811 ちょっと書いてみる sage 2008/02/11(月) 07:01:00.01 ID:OyXa5egyO
家「……」
男「……」
家「……」
男「……なあ、どうしたんだよ。ずっと黙り込んで」
家「……不潔」
男「は?」
家「不潔よ……あんな……雑誌」
男「……? あ、まさかお前、俺の秘蔵のアレを見たのか?」
家「……いやらしいよ、あんな隅々まで……」
男「い、いや、しかしだな。俺も雄である以上、欲求解消は必要なわけで、」
家「そんなの知らない……男のばか」
813 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 07:11:47.50 ID:OyXa5egyO
家「……二度とあんなもの買わないで」
男「……じゃあビデオとかDVDなら?」
家「! そ、そんなのまであるの!? そんな……」
男「泣くほどのことなのか? これまでの住人だってそれくらい持ってただろう」
家「ビデオは初めてよ……雑誌は何人かいたけど」
男「そいつらにも文句言ったのか?」
家「……あなたが初めて」
男「差別かよ!」
家「区別よ!」
814 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 07:17:46.12 ID:OyXa5egyO
男「っ、区別って、」
家「こんなに親しくなった住人なんてあなただけだもん……特別扱い、したいじゃない」
男「……」
家「と、とにかく、雑誌もビデオも全部ダメ」
男「……わかったよ」
家「今すぐ捨てに行って」
男「今から!? っておい、勝手に机の中あさるな!」
家「ここに隠してるんでしょ? 知ってるんだから!」
男「や、やめ――」
815 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 07:24:52.29 ID:OyXa5egyO
男「――――ろ?」
家「あったわ……こんなもの、さっさと捨ててよ!」
男「…………」
家「……な、なんで急に黙るのよ」
男「なんだそりゃ」
家「何って、い、いやらしい――」
男「引っ越しのときに持ってきた物件カタログじゃねーか」
家「……カ、カタログ?」
男「ああ。それでここを見つけて引っ越してきたんだ」
家「嘘よ! だってこんなに、は、裸の写真とか載って、」
男「カタログなんだから内部構造とか間取りくらい載ってるだろ」
家「――――」
818 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 07:33:53.83 ID:OyXa5egyO
家「だ、だって、屋根裏とか床の下まで載ってるのよ? そんな隅々まで、」
男「……見られたくないのか?」
家「……た、大切な人には……見せてもいいけど」
男「俺ならどうだ?」
家「……………………ん」
男「じゃあ問題ないじゃん。これで一件落着だな」
家「…………うん」
家「……ん?」
家「だ、だめえ――――っ! 他の娘の写真載ってるんだから! やっぱり捨ててきてよー!」
こんなんで
838 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 08:25:25.70 ID:OyXa5egyO
男「おーい、家。一緒にDVD見ようぜ」
家「何借りてきたの?」
男「ホームアローン」
家「? どんな話?」
男「コメディだよ。子供の頃大好きでさ、懐かしくてつい借りてしまった」
家「ふうん……。そんなに言うならちょっと見てみようかな」
家「いやあああ――――――――っ!!」
男「な、なんだ? ど、どうした、家」
家「やめて、それ以上家を壊したら……やめてええええええええ!」
家「あ、あんたねえ! スプラッタならスプラッタって最初から言いなさいよ!」
男「いや、コメディだが」
842 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 08:42:03.17 ID:OyXa5egyO
家「他のやつ観たい」
男「じゃあ呪怨観るか」
家「これは?」
男「ホラーだよ」
家「またスプラッタじゃないでしょうね……」
男「なんだよまたって……やめとくか?」
家「う、ううん。せっかく男が借りてきたんだもん。観る」
男「よし」
家「……陰気な家ね。もっとしゃきっとしなさいしゃきっと」
男「……」
家「ああもう、もっと住人にはうまく話しかけないと。友達になれないわよ」
男「……」
家「いたずらばっかりするのねこの家は。ツンデレかしら?」
男「……」
家「結構おもしろかったなあ。コミュニケーションがいかに大事か、っていうのを教えてくれるわ」
男(わ、わからん……)
844 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 08:59:20.13 ID:OyXa5egyO
男「なあ。お前って、旅行とかできるのか?」
家「へ? 旅行?」
男「少しくらいなら建物から離れられるんだろ?」
家「うーん、あんまり離れるのはよろしくないんだけど……まあ少しなら」
男「じゃあさ、次の日曜、日帰りでどこか行こう」
家「どこかって……どこ?」
男「お前の行きたいところ。地図やるから自由に決めてくれ。たまにはいいだろ」
家「……ありがとう、男」
日曜日。
家「うわあ、本物だぁ……話には聞いてたけど……かっこいい……」
男「…………」
家「見て見て男ー! 写真よりも生の方がずっとかっこいいわー、姫路城!」
男「……ああ、よかったな……」
男(くっ……、嫉妬なんかしてない! 相手は城だぞ……っ)
845 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 09:19:18.84 ID:OyXa5egyO
家「や、ちょ、このっ」
男「何踊ってるんだ」
家「踊ってないわよ! 屋根の上のカラスが変なところつついて……うひゃうっ」
男「……俺が追っ払おうか?」
家「そこまでしてもらう必要ないわよ」
男「でも」
家「ちょっとくすぐったいだけよ。すぐどっかに行くでしょ」
男「あれ、家はどこ行ったんだ? ……ん、風呂場からシャワーの音が」
ザアアアアア……
家『うう、においつきすぎだよぅ……』
男「……カラス避けの道具でも買ってきてやるか」
847 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 09:35:57.86 ID:OyXa5egyO
家「痛っ!」
男「え? どうした」
家「男! 壁に画鋲刺さないでよ。痛いじゃない」
男「うえ? 駄目なのか?」
家「当たり前よ。人間だってトゲとか針が刺さったら痛いでしょ?」
男「確かに。気を付けるわ」
家「ホントよ。気を付けてよね」
男「……柱に刺さっている釘は痛くないのか?」
家「ふあっ!?」
男「なんだその声。いや、それよりおかしいだろ。画鋲が駄目で釘はオッケーって」
家「……」
男「何か言えよ」
家「……に」
男「に?」
家「人間だってピアスつけたりするじゃない! あれと同じよ――――っ!」
男「いやいやいやいやいやいやいやいや」
848 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 09:48:45.47 ID:OyXa5egyO
男「なんで画鋲嫌がるんだ?」
家「……だって」
男「なんだよ」
家「へ、変な気持ちになっちゃうんだもん……」
男「…………お前にそんな趣味があったとは」
家「違ぁ――――うっっ!」
男「違わないだろ。要は画鋲の刺激に敏感になってるんだから」
家「…………私のせいじゃないもん」
男「? じゃあ誰のせいだよ」
家「前住んでたやつのせいよ……。画鋲で壁にたくさん書類を張り付けていくの」
男「……それでか」
家「私自身は嫌なのに、体が慣れてしまって……だから画鋲刺されるとつい……その……感じちゃって……」
男(やべえ……興奮してきた)
855 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 10:06:05.21 ID:OyXa5egyO
ちょっと安心w
家「男? どうしたの? 前屈みになって」
男「い、いや、お前も苦労してるんだなー、と思って」
家「まあね。とにかく、画鋲はできるだけやめて。使うときは一言言ってよね」
男「わかったよ」
家「あれ?」
男「ん?」
家「! こ、これは……姫路城のポスターじゃない! どうしてこんなものが」
男「ああ、お前が気に入ると思って……ん?」
家「……何よそのいやらしい笑みは」
856 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 10:16:14.33 ID:OyXa5egyO
男「いやー、残念だなー、せっかくポスター貼ろうと思ったのに、家は画鋲苦手なんだよなー」
家「!? な、ちょ」
男「せっかくのポスターはお蔵入りかー。もったいないから人に譲るかー」
家「ま、ま、待ちなさいよ!」
男「ん?」
家「……いいわよ。貼っても」
男「何が?」
家「だ、だから、画鋲で貼ってもいいって言ってるのよ!」
男「あれ、家は画鋲苦手なんだろ」
家「ふ、ふん、たいしたことないわよ。たかが画鋲くらい……」
男「……んじゃ貼るか」
家「……ん」
家「や……ちょっと……」
男「あれ、なかなか綺麗に貼れないなー」
家「ひゃうっ! ……じ、焦らさないでよぉ……」
男(ヤバイ。結構楽しい。俺どSだったのか?)
家「お願いよ……ひとおもいにちゃんと刺してよぉ……はあっ……」
864 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 sage 2008/02/11(月) 10:47:35.90 ID:OyXa5egyO
>>856
五分後。
家「…………」
男(黙りこくっちゃったな。怒ったのか?)
家「…………」
男「家? どうした?」
家「…………ひっく……」
男「……え?」
家「……おねがい……いじわるしないで……ひっく……なんでも、いうこときくからぁ……」
男「――――」
男「ごめん! やりすぎた」
家「……?」
男「泣かせるつもりはなかったんだ。もう意地悪しないから」
家「……ほんとに?」
男「ああ、画鋲も今後使わない。セロハンテープでポスター貼ろう。セロハンテープは大丈夫か?」
家「…………うん」
867 終わりにしとこう sage 2008/02/11(月) 11:04:22.61 ID:OyXa5egyO
家「……ふん」
男「……」
家「まさか男がこんなに意地悪だったなんてね」
男「……ホントごめんなさい」
家「言っとくけど、さっきのは別に泣いてたわけじゃないんだからね」
男「ああ」
家「反省してる?」
男「してる」
家「……それならよし。あと……ポスターありがとね」
男「……ん」
家「今日は特別に私がごはん作ってあげる。何がいい?」
男「ビーフストロガノフ」
家「ふえ!? び、びーふすとにょがにょふ?」
男「金朋かよ。わからないならシチューでいいよ」
家「オッケー。任せといて」
その夜のビーフシチューは特別うまかった。
家は壁に貼られた姫路城のポスター――姫くんポスターを楽しげに眺めていた。
男はそんな家の笑顔に安心の息をついた。
最終更新:2008年02月11日 11:09