「肉を食べてはいけないとはどこにもかいてない。」
狼女は何かをいいたそうにパクパクと口を開いたり閉じたりしている。
「そこでですね、私たちは食べるわけですよ。そう。家畜、じゃなくて鬼畜を、です。」
私は彼女が律儀に一緒に背負ってきてくれた鞄から金属製の棒を取り出した。
「鬼畜は私たちならすぐに手に入りますし、処理後のことは誰も気にしませんから。」
彼女の腕におもいっきり棒を突き刺した。
棒は彼女の肉を裂き、骨を砕き、そのまま机に突き刺さり振動した。
「あぁ…い、いや、いやだぁぁぁぁ!」
「本当はこのままちぎって焼いて食べてもおいしいんですけど、
先ほど行ったようにちょっと貴方には人間の気持ちを分かってもらうためにも、
今日は踊り食いで行きましょう。」
私は腕から流れ出る血を吸い上げた。
狼女の口から叫びとも喘ぎともない声が漏れる。
傷口に先ほどの包丁をあてがい肉を切り裂き、肉片をテーブルに放る。
「痛いよ!いや!やめてよ、私の腕食べないでぇ…!」
「あら、貴方と同じようにこれは私にとって当然の行為ですから?
仕方がありませんねぇ。自分で行っちゃったんだから仕方が無いですね。」
最高に皮肉っぽくいってやった。悔しそうな顔が最高だ。
肉片をつまむと口の中に放る。脂分が豊富で結構まろやかな味わいだ。
人間にそっくりのコイツを食べるのは最初はどうかと思われたが結構おいしい。
そのまま彼女の叫び声をBGMに腕の肉を一枚、また一枚と切り出しては口に入れる。
今の私をみたら一般人はきっと度肝を抜かして逃げてゆくに違いない。
青い修道着も返り血を相当あびてくろずんでしまった。
だんだん筋に当たることが多くなってきた。骨も露出してきたし、もう硬くておいしくないな。
「はい左腕は終わりです。筋肉のついてる鬼畜は組織の間に脂が乗るんでおいしいんですよ。」
彼女は歯を食いしばったまま自分の腕を見つめる。
時々動かそうとするのか血の出方が激しくなる。でももう動くことはない。
「あぁ、そうだ。後で自分の腕がどれだけおいしいか試食してみますか?
ま、生きていたらの話ですけどね。」
「動かない…動かないよぅ…あたしの腕…いやぁ…」
それもそもはず、もう彼女の右腕の70%は私のおなかの中だ。
「あら、腕はいやですか?…それもそうですね。
腕が無いと自分の腕を食べるときに苦労しますね。
じゃぁ次は乳房いってみましょう。アレ、脂肪の乗り具合が最高なんですよね!」
私は勢いのまま首元に手を突っ込むと思いっきり服を引き裂いた。
豊かな乳房がその勢いでふるふるとゆれた。
また彼女がひぃっ、と小さく叫ぶのが聞こえる。
「人型だと少ししか取れないから結構これは貴重ですね。
貴方の胸にボリュームがあってよかったです。」
包丁の先端を乳首にあてがい、小刻みに震わせ胸全体を揺らす。
そしてそのまま力をいれて刃を押し込み乳房を二つに切り裂く。
「い、いぎやぁぁあああぁ!ふぁ、うああぁぁぁん!」
狼女の叫び声がいっそうボリュームを増した。
「うーん、このやわらかさ、超一級品ですね。
他の鬼畜のはもう少し硬いんですけどこれなら申し分ない。」
再び乳首に刃の真ん中を当てると今度は下に向かってすーっと刃を落としてゆく。
スライスされた白みがかった肉をくるくるっと丸めて口に入れる。
うーん…ここまでやわらかいと焼いたほうがいいかもしれない。
それにそのほうが脂がもっとにじみだしていい引き立て役になる。
「これはちょっと
もったいないですけど、後で焼くことにしました。
何枚か焼けると思うんでそのときにはおすそ分けしてあげますよ。」
もう既に彼女は気がどこかに飛んでしまったかのように見えた。
目の輝きは無く、その唇が唱える言葉はいや、と助けて、と食べないで、の繰り返し。
うーん…やっぱりバラす前にトサツする理由が少し分かったかもしれない。