貳負の臣を危と言った。危と貳負は協力して窫窳(アツユ)を殺した。天帝は貳負を疏属山中に拘禁し、その右足を刑具の上に載せ、自分の頭髪で貳負の両手を縛り山上の大樹の元に縛り付けた。この地方は開題国の西北面にあった。
開明獣の東面には巫師神医である巫彭、巫抵、巫阳、巫履、巫凡、巫相がおり、彼らは窫窳(アツユ)の屍体周囲を囲んでおり、手に不死薬を捧げ死気に逆らって窫窳(アツユ)を復活させようとしていた。
(『山海経』海内西経より)
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「――さあ、
戦刃むくろ。キミのスキは本物か?」
「わた、しは……」
夜の帳が落ちてくる。
百合城銀子の問いから、わずか10歩の距離を開けて、穴持たず696は立ち尽くすしかなかった。
佐天涙子は、あの炎の中で重度の熱傷を受けていることだろう。
駆け寄っている人たちが、既に救命処置を始めているはずだ。
消耗している彼女たちを暗殺することは、恐らく簡単なことだろう。
問題は、それを行う穴持たず696――、戦刃むくろの精神一つだった。
「わかるでしょ……? 私はやるしかないの! どんなに想ってても……! 例えあなたたちが、友達でも、もう一緒にはいられない……」
愛する妹に『死ね』と言われれば死ぬ。『殺せ』と言われれば殺す。
だから戦刃むくろのこの後の行動はただ一つしかない。
百合城銀子はただ、幽かな微笑みを浮かべて彼女のことを見つめているだけだ。
御託を並べながらも、もう戦刃むくろの心は決まっていた。
ただその決意を、彼女は噛み締めているだけだ。
「だって私は、盾子ちゃんのことがスキだから! この思いの代償が、何であったとしても――」
戦刃むくろは震えながら、その片手で拳銃を構えた。
百合城銀子の心臓を狙っている銃口が、まるで自分の胸を狙っているかのように見えた。
「ごめんなさい。私は、スキを諦めない。――■■を、諦める」
震える銃口から、悲痛な怒号が響き渡った。
●●●●●●●●●●
地は溶融し変質した元素で、金属質の銀色に覆われていた。
「涙子、生きてくれ! 俺が人工呼吸してやる!!」
吸血鬼
アーカードを、全身全霊を賭した高熱で焼却した佐天涙子は、自身もまた激しい熱傷に覆われ、煤で真っ黒になっていた。
彼女の元に駆け寄っていた天龍は、何とか彼女を生き返そうと、その煤を払い、彼女に口づけようとしていた。
「マウス・トゥ・マウスではダメです! 鼻腔や口内が焼けただれています!」
「そ、そうなのか!?」
「喉頭が腫れて窒息してしまっているんです! 『切開(セクティオ)』!」
それを遅れてやってきたヤスミンが差し止める。
片腕を失ったヒグマでありながらも、医療者として生まれた彼女の技術は、そこに正しい道を示した。
輪状甲状間膜切開。
佐天涙子の咽喉の中ほどに割を入れたヤスミンは、そこへ自分の指の骨を折り、ストローのように差し込んで気道を確保した。
「この穴から、直接息を吹き込んであげてください! 心臓マッサージ30回ごとに2回のペースです!
マッサージは毎分100回以上をキープして!」
「任せろ。俺が既にやってる」
ヤスミンからの指示に応答したのは、異空間から帰還して直ちに佐天涙子の蘇生を開始していた偉丈夫、左天だ。
佐天涙子が数多の想いを純粋な熱エネルギーに変換して放ったその炎は、アルター粒子の氾濫を巻き起こし、異空間に取り残されていた左天が戻るのに十分な規模の『向こう側』への扉を開いていたことになる。
この場の者たちにとって彼は初対面の人間ではあったが、同じ『サテン』と名乗っており、同じ能力を見せていることから、恐らく彼は佐天涙子の兄か叔父か何かであろうと受け止められていた。
何より、力強く彼女を心臓マッサージする彼の姿を見れば、いかな半裸の風体と言えども、この場で彼を信頼できないということは全くなかった。
「熱傷が酷い……。どこまで第3度が広がっている……!? 早急に輸液路を確保しなくては……!」
左天は、帰還してすぐにその熱吸収の能力を使って佐天涙子の体に氷を当ててクーリングしていたが、その熱傷の範囲と深さはヤスミンにも計り知れなかった。
もはや末梢の腕や脚の皮下にある血管は悉く用を成していない。
皮膚もそのほとんどが焼けてしまっているため、このまま手をこまねいていれば、彼女の肉体からは水分が蒸泄され出て行ってしまうばかりだ。
ヤスミンは直ちに自分の別の指の骨を突き出させ、佐天涙子の頸静脈に突き刺して輸液路とした。
「『イニエクティオ(注射)』! そして、『トランスフージオ(輸血)』!!
もはや、この身を惜しんでいる、いとまもありません! でも、私の血では、足りない……!」
「き、緊急とはいえ……、他人……というかヒグマの血を入れて大丈夫なのか!? わ、私のって使えるかな……!?」
「いえ……、ヤスミンさんの骨針なら、血中からHIGUMA細胞だけを濾過して輸血できますから、血液型は関係ないはずです。
それに、こんな危篤状態なら、まずはHIGUMA細胞に体内から修復してもらうべきでしょう。私ならそうします」
完全に他人事のような口調で深雪は平然とそう言ってのけたが、その態度は、智子の癇にジャストで障るものだった。
「ならお前の血を提供しろよ、誘拐犯の一味!」
「私が血を差し出すのはお兄様だけです!! どきなさい! 心臓マッサージを交代します!
こういうのはローテーション組んで疲れたらすぐに交替するんですよ!」
「お、おう。威勢がいいな。じゃあ頼むぜ」
思わず叫びつける声も裏返る怒りにも深雪は、ずれた応対で叫び返すのみだ。
左天から強引に心臓マッサージのポジションを奪う彼女だったが、その手つきはさながらACLSのインストラクターも斯くやの見事さである。
胸骨圧迫の度に揺れる乳房まで流麗さを保っているのは、流石に魔法科高校の優等生ということなのだろう。
怒りをぶつけてしまっていた黒木智子も、その姿には感嘆する他なかった。
「て、手慣れてるな……」
「こんなことも保険の授業で習わなかったんですか? ハッ、遅れてますね」
「なんだコイツ……! どけ! モテなくたって心臓マッサージくらいできるわ!」
「浅い浅い浅い! 胸が5cmは沈むくらい押さないとダメです! 見てなさい、私が教えてあげます!」
なんだかんだといがみ合いながらも両者は蘇生行為の一助になってはいたが、弾き出された左天は、明らかに効率が落ちていそうなその様子に頬を掻く。
「次は俺がやるから……。それよりも血はどうするんだ? 俺からでもいいんなら何百ccか献血するぜ?」
「できれば……、シロクマさんのおっしゃる通り、HIGUMA細胞を含んだ血液が望ましいです」
心臓マッサージ30回につき、天龍が2回、喉から息を吹き込む。
そんなサイクルの中で、ヤスミンは今もひたすら自分の血液を輸血し続けていた。
自身も重傷を負っている中でのその無謀な行為は、たちまち彼女を貧血に陥らせている。どうしても、ヤスミン以外の供血者は必須だった。
「血が必要なら、是非、私のを使ってください……」
「扶桑――!?」
そこにふらつく足取りを引き摺ってようやく辿り着いたのは、戦艦の艦娘、扶桑であった。
胸の弾痕に指を突き込んでいる彼女は、魔弾の射手リップヴァーン・ウィンクルの狙撃を受けたことで、心臓が破れている。
ここまで彼女が砲撃を続け、意識を保っていたことだけでも、それは奇跡に等しい現象だった。
その奇跡をもたらしてくれた原因を、彼女は知っている。
それは彼女の肉体を巡り形作る、ヒグマの存在だ。
この絶望的な状況下で、彼女の眼に見えていたのは、明かな希望だった。
彼女は、佐天涙子に人工呼吸を施していた天龍の傍らに膝をつき、そのまま力尽きて仰向けに倒れ込む。
致命傷を受けていてなお、彼女の表情は安らかだった。
「私が沈むのは時間の問題ですし。もう私は、轟沈の間際に絶望するのは、飽きましたから。
ヤスミンさんは、治療を続けて下さい……。人を救うために沈めるなら、これ以上ないくらい、嬉しいです」
「それでも足りなかったらアタシだ! マスター、まだ令呪はあるだろう? アタシが一回死ぬまで全部血を抜き取ってくれ!」
「あ、そ、そうか! もちろん! 令呪一画で助けられるなら使うほかないよ……!」
最後にやってきたグリズリーマザーが、心臓マッサージのローテーションに加わりながら、続けざまに供血を申し出る。
その宝具の一つである『灰熊飯店(グリズリー・ファンディェン)』のバスは先の戦いでアルター粒子に分解されてしまっていたが、未だ、彼女の代名詞の一つである宝具『閼伽を募る我が死(アクア・リクルート)』は健在だ。
マスターである黒木智子の令呪が残っている限り復活できるその宝具を頼ることができれば、供血者としてこれ以上ない条件ではあった。
「お申し出、ありがとうございます……! 必ずや、有効利用させていただきます」
「天龍さん、是非脱出して下さいね。絶望を超えた先の楽しさと嬉しさが、きっと皆さんにも訪れますよう、祈ってます……」
「了解だッ……! お前の命も意志も、決して無駄にはしねぇ! 天龍川の誉れにかけて誓う!」
ヤスミンが骨針を変形させて、佐天涙子と扶桑の血管を接続する。
天龍が手を取り声を掛ける間にも、最期の気力を振り絞っていた扶桑の意識は、徐々に遠のいていく。
当座の輸液を確保しても、まだ安心はできなかった。
「輸血および心肺蘇生と同時に、熱傷のデブリドマンと皮膚移植を行います……!
壊死組織を除去後、このHIGUMA幹細胞の残りを血液で膨潤させて塗布し、ヒグマ体毛包帯を代用皮膚として接着させます」
ヤスミンが取り出したのは、HIGUMAの幹細胞でできたクッキーだ。
既に2/3が使われたあとのその大判のクッキーは、かつて
クッキーババアが穴持たずドリーマーの肉体をその全霊を賭して精製したものである。
貴重なその細胞塊を砕き戻そうとした段階で、ヤスミンは一瞬ふらついた。
「おい、ヤスミン! 大丈夫か! お前だって出血がひどいんだ!」
「……申し訳ありません。何か、補給になるものはありませんか? この治療の間だけでも、私の力を保てる何かが……」
慌ててヤスミンを支えた天龍が、人工呼吸の間に彼女へ声を掛ける。
伊達男トバルカイン・アルハンブラに片腕を落とされているヤスミンは、その傷口を自分で焼灼しただけであり、今の治療の最中にも自分の骨肉を消耗し続けている。
彼女の肉体も既に限界を超えた状態で、気力だけで動いているに過ぎなかった。
天龍は人工呼吸を黒木智子に交代してもらうと、急いで自分のデイパックを漁った。
「これ!
カツラの持ってた薬だ!! 少しでも足しにならないか!?」
取り出したのは、二つの薬剤ボトル――、ポイントアップとピーピーリカバーだ。
ポケモンの覚えている技の使用回数を底上げし、全回復させる貴重な薬剤だ。
それらのラベルの効能効果を読み、ヤスミンは荒い息をつきながらもうっすらと笑った。
「ありがとうございます……。これで、この損傷でも、私は確かに医療者であれます」
ヤスミンは言うや否や、それらをまとめて一気に飲み干した。
ポケモンという生物への効果が、恐らくヒグマである彼女自身にも適用されるだろうと見越しての行為だ。
するとたちまち、ヤスミンの皮膚を突き破り、彼女の骨が何本も飛び出してくる。
切断された腕の付け根から、新生骨が触手のように伸びてゆく。
それらは悉く変形し、メスや鉗子のような形状を取っている。
ヤスミンの能力である、『自身の骨格の変形』が、全力を超えた規模で行使されていた。
骨が蠢き、ロボット手術のような様相で佐天涙子に処置を加えていく。
ヤスミンは今や、全身が生ける医療機器のようだった。
「……『チルルギア(手術)』!」
そして彼女は、何人もの外科医がいなければ決してこなせないような手術を、何か所も同時にこなし始めていた。
「凄まじいな……。流石にこの島で生き残ってた奴らだけある」
「そうだろう? もうここの全員が、仲間なんだ。絶対に涙子を、他の奴らを、助けて脱出してみせる!
お前だってそうだろ? 涙子の、あー……、おじさんか?」
「ああ、俺を連れ戻してくれた嬢ちゃんの力には感謝してるさ。だがお前、『アツユ』っていう中国のバケモノを、知ってるか?」
「……は?」
「いや、今この状況が、その説話にそっくりだなと思ってよ」
ヤスミンの執り行う手術の光景に嘆息していた左天は、その言葉を受けた天龍に、何やら皮肉めいた笑みを浮かべて語り出していた。
「アツユは元々、穏やかな天の龍神だったんだが……。謀略で殺され、なんとか6人の巫医が復活させようと手を尽した。
しかし復活したアツユは、体が牛のような形に変化し、全身は赤く、人の頭部で、馬の脚を持ち、赤子のような声で泣く猛獣となっていた。
アツユはその元々の性格も失われ、人里で人を喰らう化物となり、天帝の命で再び殺された……」
山海経という中国の書物は、元々善良だった神が謀殺され、恐ろしい形態と行動原理を持った妖物となってしまった様を、克明に記載していた。
異空間から佐天涙子のこの島での一部始終を見守っていた左天にとっては、今の彼女とこの説話が恐ろしく符合するものに感じられていた。
しかし、天龍にとっては、この妄言はただ琴線を逆撫でするものに過ぎなかった。
「ふざけんな! 何言ってんだ、そんなことさせねぇ! どんなに姿形が変わろうとも、涙子は涙子だ!
俺たちと同じようにな!! 俺たちが信じてやらねえで、どうするんだ!!」
「クク、そうかい。お前らは軍艦から人間になった輩なんだっけか、釈迦に説法だったな。すまねえ」
マントを胸倉で掴んで叫びつけてくる天龍に、左天は包帯の奥から露悪的な態度で笑うだけだった。
その様子に、天龍は舌打ちをしながら彼の体を離す。
何か理由がなければ、この男がこのような言動をとるとは考えづらかった。
「……何で今、そういうことを言った? お前も、涙子を助けたいんだろ? それで何か、得することがあるのか?」
「……いやなに、覚悟しとかなきゃならねぇな、ってことだよ」
それだけを言い残して、左天は心臓マッサージのローテーションに戻った。
「オオオ、『閼伽を募る我が死(アクア・リクルート)』! まだ足りないかい!?」
「残念ながら……、蒸泄が多すぎます。せめてもう一頭分、血液がないと……!」
「グリズリーマザー……!」
処置が続く中、グリズリーマザーの血液が一度使い果たされ、復活していた。
既に扶桑は事切れ、亡骸が安置されている。
黒木智子の令呪は使い果たされた。
これ以上は、グリズリーマザーの復活は叶わない。
現在進行形で全身の焦げた皮膚が剥がされ、体毛包帯で覆い直されている佐天涙子からは、輸血されるそばから体液が失われていっている。
この状況では、グリズリーマザーの血をもう一度使い果たして、ようやく足りるかどうかというところだった。
無防備なマスター一人を残して消え去ることに、サーヴァントとしてのグリズリーマザーは、逡巡する他なかった。
やきもきとした司波深雪が、苛立ち混じりに周囲を見渡している。
「というかこの事態に百合城さんは……!? あと、あの下衆女の姉はどこに行ったんですか!?」
「ここにいる」
度重なる全力の心臓マッサージで息を荒げている深雪の背後から、その時声がかかった。
それは動転していた深雪たちが、その二名の不在に、ようやく気付いた時だった。
「この子の血も、使ってやってくれ。それが、この子の遺言だ」
そこには、熊耳のドレスを纏った百合城銀子が、戦刃むくろの体を抱えて立っていた。
地に横たえられた彼女は、安らかに眠っているかのようにも見えた。
「この子は、私たちを守るために最期まで全力を尽くしていたことを報告しておく。
スキを諦めなかった彼女の想いが、きっとテロスを変革することだろう」
息絶えている彼女の首筋にある歯型は、クマのものだった。
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「ごめんなさい。私は、スキを諦めない。――自分を、諦める」
「……ユリ、承認」
戦刃むくろがその手の拳銃を発砲した瞬間、百合城銀子は既に間合いを詰め、彼女の首筋に牙を突き立てていた。
甘く百合の香りがする、一瞬の所作だった。
「あ、あ――」
むくろは、自分を包んだ優しい死に、一筋の涙を零した。吐息と共に、銃が地に落ちた。
自分の首筋を食い破っている百合城銀子を、戦刃むくろは、震えながら抱きしめた。
「ありがとう……」
命が急速に流れ出して行くのがわかる。
だが不思議と、絶望感は無かった。
「盾子ちゃんの命令は絶対だから――。私は、こうするしか、なかった……」
最期の息で訥々と銀子に語る口調には、安堵があった。
妹の命令に従わない訳にはいかなかった。
かと言って、この身において初めて作れた友達を、傷つけたくなどなかった。
こうして返り討ちによって殺されることによって、ようやく戦刃むくろという存在はこの板挟みから解放されたのだ。
それに今回の死は、オリジナルのようなただの見せしめではない。
スキのための、意味のある、死だ。
「私の『むくろ』……、涙子さんの助けに、して……。それがきっと、盾子ちゃんのためでも、あるから――」
「案ずるな。キミの百合は美しい」
命を手放した穴持たず696は、満ち足りた表情を浮かべていた。
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ここを訪れるのは、もう何度目になるだろう。
私の中の学園都市の、私の中の商店街の、私の中の駅前の、私の中のキオスクの影よ。
そこに待ち構えている不吉なものを、私はもう知っている。
私の中の歪んだ路地裏は、あちこちで火事が起こっていた。
家々も街灯も、道を行く人々も、誰もが炎に巻かれ焼けて行っている。
むせるような空気を漕いで、私はその夢の中を、待ち構えている者の前へとひたすらに歩き続けた。
「すわ。答えは見えたのか?」
辿り着いた広場に待っていたのは、明け方に見た時から変わりもせぬ、子供のような体格の観音様だった。
歩いてきた道は、すぐに炎に閉ざされた。
溜息のように、私は答えた。
「……わかりません」
アーカードを、自分たちの前に立ちはだかっていたあまりにも強大な壁を、斃した。それは事実だ。
でも斃した後に訪れたのは、達成感ではなく虚無感ばかりだった。
その虚無の果てに、自分はまたこの夢の中を辿ってしまっている。
この夢の中で、自分は一体何をすればいいのか。
もう、そんなことはわからなくなっていた。
「一体あんたは何なの? パワーアニマルだか何だか知らないけど、私はあんたみたいな歪んだ観音様、これまで見たことも無い。
あんたを殺したところで、何も意味はなかった。
立ちはだかる敵を倒しても、私の周りにはただ炎が……。嫉妬のような、激情のような炎が巻き起こるだけだった」
もう十分ではないか。
天龍さんたちが生き残れる道は拓けた。
敵は倒せた。
これ以上の力なんて欲しくもない。
もしそれでも私の夢の中を炎が焼いて行くなら、これはきっと罰だ。
今まで後回しにし続けていた、想いのツケだ。
きっとこれが、今まで得てきた力の代償なのだろう。ならばこの有様もなるほど納得だ。
炎が強くなる。
私の中の世界は、もうこの広場以外全てが焼け落ちていた。
膨大なエネルギーが四方を囲み、めろめろと赤い舌を伸ばして迫ってきている。
汗も乾き、肺も焼けるような凄まじい熱気ばかりが、私を取り囲んでいた。
そんな凄まじい状況を目にしながらも、私は無力感に任せてペシミスティックに薄ら笑うだけだ。
「冷静になるたびに、思うんだ。もう、こんな人生に意味あるのかな、って……。
あの『幻想御手(レベルアッパー)』に呑まれた時から、そんな自己矛盾が、ずっと私の奥底で回りっぱなしなんだ――」
そう呟きながら、私はハッと気づいた。
泣いてる。
観音様が、声を上げずに泣いている。
顔の裏から、涙をこぼしている。
――お面だ。
この大人の男のような観音様の顔は、お面だ。
その下の素顔があるのだ。
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遺伝するのは、DNAではなく、祖先の精神だった。
歴史上の偉人が。
死に別れた英雄が。
彼らの中に、動物の形を以って繋がっていく。
その『守護動物(パワーアニマル)』には多くの種類があり、人によってどんな種類の動物を持っているかは様々だった。
彼はホピ族の保留地を訪ね、『守護動物(パワーアニマル)』を探すための『ビジョン・クエスト』を行い、自分の意識下深くへと潜っていた。
トランス状態の中、自分の脊柱を下り、尾骶骨の奥から続くトンネルに入った地下世界で、彼は自分自身の姿を捕まえていた。
自己の中への旅で、『守護動物(パワーアニマル)』は4度、違った角度で出現する。
その『守護動物(パワーアニマル)』を見つけ、捕まえる。
自分自身は、喜んで掴まるはずだ。
地上に戻り、自分の胸から、自分の中に入れ、一体となってダンスを踊る。
それが、『守護動物(パワーアニマル)』を身につける一連の儀式であった。
初春とウィルソンの問答が、ぼんやりと炎の中に響いた。
『ただ、その動物が、牙を剥いた蛇だったり、クモの大群だったり、明らかに敵対的な存在として出てくることもある』
『……そういう時は、どうするんですか?』
『その時も、決して戦ってはいけない。それも、自分自身だからだ。戦ってしまえば、その無意識の力は、歪む』
通り過ぎて避けるか、さもなくば再び地上の意識に戻り、最初からクエストをやり直さねばならない。
無意識の力の象徴である『守護動物(パワーアニマル)』は本来、この時点で良好な関係を持てるほど近い存在になっていなければおかしいのだ。
そうでないということはつまり。
――意識が、無意識を拒絶しているということを意味している。
『尾骶骨の下位のチャクラである『鬼骨』を回すという行為は、このビジョン・クエストが、上手く行き過ぎた結果なのか、それとも歪み過ぎた結果なのか――。
それはわからないが。『波紋』、『チャクラ』、『守護動物』、『超能力』、『独覚兵』……。あと、北岡くんの変身やわしの変身もだ。
これらの概念は、実のところ相当に近しいものなのではないかと、わしは思ったよ』
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陽炎のように浮かんでは消えたイメージに、私は瞠目して震えるしかなかった。
私は、目の前で泣いている小さな観音様に、問いかけずにはいられなかった。
一度目の旅で、私は強くなることを願い、観音様を蹴り殺した。そうして身につけた力で、私は初春と皇さんを殺しかけた。
二度目の旅で、私は強くなることを願い、観音様を焼き殺した。そうして身につけた力で、私は数えられない程の命を殺した。
ああ、そして三度目の今、この目の前に現れている『守護動物(パワーアニマル)』は――?
私が今まで敵視してきたこの観音様は、一体なんだったんだ――!?
私はこの旅の先で、一体どうなってしまうんだ――?
「あなたは……、誰!? 誰なの!?」
「あやあやあや……、わからぬと申すか。『つまさきだち』の末に、その足元を見失った娘よ」
観音様は、さめざめと涙を流しながら、そう呟いた。
そして彼女はゆっくりと踵を返すと、寂しげな足取りで、炎の中へと歩み去っていってしまう。
「お主が焼け落ちる前に、今一度、此岸に帰るがよい。幸いなるかな。この炎の海から、お主はまだ誰かに探し出されている」
「待って! 一体どういう――!」
炎の中に姿を消した観音様を追って、私は走り出そうとした。
しかし、そうして火に飛び込もうとした私の両肩は、誰かに押し止められた。
『来るな。私を斃した人間が、こんな場所で終ることなど許さん』
『そうだ、嬢ちゃん。あの死合いで見せた気概はどうした』
二つの、逞しい男の人の腕が、私を炎から守り、そして上空へと放り投げていた。
地から離れ、天に昇りながら、私は火の粉の中にたくさんの人々の声を聞いた。
『わしらはいつも、キミに祈っている』
『佐天女史を、まだ必要としている方々がいらっしゃいます』
『おい、俺の弁護を無駄にしたら只じゃおかねえぞ』
『もっともっと、速くて楽しいことしてきなよ!』
『僕の伝説と王朝を、ちゃんと護り伝えて欲しいんだよね』
様々な人の手が、私を燃え盛る熱量から上へ上へと押しやっている。
それでも火の中に落ちてしまいそうな私の手に、一本の包帯が巻き付いていた。
『――見つけました、佐天涙子さん。あなたを連れ戻して、処置は、完了です……』
「ヤスミンさん――!? それに扶桑さん、戦刃さん……!?」
私は、そんな見知った少女たちの腕に抱えられ、炎から救い出されていた。
彼女たちは私を励まし、微笑みかけ、そして私を上へと、光の方へと送り出してゆく。
『みんなの所に戻ってあげて。盾子ちゃんのためにも。これが、今の私が友達にしてあげられる、唯一のことだから』
『信じられないほどの困難と不幸が、この先であなたを絶望させるかもしれません。でも私にはわかります』
戦刃さんと、扶桑さんと、繋いでいた手が離れた。
彼女たちは私の下で炎に呑まれながら、微笑んで手を振っていた。
『絶望の先にも、あなたの旅は続きます』
視線を落とせば、マグマに埋め尽くされた星のような、煮えたぎる莫大な熱量が、私の足元にあった。
過去・現在・未来の全ての人々の思いを煮詰めたポトフーのような、ジャムのような、そんな大輪の回転する炎の華。
全ての歪みに繋がる、尾骶骨の奥の龍。
私は理解した。これがあの、ウィルソンさんの語ったモノの正体だと。
「――ああ、これが、『鬼骨』だ」
【観音様@歪み観音 死亡】
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人体には、7つの結節点があるという。
インドのヨーガの言い方では、それを『チャクラ』と呼称し、仙道にも同様の考え方が存在する。
王冠のチャクラ、泥丸(サハスラーラ)。
眉間のチャクラ、印堂(アジナー)。
咽喉のチャクラ、玉沈(ヴィシュッダ)。
心臓のチャクラ、膻中(アナハタ)。
臍のチャクラ、夾脊(マニプーラ)。
脾臓のチャクラ、丹田(スワディスターナ)。
根のチャクラ、尾閭(ムーラダーラ)。
これらは炎の輪、または華のようにイメージされ、脊柱の中のスシュムナー管という経路に仮想配置されている。
だが人体のチャクラは、この7つ意外にも、存在を疑問視されていながら、あと2つあるのではないかということが示唆されている。
頭頂よりさらに上、虚空に存在するチャクラ。月のチャクラ『ソーマ』。
そしてもうひとつ。
世界各地に同様の概念が存在し、人体の7つのチャクラを合わせた全てのエネルギーよりもさらに大きなエネルギーを秘めているとされる、尾骶骨の下位のチャクラ。
中南米においては『キッシン』。
中国においては『鬼骨』。
インドにおいては『アグニ』。
生命進化の根源であり、クンダリニーが発生する根源なのではないかと考えられているチャクラがそれであった。
伝説のように語り継がれてきた、この『鬼骨』を見つけ出し回すことは、一部の仙道の者にとっての夢であった。
眉唾と考えられているこの『鬼骨』であるが、過去に2人だけ、これを回してしまった男たちが確認されている。
一人は、老子の弟子にして仙道の祖と言われる、赤須子である。
赤須子は40年の歳月をかけてこの鬼骨を回したという。その途端、神仙の一人であった赤須子は獣に身を変じ、数百人の村人を喰らい、ついには老子の手によって、この世から抹殺されたという。
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「良かった! 目が覚めたんだな、涙子!!」
私の眼を開けさせたのは、天龍さんの咽ぶような声だった。
私は、その声に応えようとして、痛みに呻いた。
「あうっ、あるるぅ――」
口から洩れたのは、細くて高い、何かの鳴き声みたいなものだった。
喉が腫れているんだ。
「るういいい――」
ああ、皇さんの声だ。
あの笛のような声だ。
痛くて熱くて、笛のような泣き声が喉から漏れ続けてしまう。
「こいつらが……、全力でお前を連れ戻してくれた。俺たち全員を助けた、涙子を」
天龍さんは、身もだえする私を、必死に抱き留めていた。
彼女の示す先には、ヤスミンさんが、戦刃さんが、扶桑さんが。
命を無くした状態で、私の隣に横たえられていた。
私のことを、左天のおじさんが見ている。
黒木さんが見ている。
グリズリーマザーさんが見ている。
司波さんが見ている。
百合城さんが見ている。
とても心配しているような、恐れているような。奇異と憐憫の混ざった眼差しで。
熱い、熱い。
体中が燃えてる。
焼けた皮膚の細胞が包帯に癒着しようとしている。
ものすごい速度で、ヒグマが私に染み込んでくる。
体の中に、ヒグマがひしめいている。
ああ、身体じゅうで獣が慟哭しているのが聞こえる。
体は、ヒグマの毛皮に覆われていた。
全身は、皮下組織から沁み出た血で真っ赤だった。
触れる頭と顔だけは、かろうじて人の形を保っている。
それでも、見下ろした両手は変形し、毛皮に覆われた獣の肢になっていた。
咽喉を漏れる声は潰れて、高すぎて赤子のようだった。
私は獣だ。猛獣になってしまったんだ。
生き返っても、これじゃあんまり嬉しくないよ。恥ずかしい。
私は天龍さんの腕の中で、震え悶えた。
血と体液で汚れた私の包帯の毛皮の上に、天龍さんの涙が幾筋も流れていた。
私の眼は、涙も流せないくらい、乾いたままだった。
「ういいいいいい……」
初春。初春。
会いたいのに。こんな姿見られたくもない。
だってもう私は、あなたの名前さえ呼ぶことができない。
「あああああああるううううううう――!!」
ああ、なんて覚悟が甘かったんだろう。
なんて青二才だったんだろう。
これが月の炎。
月の心。
月の恋――。
ああ、なんて、青い――。
【扶桑改(ヒグマ帝国医療班式)@艦隊これくしょん 死亡】
【穴持たず696 死亡】
【穴持たず84(ヤスミン)@ヒグマ帝国 死亡】
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赤峯(せきほう) 字(あざな)は慮山 号して須子(※赤須子のこと)
鹿邑(ろくゆう)の人 導引胎息(どういんたいそく)をよくす
修法の末に八位の竅(きょう)を開く
これ鬼骨なり 即ち鬼埋絡(キマイラク)なり
彼たちまち猰貐(アツユ)と成りて
二年間の間に邑人(むらびと)八百人を喫す
周昭王の二十三年 老耼(ろうたん※老子のこと)ついに
これを捕らえ ここに封ず
関令尹(かんれいいん※尹喜:『老子道徳経』の著者のこと)これを記す
(河南省、三門峡ダム建設現場付近で発見された石碑より。一部注釈)
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【F―2 焦土 夜】
【佐天涙子@とある科学の超電磁砲】
状態:『アツユ』、深仙脈疾走受領、アニラの脳漿を目に受けている、右手示指・中指が変形し激しい鱗屑が生じている、溢れ出す魂、大量のHIGUMA細胞を移植されている
装備:ヒグマの体毛包帯
道具:焼失
[思考・状況]
基本思考:対ヒグマ、会場から脱出する
0:――――――――――
1:初春を守る。そのためには、なんだってできる――!!
2:もらい物の能力じゃなくて、きちんと自分自身の能力として『第四波動』を身に着ける。
3:その一環として自分の能力の名前を考える。
4:これが月の炎。月の心。月の恋――。ああ、なんて、青い――。
5:本当の独覚だったのは、私……?
6:ごめんなさい皇さん、ごめんなさいウィルソンさん、ごめんなさい北岡さん、ごめんなさい黒木さん……。ごめんなさい……。
7:思い詰めるなって? ありがたいけど、思い詰めるのが私の力よ。
[備考]
※第四波動とかアルターとか取得しました。
※異空間にエカテリーナ2世号改の上半身と左天@NEEDLESSが放置されています。
※初春と協力することで、本家・左天なみの第四波動を撃つことができるようになりました。
※熱量を収束させることで、僅かな熱でも炎を起こせるようになりました。
※波紋が練れるようになってしまいました。
※あらゆる素材を一瞬で疲労破壊させるコツを、覚えてしまいました。
※アニラのファンデルワールス力による走法を、模倣できるようになりました。
※“辰”の独覚兵アニラの脳漿などが体内に入り、独覚ウイルスに感染しました。
※殺意を帯びた波紋は非常に高い周波数を有し、蒼黒く発光しながらあらゆる物体の結合を破壊してしまいます。
※高速で熱量の発散方向を変えることで、現状でも本家なみの広範囲冷却を可能としました。
※『月(ソーマ・チャクラ)』を回しました。
※『鬼骨(アグニ・チャクラ)』を回してしまいました。
【左天@NEEDLESS】
状態:健康
装備:自分のガントレット
道具:エカテリーナ2世号改の上半身@とある科学の超電磁砲、多数のクッキー@クッキークリッカー、ヒグマの肉
[思考・状況]
基本思考:全能者になる。嬢ちゃんの成長にも興味がある。
0:まだ諦めんなよ嬢ちゃん! じゃねぇと折角出て来れた甲斐がねぇ!!
1:このじゃじゃ馬には、まだまだ先があるんだぜ!?
[備考]
※佐天涙子の
支給品です。
※異空間に閉じ込められている間、空間が開く度に顔を覗かせていたため、いくつかの異なる場所に何らかの話をつけているようです。
【穴持たず46(シロクマさん)@魔法科高校の劣等生】
状態:ヒグマ化、魔法演算領域破壊、疲労(中)、全身打撲、ヒグマの血がついている、溢れ出す魂
装備:なし
道具:なし
[思考・状況]
基本思考:兄を復活させる
0:諦めない。
1:やった! 助かった! やはり私はお兄様に導かれています!
2:江ノ島盾子には屈しない。
3:私はヒグマたちに対して、どう接すれば良かったのでしょうか……。
4:残念ですが、私はまだ、あなたが思うほど一人ぼっちではないようです。有り難いことに……。
5:私はイソマさんに、何と答えれば、良かったのでしょうか……。
6:何なんですか低能クソビッチって!?
[備考]
※ヒグマ帝国で喫茶店を経営していました
※突然変異と思われたシロクマさんの正体はヒグマ化した司波深雪でした
※オーバーボディは筋力強化機能と魔法無効化コーティングが施された特注品でしたが、剥がれ落ちました。
※「
不明領域」で司馬達也を殺しかけた気がしますが、あれは兄である
司波達也の
絶対的な実力を信頼した上で行われた激しい愛情表現の一種です
※シロクマの手によって、しろくまカフェを襲撃していた約50体の
艦これ勢が殺害されました。
※
モノクマは本当に魔法演算領域を破壊する技術を有していました。
【天龍@艦隊これくしょん】
状態:小破、燃料切れ、キラキラ、左眼から頬にかけて焼けた切創、溢れ出す魂
装備:日本刀型固定兵装、投擲ボウイナイフ『クッカバラ』、61cm四連装魚雷、島風の強化型艦本式缶、13号対空電探
道具:基本支給品×2、35.6cm連装砲、基本支給品×3(
浅倉威、
夢原のぞみ、
呉キリカ)
基本思考:殺し合いを止め、命あるもの全てを救う。
0:涙子を、必ず助ける!
1:扶桑、お前たちも難儀してたみてぇだな……。
2:迅速に那珂や龍田、他の艦娘と合流し人を集める。
3:金剛、後は任せてくれ。俺が、旗艦になる。
4:ありがとう……銀……、島風、大和、
天津風、北岡、カツラ、サーファー……。
5:あのヒグマたちには、一体、何があったんだ……。
[備考]
※艦娘なので地上だとさすがに機動力は落ちてるかも
※ヒグマードは死んだと思っています
※ヒグマ製ではないため、ヒグマ製強化型艦本式缶の性能を使いこなしきれてはいません。
【黒木智子@私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!】
状態:血塗れ、ネクタイで上げたポニーテール、膝に擦り傷、溢れ出す魂、疲労(中)
装備:令呪(残り0画)、製材工場のツナギ
道具:基本支給品、制服の上着、パンツとスカート(タオルに挟んである)、グリズリーマザーのカード@遊戯王、レインボーロックス・オリジナルサウンドトラック@マイリトルポニー、ロビンのデイパック(砲丸、野球ボール×1、石ころ×69@モンスターハンター、基本支給品×2、ベア・クロー@キン肉マン )
[思考・状況]
基本思考:モテないし、生きる
0:あのノーライフキングを斃した代償が、この姿か……。
1:ロビン……、少しはお前に、近づけたか?
2:グリズリーマザーと共に戦い、モテない私から成長する。
3:グリズリーマザー、ヤスミンに同行。
4:あの即落ちナチュラルボーンくっ殺、一体、どうして死んだんだ……?
5:ダメだこの低能クソビッチ……。顔だけ良くて頭と股はユルユルじゃねぇか。
※魔術回路が開きました。
※グリズリーマザーのマスターです。
【グリズリーマザー@遊戯王】
状態:背中に手榴弾の破片がいくつも突き刺さっている、溢れ出す魂
装備:なし
道具:『活締めする母の爪』、『閼伽を募る我が死』
[思考・状況]
基本思考:旦那(
灰色熊)や田所さんとの生活と、マスター(黒木智子)の事を守る
0:涙子ちゃん! 大丈夫かい!?
1:マスター! アタシはあんたを守り抜いてみせるよ!
2:灰色熊……、アンタの分も、アタシが戦ってやるさ。見ときな!
3:とりあえずは地上に残ってる人やヒグマを探すことになるかしら。
4:むくろちゃんも扶桑ちゃんも難儀だねぇ……。
5:実の姉を捨て駒にするとか、黒幕の子はどんだけ性格が歪んでるんだい……?
[備考]
※黒木智子の召喚により現界したキャスタークラスのサーヴァントです。
※宝具『灰熊飯店(グリズリー・ファンディェン)』は、アルター粒子の奔流に呑まれて消滅しました。
※宝具『活締めする母の爪(キリング・フレッシュ・フレッシュリィ)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1~2人
爪による攻撃が対象に傷を与えた場合、与えた損傷の大きさに関わらず、対象を即死させる呪い。
対象はグリズリーマザーが認識できるものであれば、生物に限らず、機械や概念にまで拡大される。
※宝具『閼伽を募る我が死(アクア・リクルート)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
自身が攻撃を受けて死亡した場合、マスターが令呪一画を消費することで、自身を即座に再召喚できる。
または、自身が攻撃を受けて死亡した場合、マスターが令呪一画を消費することで、Bランク以下の水属性のサーヴァント1体を即座に召喚できる。
【百合城銀子@ユリ熊嵐】
状態:溢れ出す魂
装備:自分の身体
道具:自分の身体、フライパン、コルトM1911拳銃(残弾2/8)
[思考・状況]
基本思考:女の子を食べる
0:さあ、戦刃むくろ。キミのスキは本物か?
1:さすがは月の娘。こんな嵐の中でも曇りなきデリシャスメルだ。
2:ピンチの女の子を助け、食べる
3:数々の女の子と信頼関係を築き、食べる
4:ゆくゆくはユリの園を築き、女の子を食べる
5:『私はあらゆる透明な人間の敵として存在する』
6:深雪は堪能させてもらったよ。本格的に食べるのはまたの機会にな。
[備考]
※シバに異世界から召還されていた人物です。
※ベアマックスはベイマックスの偽物のようなロボットでシバさんが趣味で造っていました
※ベアマックスはオーバーボディでした。
※性格・設定などはコミック版メインにアニメ版が混ざった程度のようですが、クロスゲート・パラダイム・システムに召還されたキャラクターであるため、大きく原作世界からぶれる・ぶれている可能性があります。
最終更新:2017年10月15日 13:36