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*究極◆gry038wOvE EPISODE : 189  究 極 △ 【G-8 中学校付近】 【01:50 a.m.】  ──要は、結果だけで充分であった。  この光景さえ見れば、もう目を疑う者は誰もいない。  彼らの物語は、常に結果だけが重視される。過程でどんな事が起きていようとも、それは決して重要な事ではない。  ただの無情な王、ン・ガドル・ゼバはそこに立っていた。  そこにいるのは、正真正銘・究極の闇を齎すであろう存在だった。  その影響力は、この殺し合いの制限さえ超えて、空に闇を作り上げる。  黒い雲が空を隠し、星あかりを遮断する。空はもう、一面の雲である。闇しか見えず、時たまそこに作り出される光は、雷鳴に先んじてやって来る黄色い電流であった。  雨がぽつぽつと降り始め、やがてはザーザーと音を立てる。  始まった。  ────究極の闇が、始まった。  まさしく、それであった。ガドルが追い求めた、己にとっての究極。  それを感じた時、ガドルの中から空虚感は消え、代わりに自分の中にあったそれを満たす無数の欲望が湧き上がって来た。  闇の中で嗤う怪人に、ただ一人の聖母が微笑みかける。  それは唯一、彼がこれから心を許す同胞であった。彼女を殺す必要はない。──否、彼女は少なくとも、これから元の世界に帰った時に絶対に必要となる存在だ。殺してはならない。  やがて、その怪人は騎馬に跨り、闇に消えていく事になった。  その姿を追うように、雷鳴が鳴り響いた。 △  ──ガドルが回想するその時の記憶は、全く色あせたものだった。  本来、もっと様々なやり取りがあったかもしれないが、ガドルの記憶上は断片的にしかそれは思い出されなかった。  いや、既に過去に向ける興味などない。  疾走するバイクの上で、ン・ガドル・ゼバはつい十数分前の戦いを思い出し、そして、その瞬間だけ満足な気分を味わい、また、次に誰かを殺害する事を想像した。  これは、その一瞬ばかりで、ガドルが回想した、ぼやけた一カットである。 【G-8 中学校付近】 【01:32 a.m.】  薔薇の刺青の女──ラ・バルバ・デはその光景を見て呟いた。 「──ザギバス・ゲゲルも終わりか」  無感情な声ながら、顔は微かに笑っていた。  ラ・ドルド・グは、その言葉を聞いた時、開きかけていた口を閉ざした。  おそらくは、バルバとさして違わぬ事を言おうとしたのだろう。  ──ザギバス・ゲゲル。  それは、新たなるグロンギの王を決定づけるための、白き闇のゲームの名である。  なし崩し的に一方の世界のグロンギの王となってしまった、ン・ガドル・ゼバと。  何者かもわからぬままどこかから現れたグロンギの王である、ン・ガミオ・ゼダと。  この二人が対立し、ガドルの首輪が爆破されるまでの五分の猶予の中で死闘を繰り広げる。王の座に対する執着と、強さや存在に対する情熱が、そのまま拳を使って相手にぶつけられ、どちらかが死ぬまで殺し合いを続ける。相手の生命など一切尊重しない恐怖の怪物たちの「ゲーム」であった。  しかし、それこそ無言で殴り合い、技を繰り出し合うような単調極まりない物だったので省略する。  このゲゲルは、ガドルにとっても楽しい記憶にはなりえなかった。  戦術の妙においては、それこそこれまで戦ってきた無数の敵対者たちよりも、数段劣る。  伊達に、姿を変えるリント十余名と戦ってはいない。──まして、その内六名も葬った彼ならば。 「──見ろッ」  そして、その死闘の果てに、一方が、生命活動に絶対的なチェックメイトを指されるような一撃を負っていた。胸元に抉りこんでいる一撃は、確実に敵の急所を射止める技だった。 「フンッ……」  ──ン・ガミオ・ゼダの胸部から、ガドルソードが抜き出される。  それは、要するに、そういう事だった。  ガミオの胸から溢れる赤い濁流は、その者の敗北を意味した。死闘の末、ガドルの所持するガドルソードがガミオの胸を刺し貫き、完膚なきまでにガミオに己の最後を知らしめたのである。  ガドルの勝利、であった。 「がはっ──」  その瞬間、ガミオの口から、無意識に漏れた悲鳴。  苦渋の声であった。ガドルは、したり顔でバルバの方に視線を贈った。 「……ふっ」  傍らでは、バルバがにやりと口元を歪ませた。ガドルの勝利を喜んでいるのだろうか。──いや、そうではない。おそらくは、自分の予想通りの結果になった事実だけが彼女を笑わせているのだ。もし、彼女がガミオの勝利の未来を見つめていたならば、笑わなかったに違いない。  ドルドは、冷静な記録者として、無感情にその戦いを見つめつつ、何やら奇妙な道具で結果を記した。  ガミオは、そんな二人の方を少し見ながらも、決して助けを求めている風ではなかった。  ──仕組まれていた事だったのか、と少し疑っただろうが、しかし、いや、そういうわけではないとガミオは心中察しただろう。  彼が受け入れたのがガドルにはわかった。いわば、これが「結果」だ。 「くっ……!!」  傷口を抑える腕が赤く染まる。  この血は消えない。ガミオの腕を汚し、決して消えない塗料であった。ガミオは、その指先さえこの世に遺しておきたいと思ったに違いない。  そう、それこそはまさしくガミオが存在していたという証だ。  死への恐怖など端から彼の中にはなく、それを見て、むしろ彼は歓喜するほどであった。 「な、る、ほど……! 俺の存在も、遂に、ここまでという、事か……」  どこか嬉しそうに、彼は言った。  ガミオが欲しかったもの──それはわからないが、執着し続けたのは「存在」であった。  本来交わる事のない相手と出会い、一戦の果てにこうして消えゆく。  勝利し、グロンギの王として認められる事で、彼は自分の存在を知らしめようとした。  その悲願は叶わず。  最後に見出した物は細やかであり、おそらくは彼が心底臨んだ物とはかけ離れた物であるに違いない。せめて、最後に何か言い訳や気休めが欲しかったのだ。  ガドルが無情に応えた。 「その通りだ」  更に、横凪ぎに──。ガドルソードはガミオの腰を抉っていく。ガミオに反撃する余地はなかった。  敗北を確信した彼に、それ以上の気力はない。 「ならば、貴様は生き、そしてこの世に存在し続けろ……王、ガドルよ……」  敗者から勝者に与えられた言葉は一つだった。  その言葉が、何となく皮肉っぽく感じた。ガドルは決して、彼の言葉に対して何も思わなかったが、ただその直感だけが、不快感を呼び起こしたのだろう。  少し眉を顰めて崩れゆくガミオを蔑み見下ろすと、 「リントよ、闇が始まるぞ……」  そんな一言が彼の口から漏れた。  それが、この場において、全く正体不明のままであった、ン・ガミオ・ゼダという一人の王の辞世の句であった。 △ 【G-8 中学校付近】 【01:35 a.m.】  それから、ある意味儀式ともいえる催しが始まった。  バルバの所持するダグバのベルトが、ガドルに進呈される。  それを受け取る事に抵抗はなかった。  漸く、この力にありつけるのである──とさえ、思っていた。  正当なゲゲルを経て、ダグバのベルトを得られるのならば、全く、ガドルとしては本望である。これで初めてグロンギの王という言葉が実感となる。 「……ガドル。今からお前が、究極の闇を齎す者だ」  この場において、ダグバが究極の闇としての神髄を発揮できなかったのは、もう一人の王・ガミオの存在があったからこそである。  二人の王の「究極の闇」は違う。  ダグバが齎す究極の闇は、世界を覆う暗雲と、力を行使した一斉殺戮だ。  対して、ガミオの究極の闇は、人々をグロンギ化させるガスを発する事である。  その二つの世界の定義の矛盾が、ダグバの力を更に制限していた。  しかし、今となっては、そのうち一方が倒れ、この世界が「基準」として見るクウガの世界は、一つになった。 「──なるほど」  そう答えるガドルの首周りからは、首輪はもうなくなっていた。  バルバの計らいで、ガドルの首輪は爆発前にラームを吸いとる能力を失ったのだ。  結果、爆破はしたが──ガドルの体表には、虫の羽が触れたほどの感覚もなかった。  ガドルの体から落ちていく首輪の破片は、弱弱しいという他ない。 「だが、少し待て」 「なんだ?」 「この姿で片づけたい事が一つある」  ガドルは、そう言うと、ドルドの方を見た。  すると、ドルドは戦慄した。 「前の恨みだ、ドルド」  その言葉の意味と合致するような出来事が、そういえば確かに、「前」にあったのである。  そう、ドルドがここに連れて来られる直前の話だ。  ガドルのゲゲルは、一度やり直しさせる事になった──その理由は、ドルドが持っていたバグンダダが破壊され、結果としてガドルの殺害数が不明になってしまったからである。  それにガドルは怒り、ドルドを襲った。  あの時の恨みが、まだガドルを支配していたのだろう。 「──応じよう」  対するドルドも、潔さがあった。  それは、ある種の責任感ともいえたかもしれない。  ドルドは黒に体に白い衣を纏ったコンドル種怪人へと姿を変えた。  しかし、真向勝負を望むわけではなかった。  瞬間、ドルドは羽音を立てて飛翔し、自分が得意である空中というフィールドへと場所を変える。  空中を自在に滑空しながら攻撃できるドルドと、地面から狙い撃ちするしかないガミオならば、勿論ドルドの方が、自由度が高い。 「ふぬけが」  ガドルは目を緑に変身させる。  滑空し、ガドルの元へと猛スピードで降りてくるドルドに向かって、ガドルボウガンから空気弾を一発──。  しかし、ドルドはそれを華麗に避ける。空中というフィールドにおいては、彼の方が一段上だ。すぐにガドルの体を掴み、空へと移動した。  ガドルは空中で身動きが取れなくなる。 「ぐっ……!」 「誰がふぬけだ」 「──さすがは、ラか!」  ドルドは充分に強い。それこそ、ラのグロンギは、ゴのリーダーであるガドルと互角の戦いができるほどである。  ガドルも強化を図ったつもりであったが、ドルドはそう簡単には倒される相手ではなかったらしい。スピードの面では大幅な強化はなく、ドルドでも素早く対応できるほどだった。  しかし── 「フンッ!」  ──パワーとなると、話は別だった。  格闘体に変身したガドルから放たれるパンチは、ドルドの顎を砕き、全身から力を失わせた。ガドルの体を強く掴んでいたはずの指先が溶けていくように体を離した。  ガドルは、空中でドルドの羽をもぐ。 「何っ!?」  刹那、ドルドがバランスを崩した。羽がなければ安定した飛翔は不可能だ。  そのまま、ガドルはドルドとともに落ちていく。  ガドルは、ここぞとばかりに目を緑に光らせた。 「死ね──」  ガドルは落ちゆくドルドの腹の上に立った。まるで、サーファーが波に乗るように、空気の波を掴んでいた。ドルドというサーフボードに乗っかったガドルは、少し屈んだ。  その手に構えたガドルボウガンが、ドルドの頭部に押しあてられる。 「貴様……!」  ドルドが何かを言おうとした瞬間、ガドルボウガンの引き金にはほんの数キロの力が込められた。  同時に、ドルドの頭を空気の弾丸が打ち抜き、貫通した箇所に入っていた「中身」を地面にぶちまけながら、ドルドは力なく落ちた。  ガドルは、ドルドが叩き付けられた地面より、数メートル離れた場所に着地すると、まるで何事もなかったかのようにバルバの方を見た。 「──終わった」 「そうか」  不愛想な会話とともに、ガドルのグロンギの王として最初の粛清が終了した。  そして、ようやくガドルは変身を解除し、元の軍服の男に姿を戻した。  バルバの手に握られた金色のベルトを、ガドルは全くの無表情で受け取った。  これこそが、新たな力の礎となるベルトなのだ。  表情には出なかったが、内心ではそれを入手した事を、余程嬉しく思っていたに違いない。 △ 【G-8 中学校付近】 【01:39 a.m.】  ガドルは、ふと思い立ったように、ガミオのいた場所を見つめた。  見れば、そこにン・ガミオ・ゼダの遺体──あるいは死体──は存在していない。 「奴の残骸は消えたか」  冷静に呟いてはいるが、内心に不安はある。  奴はまだベルトを砕かれていない。──生きているのかもしれない、と思ったのだ。 「しかし、何故だ?」 「わからん。……もしかすると、もう一人の王など、最初からいなかったのかもな」 「──だが」 「奴は我々にとって、消えた存在も同じだ。在り続ける意味はない」  納得はしなかったが、バルバの言葉をガドルは噛みしめた。  ン・ガミオ・ゼダとの戦いは、すぐにガドルの中で実感のない物になっていった。  それは、本当に得体の知れない影との戦いのようである。  彼は、もはや──そうなっていた。はっきりと思いだす事さえできない。まるで、ピントの外れた写真の中に、死者の姿を見ているような気分だった。 「最初から、いなかったか……」  思えば、そんな気もしてくる。彼が最初からいなかった、と。 「奴もかつてはリントと同じだったのかもな」 「何?」 「……独り言だ。気にするな」  バルバは、ぶっきらぼうにそう言った。  そして、改めてガドルに言った。 「これからお前が刻むのは、かつての王の存在ではない」 「──俺の存在か」 「その通りだ」  ガドルは、その言葉に対して、少し悩んだ。甲斐もなく、ただどう返すか悩んだのだ。  しかし、ガドルは、それを聞いて、それでは自分が今すべき行為をしようと思った。  何をすればいいのかはわからないが、ただ自分らしい行動をする。  これまでの戦いで使ってきたのと同じ、「タロットカード」を取り出した。 「ならば、これが今の俺の退屈しのぎのゲゲルだ」  ガドルは、三枚のタロットカードを選び、そこにばらまいた。  『月』──三日月型の武器を持った敵、結城丈二を倒した証。  『皇帝』──かつての王、ン・ガミオ・ゼダを倒した証。  『審判』──羽を持つ審判、ラ・ドルド・グを倒した証。  しかし、乱雑にそれを置くと、全て、風に飲まれてどこかへ消えていった。  ガドルとバルバは、風に消えていく三枚のカードを見送った。  そのどこかに消えたカードだけが、ガミオがいた証なのかもしれない。 △ 【G-8 中学校付近】 【01:45 a.m.】  燃える。  かつて、ラ・ドルド・グという名のグロンギ族であった男の亡骸は、五本角のカブトムシ怪人の超自然発火能力によって燃え始めていた。──うっすらと、炎の向こうにその姿が見える。  本当の意味で、それがン・ガドル・ゼバの初変身であった。  ドルドの体を分子レベルで分解し、焼失させる。バルバが所持していた羊皮紙も、今や用済みとなって、その中で黒く溶けて形を崩し始めていた。  めらめらと燃え上がる炎は、いわばまだ小火である。  それが、ガドルが最初に使った究極の力で──初の使用にしては、全くスケールの小さなものである。 「ダグバの力の恩恵か」 「うむ」  ダグバのベルトと相乗して、新たな力を得たガドルは、頭の角の本数を増やす事ができた。  ダグバの四本と、ガドルの一本で、五本角。──ゴホンヅノカブトムシと呼べば近いだろうか。あのように、角の本数を増やし、まだ誰も見た事のない究極の怪物に成り果てていた。 「これもまた、究極の風か」  突如、大きな風が吹いた。──いや、先ほどから兆候はあったが、だんだんと大きく、確かな物になっていったのだ。  それも、音もはっきりと聞こえ始めている。吹き荒れるような風になるだろう。  ドルドを消していく目の前の炎も、激しく揺れ動く。それを見つめながら、バルバは応えた。 「そうだ。ダグバが齎す力のほんの一部だ」  ダグバの余りにも強すぎる力は、異常気象を起こす。  大風を起こし、暗雲を起こし、雷雨を起こす。  リントたちは勿論、自然さえも究極の闇を恐れているようだった。  ガドルは、今、その力を自分自身で発動しているのだ。 「バルバ。お前はこれからどうする」 「……お前と、そしてリントの戦いを見届ける。もうそれくらいしかやる事はない」 「そうか」  これから、グロンギである彼らにはこれといった目標はない。  ただこのゲゲルを勝ち抜くだけだ。  ガドルがダグバを倒す為に行動する事もなく、バルバがザギバス・ゲゲルの為に主催に協力して動く事もない。  それこそ、機械的に──ただ殺し合うマシーンのように生き抜くのみだ。  強い者と戦い、そして勝ち進む事こそ、ガドルに残された残りの道である。  しかし、バルバには──何もない。  そんな姿を、ガドルは少し察した。ある種の──集団意識・仲間意識だ。感情は入り組んでいないが、共に行動する事には意味がある。 「──ついてくるか」  ガドルは、バイクをぽんと叩いて訊いた。  ガドルが先ほどまで走らせていたビートチェイサーは、装飾品を挿し込む事でグロンギに適した別の姿に変身している。  それは、ゴ・バダー・バが行ったのと同じ要領で発動された力である。今までも使えるといえば使える力だったが、元の性能が充分なので、バダーのようにそこで拘る事はなかった。  しかし、ビートチェイサーも今となっては、随分と貧相なマシンに見えたのだ。  王には、王に相応しい姿の騎馬が必要になる。  ガブオソソ──”サ”ブトロー。  黒く変形したバイクに、彼はそう名付けた。 「ああ」  バルバは、答えた。  彼女も、リントに興味があった。  科学の力で、グロンギに対抗していくリントたち──「戦う術」を知りゆくリントたち。  かつて、平和的で争いを一切しなかったリントたちが、自衛の為に武器を取るようになった現代社会。そこは、かつてよりも「グロンギ」と「リント」の境界が曖昧な場所であった。  バルバは、リントがグロンギと等しくなっていくのを感じた。  はたして──  その答えを見届ける為に、バルバは行く事にした。 【2日目 未明】 【G-8 中学校付近】 ※周囲は荒廃しており、電気も通らなくなっています。 ※「究極の闇」が始まり、このエリアを中心に異常気象が広がっています。おそらく昼ごろまでにはマップ全域で異常気象が始まります(ただし、ガドルが殺害された場合を除く)。 【ン・ガドル・ゼバ(ゴ・ガドル・バ)@仮面ライダークウガ】 [状態]:疲労(小)、全身にダメージ(小)(回復中) 、肩・胸・顔面に神経断裂弾を受けたダメージ(回復中)、胸部に刺傷(回復中)、腹部・胸部にかなり強いダメージ、電撃による超強化、首輪解除、ダグバのベルト吸収、究極体に変身中、ガブオソソに搭乗中 [装備]:ガブオソソ(ビートチェイサー2000を装飾品で変形)@仮面ライダークウガ、スモークグレネード@現実×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガ、京水のムチ@仮面ライダーW [道具]:支給品一式×8(スバル、ティアナ、井坂(食料残2/3)、アクマロ、流ノ介、なのは、本郷、まどか)、東せつなのタロットカード(「正義」、「塔」、「太陽」、「月」、「皇帝」、「審判」を除く)@フレッシュプリキュア!、ルビスの魔剣@牙狼、鷹麟の矢@牙狼 [思考] 基本:殺し合いに優勝し真の頂点に立つ。 1:ダグバのように、周囲の人間を殺して誰かを怒らせるのも良い。 2:石堀、エターナルと再会したら殺す。 3:強者との戦いで自分の力を高める。その中で、ゲームとしてタロットカードの絵に見立てた殺人を行う。 4:体調を整え更なる力を手に入れたなら今まで取るに足らんとしてきた者とも戦う。 ※死亡後からの参戦です。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※ナスカ・ドーパント、ダークメフィストツヴァイを見て、力を受け継ぐ、という現象を理解しました。 ※フォトンランサーファランクスシフト、ウェザーのマキシマムドライブによって大量の電撃を受けた事で身体が強化され、アメイジングマイティに匹敵する「驚天体」に進化できます。また、電撃体の使用時間も無限になっており、電撃体とその他のフォームを掛け持つ事ができます(驚天体では不可能です)。 ※仮面ライダーエターナルが天候操作や炎を使ったため、彼に「究極」の力を感じています。また、エターナルには赤、青の他にも緑、紫、金などの力があると考えています。 ※ザギバス・ゲゲルに勝利し、グロンギの王となりました。ダグバのベルトを吸収して、「究極体」に進化できます。 【ラ・バルバ・デ@仮面ライダークウガ】 [状態]:健康、ガブオソソに搭乗中 [装備]:ゲゲルリング [道具]:なし [思考] 基本:ガドルとリントの行く先を見届ける。 1:ガドルについていく。普段通り、あくまでゲゲルの観測者として、殺し合うつもりはない。 &color(red){【ン・ガミオ・ゼダ@仮面ライダークウガ? 死亡】} &color(red){【ラ・ドルド・グ@仮面ライダークウガ 死亡】} ※ガミオの遺体は消えました。鋼牙が受けたガミオのガスの被害は消えます。ただし、その過程で受けたダメージなどは残ります。 *時系列順で読む Back:[[大いなる眠り(後編)]]Next:[[]] *投下順で読む Back:[[大いなる眠り(後編)]]Next:[[]] |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ゴ・ガドル・バ]]|Next:[[]]| |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ン・ガミオ・ゼダ]]|COLOR(RED):GAME OVER| |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ラ・バルバ・デ]]|Next:[[]]| |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ラ・ドルド・グ]]|COLOR(RED):GAME OVER| ----
*究極◆gry038wOvE EPISODE : 189  究 極 △ 【G-8 中学校付近】 【01:50 a.m.】  ──要は、結果だけで充分であった。  この光景さえ見れば、もう目を疑う者は誰もいない。  彼らの物語は、常に結果だけが重視される。過程でどんな事が起きていようとも、それは決して重要な事ではない。  ただの無情な王、ン・ガドル・ゼバはそこに立っていた。  そこにいるのは、正真正銘・究極の闇を齎すであろう存在だった。  その影響力は、この殺し合いの制限さえ超えて、空に闇を作り上げる。  黒い雲が空を隠し、星あかりを遮断する。空はもう、一面の雲である。闇しか見えず、時たまそこに作り出される光は、雷鳴に先んじてやって来る黄色い電流であった。  雨がぽつぽつと降り始め、やがてはザーザーと音を立てる。  始まった。  ────究極の闇が、始まった。  まさしく、それであった。ガドルが追い求めた、己にとっての究極。  それを感じた時、ガドルの中から空虚感は消え、代わりに自分の中にあったそれを満たす無数の欲望が湧き上がって来た。  闇の中で嗤う怪人に、ただ一人の聖母が微笑みかける。  それは唯一、彼がこれから心を許す同胞であった。彼女を殺す必要はない。──否、彼女は少なくとも、これから元の世界に帰った時に絶対に必要となる存在だ。殺してはならない。  やがて、その怪人は騎馬に跨り、闇に消えていく事になった。  その姿を追うように、雷鳴が鳴り響いた。 △  ──ガドルが回想するその時の記憶は、全く色あせたものだった。  本来、もっと様々なやり取りがあったかもしれないが、ガドルの記憶上は断片的にしかそれは思い出されなかった。  いや、既に過去に向ける興味などない。  疾走するバイクの上で、ン・ガドル・ゼバはつい十数分前の戦いを思い出し、そして、その瞬間だけ満足な気分を味わい、また、次に誰かを殺害する事を想像した。  これは、その一瞬ばかりで、ガドルが回想した、ぼやけた一カットである。 【G-8 中学校付近】 【01:32 a.m.】  薔薇の刺青の女──ラ・バルバ・デはその光景を見て呟いた。 「──ザギバス・ゲゲルも終わりか」  無感情な声ながら、顔は微かに笑っていた。  ラ・ドルド・グは、その言葉を聞いた時、開きかけていた口を閉ざした。  おそらくは、バルバとさして違わぬ事を言おうとしたのだろう。  ──ザギバス・ゲゲル。  それは、新たなるグロンギの王を決定づけるための、白き闇のゲームの名である。  なし崩し的に一方の世界のグロンギの王となってしまった、ン・ガドル・ゼバと。  何者かもわからぬままどこかから現れたグロンギの王である、ン・ガミオ・ゼダと。  この二人が対立し、ガドルの首輪が爆破されるまでの五分の猶予の中で死闘を繰り広げる。王の座に対する執着と、強さや存在に対する情熱が、そのまま拳を使って相手にぶつけられ、どちらかが死ぬまで殺し合いを続ける。相手の生命など一切尊重しない恐怖の怪物たちの「ゲーム」であった。  しかし、それこそ無言で殴り合い、技を繰り出し合うような単調極まりない物だったので省略する。  このゲゲルは、ガドルにとっても楽しい記憶にはなりえなかった。  戦術の妙においては、それこそこれまで戦ってきた無数の敵対者たちよりも、数段劣る。  伊達に、姿を変えるリント十余名と戦ってはいない。──まして、その内六名も葬った彼ならば。 「──見ろッ」  そして、その死闘の果てに、一方が、生命活動に絶対的なチェックメイトを指されるような一撃を負っていた。胸元に抉りこんでいる一撃は、確実に敵の急所を射止める技だった。 「フンッ……」  ──ン・ガミオ・ゼダの胸部から、ガドルソードが抜き出される。  それは、要するに、そういう事だった。  ガミオの胸から溢れる赤い濁流は、その者の敗北を意味した。死闘の末、ガドルの所持するガドルソードがガミオの胸を刺し貫き、完膚なきまでにガミオに己の最後を知らしめたのである。  ガドルの勝利、であった。 「がはっ──」  その瞬間、ガミオの口から、無意識に漏れた悲鳴。  苦渋の声であった。ガドルは、したり顔でバルバの方に視線を贈った。 「……ふっ」  傍らでは、バルバがにやりと口元を歪ませた。ガドルの勝利を喜んでいるのだろうか。──いや、そうではない。おそらくは、自分の予想通りの結果になった事実だけが彼女を笑わせているのだ。もし、彼女がガミオの勝利の未来を見つめていたならば、笑わなかったに違いない。  ドルドは、冷静な記録者として、無感情にその戦いを見つめつつ、何やら奇妙な道具で結果を記した。  ガミオは、そんな二人の方を少し見ながらも、決して助けを求めている風ではなかった。  ──仕組まれていた事だったのか、と少し疑っただろうが、しかし、いや、そういうわけではないとガミオは心中察しただろう。  彼が受け入れたのがガドルにはわかった。いわば、これが「結果」だ。 「くっ……!!」  傷口を抑える腕が赤く染まる。  この血は消えない。ガミオの腕を汚し、決して消えない塗料であった。ガミオは、その指先さえこの世に遺しておきたいと思ったに違いない。  そう、それこそはまさしくガミオが存在していたという証だ。  死への恐怖など端から彼の中にはなく、それを見て、むしろ彼は歓喜するほどであった。 「な、る、ほど……! 俺の存在も、遂に、ここまでという、事か……」  どこか嬉しそうに、彼は言った。  ガミオが欲しかったもの──それはわからないが、執着し続けたのは「存在」であった。  本来交わる事のない相手と出会い、一戦の果てにこうして消えゆく。  勝利し、グロンギの王として認められる事で、彼は自分の存在を知らしめようとした。  その悲願は叶わず。  最後に見出した物は細やかであり、おそらくは彼が心底臨んだ物とはかけ離れた物であるに違いない。せめて、最後に何か言い訳や気休めが欲しかったのだ。  ガドルが無情に応えた。 「その通りだ」  更に、横凪ぎに──。ガドルソードはガミオの腰を抉っていく。ガミオに反撃する余地はなかった。  敗北を確信した彼に、それ以上の気力はない。 「ならば、貴様は生き、そしてこの世に存在し続けろ……王、ガドルよ……」  敗者から勝者に与えられた言葉は一つだった。  その言葉が、何となく皮肉っぽく感じた。ガドルは決して、彼の言葉に対して何も思わなかったが、ただその直感だけが、不快感を呼び起こしたのだろう。  少し眉を顰めて崩れゆくガミオを蔑み見下ろすと、 「リントよ、闇が始まるぞ……」  そんな一言が彼の口から漏れた。  それが、この場において、全く正体不明のままであった、ン・ガミオ・ゼダという一人の王の辞世の句であった。 △ 【G-8 中学校付近】 【01:35 a.m.】  それから、ある意味儀式ともいえる催しが始まった。  バルバの所持するダグバのベルトが、ガドルに進呈される。  それを受け取る事に抵抗はなかった。  漸く、この力にありつけるのである──とさえ、思っていた。  正当なゲゲルを経て、ダグバのベルトを得られるのならば、全く、ガドルとしては本望である。これで初めてグロンギの王という言葉が実感となる。 「……ガドル。今からお前が、究極の闇を齎す者だ」  この場において、ダグバが究極の闇としての神髄を発揮できなかったのは、もう一人の王・ガミオの存在があったからこそである。  二人の王の「究極の闇」は違う。  ダグバが齎す究極の闇は、世界を覆う暗雲と、力を行使した一斉殺戮だ。  対して、ガミオの究極の闇は、人々をグロンギ化させるガスを発する事である。  その二つの世界の定義の矛盾が、ダグバの力を更に制限していた。  しかし、今となっては、そのうち一方が倒れ、この世界が「基準」として見るクウガの世界は、一つになった。 「──なるほど」  そう答えるガドルの首周りからは、首輪はもうなくなっていた。  バルバの計らいで、ガドルの首輪は爆発前にラームを吸いとる能力を失ったのだ。  結果、爆破はしたが──ガドルの体表には、虫の羽が触れたほどの感覚もなかった。  ガドルの体から落ちていく首輪の破片は、弱弱しいという他ない。 「だが、少し待て」 「なんだ?」 「この姿で片づけたい事が一つある」  ガドルは、そう言うと、ドルドの方を見た。  すると、ドルドは戦慄した。 「前の恨みだ、ドルド」  その言葉の意味と合致するような出来事が、そういえば確かに、「前」にあったのである。  そう、ドルドがここに連れて来られる直前の話だ。  ガドルのゲゲルは、一度やり直しさせる事になった──その理由は、ドルドが持っていたバグンダダが破壊され、結果としてガドルの殺害数が不明になってしまったからである。  それにガドルは怒り、ドルドを襲った。  あの時の恨みが、まだガドルを支配していたのだろう。 「──応じよう」  対するドルドも、潔さがあった。  それは、ある種の責任感ともいえたかもしれない。  ドルドは黒に体に白い衣を纏ったコンドル種怪人へと姿を変えた。  しかし、真向勝負を望むわけではなかった。  瞬間、ドルドは羽音を立てて飛翔し、自分が得意である空中というフィールドへと場所を変える。  空中を自在に滑空しながら攻撃できるドルドと、地面から狙い撃ちするしかないガミオならば、勿論ドルドの方が、自由度が高い。 「ふぬけが」  ガドルは目を緑に変身させる。  滑空し、ガドルの元へと猛スピードで降りてくるドルドに向かって、ガドルボウガンから空気弾を一発──。  しかし、ドルドはそれを華麗に避ける。空中というフィールドにおいては、彼の方が一段上だ。すぐにガドルの体を掴み、空へと移動した。  ガドルは空中で身動きが取れなくなる。 「ぐっ……!」 「誰がふぬけだ」 「──さすがは、ラか!」  ドルドは充分に強い。それこそ、ラのグロンギは、ゴのリーダーであるガドルと互角の戦いができるほどである。  ガドルも強化を図ったつもりであったが、ドルドはそう簡単には倒される相手ではなかったらしい。スピードの面では大幅な強化はなく、ドルドでも素早く対応できるほどだった。  しかし── 「フンッ!」  ──パワーとなると、話は別だった。  格闘体に変身したガドルから放たれるパンチは、ドルドの顎を砕き、全身から力を失わせた。ガドルの体を強く掴んでいたはずの指先が溶けていくように体を離した。  ガドルは、空中でドルドの羽をもぐ。 「何っ!?」  刹那、ドルドがバランスを崩した。羽がなければ安定した飛翔は不可能だ。  そのまま、ガドルはドルドとともに落ちていく。  ガドルは、ここぞとばかりに目を緑に光らせた。 「死ね──」  ガドルは落ちゆくドルドの腹の上に立った。まるで、サーファーが波に乗るように、空気の波を掴んでいた。ドルドというサーフボードに乗っかったガドルは、少し屈んだ。  その手に構えたガドルボウガンが、ドルドの頭部に押しあてられる。 「貴様……!」  ドルドが何かを言おうとした瞬間、ガドルボウガンの引き金にはほんの数キロの力が込められた。  同時に、ドルドの頭を空気の弾丸が打ち抜き、貫通した箇所に入っていた「中身」を地面にぶちまけながら、ドルドは力なく落ちた。  ガドルは、ドルドが叩き付けられた地面より、数メートル離れた場所に着地すると、まるで何事もなかったかのようにバルバの方を見た。 「──終わった」 「そうか」  不愛想な会話とともに、ガドルのグロンギの王として最初の粛清が終了した。  そして、ようやくガドルは変身を解除し、元の軍服の男に姿を戻した。  バルバの手に握られた金色のベルトを、ガドルは全くの無表情で受け取った。  これこそが、新たな力の礎となるベルトなのだ。  表情には出なかったが、内心ではそれを入手した事を、余程嬉しく思っていたに違いない。 △ 【G-8 中学校付近】 【01:39 a.m.】  ガドルは、ふと思い立ったように、ガミオのいた場所を見つめた。  見れば、そこにン・ガミオ・ゼダの遺体──あるいは死体──は存在していない。 「奴の残骸は消えたか」  冷静に呟いてはいるが、内心に不安はある。  奴はまだベルトを砕かれていない。──生きているのかもしれない、と思ったのだ。 「しかし、何故だ?」 「わからん。……もしかすると、もう一人の王など、最初からいなかったのかもな」 「──だが」 「奴は我々にとって、消えた存在も同じだ。在り続ける意味はない」  納得はしなかったが、バルバの言葉をガドルは噛みしめた。  ン・ガミオ・ゼダとの戦いは、すぐにガドルの中で実感のない物になっていった。  それは、本当に得体の知れない影との戦いのようである。  彼は、もはや──そうなっていた。はっきりと思いだす事さえできない。まるで、ピントの外れた写真の中に、死者の姿を見ているような気分だった。 「最初から、いなかったか……」  思えば、そんな気もしてくる。彼が最初からいなかった、と。 「奴もかつてはリントと同じだったのかもな」 「何?」 「……独り言だ。気にするな」  バルバは、ぶっきらぼうにそう言った。  そして、改めてガドルに言った。 「これからお前が刻むのは、かつての王の存在ではない」 「──俺の存在か」 「その通りだ」  ガドルは、その言葉に対して、少し悩んだ。甲斐もなく、ただどう返すか悩んだのだ。  しかし、ガドルは、それを聞いて、それでは自分が今すべき行為をしようと思った。  何をすればいいのかはわからないが、ただ自分らしい行動をする。  これまでの戦いで使ってきたのと同じ、「タロットカード」を取り出した。 「ならば、これが今の俺の退屈しのぎのゲゲルだ」  ガドルは、三枚のタロットカードを選び、そこにばらまいた。  『月』──三日月型の武器を持った敵、結城丈二を倒した証。  『皇帝』──かつての王、ン・ガミオ・ゼダを倒した証。  『審判』──羽を持つ審判、ラ・ドルド・グを倒した証。  しかし、乱雑にそれを置くと、全て、風に飲まれてどこかへ消えていった。  ガドルとバルバは、風に消えていく三枚のカードを見送った。  そのどこかに消えたカードだけが、ガミオがいた証なのかもしれない。 △ 【G-8 中学校付近】 【01:45 a.m.】  燃える。  かつて、ラ・ドルド・グという名のグロンギ族であった男の亡骸は、五本角のカブトムシ怪人の超自然発火能力によって燃え始めていた。──うっすらと、炎の向こうにその姿が見える。  本当の意味で、それがン・ガドル・ゼバの初変身であった。  ドルドの体を分子レベルで分解し、焼失させる。バルバが所持していた羊皮紙も、今や用済みとなって、その中で黒く溶けて形を崩し始めていた。  めらめらと燃え上がる炎は、いわばまだ小火である。  それが、ガドルが最初に使った究極の力で──初の使用にしては、全くスケールの小さなものである。 「ダグバの力の恩恵か」 「うむ」  ダグバのベルトと相乗して、新たな力を得たガドルは、頭の角の本数を増やす事ができた。  ダグバの四本と、ガドルの一本で、五本角。──ゴホンヅノカブトムシと呼べば近いだろうか。あのように、角の本数を増やし、まだ誰も見た事のない究極の怪物に成り果てていた。 「これもまた、究極の風か」  突如、大きな風が吹いた。──いや、先ほどから兆候はあったが、だんだんと大きく、確かな物になっていったのだ。  それも、音もはっきりと聞こえ始めている。吹き荒れるような風になるだろう。  ドルドを消していく目の前の炎も、激しく揺れ動く。それを見つめながら、バルバは応えた。 「そうだ。ダグバが齎す力のほんの一部だ」  ダグバの余りにも強すぎる力は、異常気象を起こす。  大風を起こし、暗雲を起こし、雷雨を起こす。  リントたちは勿論、自然さえも究極の闇を恐れているようだった。  ガドルは、今、その力を自分自身で発動しているのだ。 「バルバ。お前はこれからどうする」 「……お前と、そしてリントの戦いを見届ける。もうそれくらいしかやる事はない」 「そうか」  これから、グロンギである彼らにはこれといった目標はない。  ただこのゲゲルを勝ち抜くだけだ。  ガドルがダグバを倒す為に行動する事もなく、バルバがザギバス・ゲゲルの為に主催に協力して動く事もない。  それこそ、機械的に──ただ殺し合うマシーンのように生き抜くのみだ。  強い者と戦い、そして勝ち進む事こそ、ガドルに残された残りの道である。  しかし、バルバには──何もない。  そんな姿を、ガドルは少し察した。ある種の──集団意識・仲間意識だ。感情は入り組んでいないが、共に行動する事には意味がある。 「──ついてくるか」  ガドルは、バイクをぽんと叩いて訊いた。  ガドルが先ほどまで走らせていたビートチェイサーは、装飾品を挿し込む事でグロンギに適した別の姿に変身している。  それは、ゴ・バダー・バが行ったのと同じ要領で発動された力である。今までも使えるといえば使える力だったが、元の性能が充分なので、バダーのようにそこで拘る事はなかった。  しかし、ビートチェイサーも今となっては、随分と貧相なマシンに見えたのだ。  王には、王に相応しい姿の騎馬が必要になる。  ガブオソソ──”サ”ブトロー。  黒く変形したバイクに、彼はそう名付けた。 「ああ」  バルバは、答えた。  彼女も、リントに興味があった。  科学の力で、グロンギに対抗していくリントたち──「戦う術」を知りゆくリントたち。  かつて、平和的で争いを一切しなかったリントたちが、自衛の為に武器を取るようになった現代社会。そこは、かつてよりも「グロンギ」と「リント」の境界が曖昧な場所であった。  バルバは、リントがグロンギと等しくなっていくのを感じた。  はたして──  その答えを見届ける為に、バルバは行く事にした。 【2日目 未明】 【G-8 中学校付近】 ※周囲は荒廃しており、電気も通らなくなっています。 ※「究極の闇」が始まり、このエリアを中心に異常気象が広がっています。おそらく昼ごろまでにはマップ全域で異常気象が始まります(ただし、ガドルが殺害された場合を除く)。 【ン・ガドル・ゼバ(ゴ・ガドル・バ)@仮面ライダークウガ】 [状態]:疲労(小)、全身にダメージ(小)(回復中) 、肩・胸・顔面に神経断裂弾を受けたダメージ(回復中)、胸部に刺傷(回復中)、腹部・胸部にかなり強いダメージ、電撃による超強化、首輪解除、ダグバのベルト吸収、究極体に変身中、ガブオソソに搭乗中 [装備]:ガブオソソ(ビートチェイサー2000を装飾品で変形)@仮面ライダークウガ、スモークグレネード@現実×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガ、京水のムチ@仮面ライダーW [道具]:支給品一式×8(スバル、ティアナ、井坂(食料残2/3)、アクマロ、流ノ介、なのは、本郷、まどか)、東せつなのタロットカード(「正義」、「塔」、「太陽」、「月」、「皇帝」、「審判」を除く)@フレッシュプリキュア!、ルビスの魔剣@牙狼、鷹麟の矢@牙狼 [思考] 基本:殺し合いに優勝し真の頂点に立つ。 1:ダグバのように、周囲の人間を殺して誰かを怒らせるのも良い。 2:石堀、エターナルと再会したら殺す。 3:強者との戦いで自分の力を高める。その中で、ゲームとしてタロットカードの絵に見立てた殺人を行う。 4:体調を整え更なる力を手に入れたなら今まで取るに足らんとしてきた者とも戦う。 ※死亡後からの参戦です。 ※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。 ※ナスカ・ドーパント、ダークメフィストツヴァイを見て、力を受け継ぐ、という現象を理解しました。 ※フォトンランサーファランクスシフト、ウェザーのマキシマムドライブによって大量の電撃を受けた事で身体が強化され、アメイジングマイティに匹敵する「驚天体」に進化できます。また、電撃体の使用時間も無限になっており、電撃体とその他のフォームを掛け持つ事ができます(驚天体では不可能です)。 ※仮面ライダーエターナルが天候操作や炎を使ったため、彼に「究極」の力を感じています。また、エターナルには赤、青の他にも緑、紫、金などの力があると考えています。 ※ザギバス・ゲゲルに勝利し、グロンギの王となりました。ダグバのベルトを吸収して、「究極体」に進化できます。 【ラ・バルバ・デ@仮面ライダークウガ】 [状態]:健康、ガブオソソに搭乗中 [装備]:ゲゲルリング [道具]:なし [思考] 基本:ガドルとリントの行く先を見届ける。 1:ガドルについていく。普段通り、あくまでゲゲルの観測者として、殺し合うつもりはない。 &color(red){【ン・ガミオ・ゼダ@仮面ライダークウガ? 死亡】} &color(red){【ラ・ドルド・グ@仮面ライダークウガ 死亡】} ※ガミオの遺体は消えました。鋼牙が受けたガミオのガスの被害は消えます。ただし、その過程で受けたダメージなどは残ります。 *時系列順で読む Back:[[大いなる眠り(後編)]]Next:[[みんなの言葉! 思い出は未来のなかに!!]] *投下順で読む Back:[[大いなる眠り(後編)]]Next:[[みんなの言葉! 思い出は未来のなかに!!]] |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ゴ・ガドル・バ]]|Next:[[]]| |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ン・ガミオ・ゼダ]]|COLOR(RED):GAME OVER| |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ラ・バルバ・デ]]|Next:[[]]| |Back:[[さようなら、ロンリー仮面ライダー(後編)]]|[[ラ・ドルド・グ]]|COLOR(RED):GAME OVER| ----

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