「フハハハハッッッッッ!!!!いいもんだなぁ魔法少女ってのはよぉ!!!!」
増殖と
進化の果てに性転換し、魔法少女となった
浅倉威が、無邪気な幼女の笑みを浮かべてバイクを走らせていた。
紫色の魔法少女衣装をたなびかせ、幼い顔が映すのは獣の笑顔だ。
肉体年齢相応のイタズラ心と、三つ子の魂からの凶暴性を抱えて、幼女の彼はフルスロットルで風を切る。
「ククク、この体で武田のところに行ってみるか。まさかあの弓矢女との戦いで死んじゃいねぇだろう。
反応が楽しみだぜ!」
三代目浅倉威、浅倉威子はバイクモードの獣艇・ジェノドレッドサバイバーを走らせ高らかに笑っている。
浅倉威子はバイクの風を受けながら高らかに笑っている。
バイクの疾走中に第三回放送が聞こえてきた。
現在の生き残りや死亡者のほかにも獲物の現在位置まで教えてくれるとても有意義な内容だった。
「お、武田たちは温泉にいるのかよ、いい御身分じゃねえか。俺もひとっ風呂浴びさせてもらおうか!」
目的地が決まり上機嫌になった浅倉は道路を移動し続ける。
その時、何かが浅倉の頭上を通り過ぎた。
「んん?なんだぁ?鳥かぁ?」
それは、刀から噴出する水のジェット噴射を利用して超高速で空中飛行するヒグマン子爵であった。
まるで何かに駆り立てられるようにわき目も降らずに超高速で空を駆けていく。
その様子を唖然としてしばらく見つめた浅倉は不満を漏らした。
「おいおい、俺を無視するとはいい度胸じゃねぇか」
会場で他の参加者と出会ったら即殺し合いだろ?
浅倉は獣艇・ジェノドレッドサバイバーのサドルを持ちバイクモードから飛行戦艦モードに切り替える。
そして空中を飛行し、進路をヒグマン子爵の方向に変えようとした時だった。
「ぱるむぱるむあびりっぱ!!!」
謎の規制を発しながら背中にプロペラを付けたヒグマがこちらに迫ってきたのだ。
突然空を飛び長距離移動する奇行に走ったヒグマン子爵に反応した制裁ヒグマ改が追跡してきたのである。
「ほぅ?お前はやる気満々みてぇだなぁ?」
ターゲットを切り替えた浅倉はベルトのカードデッキからアドベントカードを取り出す。
『ソードベント』
浅倉の右手におなじみの愛刀べノサーベルが出現する。
「しゃぁっ!コブラソード!」
掛け声とともに大きくしなったべノサーベルが突っ込んでくる制裁ヒグマ改を真っ二つに両断する。
しかし制裁ヒグマ改は何事もなかったように二つに分かれた身体で浅倉に迫ってくるのだった。
「なにっ!?」
制裁ヒグマ改は瞬時に左右に分離し剣の一撃を回避していたのだ。
そのまま内部に生えた大量の注射針と回転のこぎりで浅倉を左右から挟み撃ちにしようとする。
だが次の瞬間獣艇・ジェノドレッドサバイバーの側面の装甲が変形し巨大な両腕となって左右からの攻撃を防いだ。
「あほんるい!?」
「面白れぇ…それでこそヒグマだぜ…!!!!」
そのまま獣艇・ジェノドレッドサバイバーはパーツを組み替え変形し
翼の生えた機械製の中世のドラゴンに姿を変えた。
そして口からドラグレッダーのような大量の火の弾を吐き弾幕を創り出す。
その攻撃を身体を横に倒して当たり判定を少なくした制裁ヒグマ改の二つの身体が空中で神回避するのだった。
「ハハハッ!本当に最高だなぁヒグマバトルってのはよぉ!」
ヒグマロワイアルに置いては空中もバトルステージの一つに過ぎない。
二匹の怪物がぶつかり合い夜の空を真夏の花火のように照らすのだった。
【D-6 街/夜】
【浅倉威子(三代目浅倉威)@仮面ライダー龍騎、艦隊これくしょん、魔法少女おりこ☆マギカ、
ヒグマ・ロワイアル】
状態:ヒグマモンスター、女性、艦娘、魔法少女
装備:ソウルジェム(濁り:極小)@魔法少女おりこ☆マギカ
道具:なし
基本思考:本能を満たす
0:女の体になってイライラがなくなったぜ! 今までで最高の気分かも知れねぇ!
1:とりあえず、一番ウマの合った
武田観柳を探すとするか。
[備考]
※ミズクマの力を手にいれた浅倉威が分裂して出来た複製が単為生殖した二代目浅倉威と那珂ちゃんから生まれた三代目です。
※
呉キリカの干渉により染色体がXXとなり、成熟も中断されたために、幼女の肉体です。
※呉キリカと那珂ちゃんの性質を受けたために、魔法少女・艦娘になりました。
※固有武器はカード、固有魔法は『ミラーモンスターの使役』です。
※ソウルジェムはカードデッキ型。魔法少女衣装のベルトのバックルとなっています。
※その性質上、本来の仮面ライダーの状態と遜色ない戦闘が可能です。
※契約モンスターは、今まで捕食したヒグマや艦娘関連の兵器が融合した『獣艇・ジェノドレッドサバイバー』とされる存在のようです。
※獣艇・ジェノドレッドサバイバーはバイク、戦艦、ドラゴンなど様々な形態へトランスフォームできます。
【制裁ヒグマ〈改〉】
状態:口元から冠状断で真っ二つ、半機械化、損傷(小)
装備:オートヒグマータの技術
道具:森から切り出して来た丸太
基本思考:キャラの嫌がる場所を狙って殺す。
0:背後だけでなく上から狙うし下から狙うし横から狙うし意表も突くし。
1:弱っているアホから優先的に殺害し、島中を攪乱する。
2:アホなことしてるキャラはちょくちょく、でかした!とばかりに嬲り殺す。
※首輪@現地調達系アイテムを活用してくるようですよ
※気が向いたら積極的に墓石を準備して埋め殺すようですよ
※世の理に反したことしてるキャラは対象になる確率がグッと上がるのかもしれない。
でも中には運良く生き延びるキャラも居るのかもしれませんし
先を越されるかもしれないですね。
●●●●●●●●●●
浅倉が空中バトルを始める少し前、第三回放送を聞いていたヒグマン子爵は酷く落胆していた。
最初期の穴持たずがほぼ全滅したこともそうだが仕留めたハズの獲物を自分はまたもや捕り逃したようだ。
「
黒騎れい……!?
巴マミだと……!? なぜ奴らが今ここで生き残っている!!
確かに死んだはずだ、あやつらは!! ならばもう一度、仕留めるのみ!!」
焦った心境で夜空を跳躍して高速移動しながら思考を張り巡らせる。
「………やはり剣豪ではこれが限界なのか?」
元々刀使いはあの銀髪ロン毛のサムライ風の男から刀を奪ったことで気まぐれに始めてみたキャラだ。
空から降ってきたあのぶっそうな刀も拾って二刀流になったものの結局ヒグマ―ドとやらには太刀打ちできず
巴マミも黒騎れいも取り逃している。
「…そろそろ潮時かもしれんな」
元の自分の特性が気に入らず、剣技を極めるといったヒグマらしからぬ行動をとっていたが
更なる進化の必要を感じ、疾走ながらふと両手に握った二本の刀を見つめる。
試していなかったが一つ方法はある。今までやらなかったのは自我を保てる保証が無かったからだ。
だがメロン熊もヒグマ―ドも死んだ今、もはやオリジナルの穴持たずは自分ただ一人といっても過言ではない。
「やるしかないのか?……むっ!?」
突然、羆殺しが激しく震え出した。異変を感じヒグマン子爵は急停止する。
「どうした!?まさか今更目を覚ましたのか!?ゴクウゴロシ?」
振動が収まらない刀を鞘から抜くと、羆殺しは勝手に動きだしどこかへ行きたそうに上空を虚空を刺した。
「……なんだ?この方向へ向かえというのか?」
ヒグマン子爵はこの現象になにか運命を感じ取っていた。
いずれにせよ現状は頭打ちである。ならば刀に宿る神の導きに従うのも一興か。
「そこへ行けば私の望むものが手に入るというのか…?まあいい、ならば・・・」
ヒグマン子爵はもう一つの刀、正宗を地面に突き刺し、勢いよくウォータージェットを噴出した。
ジェットの勢いでヒグマン子爵は空中を高速飛行し影のように夜空へ飛んでいく。
●●●●●●●●●●
「なんかえらいことになってるみたいですな」
「ううむ、どうしたものか?」
「とりあえずかわいい子がアスレチックに沢山いるみたいだしもうこいつほっといて行こうよ」
「いや殺すのは簡単だし先に始末してから向かうというのは?」
D-5の元温泉地帯。長らく膠着状態が続いていたが島中に鳴り響いた放送が
チリヌルヲ提督、ムラクモ提督他かんこ連隊をざわつかせていた。
「
御坂美琴…やっぱあの子が主役なのかな…江ノ島盾子の攻撃…?なんで…?」
そしてヒグマ提督は突然何かを思い出したように何故か頭を抱えていた。
「ああ…やっぱり最初から騙されていたんだ…僕の欲と夢が原因でこんなことに…」
「……シュー」
そんな提督の異変に気付いているのかいないのか、長い膠着状態の間
四匹の羆嵐一一型と砲台小鬼はこの状況を打破する方法を真剣に考えていた。
残念ながら現在の周囲のヒグマは全員提督の敵である。説得の余地はないだろう。
しかし放送局の人間たちは提督を保護してくれるかもしれない。
かんこ連隊の連中は放送局の人間を殺そうとしている。ここで全員始末しないといけない。
実力差は歴然だがやるしかない。そしてチャンスは動揺で指揮が乱れている今しかなかった。
「シュー――――!!!!」
突然叫んだ砲台小鬼はソバットでうなだれるヒグマ提督の腹を勢いよく蹴飛ばした。
「ぐはぁ!!!!????」
「なにっ!?」
メタボで丸々したボディが勢いよくバウンドしヒグマ提督は思ったより遠くへ飛んでいく。
そしてその勢いのまま砲台小鬼は振り向いたムラクモ提督の口の中へ身体を突っ込ませた。
「あぐぉ!?」
「え?宣戦布告なしの不意打ち?これがかの有名な真珠湾攻撃――――?」
チリヌルヲ提督の冗談を言った次の瞬間、砲台小鬼はムラクモ提督の口腔内で砲弾を発射した。
その砲撃はムラクモ提督の身体を貫通し、腰に付けた61cm四連装(酸素)魚雷に着弾した。
「しまっー――――!!??」
酸素魚雷は隠匿性に優れた平気だが実装前に実験で大量の死者を出した代物である。
四本の魚雷が装備していた新型高温高圧缶も巻き込んで勢いよく爆発し、
砲台小鬼とムラクモ提督は激しい爆炎と共に跡形もなく吹き飛んだ。
「……うう……」
よろめいたヒグマ提督は沢山のヒグマが爆発に巻き込まれて吹き飛んでいるのを目の当たりにした。
砲台小鬼と化した金剛ちゃんがこれをやったのだろうか?すさまじい戦果だ。だが無事なはずがない。
「……も、戻らなきゃ……助けに行かないと……」
立ち上がったヒグマ提督は四匹の羆嵐一一型が爆風を免れたかんこ連隊を足止めしているのを遠くから眺めていた。
ああ……これは時間稼ぎなんだ。片道切符の特攻だ。ボクが逃げるまでの。
提督は生き残るネ!という金剛の声が頭に響いた気がした。
「……う……う……うわああああああ!!!!!」
ヒグマ提督は泣きながら全速力で森の方向へ駆けて行く。
(金剛ちゃんも大和ちゃんも、なんで僕みたいなクズの為に命を捨てちゃうんだ!?
僕がそう作ったからなのか!?ちがう、違うんだ!僕にそんな命を懸けてまで守る価値はないんだ!
だって僕は、本当は……!)
命からがら森までたどり着いたヒグマ提督は影のように追いついてきた何者かに頭をつかまれ地面に押し付けられた。
「ぐえっ!?」
「んふふふふ…惜しかったねぇ…うっかり私も死ぬところだったよぉ…」
それは全身の体毛が焼けこげ血まみれになったチリヌルヲ提督だった。
「咄嗟に近くのかんこ連隊を盾にしてなかったら死んでたかもねぇ…まあこいつらのリーダーは殉職しちゃったから
君へのお仕置きがおわったらボクが引き取ってあげようかなぁ?」
負傷しながらもなんとか四匹の羆嵐一一型を撃退した第二かんこ連隊の生き残りたちは羆嵐の死体を口にくわえて
こちらへ向かってくる。最早打つ手はなかった。これが他者の力を利用しないと何もできないヒグマの末路だというのか。
観念したようにヒグマ提督は座り込んでうなだれた?
「……もういい、殺してくれ。ボクは提督だ。艦娘を全て失った責任を取りたい」
「ひひひっただで済むと思ってんの?ボクのうっ憤を晴らすためにありとあらゆる苦痛を受けてもらうよ?
ほら第二かんこ連隊のみんなもやるきみたいだしぃ?」
「……もういいんだ、僕はヒグマ提督として死にたい。沢山裏切ってやりたい放題やった結果がこれだ。
これ以上の罪は重ねたくない……」
「?まいっか?じゃあまず君の全身の皮を剥いで毛皮シート作るよん」
陰残な拷問が行われようとするその時だった。
―――空から何者かがその場に隕石のように飛来してきたのは。
地面に衝突した衝撃でクレーターが出来、またもやヒグマ達が吹き飛ばされる。
そこに現れたのは、黒いスーツを着た日本の刀を持つスリムなヒグマだった。
「ヒグマン子爵!!!???」
「……!?お前は……!?」
両者はしばらく顔を合わせいていた。彼らがこの会場ではち会うのは初めてである。
……だがヒグマン子爵はなにかを思い出そうとしていた。
羆嵐の導きでわざわざここまだやってきたのである。その意味を……。
そしてしばらくの沈黙ののち、何かに気づいたヒグマン子爵は
「グ…グハハハハハ!!!!そうかそうか!!そういうことか!!!!ハハハハハ!!!!」
何かに気づいたヒグマン子爵は今まで見たこともないような顔で高らかに笑った。
「イテテ…なんだオマエ?旧世代の穴持たずの生き残り?今更何しに来たわけ?」
よろついたチリヌルヲ提督はムラクモ提督の残骸からパクってきた叢雲の槍型固有兵装を
ヒグマン子爵に向け、勢いよく投げつけた。
その投擲をヒグマン子爵は見ようともせず―――細い腕を突然肥大化して盾代わりにして受け止めた。
「なにっ!?」
「あれは…部分巨大化能力!?」
二匹のヒグマは驚いたが二匹の驚いたポイントは少しずれている。
ヒグマン子爵は自分がマジンガーZのピグマン子爵のパロディキャラとしてデザインされたのが気に入らず
いままで自分の固有能力を積極的に使おうとしなかったのだ。
常に違う何かになろうとしていた穴持たずだったのだ。だが何故今躊躇なく使ったのか。
「少し黙ってろ。私はこいつに話があるのだ―――いや、いっそ永遠に黙っていただこうか?」
ヒグマン子爵はそのまま全身に能力を発動し徐々に巨大化していく、
比例して両手に持った刀が玩具のようなサイズに見えるようになる。
「ふん、プレーンのヒグマ風情がスペックの低さを後付けの装備で補ったつもりか?
―ー――貴様らに見せてやるわ、穴がない究極の生物である本当の穴持たずの力をな!」
そしてヒグマン子爵は両手に持った羆殺しと正宗@SCP Foundationをぶら下げ―ー――そのまま口に入れて呑み込んだ。
「なっ!?」
「グオォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!!」
肥大化したヒグマン子爵の全身を黒いオーラが包み込み激しく痙攣する。
今まで刀として利用することで使ってきた羆殺しとSCPの力を自らの身体に取り込もうと言うのか?
「うわぁ…馬鹿じゃねぇのこいつ?なんか知らんけど暴走して対消滅しそうじゃん?」
「……ああ、なんでこんなことを…?」
消滅しそうな自我の中、ヒグマン子爵は思考する。
私の強さには限界があった。理由は…名前だ。ヒグマン子爵等名はマジンガーℤに出てきたピグマン子爵とかいうマイナーな幹部が元ネタだ。
スパロボにすら出てこないマイナーな腋役のピグマン子爵がルーツではいくら武装して強くなろうが進化にブレーキがかかる。
だが私は穴持たずだ。穴がない生物である私に本来進化の上限などない。
そう、あのヒグマ―ドよりも浅倉とかいう人間よりも強く強く強くただ強く…。
オーラが徐々に収まり、全身が黒いスーツ上の毛皮に覆われた、細身でありながらも高密度の筋肉を持つ
異常に長い手足の両目を赤く光らせたヒグマが姿を現した。
「え?」
唖然として見つめるチリヌルヲ提督の顔をヒグマン子爵より三回りほど巨大化した黒いヒグマの両手が高速で挟み込み、
身体を宙に浮かせる。両足をバタつかせるチリヌルヲ提督の目前で黒いヒグマの両胸が強殖装甲のように左右に展開した。
―ー――そうだな主役らしく…ヒグマン子爵改め…羆魔神我(ヒグマジンガー)とでも名乗ろうか?―ー――
次の瞬間、胸から高熱の火炎放射が吹き出し、地面を溶かしながらを骨も残らず焼き尽くした。
「ファイヤーブラスター!?」
「「「「うおおおおおっっっ!?」」」」
声も発さずに殉職したチリヌルヲ提督の仇を討つためミリタリーガチ勢第ニかんこ連隊に生き残りたちはいっせいに
羆魔神我(ヒグマジンガー)に襲い掛かった。たとえ圧倒的な実力差があろうと最後まで戦い抜く、それが大和魂。
「グゴゴゴ…!」
羆魔神我(ヒグマジンガー)は空いた両手を広げると、「手のひらの肉球から先ほどまで愛用していた日本の刀のような
長い骨が飛び出してきた。そしてそのまま長い両腕を鞭のように縦横に振り回し赤い衝撃波を周囲に発生させる。
「「「「うぐおおおおおおおお!!!!????」」」」」
斬撃と衝撃波に巻き込まれ第二かんこ連隊は周囲の木々や発射した弾丸と共に切り刻まれ肉片と化してく。
悲鳴が鳴りやんだ頃にはすっかり森は切り開かれ、周囲にはヒグマのバラバラ死体と壊れた装備品だけが残された。
唖然とするヒグマ提督は月の光に照らされた目の赤い長い手足の黒い怪物を見上げている。
「やれやれ…ヒグマというよりアクマだな…」
「……ふう、ようやく話が出来そうだな」
「!?ヒグマン子爵!まだ喋れるのか!?」
「……いや、先ほど改名したのだ。これからは羆魔神我(ヒグマジンガー)と呼んでくれ」
「羆魔神我(ヒグマジンガー)…!?」
羆魔神我(ヒグマジンガー)は腰を折り曲げ、ヒグマ提督に顔を近づけ、語り掛けた。
「それで?どうなんだ?このゲームはまだ続行中なのか?………―ー――主催者どの?」
「……!?……なっ……?」
ヒグマ提督は思いもよらなかった言葉に驚愕した。
そう、この会場ではあまりにもおかしいことが立て続けに起こるので誰も気にしていなかったのだ。
だからこいつに対面した御坂美琴も
佐天涙子も別に違和感を感じなかった。
何故このヒグマは人間の姿の艦娘以外は興味を示さなかったのか?そしてそれ以前に、
何故つい最近産まれたばかりのハズの
穴持たず678がかなりやり込んだ艦隊これくしょんのDMMアカウントを所持していたのか?
誰かから盗んだ?それとも……
「獣が他人を識別するのは見た目じゃない。匂いで判別するのだよ。思い出すのに少し時間がかかったが…
―ー――おまえ、あの有富とかいう男の仲間だな?」
……こいつに隠し事は不可能だ。ヒグマ提督は諦めて目を瞑り、ゆっくりと口を開いた。
「……わかったよ……。
ああ、僕は穴持たず678じゃない……STUDYの……関村弘忠だ。
有富の計画を利用して…艦娘ハーレムを作る為に…江ノ島盾子の口車に乗って…
仲間を売って…死体を偽装して…
HIGUMA細胞でヒグマになって…何食わぬ顔で帝国に紛れ込んでいたんだ……」
艦娘を全て失ったからだろうか?ヒグマ化の後遺症で色々混濁していた記憶がはっきりしてきた。
「まあその辺の事情はあとで詳しく聞くとして…有富の仲間が生きているならまだ貴様が主催者ということだな?」
「うーん…どうだろう…」
最初の主催者も全滅して二代目主催者も追い出されたので何の権限もないがそもそもヒグマン子爵は最初に決めたゲームを
成立させたいだけで私の現在の状況とかどうでもいいのかもしれない。
ああ、重ねてきた罪が重すぎたんだろうか。どうやらまだ死ねないらしい。
いや、まだ会場に残る艦娘たちの為にやることがある。
「ゲームは…続行中だ。
ルールはあまり変わってないが…参加者もかんこ連隊も江ノ島盾子も…全員殺せ。
あ、でも艦娘は殺すな。殺したら失格…いや、減点…だ」
「ふん、まあいいだろう」
どうせこちらに生与与奪権はなにもないのだから気まぐれでいつでもルールは破れる。
これくらい緩い方が縛りとして機能しやすい…かもしれない。
「……では……ゲームを成立させるとしようか……」
全身にうっすら黒いオーラが纏い、両眼を赤く光らせた長身のヒグマは長い両腕を天に掲げた。
「グオォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」
羆魔神我(ヒグマジンガー)となったヒグマン子爵が咆哮する。
その咆哮を聞きSTUDY職員関村弘忠に戻ったヒグマ提督はあることを思い出していた。
…ああ…聞き覚えのある雄たけびだ…すべての始祖であるあの孫悟空を殺した最強の穴持たずが帰ってきたのだ…。
- 有富が北海道の山奥から拾ってきたあの正体不明の超強いヒグマが帰ってきたのだ・・・・・・
【チリヌルヲ提督@
艦これ勢 死亡】
【ムラクモ提督@艦これ勢 死亡】
【第二かんこ連隊@艦これ勢 全滅】
【ヒグマン子爵@穴持たず 改名】
【羆魔神我(ヒグマジンガー)@穴持たず 誕生】
【D-5 湯の抜けた温泉の近くの森/夜】
【羆魔神我(ヒグマジンガー)(ヒグマン子爵)(穴持たず13)】
状態:それなりに満腹、右前脚に熱傷、魔神化
装備:なし
道具:なし
基本思考:獲物を探しつつ、第四勢力を中心に敵を各個撃破する
0:五月蝿い女に付きまとわれる前に撤退だ。
1:黒騎れいは死んでいるようなので、新たな獲物を探す。
2:どう考えても、最も狩りに邪魔なのは、機械を操っている勢力なのだが……。
3:黒騎れいを襲っていた最中に現れたあの男は一体……。
4:あの自失奴も、だいぶ自立してきたようだな。
5:これで『血の神』も死んでくれるといいのだが。
[備考]
※細身の筋肉質でスーツのような黒い体毛に覆われ両目が赤い巨大なヒグマです。
※宝具羆殺しと宿っていた孫悟空を殺したヒグマと正宗@SCP Foundationを吸収しました。
【穴持たず678(ヒグマ提督)(関村弘忠)@とある科学の超電磁砲】
状態:ダメージ(中)、全身にかすり傷、覚醒
装備:なし
道具:なし
基本思考:ゲームを終わらせる
0:責任を取るよ、大和、金剛……。
1:艦これ勢を鎮圧し、この不毛な争いを終結させる。
2:島風、天龍殿、
天津風、
ビスマルク、那珂ちゃん、龍田さん、球磨ちゃん……。
3:私はみんなが、艦これが、大好きだから――。もう、終わりにしよう。
4:大和を弔う。彼女がきちんと、眠れるように。
[備考]
※
STUDY研究員関村弘忠がヒグマ化してヒグマ帝国住民に偽装していました。
※D-5に大量のヒグマの死体と新型高温高圧缶、61cm四連装(酸素)魚雷、照明灯などのかんこ連隊の装備が転がっています。
●●●●●●●●●●
ヒグマロワイアルが始まる数か月前。
留置所を釈放された有富は北海道の雪山を当てもなく彷徨っていた。
慰安旅行のつもりだったが能力者に敗北したショックで単に彼は死に場所を探していたのかもしれない。
実際死んだような表情で樹海に入ると、獣のような咆哮が聞こえてきた。
今はヒグマの冬眠シーズンのハズだ。もしや巣穴を見つけられなかった凶暴なヒグマ、穴持たずだろうか?
だがなにか様子がおかしい。
継続的に打撃音が聞こえてくる。
なにかと戦っているというのか?
好奇心が抑えられなかった有富はどんどん音が着終えてくる方向へと進んでいき、
そこで信じられないものを見た。
巨大なヒグマの前に一人の上半身裸の男が対峙している。
その男の背中は筋肉が異常な形で隆起し―ー――まるで鬼の貌のような形状になっていたのだ。
「あれは……まさか……!?」
有富も噂は耳にしている。あの米国と個人で友好条約を結ぶ単独で一つの国と同等の戦力を持つというあの男。
「地上最強の生物……範馬勇次郎!?だがあれは一体……?」
なにか様子がおかしい。
勇次郎は世界最大のホッキョクグマを素手で倒した男のハズだ。
だがその前身は爪の傷だらけであり、背中からでもわかるくらい大きく息が乱れている。
「苦戦しているのか…?あの勇次郎がヒグマごときに…?」
その声が耳に届いたのか、勇次郎は有富の方向をゆっくり振り向き、自虐気味に笑った。
「……い~いもんだなぁ……野生の戦闘力ってのはよぉ……」
そうつぶやいた途端、勇次郎は膝から崩れ落ち、顔から地面にうつ伏せに突っ伏し、倒れ込んだ。
それは、格闘技に詳しいものなら誰もが知る、絶対に起き上がれない倒れ方であった。
「ば……馬鹿な!?あの範馬勇次郎が……!?地上最強の生物が……!?敗けた……!?」
「グオォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」
ああ、かつて静かに暮らしていた絶滅確定クラスの貴重な野生動物である夜叉猿を無意味に殺した挙句
息子の刃牙の前に生首を持っていき玩具にして遊んだ畜生行為の因果が今更回って来たとでもいうのだろうか?
しかし勇次郎はただの最強の格闘家などではない。強さが無限に進化する世界の秩序のような存在なのだ。
だがそんな人間界の事情などお構いなしにヒグマは勝利の咆哮を山に響かせるのだった。
―ー――ヒグマはその強さのせいでよく創作作品で噛ませ犬にされる。
世界戦前の鷹村に素手で撃退され、草壁覚悟に鉈と幽玄新陰流の技で撃退され、
竈門炭治郎の父親に斧一本で撃退された。
だ が こ れ が 現 実 だ !!!!
野生のヒグマに生物的にはるかに劣る人間が素手で勝利するなど本来は不可能なのだ。
「こ…これが野生の力だというのか…!?」
その光景を目の当たりにした有富は無能力者である自分の境遇と重ね合わせ、不謹慎ながらも高騰していた。
そしてこの生物に、学園都市の能力者どもを超える可能性を見出したのだ。
●●●●●●●●●●
その後地元の猟友会の協力を得て何とかそのヒグマを捕獲して研究所に連れてきた有富は日夜研究に没頭していた。
ヒグマから抽出した細胞をHIGUMA細胞と名付けクローンを次々と量産し「この子たちは一匹一匹が範馬勇次郎を凌ぐ力を持っているんだ」
と自信満々に豪語するリーダーの様子を見てとうとう精神に異常をきたしたのだと察した桜井純は毎日泣きながら飲酒し、
関村弘忠は部屋に引きこもって艦これ廃人と化していたが、クローン培養したヒグマがブラックホールを形成するようになってから
話が変わってくる。途中から
司波深雪という美人な娘も加わりSTUDYはかつての勢いを取り戻していた。
そしてヒグマを使った学園都市打倒に燃える有富を割と冷めた目で見たいた関村のPCがある日ハッキングされる。
『ひひひっ面白そうなことしてんな。私も混ぜろよ!』
画面に映っていたのは左右が白と黒に分かれた機械のクマ、
モノクマだった。
『オマエぶっちゃけ復讐とか興味ないんだろ?艦これの女の子とイチャイチャしたいのが望みなんだろ?だったらさぁ…』
―ー――こうして、誰も知らないヒグマ提督の物語は始まったのだった。
……でも有富がまさかパワーソースの良くわからない生き物のクローンを延々量産するアホだったのは流石に読めてなかったんじゃないかな?
だってあのヒグマどう考えてもSCP財団とかで収納したほうがいいKeter級SCPみたいな怪異じゃん?
あ、でもSCP財団が収容してるのって確か全部不死身のトカゲ以下の雑魚だから悟空と勇次郎倒すやつとか収容無理じゃね?
まあだから予期せぬ不具合が起きてクーデターを起こされちゃったわけだし?僕も先見の明があったんじゃないかな?はははっ……?
【穴持たずオリジン(孫悟空と範馬勇次郎を殺したヒグマ)】
野生動物を虐待する範馬勇次郎に天罰を加えるべく山の神が具現化した存在。
運命操作により既に勝利が確定した状態で挑んだが勇次郎があまりに強すぎたため
闘いの最中に大地の化身、地球意思、宇宙の代弁者、上位次元の超越者と
グレードアップしていき最終的に手が付けられない存在と化した。
有富はそう仮定したが強さの秘密は依然不明のままである。
最終更新:2025年12月20日 11:34