昼下がりの小学校。5年2組の教室はすっかり騒ついていた。隣の3組の藤宮由美が行方不明になったからである。
由美は別け隔てなく友達を作り、容姿端麗ということもあり男子からの人気も高かった。
現場に残されたのは由美のランドセルと靴、そして2年前から行方不明になっていた別の学校の少女だった。
誰もが驚き、悲しみ、涙を流している者も決して少なくなかった。
「誘拐かな?由美ちゃん……もしかして死んでたり……」
「そんなわけないだろ!」
様々な思索がされる中、ただ一人由美が消えた事を喜んでしまう人物がいた。
それは杏里、由美の……幼稚園から友達である。
「全くもってわかんないわ……どうして由美ちゃんが?」
「運が悪かったのよ……うん」
ちらりと彼女は由美がいなくなった事で悲痛に暮れている男の子を凝視してしまう。
彼は陽介。杏里が憧れる、初恋の相手である。しかし、彼は由美が好きである。それを由美は知らない。だから余計にいらついていた。
これで陽介は自分の物。幼なじみで仲が良いからこそ、由美を妬んでいた。
既に由美が消えてから3週間が経った。杏里は思い描いていた通り、陽介の心の隙間を少しずつ埋めていっていた。
陽介が完全に自分に振り向いてくれるのも時間の問題である。
帰り道で彼女はふと思う。これで良かったと。誰だかわからないが、この時間をくれた事に感謝してしまう。
だが、どこかピンとは来ない。自分は本当にこれを望んでいたか。
「陽介君……」
はっきりしよう。そう、答えを出せば全てが……
「なに?」
「あたし、陽介君の事好きなの……前から、好きだったんだよ!」
「……」
杏里は走った。泣きながら走った。ただ、全力で。いつの間にか、由美が消えたあの公園に辿り着いた。
「どうして……どうしてあたしじゃ……」
告げられた答えはあまりにも厳しかった。彼女は遊具に座ったまま泣いてしまった。
゙グルウゥゥ……゙
「??。何?この音……」
奇しくも同じ事を吐く。背後に妙な気配を感じた杏里は振り向く。
しかし、もう遅かった。大蛇のような触手は腹部に巻き付き、逆らいがたい力で杏里を引きずっていく。
「いやああぁ!!」
ズルズルと引きずられ、あっという間に穴へと入ってしまう。触手の口はランドセルを穴から離れた公園の入り口へ向かって吐き捨てた。
「何よ?これ……苦しい……」
触手は腹部の拘束を解くと、長い体を使って手を縛り付ける。回り回ると服を噛み契りながら、小学5年生としては大きい乳膨が口にしゃぶられる。
「はうん!!くぅ……ひゃ……うん…」
触手の口内の感触が乳首を刺激し、杏里を淫なる世界へと踏み出させる。
触手は口を離すと、続いて女陰へと向かわせる。スカートをちぎり、下着を貫くと迷う事無く膣へと口を付ける。
「あぁぁぁぁ!!!…ひゃ……やめなさ……いよおぉ……」
自慰をしたことのない由美とは違う味のする女陰の中身。愛液は処女膜の決壊とともにたらっと触手の口へと入っていく。
「通った……あたし……あたしの初めて……うん…いやあぁぁ……」
子宮へと辿り着いた触手は唾液を撒き散らす。こうすれば愛液を出し続けられるからだ。
グビリグビリと触手が抜けていく音。その痛みは性感として杏里の女としての感覚を覚えさせた。
「いやよ……あたしは……」
フラフラながら立ち上がり、穴への奥へと走っていった。痛い。張り裂けそうだが、こんなとこでは……。
そして、彼女は泣いた。奪われた処女に。決めていた相手としなかった事に。
(罰なのかな?あたしは親友がいなくなった事を喜んだ……だとしたら…)
今度は後悔の涙で顔をいっぱいにした。謝りたい。出来れば由美に謝りたい。
そして、彼女の前にそれは現われた。眼前には触手の胃袋、由美を含めた少女達の保管庫が広がっていた。
「あ……由美?」
薄く見える姿。近づこうとしたら、足が何かにとられて転んでしまう。
触手がそれを逃さず、巨大な口を広げて両足に吸い付いた。
「やむて……冗談……わあああ!!」
ずぶずぶと体が飲まれていく。僅かながら残る意識の中、由美の体の触手が少しずつ解けていくのを見て視界が失われた。
杏里は触手の食堂で由美とすれ違う。それは一瞬の出来事で、互いに対極の道へと出る。
杏里の体は胃袋へと辿り着き、細い触手に巻かれていく。開ききった女陰には口の付いた触手が中に口をいれるように付着する。
すると、唾液効果で愛液がたらたらと触手の口へと伝っていくのだった。
遅いとはいえ、杏里は由美に謝罪の気持ちでいっぱいだった。なぜ陽介が由美に惹かれたのかも理解できた。
もしまた地上に出られるなら……その時は謝りたい。そう思いながら彼女の自我は眠りについた。
その頃、ずぶりと粘液に包まれた由美が触手の口から吐き出された。
触手はするすると穴の中へ入っていくと、またしばらくの眠りについた。
「ん……ここは…?」
まだ視覚から完全には働かないとはいえ、そこが公園だとは理解した。ねちょりとする粘液が口の中にあって気持ち悪い。
視界が戻ったあたりで自分の体を見て裸だと気づく。
「あたし、なんで裸なの……痛っ……」
股がいたい。手を回してみると血が出てたような感じがした。
「どうなってるの?」
なにか怖いことがあったような気がしてしょうがないのに思い出せない。そこへ杏里を追い掛けてきた陽介が由美を発見した。
「由……由美ちゃん!?」
「陽介君……陽介君!!」
裸体のまま、恥を感じる前に抱きついてしまう。その後、警察が由美を保護した。新聞記事にもなったが、由美も前に発見された少女と同じで現代科学との検証が証明されず、あまり大きくは扱われなかった。
杏里が代わりになった事を由美は知らないし、これから知ることはない。彼女は日常へと戻った。由美はただただいつもの生活を始めた。
- もっといいのに -- (またお) 2011-01-19 15:42:19
最終更新:2008年08月07日 20:07