水星


登録日:2023/04/02(火) 16:57:20
更新日:2023/04/04 Tue 16:56:44
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水星とは、太陽系の第一惑星。

●基礎データ

英名 Mercury
太陽からの距離 5791万km
近日点 4600万km
遠日点 6981.8万km
直径 4880km(地球の約5分の2/太陽の約285分の1)
質量 3垓3010t(地球の約18分の1)
重力 0.38(地球を1とする)
公転周期 約88日
自転周期 約58.65日(58日と約15時間)
太陽日 175.84日
表面温度(昼) 約430℃
"(遠日点時の昼) 約230℃
"(夜・日陰) 約-160〜-180℃
分類 岩石惑星
衛星の数 なし
地球に近づく周期 115日
年齢 約46億歳

●概要

太陽系で最も内側を廻っている惑星。2006年8月に冥王星が準惑星に降格して以降は太陽系の惑星の中では大きさ・質量ともに最小で、直径だけなら木星の衛星ガニメデや土星の衛星タイタンよりも小さい。
しかし内部には巨大な金属やケイ酸塩で構成された核を持っているため、質量は両衛星の合計以上ある。
衛星や環はない。
地球よりも内側を廻っているため、地球上からは日の出直前と日没直後のわずかな時間しか観測できず、数ヶ月で位置が大きく変わるため実際に見るのはたとえ望遠鏡を使ってもかなり難しい。見かけの明るさは-0.4等から5.5等まで変化し、暗く見える時期はより一層観測が難しくなる。
とはいえ条件が揃えば見ることは肉眼でも可能なので、紀元前14世紀のアッシリア人によるものと思われる星図表で既に存在を認知されていたようだ。
2020年5月22日には同じく地球の内側を廻る金星との接近が観測された。

1974年にNASAの探査機であるマリナー10号が初めて水星へ接近し、翌年3月16日には再接近した。。
観測の結果多数のクレーターがあり、地球のとそっくりな環境であることが分かった。
太陽に最も近い故に高温なため探査機を到達させるのも至難の業で謎な部分もまだまだ多いが、地球からの観測技術の発展により謎は解かれつつある。

英名のMercury(マーキュリー)はローマ神話の俊足の神メルクリウスの名が語源。Mercuryには水銀の意味もある。また、メルクリウスは死者を導く神である為、死の神という共通点のあるオーディンが水曜日(Wednesday)の語源となった。

●公転と自転

太陽に最も近いので、公転周期は太陽系最速の88日、時速約17万640kmで公転する。
その動きの速さから水の星と名付けられた模様。
太陽を直径1メートルの球と仮定すると、木星は約41.6(約33〜50)メートル離れたところを公転している直径3.5mmの球になる。
軌道は楕円型で、地球の公転面に対して7度の傾きがあり、近日点と遠日点の差は約1.5倍と太陽系の惑星の中ではどちらも最大である。
そのため、水星の太陽面通過は黄道に水星があるタイミングでしか起こらず、平均7年に1度しか観測されない。

自転周期は約58.65日。1965年にレーダー観測が行われる前には月などの衛星のように公転と自転が同期しているのではないかと思われていたが、実際には2:3 の共鳴関係にあった。公転軌道の離心率が高いためこの共鳴関係は安定して持続しており、この共鳴関係により水星の1日は約176日となり、1年よりも1日の方が2倍も長いこれは金星の115日を大きく離して太陽日は惑星の中では最長である。

環境・地形

表面積は約7479.7万㎢で、地球のユーラシア大陸の約1.5倍、インド洋とほぼ同じ広さである。
太陽に近いため受ける放射量は地球の約6.6倍にもなり、強い熱を浴びせられるため昼には430℃にもなる。遠日点では受ける熱量が減るため230℃程度まで下がる。
一方で大気がほとんどなく地表に熱を保つのが難しいため夜には-180℃まで低下する灼熱地獄と極寒地獄を繰り返す苛烈な環境にある。
同様に日陰も夜と同じ温度になる。

このような高温に常に晒されながら、極地方には永久影になる場所があり、その部分に氷が存在することが1992年の観測によって発見された。

水星の地形の最大の特徴として、カロリス盆地が挙げられる。直径は約1550mと水星の直径の約31%にも及び、約36億年前に直径100 km程度の小惑星の衝突によって作られたと考えられている。
盆地内には標高3000〜4000m級のカロリス山脈が存在する。
なおこの時に衝突した小惑星が少しでも大きかったら水星が粉々になっていた可能性もあると言う。

上述した通り地表にはクレーターが多く月とよく似ているが、カリウムや硫黄、ナトリウムなどの揮発性が高い成分が月面と比べて桁違いに多いことが明らかとなっていて、形成過程は似て非なるものとなっている。

●創作作品における木星


小説


  • 『堂々巡り』(1950)

  • 『いちばん寒い場所』(1964)
ノウンスペース・シリーズの短編。水星の公転と自転は同期しているという前提で描かれたが、その翌年に同期していないことが判明したという曰く付きの作品。

  • 『宇宙のランデヴー』(1973)
2130年を舞台に、太陽系に進入した異星の宇宙船ラーマとのファースト・コンタクトを描いた作品。

  • デイヴィッド・ブリン『サンダイバー』(1980年)- 知性化シリーズの長編。

  • 野尻抱介『太陽の簒奪者』(2002年)

  • ベン・ボーヴァ 『Mercury』 (2005年)



アニメ

2022年10月からMBS系列にて放送されているテレビアニメ。
主人公のスレッタ・マーキュリーTVシリーズでは初の女性主人公で、物心付く前に水星軌道基地「ペビ・コロンボ23」に移住しそこで育っている。
そして本編開始時のアド・ステラ122年にフロント73区・アスティカシア高等専門学園のパイロット科2年に編入学してきた。
ガンダムシリーズで人類の活動圏とされるのは初だが、これまで語ってきたように非常に過酷極まりない環境にある。
これらに耐えながら行われるパーメットなどの資源採掘を主要産業としていたが、月でも採掘が可能になると急速に衰退し、子供はスレッタ1人だったようでいわゆる限界集落で学校もない状態にある。


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最終更新:2023年04月04日 16:56