はここに来て初めて顔色を変えてそそくさと画面外へと消えていった。 「一体、何が始まると言うんだ……」 定時放送という場で起こった主催でさえ把握し切れていない突然のイレギュラーに、橘はそう漏らす。 そして、彼の言葉を受けるかのように先ほどまでとは段違いの迫力でもって――怪人を三人も連れ添って――現れたのは、謎の風格を持つ女であった。 生身であるように見えて、しかし普通の人間ではないことが画面越しの雰囲気からしても伝わる。 その不可思議な女はラ・バルバ・デと名乗った。 そして、それよりも彼らに衝撃を生んだのは――。 「首領代行……だと!?」 大ショッカーの最高幹部、そしてその後に続くその肩書きだ。 首領代行。 もしも言葉通りに信じるのなら、今回の放送には首領が直々に出向きたかったところを彼女が代わりに出てきた、ということである。 つまり、首領が自分たちに何か告げることがある、という暗黙の了解がその場にあった。 彼女は首領からの伝言を預かってきたと言い、その前に、と殺害数ランキングを公開した。 しかしそこにあったのは4つの世界の名前のみ。 クウガ、剣、キバ、W。 奇しくもここにいる三人の世界はそれぞれ含まれている。 フィリップがその数に首を傾げるのと同時、誰にも気付かれないようにしつつ志村は安堵したようにも、嘲笑うようにも見える不思議な表情を浮かべた。 ともかくそれを終え、彼女は首領からの言伝とやらを伝えるために間を置いて――。 『人が、人を殺してはならない』 確かにそう、口にした。 ◆ 放送を終え、先ほどまでの張り詰めた空気が一旦解放されると同時、フィリップはその場に膝をついた。 「亜樹ちゃん、照井竜に続いて、君まで……」 この危険な状況でようやく合流できた元の世界の仲間、鳴海亜樹子。 そんな彼女が、一瞬自分が目を離した隙に死んでしまったという事実は、フィリップの胸を打った。 そのフィリップの横で、橘もまたなにやらもの思いに沈んでいるようだったが、それに水を差す男が一人。 「チーフ、フィリップ君、お気持ちはお察ししますが、どうやら首輪の解析が終わったようです」 その言葉には放送によるショックは見受けられない。 しかしきっと彼にも色々と思うところがあるのを押して自分たちのやらなければいけないことを思い出させようとしているのだ、と橘は好意的に解釈する。 思考を一旦中断し、首輪解析機から吐き出された秋山の首輪解析の結果をまじまじと見つめた橘は、しかし次の瞬間に驚嘆の声を上げていた。 「違う……ネガタロスのものとは全くの別物だ……」 そうして吐き出された言葉に、傷心のフィリップもゆっくりと立ち上がり、その目に浮かんだ涙を袖で拭った。 赤くなった瞳で画面を見つめると、そこには確かにネガタロスの首輪を解析した際の結果と大きく異なる図解があった。 そして何より彼らを熱くしたのは――。 「この構造なら……、或いは一度分解して詳しく内部を観察できれば参加者のものも解除できるかもしれない」 未知の技術の集合体であったネガタロスのものとは違い、自分たちでも理解できる部品が多く使われていることだ。 これならば、あるいは幾つかの首輪を犠牲にするかもしれないが、先ほどのネガタロスのものに比べれば解除に希望を持てるというものだ。 武器の解析もこれには必要ないかもしれない、と希望を持つ橘だが、しかし今度は別の問題が頭をもたげてくる、それは――。 「ということは或いは参加者に応じて首輪に種類があるかもしれない、ということか?」 それは、首輪の種類が参加者の種類に合わせ用意されているかもしれないという危惧。 最悪の状況を考えれば、一人一人別の首輪を用意されている可能性も考えられる。 であれば、首輪の解除など夢のまた夢、まさかこの絶望を味わわせるために首輪の解析機を置いたのか、とも思うが。 「……いや、この構造は北岡秀一のものと同じに見える。ネガタロスという参加者のものとは違っても、あるいは生身の人間に用いられている首輪は同種のものかもしれない。何にしても、もっと首輪を集めて解析しないとはっきりしたことは言えないだろうね」 その首輪の数には同じだけの死が伴うという事実を噛みしめながらフィリップは口に出す。 そんな残酷なことをすることに対する忌避感ももちろんあるが、しかし首輪の解除には既に散った参加者たちから更にその尊厳を奪うことをしなくてはいけないのだ。 全く大ショッカーは悪趣味の塊だ、と苦虫を噛み潰したような顔をするが、その後ろで志村も思考に沈んでいるようだった。 それをチラと見やって、フィリップは何か違和感を覚える。 しかしそれをうまく言葉に出来ないまま、志村は持っていたもう一つの首輪を差し出した。 「すみません、時間がなくて他に回収できたのは既に封印され回収が容易だったカテゴリーキングのものだけです、何か役に立てば良いですが……」 「いや、十分だ。データが増えるならそれに越したことはないからな」 言いながら橘は首輪解析機に金居の首輪を入れる。 これで深夜一時過ぎにはこの首輪の解析も出来るだろう。 しかしその間また待つだけというのも、と橘は立ち上がる。 「すまない志村、少しここに残っていてくれ、俺は遺品を整理してくる」 「一人で出歩くのは危険だよ、橘朔也。僕もついて行く」 「わかりました、二人が戻るまで俺がここを守ります」 そう言って笑いかける志村を背に、二人は廃墟と化した病院から移動する。 全く以て頼もしい男だ、と志村への信頼を一層深める橘に反して、フィリップはどこか物思いにふけっているようだった。 「橘朔也、こんなことを言うのは何だけど、放送前から志村純一の様子がおかしいとは思わないか?」 「……?そうか?俺にはいつも通りのように見えるが」 「そうか、僕の考えすぎかもしれないな……」 そう言ってもう一度深い思考に沈んだ様子の彼をみやりながら、橘は思う。 きっと、彼は元の世界からの仲間が死んでしまったショックで少し疑心暗鬼に陥っているだけだ。 探偵という職業も相まって、疑うことが多かったからこその一種の職業病なのだろうが、きっとすぐに志村を疑うことをやめるだろうと橘はそれについて考えるのを止めた。 (それよりも……放送の女、ラ・バルバ・デと言ったか。やはり門矢の戦ったガドルやあのダグバと仲間なのだろうか……) 思考を切り替えた彼が思うのは、先ほどの放送の女。 ラ・バルバ・デと名乗った女の名前は、名簿にあるガドル、ダグバのそれと非常に似ている。 であれば、恐らくは彼らと同じ世界の存在であろう。 数時間前までの橘なら、恐ろしいダグバの仲間というだけでその存在にも恐怖を抱いていただろう。 しかし。 (先の放送で、ガドルは死んだということは分かった。門矢と葦原でさえ勝てなかった相手を倒せる仮面ライダーもこの場にはいるということだ……) 彼の今の胸には、死んでいった仲間への弔いの気持ちと、何より共に戦える仲間たちの強さを信じられる思いがあった。 であればダグバや、バルバに自分が恐怖し縮こまっている暇などない。 そうしている間にヒビキや矢車と言った仲間がまた失われるのは、もう我慢ならなかった。 それに、彼の胸を熱くするものはそれだけではない。 (人が人を殺してはならない、だと?一体どの口がそれを言うと言うんだ……!) ダグバの所属する、通称クウガの世界。 そこに存在する参加者がこの12時間で12人もの参加者を殺しているというのに、同郷の彼女は人を殺してはならない、などとほざいた。 それが橘の脳裏に焼け焦げていく東條の、死にゆく北條の姿と重なって、彼の恐怖を打ち消していた。 人をゲーム感覚で殺しながら、他者には偉そうにそれを禁ずるなど、その言葉の意味を理解していないサイコ野郎だと彼は思う。 きっと、自分たち仮面ライダーはそんな理不尽に屈してはいけないのだ、と そうして着いたGトレーラーでその手にヒビキの音角を拾い上げながら、彼は思う。 もう自分に、立ち止まっている時間などないのだ、と。 自分に出来る全力を、これまで以上に惜しんではならないのだ、と。 そうして一層その覚悟を強めた彼の横で、フィリップはまた思考に沈んでいた。 (志村純一……僕の勘違いならいいんだけど……) それは、先ほどGトレーラーを持ってきた時からの彼に感じる違和感。 乃木といたときには感じなかった謎の違和を、ここに来て強く意識せざるを得ないのだ。 それが何を指すものなのかは正直まだわからない、しかし首輪の解除の話題に関して、彼は何か焦っているようにすら感じる。 それに何かよくない感情が沸いて、フィリップを困惑させるのだ。 (……亜樹ちゃんが死んでしまって疑い深くなっているのかな、本当は仲間を疑うべきじゃないんだろうけど……) どうしても拭いきれないそれを抱きながら、フィリップはまたしても志村の待つ首輪解析機の元へと歩いて行った。 ◆ 「首輪の種類が異なる……、か」 橘たちがGトレーラーに向かった後で、一人になった彼は小さく呟いた。 当たり前だが、もしも首輪がその参加者の種族ごとに分けられているなら、自分は人間のそれでは解除できないと言うことになる。 解除中にアンデッドだと看破されれば、流石の橘も自分の首輪を解除することをやめるだろう。 何かうまい言い訳を考えなければ、と思考する一方で、同時に懸念も浮かぶ。 もしカテゴリーキングの首輪よりもジョーカーのものの方が首輪の設計が複雑だったなら、と。 であれば、今解析している金居の首輪では自分の首輪の解除には不十分である、必要なのは――。 「相川始のもの、か」 先の放送でも呼ばれなかった自分と対になるその名前を呟く。 最悪の場合、彼の首輪を手に入れなくてはなるまい。 全くそうしても解除できない可能性もあるとなれば、今フィリップを殺すのも一つか、と彼は考えるが。 「いや、結論を急ぐのはまずい、今はこのまま奴らに好きにさせておく方が良いだろうな」 結果を急いで解除できるものを解除できなくしてしまっては意味がない、と彼は思考を切り替える。 そうだ、殺すのは奴らに首輪の解除が出来ない、と判明したときでも遅くはないはず。 どちらにせよ奴らの実力では自分には勝ちようもないのだ、今はまだ泳がせておいて何の問題もあるまい。 と、首輪に関する思考をそこで中断し、彼は先の放送について考える。 「殺害数ランキングの下位が紹介されなかったのは、俺の嘘が一瞬で明るみに出されるから、か?」 それは、殺害数ランキングの下位の不紹介について。 バルバと名乗る女は様々な理由がどうのと言っていたが、恐らくは間違いなく自分がついた嘘である天美あきらと園咲冴子殺害の犯人が野上良太郎と村上峡児のものであるという嘘がバレてしまうのを避けるためだ。 全く世界単位でキルスコアを二人も上げられないとは情けない、と彼は鼻で嗤う。 ともかく、これで奴らが自分に優位に立ち回れる可能性もなくなった。 悪評も随分と広がったし、彼らの名前が次の放送で呼ばれるのも、そう可笑しくないだろう。 首輪の解除が可能な参加者を手中に収め、主催すら仲間につけて最早この殺し合いを制したのも同然だと、彼は不気味に笑って。 次の瞬間、戻ってきた二人の駒を、いつもの好青年の笑顔で出迎えた。 【二日目 深夜】 【E-5 病院跡地】 【橘朔也@仮面ライダー剣】 【時間軸】第42話終了後 【状態】精神疲労(大)、全身に中程度の火傷(手当済み)、仲間の死に対しての罪悪感、自分の不甲斐なさへの怒り、クウガとダグバ及びに大ショッカーに対する恐怖(緩和)、仲間である仮面ライダーへの信頼 【装備】ギャレンバックル@仮面ライダー剣、ラウズカード(ダイヤA~6、9、J)@仮面ライダー剣、ラウズアブゾーバー@仮面ライダー剣、ガイアメモリ(ライアー)@仮面ライダーW、、ザビーブレス@仮面ライダーカブト 【道具】支給品一式×4、ゼクトルーパースーツ&ヘルメット(マシンガンブレードは付いてません)@仮面ライダーカブト、ディスクアニマル(アカネタカ)@仮面ライダー響鬼、変身音叉・音角@仮面ライダー響鬼 【思考・状況】 0:仮面ライダーとして、人々を護る。 1:まずは今後の方針を考える。 2:首輪の種類は一体幾つあるんだ……。 3:志村純一と共にみんなを守る。 4:小野寺が心配。 5:キング(@仮面ライダー剣)、(殺し合いに乗っていたら)相川始は自分が封印する。 6:出来るなら、始を信じたい。 【備考】 ※『Wの世界万能説』が誤解であると気づきました。 ※参戦時期のズレに気づきました。 ※ザビーゼクターに見初められたようです。変身もできるのか、保留扱いで生かされただけなのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※首輪には種類が存在することを知りました。 【志村純一@仮面ライダー剣MISSING ACE】 【時間軸】不明 【状態】全身打撲、ダメージ(中)、仮面ライダーG4に――時間変身不可? 【装備】グレイブバックル@仮面ライダー剣MISSING ACE、オルタナティブ・ゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎、ナイトのデッキ+サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎ラウズカード(クラブのJ~K、ダイヤのK)@仮面ライダー剣 【道具】支給品一式×4(ただし必要な物のみ入れてます)、ZECT-GUN(分離中)@仮面ライダーカブト、ファンガイアスレイヤー@仮面ライダーキバ 、G3の武器セット(GM-01スコーピオン、GG-02サラマンダー、GK-06ユニコーン)@仮面ライダーアギト 【思考・状況】 基本行動方針:自分が支配する世界を守る為、剣の世界を勝利へ導く。 0:後々地の石を奪い逃げた白い仮面ライダー(サガ)を追い、地の石を奪う。 1:バットショットに映ったアルビノジョーカーを見た参加者は皆殺しにする。 2:人前では仮面ライダーグレイブとしての善良な自分を演じる。 3:誰も見て居なければアルビノジョーカーとなって少しずつ参加者を間引いていく。 4:野上と村上の悪評を広め、いずれは二人を確実に潰したい。 5:フィリップを懐柔し、自身の首輪を外させたい。 6:首輪を外させたらすぐにフィリップを殺す。正体発覚などで自分の首輪を解除させるのが困難になっても最優先で殺害。 7:ライジングアルティメットを支配し、首輪を解除したら殺し合いに積極的になるのもいいかもしれない。 【備考】 ※555の世界、カブトの世界、キバの世界の大まかな情報を得ました。 ※電王世界の大まかな情報を得ました。  ただし、野上良太郎の仲間や電王の具体的な戦闘スタイルは、意図的に伏せられています。 ※冴子から、ガイアメモリと『Wの世界』の人物に関する情報を得ました。  ただし、ガイアメモリの毒性に関しては伏せられており、ミュージアムは『人類の繁栄のために動く組織』と嘘を流されています。 ※放送を行ったキングがアンデッドである事に気付いているのかどうかは不明です。 ※封印(SEAL)のカードは破壊されました。 ※オルタナティブ・ゼロ、ナイトのデッキは極力秘匿するつもりです。 【フィリップ@仮面ライダーW】 【時間軸】原作第44話及び劇場版(A to Z)以降 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、照井、亜樹子、病院組の仲間達の死による悲しみ 【装備】ガイアドライバー@仮面ライダーW、ファングメモリ@仮面ライダーW、ロストドライバー+(T2サイクロン+T2エターナル)@仮面ライダーW 【道具】支給品一式×2、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン+ヒート+ルナ)@仮面ライダーW、メモリガジェットセット(バットショット+バットメモリ、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW)、ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW、首輪(北岡)、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実 、首輪解析機@オリジナル 【思考・状況】 1:志村純一……、僕の勘違いならいいけど……。 2:大ショッカーは信用しない。 3:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。 4:園田真理を殺したのは白い化け物。 5:首輪の解除は、状況が落ち着いてもっと情報と人数が揃ってから取りかかる。 6:志村純一は信用できる……? 【備考】 ※バットショットにアルビノジョーカーの鮮明な画像を保存しています。 ※園咲冴子と天美あきらを殺したのは村上峡児と野上良太郎だと考えています。 ※鳴海亜樹子と惹かれ合っているタブーメモリに変身を拒否されました。 ※T2サイクロンと惹かれあっています。ドーパントに変身しても毒素の影響はありません。 ※病院にあった首輪解析機をエクストリームメモリのガイアスペース内に収納しています。 【全体備考】 ※E-4大病院が崩壊し廃墟となりました。 ※Gトレーラー内にはG4の充電装置があります。 ※G4は説明書には連続でおよそ15分使えるとありますが、実際どのくらいの間使えるのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4を再度使用するのにどれくらい充電すればいいのかは後続の書き手さんにお任せします。 ※G4システムはデイパック内ではなくGトレーラー内に置かれています。 ※E-5エリアにGトレーラー、トライチェイサー2000Aが停車されています。 ※ブラッディローズ@仮面ライダーキバ 、ディエンド用ケータッチ@仮面ライダー超電王、カイザポインター@仮面ライダー555、装甲声刃@仮面ライダー響鬼、カイザギア(ドライバー+ブレイガン+ショット+)@仮面ライダー555、デザートイーグル(2発消費)@現実、変身一発(残り二本)@劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト、五代の不明支給品×1、草加の不明支給品×1、ガイアドライバー(五代)@仮面ライダーWがE-5エリアのGトレーラー内に置かれていますが、志村がどこまで回収したかは不明です。 もしかするとE-4エリアに置き去りのものもあるかもしれません。 |113:[[第二回放送]]|時系列順|115:[[喪失]]| |113:[[第二回放送]]|投下順|115:[[喪失]]| |110:[[Kamen Rider:Battride War(12)]]|[[橘朔也]]|117:[[time――trick]]| |~|[[志村純一]]|~| |~|[[フィリップ]]|~|

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