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日本式超ウラン元素専焼原子炉


概要

 日本式超ウラン元素専焼原子炉は、日本連合帝國で普及段階にある高レベル放射性廃棄物専焼原子炉。従来に於いて地中埋設処分による千年・万年単位の管理が必要となっていた放射性廃棄物を核分裂反応によって発生する中性子によって核変換し、管理年数と放射線強度を減却し、且つそれを発電にも利用しようというものである。主に軍用として用いられてきた加圧水型軽水炉やプルトニウム生産炉によって生産された高レベル放射性廃棄物が、燃料として用いられている(軍縮によって不要となった核兵器の弾頭については別途、日本式トリウム溶融塩原子炉によって処理が図られている)。正式には本形式の炉を、日本式超ウラン元素金属燃料液体金属冷却型専焼炉と云う。

構造

 日本式超ウラン元素専焼原子炉は主として、燃料の主体に核分裂生成物であり核廃棄物として処分する他に使い道を見出しにくい元素(超ウラン元素)群を、高速中性子を利用する核分裂反応によって燃焼し短寿命の放射性物質へ減却することを主目的とし、合わせて発生エネルギーを発電に利用するものである。
 燃料には、棒状にした金属合金を被覆管で包んだ燃料棒が用いられ、燃料集合体として炉心に緻密に装荷される。また濃縮ウラン燃料を中性子源として必要とする。単位体積あたりの出力密度が大きく、また高速中性子を減速させないために、熱伝導率の良い冷却材を使用する必要が有るため、冷却材には加熱溶融した液体金属状の不活性錫化合物が採用されている。液体金属冷却材としては他に金属ナトリウムが考えられるが、ナトリウムは発火性と反応性が高く科学的に活性であるため、日本連合帝國では中性子減速能・中性子吸収能が高くなるものの、科学的に安定性の高い不活性錫化合物が冷却材として採用されている。
 原子炉は付属槽を持つループ-タンクハイブリッド式であり、付属槽に中間熱交換器を持つ。原子炉本体は上下方向に細長い遮蔽容器の中にあり、一次冷却材は原子炉容器の高温部と低温部に分離板によって分離されており、炉心溶融時の炉心受け止め部を兼ねる下部低温一次冷却材槽に流入する一次冷却材は、分離板によって支えられている炉心遮蔽容器下部の開口部から原子炉の炉心へと流入し、燃料集合体の高熱を受け取って炉心遮蔽容器の上方へと抜ける。炉心遮蔽容器上部の開口部から原子炉容器の上部高温一次冷却材槽に出た冷却材は、逆U字状の配管から付属槽へ流入する。付属槽に入った一次冷却材は中間熱交換器で熱を二次冷却系に奪われた後、一次冷却系循環ポンプによって付属槽下部から逆U字型配管を伝って原子炉容器の下部低温一次冷却材槽に戻る。
 付属槽で一次冷却材の熱を得た二次冷却材は蒸気発生器へ流入し、大量の蒸気を生成してタービンを回す。蒸気発生器で熱を奪われた二次冷却材はポンプによって再び中間熱交換器へと送り込まれる。また、タービンを回した蒸気は復水器で水に戻され、ポンプによって再び蒸気発生器に戻される。
 炉心遮蔽容器上部からは通常時の炉心出力を制御する制御棒が吊り下げられており、外部動力によって駆動される。外部動力喪失時には重力によって炉心に挿入され、外部動力復旧までは炉内に固定される仕組みを採用している。また炉心出力が一定温度以上になるとガス圧で瞬間的に液体金属中性子吸収材を炉心へ注入する緊急時制御剤案内管があり、スクラム時の核反応の速やかな停止を実現している。また一次冷却材の沸騰温度は高く、気泡の形成により正の反応度が投入されるまでに燃料棒の方が先に溶融し冷却材に溶け、臨界状態を維持するだけの密度を維持出来なくなる。また燃料棒の溶融する温度に到達する前に一次冷却材の温度が制御棒の溶融温度に到達し、制御棒の構成成分が冷却材に溶け込むことにより臨界状態が維持出来なくなる。また後備非常停止系として、中性子吸収材を溶け込ませた液体金属冷却材が緊急時炉心冷却材注入系に用意されている。炉心への注入は炉心上部の凝固弁の溶融か、後備非常停止系配管を通じて炉心下部からの液体金属の直接注入によって行われる。注入にはガス圧が用いられ、急速注入を実現している。
 燃料交換機は制御棒案内管の横に設けられており、炉の停止後崩壊熱除去が行われた後、一次冷却材の液位を最低まで下げた後、ロボットアームにより制御棒の間を縫って交換器を要交換燃料集合体の該当位置まで伸ばし、炉心から抜き出す。要交換燃料集合体を原子炉容器の外に出した後、新しい燃料集合体が逆の手順で装荷される仕組みである。

固有の特徴

  • 熱効率44.4%(送電端)
  • 高レベル放射性廃棄物をエネルギーに転換出来る。
  • 他の高速炉形式に比べ冷却材の性質により中性子経済に劣るため、転換比はやや低いが、化学的に不活性であることにより安全性は高い。
  • 制御棒の炉心への挿入に成功している限り、全電源喪失後も三日間は自然循環により十分な崩壊熱の除去が後備崩壊熱除去系によって為されることを実証済み。
  • 熱出力100万kw(発電出力44.4万kw)の炉で、発電出力100万kwの軽水炉8.5基で発生する超ウラン元素等の高レベル放射性廃棄物を処理可能とする。


欠点

  • 単位体積あたりの熱密度が高く除熱難易度は比較的高い。
  • 気泡(ヴォイド)係数が理論上、正であり、一定以上の自己制御性を有さない。
  • 溶融塩原子炉の如く常に臨界状態の維持に必要な最低限の燃料のみが炉心に存在しているわけではなく、一定期間内に使用する燃料の全量が炉心に存在しており、必要に応じて減らすことが難しい。
  • 燃料(特に超ウラン元素)の燃焼と熱分布の平坦化の都合上、出力制御は制御棒の挿入により行われるため、負荷追従運転を行うことが難しい(日本式トリウム溶融塩原子炉では燃料管内の燃料量の増減で容易に出力調整が可能)。
  • 中性子源として濃縮燃料を必要とするため、核拡散抵抗性に弱い。


最終更新:2011年12月11日 15:09