ヒメボタルはヘイケボタル、ゲンジボタ
ルと並ぶ日本の三大発光昆虫であるが、全国
的に生息地が局所的である。平地ではヘイヶ
ボタルの発生地と重なる場合があり、ヘイケ
ポタルと形態や大きさが似ているために、ヘ
イケボタルと誤認される場合が多い。また、
ヒメボタルの生態学的研究も極めて少なく、
生活史等をゲンジボタルなどと比較すると不
明な点が多い。
豊中市をはじめとする大阪府の北部地方に
おいて、近年、ヒメボタルの大発生地が市街
地内で確認された。豊中市においては主に千
里川沿いの竹林や雑草地での生息地が知られ
ている。ヒメボタルは豊中市において自然発
生するホタル類の中でも大変重要な地位を占
めている。そこで、市街化による生息地の破
壊と絶滅を防ぐために、ヒメボタルの生息状
況を把握し、生息地の保全を検討することを
目的として調査した。今回の調査により、ヒ
メボタルの生態及び生息環境で新知見を得た
ので報告する。特に、生息環境を主体とした
ヒメボタルの生態に関して報告する。
調査地
大阪府の北部に位置する豊中市の市街地内
に残存する竹林及びその周辺雑草地で調査し
た。
主な調査項目
生息地の自然環境
1)植生・植物相
2)土壌構造、根系分布
3)落葉層の含水率の分布
4)地表徘徊性動物相
5)土壊動物相
6)陸生貝相
(環境科学僻)
成虫・幼虫の生息状況
1)成虫の発生分布状況
2)日周活動
3)雄の発光目撃数の発生消長
4)推定個体数の変化
5)幼虫の生息状況
結 果
大阪府豊中市のとメボタル発生地は、市街
地内に高密度で発生する生息地であった。
生息環境は住宅内に位置し、旧千里川沿いに
残存する竹林およびその周辺の雑草地で発生
した。地表徘徊性動物ではヨコズナツチカメ
ムシやャコンオサムシ等の市街地での生息の
極めて少ない種が比較的多く確認された。
成虫の発生は5月上旬から6月中旬までで
あった。雄成虫の飛翔行動は日没後一斉的に
行われ、移動範囲は狭かった。10月下旬に捕
獲された幼虫の体長は約1lmmであった。こ
の幼虫は終令幼虫あるいはそれより1令前ぐ
らいであり、越冬は終令幼虫あるいはそれに
近い令で行われると推察された。また、豊中
市のヒメボタルの生活史は1年型であると推
察された。
最終更新:2008年11月13日 04:38