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ABF(Army Battle Figures)


 2040年頃から普及し始めた、パワードスーツに端を発する人型の大型作業重機、通称IF(Industrial Figures)を悪用した犯罪が起きるようになり、その鎮圧の難しさと、都市部に於ける車両とIFとの機動力の差に着目した日本連合帝國陸軍が、IFを軍用に転用したものがABFである。

概要

 警察組織用のPBF(Police Battle Figures)はスマートな印象を受ける意匠だが、軍用機であるABFは、脆弱な駆動系統を保護するため(PBFは対IF鎮圧のみを考えれば良いので思然と装甲は薄く機動性を重視されるようになるが、ABFは飛来する銃弾に耐性を持たねばならない)、自然と装甲を各所に取り付けるためゴツゴツと無骨になりがちである。当初はその戦闘能力には疑問符が付随していたが、都市部での従来の車両及びそれに随伴する歩兵に比して、その保持可能な火力と機動性に関しては追随を許さないことが明らかとなり、市街戦用戦闘兵器として正式採用されるに至った。
 なお演習に於いて、当初から予想されていた通り市街戦や車両での走破が難しい戦場では従来に比べ圧倒的戦闘力を誇るが、平原など起伏に乏しく遮蔽物の少ない地形では前面投影面積が増大するため、一対一ならともかくきちんとした部隊同士の衝突ではただの的になることが証明されている。
 第一世代では主機にガスタービンエンジンを採用していたが、燃費の悪さと間接を瞬間的に駆動させるのに必要な瞬間供給電力の面で効率が非常に悪かったため、第二世代以降は高効率燃料電池が主流となっている。またその機体サイズ(前面投影面積縮小や慣性モーメントの打ち消し等々)の問題での都合上、居住性は極めて悪い。

機体

 全高5m、全幅3.4m、最大自重25t以内を前提に設計される。これは公道や市街地での活動が可能な限界サイズ(特に発祥の地である連合帝國では電線が空中に張り巡らされているため、尚の事全高が問題になりやすい)であると同時に、人型兵器として現実的な戦闘機動が取れ、またその戦闘機動に構造材が耐えうる限界サイズであり、尚且つ現実的なコスト内で量産が可能であるサイズでもある。
 基本的に火力と機動力の高い歩兵として扱われるため、歩兵が運用可能な銃火器に対する程度ではあるが主要部を装甲で覆い、搭乗者も保護する必要性があるため、原型となったIFや、警察型であるPBFとは違い、コックピットは機体内部に完全に埋め込んでおり、背部に若干押し出されている。
 人型という形態を取る以上、各関節部に装甲を施すことは可動部とのトレードオフとなり、ABFの真価である汎用性の高い運動能力が損なわれてしまうため、事実上不可能である。このため、一般的な兵士程度の可動範囲を持たせてあるABFの関節部は装甲材質で作られ、それを蛇腹状の軟質防弾性難徹伸縮覆帯(ゴム材質の防弾繊維による皮膜と理解すれば良い)で覆うことで対処している。
 各関節の可動範囲は、首が人間とほぼ同じ範囲、肩は人間ほど上には上がらないが、連合帝國のABFで装備される長刀などの長物を振り上げて振り下ろす動作に支障がない程度には動く。反面、腰部はフレーム強度を要求され容積が圧迫されるため、動力部を仕込むのが限界である。このため、人間の腰ほど柔軟な動きをABFで実現出来るわけではない。脚部は、足の付根に関しては構造の問題上後ろへは大した角度を取れないが、前方へは長座体前屈で地面に対して70度、膝立ちは一般的な膝立て狙撃姿勢を無理なく取れる程の角度で回せる。

主な機体

  • 00式人型歩行戦術戦闘機械
 世界で初めて軍隊が正式に採用した人型二足歩行兵器。IFにハードポイントを追加して戦車等の装備を改造して載せただけの不恰好な機体だったが、市街地での対戦車戦演習では戦車対戦車の場合よりも良い成績を収めていた。
  • 05式人型歩行戦術戦闘機械
 00式の運用実績を元に、より人間に近い動きと市民ウケの良いものを目指して設計された。装甲をあちらこちらで分割しスライド式とすることで、00式よりも稼動範囲と機動力は向上したが、結果的に間接部の被弾確率は上昇してしまった。
  • 07式人型歩行戦術戦闘機械
 05式のフレームを元に、装甲をカーボン板へ換装し兵装搭載能力と機動力を向上。さらに同種の兵器との戦闘を考慮し、銃器以外にABFサイズの大型ナイフを搭載するなど、実験機的意味合いが強かった。
  • 11式人型歩行戦術戦闘機械
 07式のフレームをさらに発展させ、弱点の間接部分を装甲材質で製造し、他の装甲も複合材を用いて軽量化と被弾耐性の向上を図った機体。主機を初めて設計段階から燃料電池とした初の第二世代機でもある。
  • 17式人型歩行戦術戦闘機械
 11式のフレームを改良した上で、フレーム自体を装甲材質とし、外装を軽量化して被弾耐性と機動力の向上の両方を企図した機体。しかし、アメリカ陸軍が同種兵器に採用した大口径機銃に耐えるだけの能力が得られなかったため、結局装甲厚を増して対応することになり、機動性はあまり向上しなかった。
  • 22式人型歩行戦術戦闘機械
 従来機では胴体に主に内蔵していた駆動機を四肢側へ移し、胴体内のコックピット居住性の改善と各部のブロック化による整備性向上などを目指した第三世代機。結果的にそれで余剰したスペースを武装や補助動力等にも回すことが出来たため、既存機と比べて単体戦闘能力はかなり向上した。

最終更新:2010年04月14日 15:58