航空狙撃砲
航空狙撃砲は、日本連合帝國が採用する主力航空火砲(航空機関砲)の名称である。
概要
第二次世界大戦以降、高速化する航空機に対し、火器が有効射程に捉えている時間は著しく減少した。それは優秀な電探連動型射撃指揮装置を以てしても迎撃は困難を極めた。故に誘導噴進弾が開発されたのだが、他方、それは万能ではなく、近接戦に於ける最終手段としての半ば威嚇的な――敵が有効射程圏内に存在する時間を思えば豆鉄砲に等しい――装備として、航空機関砲は再評価されるに至る。
そこで列強が航空機関砲の強化に至るのは想像に難くない――第二次世界大戦期の様な近接航空格闘戦を好む近接空戦マフィアが居たことも事実だが――。
弾幕こそ正義(何しろ彼らは太平洋で火力偏重――陸軍共々、最早それは信仰に近い――から発達した異常なまでの日本海軍の弾幕射撃によってトラウマを植え付けられている)と言わんばかりにガトリング砲を採用したアメリカと、大口径化と速射性の最大公約数からガスト式機関砲を選んだソ連。多連装化を好んだフランスに、小型弾丸の高初速・高威力化――即ち航空装弾筒付徹甲弾の実用化――を目論んだブリテン。
これらはまだマトモな部類に属していたが、逆に極めて異端だったのは日本人だった。
彼等が1948年に採用を決定したのは、ナチス・ドイツからの亡命技術者や鹵獲兵器から得たラインメタル・ボルジッヒ社製MK 108を範とし、ボフォース40ミリ機関砲の遺伝子に連なる系譜の長砲身機関砲と掛け合わせた――誘導噴進弾を除けば――、問答無用で世界最高の威力を誇る50ミリ航空機関砲だった。即ち、大火力と命中率偏重主義と明後日の方向に発展した貧乏性の最大公倍数である。
二式軍需省航空技術廠50ミリ航空狙撃砲
第二次世界大戦以降、急速に高速化する航空機に比して低下する一方の交戦時間に対し、当面核弾頭を運用することになる大型爆撃機は重武装・重装甲化の一途を辿っており、その飽和攻撃は大いに脅威となる可能性が指摘された(実際、欧州戦線では枢軸軍が対処不可能な飽和攻撃によって防空網を突破するという荒業を成し遂げている)。この事から、次期主流発動機となるであろう噴流発動機(ジェットエンジン)を搭載した航空機には、より大威力な火力を搭載することが要求されていた。
他方、陸海共に一撃必中を好んで無駄弾を嫌い命中率の向上を目指す性癖はその極致に達しており、集団航空格闘戦に於ける弾丸命中率は列強の中でも軍を抜いて高かった事から、軍需省はこれら優秀な搭乗員によって育成される新兵もまた優秀な命中率を維持出来るものと予測。逆説的に、命中の確実性を期して大量の弾丸をバラ撒いたりするより、命中時の威力そのものこそが全てを決するとの結論を導き出した結果、軍需省航空技術廠に試作指示が為され開発されたのが本砲である。
MK108に倣ってその構造は極めて簡易なものとされ、主要部分は塑性加工によって製造されており、この口径としては軽量に作られていた。また大口径軽量高初速弾丸に大量の炸薬を詰め込むという方策も受け継いでおり、その威力は低速な連射性を補って余りあった。主要な戦闘機を1発で戦闘不能確実とし(そもそも如何なる航空機も30ミリ以上に達する口径の砲の直撃を受けて唯で済む訳がないが)、重装甲・重武装を誇る主力重爆撃機「富嶽」を3~4発程度で搭載機銃の射程外から木っ端微塵とする、文句無しの性能だった。本砲は
朝鮮戦争までの10年間、主力航空固定兵装として活躍することになる。
一三式軍需省航空技術廠50ミリ航空狙撃砲
本砲は二式50ミリ航空狙撃砲に代わって開発された、第二世代噴流戦闘機を対象とする航空機関砲である。その最大の特徴は、時代を半世紀以上先取りした技術革命と言われた耐熱性火薬を発射薬に採用し無薬莢を実現して弾倉の小型化と発射速度の向上に成功したことにあり、その分類種別の由来である航空機関砲としては破格の大威力と引き換えにした低連射性を大きく改善した。
二五式軍需省航空技術廠50ミリ航空速射狙撃砲
本砲は発射時の衝撃を吸収する駐退機とは名ばかりの油圧装置を利用し、僅か数度ながら上下左右に砲口を支点として動く、向上する電子機器の処理能力を活用し制御する照準機構を備えることで命中率をも向上させ、多少の搭乗員の練度の違いを機械的に吸収することを目論んだ、極めて野心的な航空機関砲である。
本砲は一三式と全く同形状の弾丸を採用しているが、その中身は大きく異なり、小型化を果たした電子回路を組み込んだ近接信管を搭載している。その上、炸薬の種類変更により命中時の威力を増しており、前にも増して強力(或いは凶悪)な航空機関砲となっている。空冷とせざるを得ない航空機関砲が常に抱える砲身の過熱問題に関しては、発射方式を2点間欠射撃に固定し、射撃管制装置の側から強制的に一定の冷却期間を生じる仕様としている。これは当初用兵側から嫌われる仕様であったが、実際の戦闘に於いては特に大きな問題を生じず、次第に定着した。以後は使用機器の仕様を適宜変更しつつも、大きな構造上の変化を生じること無く長きに亘って使用され続けている、日本国軍の定番航空機関砲となっている。
最終更新:2012年12月03日 00:45