659 代理 2008/02/11(月) 00:02:39.47 ID:QAj2tJyX0
友達がアク規制くらってるので代わりに張っていきます
友達曰く新ジャンルは初めてっぽいです
俺は今日、かなりぼろっちぃ家に引っ越してきた。
タンスは傾いているし、畳はそこらじゅうピンピンはねていて、寝そべったらさぞ痛いことだろう。
「うげー、ここに住めなんて、無茶いいやがるぜ、あのくそじじい。」
悪態をついて、荷物をどかっと置いた。
「ちょっと、いきなり入ってきて第一声目にそれはないでしょう。」
俺の後ろには誰もいないはずだ。うん、いない。OKOK。
「ねぇ、聞いてるの?」
女の子の声。
俺は今この家で一人だ。他には誰もいない。
そのはずだ。
そうでなければいけない。
うん、絶対そうだ。
「無視なんてしてたら、ひどい目に遭わせちゃうんだからねっ!」
661 代理 2008/02/11(月) 00:03:12.58 ID:QAj2tJyX0
後ろからどつかれたような感じだ。
というか、何者かにどつかれた。
ちくちくしていたそうな畳に、俺は頭からつっこんだ。
「ぶべ!」
かっこわるい声とともに、俺の顔には畳のトゲが刺さりまくった。
めちゃ痛い。
がんばって顔を上に向けてみると、
女の子が手を腰に当て俺を見下ろしていた。
ボブカットの黒い髪が印象的。
年齢的には14歳くらいか。
で、
「パンツ...見えてますけど...」
その後、その女の子にボコボコに殴られて俺の意識は宇宙の彼方へ飛んでいった。
665 代理 2008/02/11(月) 00:09:37.96 ID:QAj2tJyX0
「まったく、初対面で人のパンツ見るなんて最低だよあんた...」
もしかしなくてもめっちゃ怒っているご様子。
「ごめんなさい... で、あんただれ?」
俺は勢いで聞いてしまった。空気読めない人だぜー!
「ちょっと、、空気読みなさいよね...」
やはり指摘された。
「あたしはこの家。家そのものって言うか、家の意思って言うか...」
「そんなこと言ったって信じられるか。」
667 代理 2008/02/11(月) 00:10:22.92 ID:QAj2tJyX0
「ぶー。そんなこという住人には...こうだっ!」
傾いたタンスの上に置いてあったツボが俺の頭めがけて飛んでくる。
「うわ!あぶな!」
間一髪かわす俺。
時速200kmくらいですっ飛んでいったツボは、障子を破壊した。
「いたっ!男、何で避けたのよー!」
いきなりまた怒られた。
「いやモノが飛んできたら普通避ける。」
「で、今ので信じてくれた?」
「はい。信じます。」
ここから、俺と家の奇妙な二人(?)暮らしが始まったのである。
669 代理 2008/02/11(月) 00:12:51.67 ID:QAj2tJyX0
「ふぅ、この家、テレビの映りが悪すぎる。」
俺は、汚いテレビ画面を見ながらそうつぶやいた。
そして、俺は今ホームセンターにいる。
「アンテナ、アンテナっと。」
手頃なサイズのアンテナを見つけて、早速それを買って帰る。
671 代理 2008/02/11(月) 00:13:19.84 ID:QAj2tJyX0
「ねぇ男、そのゲジゲジみたいな形のもの、なに?」
家がいきなり現れてそう聞いてきた。
「ああ、これ?アンテナだよ。テレビの映りが悪いから取り付けようと思って。」
八木アンテナのことをゲジゲジと表現するとは。
「取り付けるって、屋根に?」
「まぁそうなるな。」
「やさしくしてね...」
いきなり顔を赤らめられても困るんですけど。
「さて、付けに行くか。」
「まってよぉ。あたしもいくぅ!」
ポールを立て、ゲジゲジを取り付ける。
「頭いたぃ!やさしくしてっていったじゃない!」
「おお、すまんすまん。」
そうこうしてるうちに取り付け作業が終わった。
「あれ?お前、アホ毛なんて今まであったか?」
「え?あ、ほんとだ。これのせいかな・・・」
どうやら家にパーツを取り付けるとこいつにも変化があるらしい。
681 代理 2008/02/11(月) 00:27:58.65 ID:QAj2tJyX0
「あーだこーだ言ってるうちにこの家に住み始めて半年か...」
家とはかなり仲良くなったと思う。
時たま家具をとばしてくるけど。
「じゃ、俺学校行ってくるから。」
いつものように、俺は玄関を出た。
「いってらっしゃい、そして、さよなら。」
振り返ると、家が、玄関に立っていた。
「さよならって、いきなりなんだよ?」
またくだらない冗談を、と思っていた。
「お前...泣いてるのか?」
家の頬には一筋の涙が伝っていた。
686 代理 2008/02/11(月) 00:36:55.67 ID:QAj2tJyX0
「おい、何で泣いて...」
俺が家にもどろうとした、そのとき...
ぐらぐらと揺れる大地。
「じ、地震・・・!」
我が家からは、嫌な音がする。
ばきばきとか、べき!とか。
揺れが収まり、俺は家に駆け戻った。
無惨に倒壊した家の玄関だったとおぼしき場所に、彼女は倒れていた。
「大丈夫か!」
「うん...大丈夫じゃない」
687 代理 2008/02/11(月) 00:38:18.79 ID:QAj2tJyX0
「まじでか!」
「もう、お別れだね。」
「そんなこと言うな!」
「家、崩れちゃったから。もう、だめなの。」
「諦めちゃだめだ!がんばれ!」
「実は、男君のこと、わりと好きだったよ。」
「いやだからそんなこと言っちゃだめだって!」
「じゃ、新しい家、早く見つけてね。ばいばい。」
「バイバイじゃないだろ!?」
男に抱かれた家の身体は、ヒカリの粒となって消えていきました。
秒速完結!いぇーい!
最終更新:2008年02月11日 00:41