estel/melidia axte:erva - niasの休憩室

erva
2章
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@soonoyun, alis`
「こんにちは、アリス」
ko mana kuk al alis ka valaez.
病室で少女がアリスに話しかける。
@fis, non lunas lana samem miina. in? tu miina em sid o evi`
「花を換えに来たよ。ほら？こっちの花は古くなって乾いてる」
lu xook ok u. alis ku pef u a lu ka mokt.
話しかけるのは一人。ベッドの中のアリスは応えない。
atu et ez fir e vala. fir eks osk. tal lu na reia o vem a tu fir.
病院の白い部屋。白は清潔。だがこの白は少女に寂寥感と恐怖を喚起させた。
pot tu ez, sol ta lan xa, alis o axte.
この部屋にいるのは二人、アリスとアシュテだ。
alis et manaan t arnamana. yan axte tan et manaan t arnamana fin luus lodes saim enk a xok.
アリスはアルナ大学の生徒で、クラスが違うとはいえアシュテもアルナ大学の生徒だ。
mon luus xa saim enk a xok, tal luus xa sems kok a xok.
お互いクラスは違ったが、クラブは同じだった。
yan tu et lemsems.
音楽部だ。
axte lodes lemsems man lu siina paln.
アシュテはフルートが好きで音楽部に入っている。
alis et axk tin a lets. yan im melsel kes, lu anos ar lets ka lemita.
アリスはピアノがとてもうまい。次のメルセルでは、発表会でピアノを弾くことになっている。
kils....lu anotes.
いや……弾くことになっていた。

alis tilat hacn del caman o miina. kils, caman at altian ter.
tal sa soot, caman setat yu ka felka.
アリスにはラマンとミーナという友人がいた。正確には、ラマンは彼氏だったらしい。
だが一週間前、ラマンが学校で殺害された。
yan miina sakat yu nainan xel en vortmain tio tal gesvortmain fin lu faktat a xax im vortsel.
そしてミーナは普通の死体ではなく腐乱死体として警察に発見された。死亡した日の授業に出席していたにもかかわらず。
fak alis del koksems sakat yu ka ez le laas vortates.
alis hot en vortat, tal lu allfisat yun lu leeves atolas ter.
さらに、部活仲間のアリスは彼女たちが死んでいた部屋で発見された。
アリスだけは死んでいなかったが、すでにこの世を離れてしまったかのように生気を失っていたのだという。

nainan sein nektat tu veim i felan. tal axte le lodes a secsems tan tabat sen on tu nekt.
事件は警察によって学生たちに伏せられたが、写真部を掛け持ちしているアシュテには調査が可能だった。

p6
xink, lu siina sec nod lem. son leim, lu fakt a secsems, en lemsems.
実は、アシュテは音楽よりも写真のほうが好きだった。だからいつもは音楽部でなく写真部に顔を出す。
tal im le sel, axte faktat a lemsems.
だがあの日、アシュテは音楽部に行った。
tist@ya....le sel le tyu xookat a non, allfisat, alis....`
小声で「そう……私と話したあの日、心を壊されたのね、アリス」
kaat, sa soot, xe felan vortat ka lemez.
yan im sel ta i tu sel, caman setat yu, miina vortat, alis allfisat,
fak homis del kiltan e lemsems o xafnan luutes alevat.

事の起こりは先週。ある生徒が音楽室で亡くなった。
そしてそれから二日、ラマンが殺され、ミーナが死に、アリスが廃人化し、
さらに音楽部の顧問で彼女たちの担任でもあるホミスが行方を眩ませた。
axte nat vem a soda del xe felan vortat man lu lot tu de soda tal veim yut adel.
son im sel ta i tu soda, axte nat xal vem kont yui lemmas ka konez.
アシュテは最初に生徒が亡くなった事故を聞いて怖くなった。事故ではなくアデルによる事件だと思ったからだ。
だからその二日後も、アシュテは準備室で楽譜を探しながらずっと怯えていた。
im tu, alis latatik a konez lana xe lemmas. son axte nat nal, xookat kit al alis.
そのとき、アリスが楽譜を取りに準備室に入ってきた。おかげでアシュテはほっとしてアリスと話を始めた。
tal im tu, alis at zal in.
だがそのとき、アリスの様子がおかしかった。
sa ta sel i tu sel, axte inat homis ka deko frem kleevel.
二日前の五時ごろ、アシュテは構内でホミスを見た。
tal alis klosat homis leevat moa felka im tu.
だが、アリスはそのときホミスは学校を出ていたという。
son axte oktat nos inat homis. son im tu, alis nat nik in.
だからアシュテはホミスを見たことを伝えたら、アリスは驚いたようだった。
axte jinsat vil es lu tur zal. tal lu en asmat vein.
アシュテはどうして彼女がおかしいのか判らなかったが、それ以上問うことはできなかった。
ax, axte en nat tu et zal soa im tu. tal xi tu, im durne, alis sif.....
そう、そのときはそこまでおかしいと思わなかったのだ。だがその後の夜、アリスたちは……。
axte natik pes tinka man serik tu veim. len alis at zal im le.
len la nektates xe im le. nekt soven la o homis....kamil.
アシュテは事件を知って激しく後悔した。あのときやはりアリスはおかしかったのだ。
何かを隠していたのだ。アリスとホミスの間の何かを……きっと。

xel mei e secsems, xel les fas lax on vert im xe, axte jalat nos sak van xan e tu veim.
写真部の一員として、いつか報道の仕事に就きたいと考えている人間として、アシュテは事件の真実を見つけ出そうと決意した。
@alis....`
「アリス……」
axte frem al alis, sont fle luut. lu et yun lent, ku pef u.
アリスに近づき肩を撫でる。何も答えないアリスは、まるで人形のようだった。

p7
xink, alis en napxes. tur tan, lu ximtes ka mokt kont homes ins nem.
mon lu en napxes, en vortes. tal lu ku sen u, luk vil.
実はアリスは昏倒しているわけではない。今も、虚ろな目を開きながら起き上がってベッドに座っている。
昏倒していなければ、死んでもいない。だが何も話すことはできず、歩くこともできない。
lu et yun....lent. yun....tifles seles.....
それはまるで……人形のようだった。まるで……魂を抜かれたような……。
@non sak fan xan e tu veim. ol tu et len veim yut adel, son non vast lu fiina tyu`
「必ず事件の真相を暴いてみせる。予想通りアデルの起こした事件だったら、そいつを倒してあげるから」
axte sont osn luut, leevik ez.
アシュテは頭を撫でると、部屋を出た。

leevik vala l alis lodes kaen xiar t arna, axte luk kit kor felka.
アリスが入院しているアルナの西にある病院を去り、アシュテは学校のほうへ歩き始めた。
lu lukar konoote ok mesk o fels.
鞄に制服姿でコノーテ通りを歩いてゆく。
fis et sort. tuo emes sort vein.
今日は寒い。最近どんどん寒くなっている。
^melsel a....~
（メルセルか……）
tu et xina xalt lu xel lu xa sen felka alkalt durne man tu et xelt e ruuj.
el terk flen im xelm ol ruuj on tu kad.
幸運にも、今月はルージュの月なので夜まで学校にいられる。
この国では、ルージュの月は夜間に外出してもよいことになっている。
les lukar xial sabes arn man sort. axte tan sabes arn kaaf t arnamana.
fak lu sabes arn firdolf l et pop itn arn kaaf man tu arn kaaf et fef o sort.
町行く人は寒いのでコートを羽織っている。アシュテも学校指定のピンクのコートを着ている。
その外側には薄い灰色の分厚いコートを重ねている。ピンクのコートは薄くて寒いからだ。

ka felka, axte lukar deko. yan xi tu, lu latik a bals.
アシュテは学校の構内を歩いていく。そして校舎に入る。
2 arn et melt rak pot xei bals. son axte alsabik arn firdolf.
中で二枚コートを着ていると暑いので、アシュテは薄灰色のコートを脱いだ。
var naf o epn, lu lukok xe ez.
階段と廊下を越えて、ある部屋に着く。
@soono`
「やぁ」
kont ku, axte homik omi.
言いながらドアを閉めるアシュテ。
yan pot tu semsez, sol ko vik xa. lu til melx l apia felnif.
部室には一人の男がいた。学年を示す刺繍が見える。
yan tex tu, lu et twar in. alfi, lu et hixn al axte du ko felnif.
一年生のようだ。アシュテの一学年下ということになる。

p8
@qp, soonoyun, axte`
「あっ、こんにちは、アシュテさん」
@tyu hot.? yulg`
「あなただけ？ユルグ」
twar del yulg xtamik i ski.
椅子から立ち上がる一年生のユルグ。
@ax, salan. il kolt moa`
「はい、先輩。みんなもう帰りました」
@yan tyu?`
「あなたは？」
@noxar tex tisee`
「情報を集めているところですよ」
@haan`
「なるほどね」
axte skinik, evik mesk al elen.
アシュテは席に着き、鞄を机に置いた。
@ti ket am? an lot ti koltat man ti leev atu`
「どこにいらしてたんですか？いなくなったから帰ったのかと思ってました」
yulg ku tu kont lad etek fiina nosse.
紅茶を入れながらユルグが言う。
lu til nia ver o sir imel. en sor, en farm. saa, malt leim.
彼の髪は黒く、肌は黄色い。背も高くなく、格好良くもない。普通の思春期の少年だ。
lu et mei e secmems, xilan t axte.
アシュテの写真部の後輩になる。
xalt il, lu et malt leim. tal lu yultan lut faan o ran a vert o milf. son axte kaax lu et hax.
誰が見ても普通の少年だったが、彼はいつも報道や美術に対して勤勉で実直であり、アシュテもその優秀さを認めていた。
@a vala tisse`
「病院よ」
sef etek al axte@vala....kok? alfi, le vala le koksaim tiil
lodes?`
アシュテに紅茶を渡しながら「病院……ですか？音楽部の人が入院しているっていう？」
@ya, tu vala`
「そう、その病院」
@est luut et to sei....a, arxiel....we arxiel sei?`
「その人の名前はなんて言ったかな……あ、アルシエルの……アルシエルの誰でしたっけ？」
@en kmel le luna vad alka lot salt`
「一年で一番早く来る季節ではなかったわね」
nakx@xam ti..... hel, alis kok?`
苦笑して「そうでした……思い出しました、アリスさんですね？」
axte wikik, sip etek.
アシュテは頷いて紅茶を啜った。
@lu tur ak?`
「彼女の様子は？」
@xal tisse`
「そのままだよ」
@allfis a. son el ter vil tex i lu na`
「話もできませんか。それじゃあ情報は聞き出せなさそうですね」
@tet lu en vortes. xom non xar nan xim sil tex im xe sel a`
「でも死んではいないから、いつの日か情報を手に入れられると信じてるわ」

p9
yulg haizik.
ユルグは肯定も否定もしなかった。
@qm, axte, alt an ximes tex sam`
「あ、アシュテさん、新しい情報があったんです」
axte halik dapini. yan yulg knak tak, sins ko sec.
アシュテは眉を上げた。ユルグが手を伸ばし、一枚の写真を差し出す。
@....xea?`
「……砂？」
@ya, le xa epn t alkaaks`
「ええ、最上階の廊下にありました」
@ya ya, le xea. hqm, ai tyu ximik tu sec le sins xea knoos sete`
「そうそう、あの砂。へぇ、ついに謎の砂の写った写真を手に入れたのね」
@mir vais xea. xe xa kok? tu vaik, tu vaik`
「よくご覧ください。何かありますよね？ここです、ここ」
yulg ji kont ku.
言いながらユルグが指を差す。
@tu et....ixm?`
「これは……ノート？」
@tia, ixm le til lemmas`
「そうです、楽譜のあるノートです」
@aa....lemmas xan`
「あぁ……楽譜か」
ya, mon tu sec til lemmas. axte in siia tu ixm ka konez e lemsems.
そう、そこには確かに楽譜が写っていた。アシュテは音楽部の準備室でこの楽譜を見たことがある。
@lala es tu tis xa atu?`
「どうしてこんな楽譜がここに？」
@tu et t alis?`
「アリスさんのですか？」
oj zid@qm....en ser. tal....mm....non in siia tu ixm na`
顎を触りながら「んー……分からないわ。でも……うーん……見たことがある気はする」
son yulg flipik ins.
その言葉にユルグは目を輝かせた。
@hel, tu et e homis xanxa. non in siia la til tu`
「そう、ホミス先生のだわ。あの人が持っているのを見たことがある」
@len!`
「やっぱり！」
yulg badik elen.
机を叩くユルグ。
@mei e lemsems le vandat yu, fak kiltan e lemsems le alevat.
　len ti et tia, salan! le de soda tis tal veim yut homis`
「音楽部の部員が襲われて、顧問は行方不明。
　やっぱり先輩の言ったとおりですよ！これは事故じゃなくてホミスが起こした事件です」
tal axte asmik a yulg se ref xel salan.
だがアシュテは先輩として冷静に訊ねた。
@es ti jap sen tu lex veim, yulg?`
「どうして事件だなんて言い切れるの、ユルグ？」
@man tu xea et vortmain e dyussou homis tisee. la et adel xa!`
「この砂がホミス先生の死体だからですよ。彼はアデルだったんです！」
@silm....ol tu et tia, son to at sod a laas val?`
「仮に……もしもそうだとして、四人に何が起きたの？」

p10
@im le sel, alis lua serat nekt e homis dyussou.
　son homis dyussou vandat lu kav caman dyussou del altian o miina lua del altis etta?`
「あの日、アリスさんはホミス先生の秘密を知ってしまったんです。
　それでホミス先生は恋人のラマンさんや幼なじみのミーナさんを殺してしまった、どうです？」
@see homis xanxa setat caman sou o miina liiz.
　tet lu setat yu xe..... son alis en setat yu....`
「それで先生がラマン君とミーナちゃんを殺した。
　でも彼自身も誰かに殺された……だからアリスは死ななかった……」
axte sip etek, xtamik.
アシュテは紅茶を啜り、立ち上がった。
@tyu et hax, yulg, haas est. saa, tet lena xir tasnab.
　mon non nat lol a sinl tuan. tac lena xir miyu tasnab`
「名前の通り優秀ね、ユルグ。うん、でも証拠が要る。
　あなたの仮説は確かに面白いわ。けどまた証拠が必要ね」
@mir sols an em lexe vein, salan. ol soa, son ko lan vein xat slak dec.
　ko lan, hq, an en ser lu et lan az en lan tal....diin, xe vein xat slak dec`
「もう少し役に立たせてください、先輩。この仮説が正しいとすると、もう一人現場にいたはずです。
　一人――あ、一人か一匹かは分かりませんけど――とにかく、現場にいたはずなんです」
@xe le setat homis xanxa del adel....`
「そいつがアデルのホミス先生を倒したというわけね……」
@alfi, ans xir en tasnab hot tal lu lanta kok`
「となると、証拠だけじゃなくその人物も要りますね」
@lanta vein sete. lala lu et ne`
「もう一人、ね。いったい誰なのかしら」
pamp@an yui ke tex alt. son doova!`
手を叩いて「他の情報を探しに行きます。それじゃ、さよなら！」
yulg ritik lef it ez.
ユルグは部屋を駆け出していった。
^waa, ala la et faan a vert in~
（わー、どれだけ勤勉なのかしら、あの子）

xenik etek, axte leevik semsez a ra.
紅茶を飲み干すと、アシュテは部室から家へ出ていった。
varzon. im e dunex.
八時。夕飯の時間だ。
axte ra atu, seelarna. yan ra luut xa tikno keno mel.
hao, noxra tisee. son xite luut de kag ij tid, alfi, leim o seel.
アシュテはここ中央アルナに住んでいる。住所はティクノのメル。
もちろんアパート住まいで、家は裕福でも貧乏でもなく、一般的な中流家庭だ。
teo, ol mite ib a ta ziko, son lu xa noxe kag na.
いや、あえて二分するなら上位に属する。
xite luut til val mei ― axte, laal, kaan, amel. saa, minra leim.
家族はアシュテ、母、父、妹の四人。よくある女性ばかりの家庭だ。
kaan lodes vent e lop. ilsel, lu lab ka gaav le far e faal en vatl fiina axte sif.
lu et niit, ku kalo. en farm fin sor. saa, papa leim tisee.
父は電車業界の人間だ。毎日、日の光も届かないところでアシュテたちのために働いている。
彼は優しく、口数は少ない。背は高いがハンサムではない。普通のパパだ。
p11
laal lad nims ka ra lana gil. tu et lab luut. fak lu ar ralab.
母は家でお金のためにセーターを作っている。これが母の仕事で、さらに家事もしているのだ。
saaz l et en lant o nadin al axte o len.
別段美人というわけでもなく、アシュテとレンに厳しい人だ。
len, amel hot, et fian l et 7. enk axte sif, lu hot et lant tinka yun lent.
kamil, rsiil estat lu lex soa man lu et lant yun lent.
ただ一人の妹レンは、七歳の少女だ。アシュテたちと異なり、彼女だけは人形のようにとても美しい。
たぶん両親もその人形のような美しさからレンと名付けたのだろう。
axte til nia imel o ins soor kok len. tal lu nod axte et lant tinka ento axte genom lu.
アシュテはレンと同じく金髪碧眼だが、アシュテが嫉妬するほどレンのほうが美しい。
tal axte en sin lu amel man lu tilme axte.
とはいえアシュテも懐いてくる妹のことを嫌っていない。

kok leim, luus kuit dunex ka lestez. axte xookik a xite on felka o sems.
tal lu en kuk fi on le veim.
みな居間で普通に夕食を取り、アシュテは家族に学校と部活のことを話した。
だが、事件のことについては何も話さなかった。
xi dunex o xook, axte tabar tex l et on a le veim kont sank.
夕飯と雑談のあと、アシュテは例の事件について寝そべりながら調べていた。
gon gon.
こんこん。
@ax?`
「はい？」
@non, etta`
「おねえちゃん、わたし」
@lat`
「どうぞ」
fo ktak, len latik luna al ez. lu til lent kon tak.
かちゃりと音を立ててレンが部屋に入ってきた。腕には人形を抱えている。
@to.? len`
「なに？レン」
@lena ar xiit xeltluk kokko axel, etta. in, fis et leeve`
「いっしょに月散歩にいこうよ、おねえちゃん。ほら、今日は月がきれいだよ」
in rak tems@ou, xan a. passo`
窓の向こうを見て「お、ほんとだ。いいよ」
axte xtamik kont lat sec sein a sama, rikik ez ok len.
アシュテは写真をポケットにしまうと、レンと一緒に部屋を出た。
ka lat, axte kuk @non leev` a rsiil le xal lestez.
yan len tan kuk tu kont tikl axte.
入り口で、アシュテはまだ居間にいる両親に「いってきます」と声をかけた。
レンはアシュテの真似をして同じように声をかけた。

@waa, fis et farf. xom lena ins sen leeve lant nonno`
「わぁ、今日は明るいねぇ。綺麗な月が見られそうだね」
@hwa hwa`
「わーいわーい」
len dias kont knak tak kor xelt.
レンは月に向かって手を伸ばしてはしゃいでいる。

p12
luus ke ako kon xtarez, ar kit xeltluk ka deko.
エレベータで下に降りると、敷地内で月散歩を始めた。
@lee, etta, tyu koltat nov ra im fis sete. tyu korat we sems`
「ねぇおねえちゃん、今日帰りがおそかったよね。どっちの部活だったの？」
@secsems tisse`
「写真部だよ」
@xom kokko yulg salan??`
「じゃあ、ユルグ先輩と！？」
len flipik ins. xink, lu fian til en melfiol hot tal hatia tan a yulg tisee.
レンが目を輝かせた。実は、この少女はませているだけでなくユルグに恋をしていた。
yulg xem siia ra t axte xel kola ras fou. hao, ok xite t axte.
olta kola, axte et min, yulg et vik, son luus xa xin xok hot ka ra.
alson axte ketrat la a dunex tisee.
ユルグは何度か仲間としてアシュテの家を訪れたことがある。もちろん、アシュテの家族も一緒だ。
仲間とはいえ、アシュテは女でユルグは男。二人きりで家にいることは許されない。
だからアシュテは夕飯にユルグを招いたのだった。
yan len hatiat miyu yulg im tu.
len siina la man la et niit, varma, lexe, faan, ran o rana ter.
そのときレンがユルグに恋してしまった。
優しくてかっこよくて賢くて勤勉で誠実で真面目なところが好きなのだという。
^hqm....passo on niit sif tal varma? la yun impel kal.
　hqmm....non lo la et leim tet la em varma xalt hatiaan na~
（うーん……優しいのはいいけど、かっこいい？ちょっとオタクっぽいよなぁ。
　うーんん……私は普通だと思うけど、恋をしていると良く見えちゃうみたい）
@etta o salan, lilis tabar to im tur?`
「おねえちゃんと先輩は、いま何を調べているの？」
@le soda kaen lemez`
「音楽室で起きた事件よ」
@alna. xan, le et veim sete?`
「そう。ほんとうにあれは事件なんだね？」
@ya. non et tia ses.
　yulg ca ert ximat sec le sins homis xanxa et xink adel tisse`
「うん。私の考えたとおりだったわ。
　ホミス先生が実はアデルだったっていう写真をエルトのユルグさまが持ってきてくれたの」
@adel xan?? waa, len lilis et ha～x(xante`
「ほんもののアデル！？やっぱりふたりともすごーいっ☆」
@rens seer, rens seer. te dias. xe ter xiel`
「静かに静かに。はしゃがないの。誰かに聞かれてるかもしれない」
len lob kuo e nos se hit kont ku @qp, qp....!`. yan axte nax.
レンは「あっあっ」と言って慌てて口を塞いだ。それを見たアシュテが笑う。
@hai, lilis to fan im kes?`
「それで、次はなにをするの？」
@yulg yuit kit tex vein, alfi, on homis xanxa et adel. yan non yui fan tex sam ka alis`
「ユルグは今以上の情報を探し始めたわ。ホミス先生がアデルだってことについてのね。私はアリスのところで新しい情報を探す」
tik po@tet....lu etta xidia onk sete?`
首をかしげて「でも……あのおねえちゃんはずっと眠ってるんだよね？」
@tyu et tia. tet ol lu net, son non xim sen xan e le veim`
「そうね。でももし目を覚ましたら、事件の真実が明らかになる」
len wikik.
頷くレン。

p13
@xom non kor fan vala im kest tan`
「だから明日も病院に行くわ」
ok kaam kaaf@qm....sol yulg salan?`
顔を赤くして「うん……ユルグ先輩は？」
@lena akt sil axel ka kacte im kalzas. xi tu, lena kor sil ra t alis lana xook alen xite`
「私たちは六時にカルテで落ち合ってから、家族に話すためにアリスの家に行くわ」
len terik tu, bikik looz e lufi kont fiant.
レンはアシュテの話を聞きながら、もじもじとルフィの端を握り締めた。
@qm, etta. non lo nan tan alk sen lilis. ter, non ref sen tex sein fiina lilis`
「ん、おねえちゃん。わたしも、なにかお手伝いができるんじゃないかと思うの。そう、情報をまとめるとか」
axte nak nik kal tal wikik a len. hayu len lef kit kont elet lex nau.
アシュテは、少し驚いたもののレンに頷き返した。すると、レンは嬉しげな表情で走り回り始めた。