夕食として競り落とされた二人の少女。
彼女たちは全裸のまま鎖で繋がれ、不安げな面持ちで檻の中へ入れられた。

モンスターの中には人間等を食べるものも少なくない。
そんなのが当たり前にいる世界において需要あれば供給ありで運営されているのがこの「人間市場」だった。
そこではモンスターが人間の村をおそったりして手に入れた娘やいつのまにやらとりいってきた
人間の商人によって「売られて」きた娘がモンスターのための食材をして売られていたのだ。

あたしはそんなモンスター一家の一人娘。
身長3m、艶のある青い肌と鋭角な羽がチャームポイント。
口はちょっと大きめだけど、そこから覗く鋭い牙がかわいいでしょ?

今夜はあたしの誕生日ってことでパパもママも奮発して2人の人間を買ってきてくれたのだ。
今からとっても楽しみ。競りをみていただけでもとてもおいしそうな魔法使いとエルフ。
家に帰ってこの2人の美味しい料理が食べられると思うだけで牙がピクピク震えてきちゃう。

ああ、待ちきれない、ちょっと今夜の材料をもう一度見に行こうっと。

檻に入れられた2人の少女。ひとりはパーティー全員を殺されて一人残った魔法使い。
もうひとりは商人の手で売り飛ばされたエルフ。
絶望の面持ちで「その時」を待っていた。
あたしは檻の隙間から食材を値踏みするように眺めていた。うん、やっぱりおいしそう。
今夜が楽しみだ・・・って、え?
突然檻の中から手が伸びてあたしの牙を掴んできた。
魔法使いだった。彼女は決意のこもった目をしていた。
「私、どんなことをしても生き延びてやる。あんたには気の毒だけど。」


不運だというほかない。パーティー最後の一人になったときに逃げようと思ったまではよかった。
しかし、回りこまれた上、催眠魔術までかけられ、気がついたら「人間市場」で売り飛ばされようとしていた。
しかし、これであきらめるつもりなんかない。幸いにも競りが終わった時点で多少の体力は回復している。
これで一回だけならあの魔法が使える。
なんとしても生き延びてやるんだ。どんなことをしても。

近づいてきたのは肉食モンスターの一匹。こっちをジロジロ眺めてくる。
ここを逃すと次のチャンスはモンスターの口の中ってことになりかねない。
行動は決まっていた。彼女はやおらモンスターの牙を掴みかかり、魔法の詠唱を開始した。

閃光


気を失っていたらしい。あたしはいつのまにか暗いところで寝ていたようだ。
起き上がる。どっかに違和感が漂う。あれ?なんか視界が大きくなってる?
「気がついた?おまぬけさん」
声がするほうに向かう。そこにあったのは檻のサク。そして、その向こうに「あたし」が立っていた。
「あ・・・ぅ・・・」
しゃべろうとするも声にならない。
「あはは、無理よ。モンスターの言語は人間ではしゃべれないんだから」
冷笑するあたしの体をした誰か。
「気がついた?今、私はあなたであなたが私。こうみえても魔法使いの私に無防備に近づいたのが運のつきだったわね。
今、私は魔法を使ってあなたと体を入れ替えたの。私、このまま食べれらたくなんかないからね。
私の体がモンスターになっちゃうのは気味悪いけど、死ぬよりマシだから我慢してあげる。
そのかわり、あなたに私の体あげるから許して。あ、あと数時間だけだけどね」
ハハハと大笑しながら立ち去る「あたし」を何も言い返す気力もなく呆然と見つめていた。

あたし、食材にされちゃったの?

引きずられる檻。時折見える川面。そこにわずかに映るあたしの姿は間違いなく魔法使いの少女のものだった。
その姿はとても綺麗で、とってもおいしそうだった。それがあたし自身でなければ。
知らず知らずのうちに目から水のようなものがこぼれる。人間が恐怖を覚えるときの習性そのままだ。
「あなた、無理やりここで売られちゃったの?」
同じ檻にいたエルフが声をかける。
「わたし、エルフの一家の娘だったんだけど、父親が人間だってことで色々苦労してきた。
そのせいで、借金抱えてどうにもならなくなって。
で、高く売れそうなわたしたちは自分の体を売ってお母さんを助けようと思ったの。
お姉ちゃんは昨日売られて・・・そのままモンスターの食卓にあがったんだろうな。」
ひとりごちるエルフの話を黙って聞いていた。
昨日、この娘そっくりのエルフを食べたことがあることを思い出した。
おそらくそれが彼女の姉だろう。
今の自分にはしゃべることは出来ないし、さっきまでそのエルフを食べようとしていただけに胸に詰まる話であったからだ。
「ごめんね。いきなり変な話しちゃって。何でこんな話しちゃったのかな。
でもね、こうなったからには、少しでも美味しく食べてもらえたらなんて思ってたりもするんだ。
お姉ちゃんが売られてからなんかそんな気分になっちゃって。変かな、わたし。」
驚いて彼女の顔を見つめる
「今まで食べてきた美味しいもの。それと同じようにあたしも食べられる。
今更泣いてもわめいても無駄。第一自分で決めたことだしね。
だったら、美味しいものにしてもらいたいなんて思っちゃったの。」
おそらく彼女は今まで散々泣いてきた。そして、諦めと覚悟の果てにそんな心境を手に入れたに違いない。
せめて、少しでも楽しいことを、それがだめなら誰かに楽しんでもらえそうなことを。
あたしには、さっきまで食べる側だったあたしにはそんな覚悟は出そうもなかった。
目を濡らす水はとめどもなく流れつづけた。
あたしたちを積んだ檻は家に着いた。あたしの家に。そして、今からあたしたちが調理される厨へ。
檻から出されたあたしたちはパパにそのまま乱暴に捕まえられると、大きな壷へあたしたちを放り込み、蓋をした。
ぶわっ
足の立たない深さに驚くあたしとエルフ。その下半身に蛇が絡み付いてきた。
この蛇の入った薬液。これは「食材」が食べられる前に死なないように漬け込まれる薬液と、
食材の中の老廃物を取り除く役割を持った海蛇だった。

「あ……ふわっ」
とつぜん股間から衝撃が走る。股間の穴から蛇がヌルリと入りこんだのだ。
「な……は…ふぁ…」
思わず出る喘ぎ声。体内に入りこんだ蛇があたしの中身を吸い出してゆくような感覚に
つい甘い声が出てしまう。ふと傍らを見ると、エルフの娘も同じように喘いでいた。
おもわず薬液に顔まで沈む。すると、口から蛇が入り込み、奥底を刺激する。
「ぐ、は、はがっ」
思わず強烈な吐き気が襲うが、中身は蛇が飲み込んでしまうので空えずきしか出ない。
「ふ…ぐ…ぁ…ぁぁ…」
その間も休まず続く下半身への責めとあいまって痛みと快感が混じった感覚に意識が混濁する。

「………」

どうやら気を失っていたようだ。気がつくと水面にぷかぷか浮いていた。
さっきまでのことが夢ではないかと今一度体を見回したが、その姿は魔法使いの娘のそれのままだった。
さっきまでと違う点は、蛇に老廃物を取り除かれたせいか体が軽いことと、
全身、特に腰の部分にうずきのようなものが残っていることだった。
そのそばにエルフの娘が近づく
「ねぇ、私たち、ここから出されたらそのまま食べられちゃうんでしょ。」
そういってあたしの股間に手をやる
「ひゃうっ」
思いがけず声が出る
「このまま引き釣り出されて死んじゃうのがちょっと惜しいと思わない?
少しくらいオンナの体、感じてからでもいいんじゃない?わたし、今さっきの蛇のせいで体が熱くてどうしようもないの。」
そういったままあたしの胸に乳房を押し付け、股間を擦り付け始めた
「ひ…ひぅっ………あ…ひゃぁぁぁ」
感じたことのない官能に全身が震える。あたしも思わずエルフの胸や秘所を刺激する。
それからしばらくのあいだ、あたしたちはお互いの体をむさぼりあった。

壷が開けられたのはそれからしばらく後、もう、動く気力もなくなった頃だった。
あたしたちを壷から引き出し、厨房に移動する。
人間の体になったせいかいつもみなれた厨房がとてつもなく大きく見えた
あたしたちをおおきな銀のさらに乗せ、手足を拘束する。
大きな刃を持って近づいてくるモンスター。無駄だとわかりながらも手足を暴れさせるが、
体はビクとも動かず、拘束された手足に苦痛が伝わるだけだった。
いよいよ調理される。もはや逃げられない運命にあたしは泣いた。
「美味しく…料理してください。できるだけ痛くしないで」
横でエルフが哀願しているのが聞こえる。
もう、あたしたちにはこれくらいしかしてもらえることはなかったのだ。
動けないあたしたちに調味料を塗りつけてゆく。大きな手が無遠慮にあたしたちの皮膚や
乳房や秘所に侵入し、味付けをしてゆく。
そのモンスターの一人に見覚えがあった。あたしだった。いや、あたしの体に入った魔法使いだった。
「どう、これから料理される気分は?せっかくだからあの娘は少しでも痛くないようにしてあげるけど、
あなたはとびっきり美味しい夕食にしてあげる。私の体の名残だからね。」
そういって意地悪な微笑を浮かべたまま、魔法使いはあたしのお尻から太腿まで茶色のソースを塗りつけていった。

「さて、オーブンの準備も整ったし、あたしの体には美味しく焼かれてもらおうかしら」
そういって魔法使いはあたしを銀の皿ごと抱きかかえて釜の中へ運んだ
「ぅ……ぁうーっ!」
助けを呼ぼうにも泣き叫ぼうにも言語がしゃべれないまま不完全なうめきしか出来ないまま
あたしは釜の中へ運ばれた。
「なんか……変な感じ……お姉ちゃんも、こんな感じだったのかな」
エルフは大きな鍋で煮られていた。薬液の作用かとっくの昔に死んでいるはずの温度でも
意識はしっかりしていた。最初無理やり運び込もうとしていたモンスターだったが、
「放してください。自分で行きます」といったのに驚いてかそのまま拘束を解いてくれた。
もちろんそのまま逃げようなんてしない。厨房は鍵がかかっている上、エルフの大きさでは戸をあけられない。
黙って鍋の中へまるでお風呂にでも入るかのように自らの身を熱湯の中へ入れた。
それからことことと煮られている。わたしの体は徐々に熱をおび、やわらかくほぐされてゆく。
鍋の中には得体の知れない薬草が何種類も入っていた。
煮られるわたしの体から出てくる肉の匂いと薬草の匂いで妙な感覚に襲われてゆく。
わたしの体は徐々に煮られる熱と別の淫靡な熱を帯びてゆく。

私はモンスターになってから人間とモンスターの言語は使えるようになった。
しかし、その体はモンスターそのままで、感覚もモンスターのものになったのかもしれない。
そう思えるほど、今目の前にいる煮られたエルフと焼かれた私の体がおいしそうに思えた。
エルフは見た目は煮られる前と変わっていないが、体全体がプリンのようにぷるぷると震えていて、
食べたときのすばらしい食感を連想させた。
ローストされた私の体は、尻から太腿にかけて焦げ目がつき、全体に茶色の焼き色がついていた。
にもかかわらず私の肌は艶を保ったままで、焦げ目のついた部分とのコントラストがますます食欲を煽り立てた。
モンスターは大きな刃を持ち出し、あたしたちの両手と膝から下をザクザクと切断する。
切断面からは血の代わりにとろりとした肉汁があふれ出していたが、肉の中央部ではまだ赤みが残っていた。
そのまま果物やハムの載った皿へ移されるあたしの視界の隅に、
とてもおいしそうにあたしの切り落とされた手足を食べる「あたし」の姿が目に入った。
あたしは焼き色のついたお尻を強調するようにうつ伏せにされ、
エルフは仰向けにされてその上にクリームやら果物を載せられた。
もし、これをモンスターだった頃のあたしがみれば、途方もないご馳走とその美味しさに喉を鳴らしていただろう。
しかし、今のあたしはそのご馳走として食べられる立場だった。
切り落とされた手足の切断面や焼かれたまま押しつぶされる乳房から肉汁を滴らせながら
周囲の野菜や肉とともに配膳されてゆく。いつも見慣れた食卓に。

現れたのはあたしのパパとママ、それにあたしのからだの魔法使い。
すっかり家族に溶け込んだ様子でなにやら打ち溶け合っていた。
(パパ、ママ、そこにいるのはあたしじゃないの。料理されちゃったけどあたしはここにいるの。)
必死で訴えようとするが、火の通った上に手足を落とされた体はまったく思うように動かない。

3人のモンスターはそれぞれ食卓につき、今日の夕食を食べようと手を伸ばしてゆく。
(やだやだやだっ、パパ、ママ、あたしを食べないで)
動かない体と目で必死に訴える。
最初にあたしを食べ始めたのはママだった。ママはあたしのお尻に牙をつきたて、
ガブリと噛み千切る。そのままあたしのお尻はぐちゃぐちゃと噛み砕かれてゆく。
(い、痛い!やめてぇ!!)
あたしの丸いお尻は肉汁と脂肪が溶け出した脂でとろけるような風味をママの口の中で主張する。
続いて噛み砕かれて切断面から肉汁を滴らせるあたしの膣と子宮をパパが吸い上げるように食べはじめた。
肉汁とともに旨みを詰め込んだあたしの膣はパパの口の中で濃厚なスープを吐き出して噛み砕かれる。
エルフは隣で展開されている惨状をどこか覚めた目で見ていた。
わたしに待っているのはあれと同じ運命だけ。遅いか早いかだけだった。
だから、目の前に他の2人より小さいモンスターが現れても平静なまま料理になって
食べられようとしている自分を見ることが出来た。
「お姉ちゃん、わたしも、そっちにいくからね。」
そうつぶやいたわたしの頭をモンスターはくわえ込み、そのまま一挙に牙をつきたてた。
ざく、ざくという音とともにあたしの首は噛み切られた。

あたしの太腿にママの牙が食い込んでゆく。焼き色を付けられた部分が一足先に牙に噛み切られ、
豊富な肉汁の旨みをママに伝える。肉の多い太腿をかみ締めながらママはあたしの肉を味わっていた。
その間にパパはあたしのお腹のくびれた部分を噛み切り、肉汁を吸い上げる。
ぼろぼろとこぼれるあたしの内臓。徐々にあたしの体がバラバラになっていく感覚を覚える。
プリプリとした腸や、胃なんかを旨そうな顔をして食べるパパの顔が間近に見える。
(やめて、あたしなの、お願いだからあたしを食べないで、パパ)
泣き叫ぼうとするが、それもかなわず、柔らかい内臓を引きずり出してはむさぼるパパを見ているだけしか出来なかった。
太腿を食べつくしたママは食べ残したあたしの腰をまるごと口に入れた。
ふくよかな腰と、その間の秘裂、そして、膣口の処女膜が腰骨とともにぐちゃぐちゃにされ、噛み砕かれる。
もはや下半身は完全に食べつくされ、上半身も内臓をほとんど食べつくされようとしていたあたしの目の前に
「あたし」があらわれた。
「あら、エルフの娘を食べている間にもうお尻も内臓も食べられてるし、大事なところもママに取られちゃった。
残りの部分、私が食べてもいいよね。楽しみだわ。私のお肉の味」
ふと隣を見ると頭と腰を失ったエルフの体が痙攣したように震えていた。
牙がピクピク震えているのにあたしは恐怖した。
「あたし」はあたしを裏返すと、肉汁にまみれたあたしの乳房に牙をつきたてた。
「ぁ……ぐぁ……」
乳房を噛み千切られる感覚に悶える。十分火が通り、たぷたぷとした乳房は
「あたし」の口の中で鋭い牙に蹂躙され、もみしだかれる。
「うふ、私のからだ、こんなに美味しいなんて。このままあなたの代わりに
モンスターになってあげるから、安心して私に食べられて頂戴」
そういってあたしの頭を口に含む「あたし」。
暗転する視界。やがて、鋭い痛みとともにあたしの頭部は残ったわずかな胴体から切り離され、
「あたし」の口の中へ収まった。
あたしの口内でころがされ、唾液まみれにされるあたしの頭部。
舌で転がされ、じゅるじゅると唾液と一緒にもみくちゃにされる。
そこに、ごん、という感触をおぼえる。
そこにあったのはエルフの頭部だった。
(あたしたち、たべられちゃったんだ)
改めてそんな想念が浮かぶ。そのままエルフの頭部とあたしの頭部は一緒に噛み砕かれ、
口内でぐちゃぐちゃにされながらグラインドする舌の上で他の肉とともに胃の中へ送られる。
(わたしたち、ずっと一緒だよ…)
どこからともなくエルフの声が聞こえる。

モンスターとなった魔法使いは自分の胃の中に入ったエルフと自分自身だった魔法使いの味に
恍惚するような悦楽を覚えていた。
「私の体、とってもおいしかったわ。私の身代わりになったモンスターも、
こうやってあたしの一部になれたんだから、本望よね」
そうつぶやきながら、残った胸の部分を口の中にいれ、咀嚼しはじめた。

ごくりと自らの残骸を胃の中に収めると、小さな声でつぶやいた。
「さようなら、魔法使いの私」

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最終更新:2008年05月19日 10:21