CE_day6

プラハ ~ Prague ~ 2日目


 9時起床、10時出発。今日も快晴である。

 旧市街広場を抜け、Charles橋へと向かって歩いていくと、橋の袂のSaint Francis of Assisi教会の扉が既に開いており、賑わっている。入り口には椅子と机が置かれ、女が座っている。今日の20時に教会のパイプオルガンを使ったコンサートを開催するので、チケットを売っているのだった。教会を見物しようと中に入ると、正面奥の右手の二階にパイプオルガンが見えた。高さは3、4m程で、ベルリンやドレスデンで見たものよりも格段に小さいが、教会もまた小さいのでよく響きそうだ。教会の中でパイプオルガンが響く様子に興味が出たので、450ckでチケットを買った。

 Charles橋を渡り、Prague城へと至る坂道を登っていく。その坂の途中でレストランを適当に探し、朝食兼昼食を食べた。ここでもまたビールとチェコの郷土料理を食べた。一枚の皿に、ポテトダンプリングを玉ねぎを一緒にフライにしたもの、厚切りのベーコンが敷かれ、そこに昨晩と同じく、キャベツの酸味のある漬物が赤・白の二種類添えてあった。黒パンが籠一杯に入っていた。シンプルだけれどもとても美味しく、食べ飽きない。正午に店を出た。

 聖Vitus大聖堂でMuchaのステンドグラスを観た。確かに、手前にある6枚のステンドグラスの中で、一枚だけ雰囲気が大きく異なっている。残りのステンドグラスは全体的に硝子片が角ばっており、精緻とは言えず、相当昔に作られたことを感じさせるが、Muchaのは硝子片が曲線的で、滑らかな、優しい印象である。円を使った装飾などいかにもMuchaっぽい。個人的には、Muchaでない角ばったステンドグラスの方が強烈で好きだった。
 聖Vitus大聖堂で興味が湧いたことは、大聖堂の外壁に設置されている石像。山羊、猫、ロブスター、悪魔(?)、人相の悪い人間…等様々な石像が壁から真横に突き出して、地上を見張っている。大きな口を空き、牙を剥き、睨んでいる様子は恐怖心を抱かせる。ところで機能的には、雨樋と同じ役割も果たす。大きく開けている口から水が落ちる様になっている。僅かの石像は、口から残り水がポタポタと滴り落ちており、まるで涎を垂らしてこちらを凝視しているようであった。

 Prague城の敷地内には幾つもの「見所」があり、チケットを買うとそれらが見学できる。チケットは350ckであった。しかし、あらゆる物が見ごたえのあるPragueでは、あえてチケットを買わずとも充分に楽しめてしまう。

 14時頃Prague城を出た。中央郵便局でポストカードを送ってからPrague駅に行く。明日Viennaへ移動するので列車の切符を買うためである。駅の一階にチケットオフィスがあり、切符は苦労無く手に入れられた。6000円程だった。一応ホームまで歩いて、明日迷わないようにしておく。ホームは大きなアーチ屋根になっており、天井が開閉窓になっている。開いている窓と閉まっている窓が作る斑の空間から青空が見えた。

 夕飯はK氏に教えてもらった「posezeni u ciriny」で食べる。ここで食べたチェコ料理もまた感激するほど美味しかった。見た目はカレーライスと似ているが、ご飯の変わりに細かい水団のようなポテトであり、上にクリームチーズが乗っている。チーズの味は強くない。そしてカレーではなく、赤色のソースなのだが、初めて食べる味だった。その中に煮込んだチキンの片足が浸っている。19:30店を後にし、教会へ急ぐ。

 コンサートはCaccini、Bach、Handel、Mozart、Donizetti、Schubert、Dvorak等で、Ave Mariaをはじめ宗教色の強い選曲だった。楽器はパイプオルガン、フルート、そしてメゾソプラノ。三人とも女性で、見ていても楽しかった。パイプオルガンの音は小さめだったが、メゾソプラノと併せるためにはこれくらいの音量が適当かとも思った。Bachの厳粛な雰囲気から入り、Mozartの軽快な雰囲気で終わった。パイプオルガンは二階にあり、フルートとメゾソプラノも二階で演奏していたのだが、クライマックスが近くなると一階に下りてきて、目前で演奏しており迫力があった。

 思い返してみれば、今日街中を歩いていると、あちこちでコンサートのチケットを売っていた。今日は何か特別な日なのだろうかと思った。個々の作家の曲をどのように組み合わせているか興味が出てきたので、パンフレットを一々貰っておけばよかったと思った。

 コンサートが終わった。余韻を楽しみながら散歩をして、Prague最後の夜を味わった。Charles橋を渡って、Malastrana地区の暗くてしっとりとした森を歩いた。その中に現代アートの美術館を見つけたので、明日行ってみようと決めた。Charles橋の一つ南の橋を渡って元の岸に戻ってきた。橋の上から、Vltava川に打ち上がる花火を眺めた。国民劇場の脇を通り、旧市街広場を抜け、宿に戻ってきた。昨日はPragueの折れ曲がった道に大分迷わされたが、二日目ともなれば街の歩き方が大体分かってくる。
最終更新:2014年09月30日 01:40