二日目


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ホーチミン空港

椅子を並べて横たわって寝たが、椅子が硬くて体がしびれて何度も起きてしまった。フロアの端では、完全に床に寝転がって熟睡している強者もいた。A.M.4:20頃起きて、国内線ターミナルに移動する。こちらは国際線よりも早い朝で、既に大勢の人が行き交い、タクシーがひっきりなしに往来している。ベトナム空港のチケットを受け取る。離陸と同時に再び眠っていた。起きたのはA.M.6時。機内食はハンバーガーと、甘いおかゆのようなもの。不味い。食後また寝て、気付くとハノイのノイバイ空港に着いていた。

ノイバイ空港

現地に着いてはじめにすべきこと、それは地図をゲットすることだ。ツーリストカウンターで尋ねるが、「時間が早すぎて、まだ地図が届いていない」と言う。そんなことあるのだろうか?代わりに、ツアーを組まされそうになったり、列車のチケットを買わされそうになったり、ハノイ市街までのタクシーに乗せられそうになった。現地に着いたばかりだとなかなか人が信じられない。自分で市街まで行って列車のチケットやホテルを探すからと断ると、「それは懸命ではないワ」見たいな事を言われたが、代わりに市バスの乗り場を聞いて退散した。しかし探せど乗り場が見つからず、結局よく分からないバスに乗った。終点を聞いたらホアンキエム湖の南を指差していたので多分大丈夫だろう。バスの中ではラオスから旅行に来たという夫婦と話したが、あまり言葉も伝わらず、まあ旅の始まりらしい会話だった。

ハノイ市街へ

バスは90分ほどで到着した。バスから見えたのは、広大な田。全体的に湿地のようで、植物の明るい黄緑~緑が眩しい。驚いたのは、建物のかなり縦長なものがあること。本当にジェンガのようで、指で押すと崩れてしまいそうなくらい直方なのがある。地震はあまり起きないのだろうか?それから、ベランダの欄干に植木鉢を飾ってある家が多く、これも落ちそうで冷や冷やする。どうやら欄干からポールが伸びていて、それが植木鉢の底穴を通っているため、そこそこ安定しているようだ。大きな川を渡ると、都市部に近づいてきたことが分かった。家々の屋根がずらりと並ぶ。バイクも、3人乗りや、大きな荷物を抱えながら、バスの横をブーブー抜けていく。右手に雰囲気の良い寺院が見え、線路を渡り、バスは止まった。どうやら終着点らしい。

準備を終える

時刻は9:30頃なので、影を見て方角を知る。バスは東向きに来たのだから、先ほど見えた寺院が文廟だとすると辻褄が合う…と考えながらあるいてハノイ駅に辿り着く。歩いていると、バイタクが「ヘイ!どこ行くんだい?乗ってきなよ~」みたいなノリで次々話しかけてくるが、まだ土地勘も無いのでひたすら断った。そういえば一人若い女性のバイタクがいた。他は全員おっさんだったので、思い出してちょっと損した気分だ。9/18夕方発ダナン行きの切符を買ったが、885000VND。ガイドブックよりもかなり高い。そして、空港のツーリストカウンターで提示された額よりも100000VNDも高かった!駅で直接買ったほうが安いと踏んだのに、時間がかかった上に大損である。駅員ともそれなりに交渉したけれどだめだった。仕方がない、次は宿探しだ。最終的にSt.Joseph教会近くの宿に決めた。300000VNDの1階窓なしと、3階の明るい部屋を見せられて、そちらは窓から教会も見え、神父の生活すら見えるというジョークを聞いてこの部屋にするつもりだった。しかし、部屋と一緒に申し込んだ香寺のツアーが25$と高かったため、結局1階の部屋にした。

散策開始

身軽になり、さあ出発だ。近くの店で初フォーを食べる。ウマイ!ここまできて良かったと初めて思えた瞬間だった。カボスと、酢、唐辛子をいれて食べた。店は地元の店と言う感じで、息子が野菜を切ったり配膳したり手伝っていた。休日の朝なのに偉いなぁ。

ホアンキエム湖

まずはホアンキエム湖に来た。急に落ち着いた雰囲気になり、カップルや住民が憩っている。赤い橋にそれほど興味もなかったけれど、澪ちゃんと同じ景色が見たいなぁと思い直して、渡ってみた。飛び地には寺がある。島の周囲に生えている木(マングローブ?)が独特の雰囲気を出していて良い。水中にはハゼがいた。面白いのは、参拝の形式である。堂の中にさらに扉があって、奥につながっている。奥の部屋にシートが敷かれていて、そこに正座をして祈る。その前には、像や供え物が置かれている。昼休みが終わるのを待ってバクマ寺へ行ってみたが、こちらもまた扉が3つ程あり、奥の部屋へと進んでいく。どうやら、こちらでは一般的な形式らしい。独特だと思った。

旧市街

それからメモリアルハウスへ行った。ベトナム古来の家が、政府の(?)援助を受けて保存されているものらしい。通りからみた正面からは想像できないほど、奥に長く、複雑で立体的だった。家と中庭と離れが、小さな空間で融合した感じだ。1階には池があり、際奥部には炊事場や風呂がある。そこに、二階部分が橋のように覆っていて、橋の間からは日光が届くようになっている。二階は寝室や、書斎、ベランダになっている。屋根裏にはビッシリと丸いマークが刻まれれているが、これは長寿を願ったものらしい。それから、室内には鳥篭が5,6個あり、色々な鳥が飼われている。そういえば街中でも鳥屋をやたらに見かけた。聞くと、特別の意味はないらしい。メジャーなペットなんだろう。

旧市街を抜けて

急に紅河が見たくなったので、残存している旧市街の東門を抜けて歩いてみた。大通りを、大勢のバイクや車を冷や冷やしながら避けて渡り、路地へと入っていく。この辺りは現地人の居住区のようで、観光客の姿は皆無だ。東に歩くが、紅河は塀越しで見えず、仕方なく北上するとロンビエン橋が見えた。雄大だ。結局壁に阻まれて紅河は見られなかったので、後日ロンビエン橋を渡った時に見ようと思う。

ドンスアン市場

東門まで戻り、ドンスアン市場を目指す。途中から既に、色とりどりの野菜や果実、肉や魚が路端に並べられている。その中には、巨大な魚をぶつ切りにしたものや、ウナギ、タニシ、エビ等グロテスクなものもあった。タニシは細い棒で中身をほじくり、集め、それを臼ですり潰してペースト状にしている。そのような中、バイクで客がやってきて、ドライブスルーのように店を一周して、代賃を払い、袋をぶら下げて走り去っていく。大変に賑やかだ。ドンスアン市場は巨大な箱型の建物で、3階建てだ。その中では、大量の布や、服や、バッグやアクセサリー等の日用品が、所狭しと積み重ねられている。商品の量は凄まじいが、大量生産された同形のものが多く、見るものがそれほど多いとは言えない。家族連れやカップルも多く、日本の田舎でのデパートデートのような感じだ。

36通り

市場の西からドンスアン通りに出る。西に折れると、通りの両側ともおもちゃ屋が並び、道路だというのに大勢の人々で賑わっている。やはり子供も多く、おもちゃを買ってもらった子供が、それを嬉しそうに持ちながら、家族全員で一つのバイクに乗って帰っていく様子も見られる。通りを一本変えると、ここは鉄工の通りである。人々は溶接をして、柵や棚等を作っている。完成品が店先に置かれたり、ぶら下げられている。この辺で疲れてきたので、ドンスアン通りに戻り南下。ホアンキエム湖に戻る。周辺の路上でフォーを食べた。目前をバイクが通り過ぎていく中、風呂場にあるようなプラスチックの椅子に座り、食べる。とても美味しく、調味料も、ずっと路上に置かれている割に問題なかった。街中を歩いていても、人々が路上で食事をしている姿がよく目に付く。別の瞬間、そこで子供がおしっこをしていたりする。衛生的にかなり問題ありそうだが、潔癖なだけかもしれない。

St.Joseph教会

St.Joseph教会の前を通ると、扉が開いており、人が次々と入っていく。僕も入っていく。どうやら今日はミサらしい。一度宿に戻り、荷物を置き、女主人にミサは面白いか聞く。「さあ。一度も行ったことないもの」。あまりにも冷めていて笑ってしまった。再び教会に戻ると、なんと、もう中に入れないくらい大勢になっており、教会の外に椅子を置いて座っている人数も相当だ。僕は隅っこになんとか場所を見つけた。ミサは、無宗教の僕には理解できなかったが、神父が話す後に続いて、人々が一斉に歌いだすのには驚いた。そこにオルガンの厳粛な音が入ると、振動数で体が震える。『なぜ人々はこれほどにも熱心に信仰しているのか?』という疑問が起こる。ベトナムと全く関係無いキリストの活躍等を、どうして信じられるのだろうか。神父の話を聞いているうちに眠気が湧き、夜市に行く余裕もなく、教会を抜け出してベッドに倒れこんでしまった。ありがたい神父の説教も、言葉の分からない僕には何の感銘も及ぼさなかったようである。夜市に行けなかったのは残念だったが、眠気と疲れが勝った。

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最終更新:2014年03月24日 23:57