estel/melidia flea:erva - niasの休憩室

erva
第2章

6
sae luk deko t arnamana ok ko almana del kanan.
紗枝はアルナ大学の構内をカナンと一緒に歩いていた。
kanan et mei e secsems.
カナンは写真部の部員だ。
sae en lodes tu sems tal lu et on a tu sems
man axte l at mei e tu sems.
紗枝はこの部活に入ってはいなかったが、
アシュテがこの部活の部員だったので無関係ではない。

sa soot, ko mana e twar vortat ka lemez.
1週間前、1年生の女子が音楽室で死んだ。
xink, lu en vortat tal setat yu avelant del homis
l et xaxan kaen tu manaka.
実は、彼女は死んだのではなく
この学校で教師を務めているホミスという死神に殺されていた。
yan ko mana del alis inat tu veimslak.
その事件現場を、アリスという少女が目撃していた。
homis et kiltan e lemsems. yan alis et mei e lemsems.
ホミスは音楽部の顧問で、アリスは音楽部の部員だった。
hayu homis vandat alis sif.
当然、ホミスはアリスたちを襲撃した。
fixt, caman del altian t alis setat yu homis sin.
結果、アリスの彼氏ラマンはホミスに殺されてしまった。
alis vasat enz homis, ai, vastatik lu kon tinl kaen raes.
アリスはホミスと戦い、屋根の鐘を使ってついに倒した。
saa, avelant na vem a tinl tisee.
死神は鐘を恐れるものなのだ。
tal xi tu, miina del altis t alis sinsat xanmain e nos, setat kit alis.
だがその後、アリスの幼馴染ミーナが正体を現し、アリスを殺そうとする。
im tu, sae o lanvem lunatik veimslak, setat miina.
そのとき紗枝と青鴉が現場に到着し、ミーナを始末した。
alis en setat yu, tal lu tiflat ladia.
アリスは殺されはしなかったものの、夢を失ってしまった。
son sae fitat fia e dia a lu. alson, lu allfisat.
そこで紗枝はアリスに幻の世界を与えた。そのためアリスは廃人となった。
im tur, alis lodes vala kaen xiar.
現在アリスは北区の病院に入院している。
tu et ko tsun.
ここまでで一区切り。
yan xi tu, axte del koksems t alis tabat on tu veim xel mei e secsems.
その後、アリスの部活仲間だったアシュテは写真部の部員として事件を調査する。
xink, lu lodes a secsems tan.
実は、彼女は写真部にも入っていた。
sae nat lu et ems alen fapx,
tal sae melot tu im lu aktik len del amel t axte.
紗枝は余計なことをと思ったものの、
アシュテの妹というレンに会って考えを改めた。
xink, len et avelant del xiki tisee.
実は、レンは詩姫という死神だったのだ。
xiki lanat ko almana del yulg xel diaset.
詩姫は夢喰いとしてユルグという生徒を狙っていた。
son sae keplat xiki lana set lu.
それで紗枝は詩姫を殺そうと罠にかけた。
tal xiki nod sae et lexe ento lu zok sen ano e sae,
setat en axte hot tal yulg tan.
だが紗枝よりも詩姫のほうが一枚上手で、
紗枝の計画を応用してアシュテだけでなくユルグまで亡き者にした。
fixt, lu ximat seles t axte, xenat seles e yulg haas ano e nos.
結果、計画通り彼女はアシュテのセレスを手に入れ、ユルグのセレスを食べた。
hayu sae nat pes tinka ento lu vernik im serik nos vadet xiki.
詩姫に敗れたと知ったとき、紗枝は後悔のあまり倒れこんでしまった。

7
kanan o flea del mei e secsems nalxat sae.
写真部のカナンとフレアはそんな紗枝を気遣った。
yan kanan del lu almana le luk mik sae xiitat sae a xelk lana refem kolo.
紗枝の右を歩くカナンは、紗枝を落ち着かせるために散歩に誘ったのだ。
yan sae yutak das luut, tur, luk deko ok lu.
紗枝はその誘いを受け入れ、いま構内を彼と歩いている。

@saa#sae, ti na miyu vein?`
「えーと……紗枝、気分は良くなったか？」
asex leiz@ya#sentant, kanan sou`
かすかにほほ笑んで「うん……ありがとう、カナン君」
@mir anx an xed apt. ol soa, son an tan anx sen ti xed apt, sae`
「呼び捨てにしてくれ。そうすれば俺も呼び捨てにできるから、紗枝」
kanan et koknif e sae.
カナンは紗枝と同じ学年だ。
teln luut et rat, alfi, firte, daj, niit, lol, fok til luute.
彼は性格が良い。明るく親切で、優しくて面白い。ユーモアもある。
ol kev lu a faal, son sae et xelt.
彼を太陽にたとえるなら、紗枝は月だ。
@passo. xom, xed apt, kanan`
「いいわ。じゃあ、呼び捨てで、カナン」
asex@na nau, sae`
ほほ笑んで「ありがとう、紗枝」
sae wikik xed xiv.
紗枝は声を出さずうなずいた。
@hai, an asm lax xe a ti, tal passo e?
　tu et txak tio lanaen refem kolo`
「それで、聞きたいことがあるんだけどいいかい？
　気持ちを落ち着かせるためのただの雑談だと思って」
@to? mileev`
「何？どうぞ」
oho@qm#ti ra flon i felka?`
咳き込んで「うん……家は学校から遠いの？」

@ra noan? en flon, non na. non ra varzon keno mel.
　xom non kor sen felka kokko lop kokko armiva tifa via`
「私の？遠くはないと思うわ。ヴァルゾンのメルに住んでるの。
　30分くらい電車に乗れば学校に行けるよ」
@varzon aa. son frem a sea xa. yoa na.
　ter, an ser xe ate le xa frem varzon.
　alfi, tu xa varfant ryuu, xel ate l atm mar atx`
「ヴァルゾンかぁ。じゃあ商店街に近いんだな。便利そうだ。
　そう、ヴァルゾン通りの近くにいい店があるんだ。
　ヴァルファントのリュウで、美味いドーナツを売ってるんだ。
@mar lant?`
「おいしいドーナツ？」
kanan wikik kont kaclas.
カナンはうなずいて、手をなびかせた。

@saa, "marate lant, en mar hot tal ate tan"`
「確か、『美味しいドーナツ屋、味がなくても美しい』とか」

sae kukl kont ev baog al asid.
紗枝は顎に手を当ててくすくすと笑った。
kanan@alson sal eves sabrez a tauan`
カナン「だから店主は客の服装にまで制限をかけてるんだ」

8
sena@see fels et daz e?`
「ふふ、なら学校の制服はいいの？」
@vast hao a. xink el tau sen fiina-flomtas-mar im tuo.
　ti ke das aluut atu`
「もちろん合格さ。実は最近では期末テスト向けドーナツが買えるんだ。
　絶対行ってみたほうがいいよ」
@ya, non so fan`
「うん、行ってみる」
kanan nalxefik ok asex.
カナンはほほ笑んで安堵のため息をついた。
@atta. tur, ti em fir vist on eel`
「良かった。もう顔色も良くなってきたな」
@xan?`
「本当？」
@ya. rafa ti et ank vein ok xei tu elet`
「ああ。やっぱり紗枝はその表情のほうが可愛い」
sae halik dapini ati kal kont na nik.
紗枝は驚いてわずかに眉を上げた。

@tee, leu rens leon`
「やだ、お世辞はやめて」
tal kanan teesik rens e sae kont sins rom elet rana.
だがカナンは突然まじめな顔つきでその言葉を否定した。
@teo, an en kut leon tis. an at rana. ti et ank o lant, sae`
「いや、お世辞なんかじゃない。本気だよ。紗枝は可愛いし綺麗だよ」
fiant@s#sentant`
もじもじして「あ……ありがとう」
@tee, an solsik ti na adin sei?`
「悪い、恥ずかしかったかな？」
@teeD teo#. ilpasso.
　tio, non na nik mil u rens siia non et ank`
「いや！違うの……。大丈夫。
　ただ、可愛いなんて言われたことがなかっただけだから」
lapx fil@xan#{ haa, an xam vil il. laas xir aluut ins sam.
　sae, ti et ank o lant. rafa lexe o velte.
　xalt an, ti lut alvana a nos. tal an xar ti na sen amp a nos`
長いため息「まじ……！？
　はぁ、みんな信用ならないな。絶対目を取り替えないと。
　紗枝、君は可愛いし綺麗だ。それに頭もいいし性格も落ち着いてる。
　俺からすれば紗枝は自信がないんだけど、もっと自信を持っていいと思うよ」
sae terik kanan ok ins dok.
紗枝は目を見開いてカナンの言葉を聞き届けた。
@velte o lant#B sol non tis?`
「落ち着いてて綺麗……！？私なんかが？」
@hao`
「もちろん」
tist@lanvem as en rens siia tu as aan#`
小声で「青鴉だってこんなこと言ったことないわ……」
@lanvem? xe min?`
「青鴉？誰？」
@tee, vit`
「いや、なんでもない」
@diin, sinl xiit ti et tia on klit t il,
　tal tu eks tio il en ser ak ti et tor tisee`
「とにかく、たとえ紗枝の言う他の人の評価がその通りだとしても、
　その人たちは紗枝がどんなに魅力的か知らないだけなんだよ」

9
dapt leiz@tet#tyu at iton a non alkalt toxel sete#?`
わずかに眉をひそめて「あなたは昨日私と知り合ったばかりだよね……？」
@an na tu ko sel et fil fil yun salt.
　xink, an felat ti, tee, yulfat ti, sae`
「俺にとってこの1日は1年にも等しいくらい長かったんだよ。
　実は、君のことを勉強……いや、研究していたんだ、紗枝」
dapt@yulfat#non?`
眉をひそめて「研究……私のことを？」
@ya, ti na hao melis a xe vik tabat enz ti nos.
　an okna sen ti. ti et daz al anx an lex riil.
　tal an yulfat teel ti, sae`
「そう、もちろん自分のことを調べられていたなんて気味が悪いだろう。
　それは認めるよ。ストーカーと罵ってくれてもいい。
　それでも君のことを研究するのは俺の宿命だったんだ、紗枝」

@#xel mei e secsems mian?
　hel, lilis xookatar non on le veim im non lukok semsez`
「……写真部の部員としてですか？

　そういえば、私が部室に行ったとき事件について話し合ってましたよね」
tal kanan alwikik ok nakx. yan lu bikik kit e las e sae.
だがカナンは苦笑しつつ首を振る。そして紗枝の手の先を握って言った。
@xel feelan, tisee`
「一目惚れしたんだ」
@#e?`
「……え？」
vax o hit@an ser! ya, an ser hao tu et rom rak!
　tal#qm#xink, an feelatik ti im lamakt a`
慌てて「分かってる！急すぎるってのは分かってるんだ！
　でも……うん……実は、初めて会ったときに一目惚れしたんだ」
@fe#`
「ひと……」
eel e sae es rom har yun rae. tur, lu en nad melsir in.
紗枝の顔がみるみるトマトのように赤くなっていく。
もう貧血の心配はなさそうだ。
@fee#l. tu, tu feel eks#le feel#?`

「ひとめ……ぼれ。ひ、ひとめぼれ……って、一目惚れ……？」
sae lek kanan in.
紗枝はカナンの言ったことが理解できないようだ。
@hao, an en ser dipit on ti. les an ser et les an kuk im tur.
　tal sol tu et yul feel kuyu kok?`
「そりゃ紗枝のことはそんなに知らない。知ってるのは今言ったことくらいだ。
　でも、それが一目惚れってもんだろ？」
@qm#qm#`
「う……うぅ……」
sae ku sat xe tal tu en em rens.
何か言おうにも言葉にならない紗枝。
@an na ti ku pef sen u im tur. mon an feel ti, tal ti en siina tis an.
　son an sols lax ti ser an`
「今は返事は無理かな。俺は一目惚れしたけど、紗枝が俺のこと好きなわけない。
　だから俺のことを知ってもらいたいんだ」
@ser#tyu?`
「知る……あなたのことを？」
@sae, kaat, ti sin an?`
「紗枝、とりあえず、俺のこと嫌いか？」
sae alwikik ask.
紗枝はすぐ首を振った。
@atta. son ret, mir misk an on altian tiil`
「良かった。それじゃあ、彼氏にする価値があるかどうか試してみないか？」

10
@a#altian#{`
「か……かれし……！？」
@ax! an sols enz ti hatia miyu an.
　son mir misk an, sae, ret!
　ol ti en hatia miyu an, son ti yon flen an lex hacn tio`
「そう！俺に恋してくれるように全力を尽くすよ。
　だから試してくれ、紗枝、頼む！
　恋にならなかったら、ただの友人として扱ってくれて構わないから」
ok ins rana o ruuf, kanan vais sae.
真剣な熱を帯びた瞳で紗枝を見つめるカナン。
sae ku pef u du fil. tal ai, lu wikik seer.
紗枝はしばらく返事をしなかったが、結局静かにうなずいた。
@passo#ol misk tis`
「いいよ……試すくらいなら」
@ax!`
「っしゃ！」
hayu kanan arik vientak se nau.
カナンは喜んでガッツポーズを決めた。
@seeretis, seeretis, sae! fiiyu, tu fia et fiiyu!`
「ありがとう、ありがとう紗枝！素晴らしい、この世界は素晴らしいぞっ！」
sae asex. tal tu asex et loz e nau o pels in.

微笑する紗枝。だがこの微笑には喜びと苦悩が混じり合っているようだった。
@saa, ti sil vokka im kest?
　ol en vokka, son ans fel xiit ok xok lana flomtas?
　xink an ite lax ti, tal ti tur hacn.
　son an xiit xin ti al ite, kok?`
「じゃあ、明日は忙しい？
　忙しくないなら一緒に期末テストの勉強しないか？
　本当はデートをしたいんだけど、今は友達だからな。
　だからデートに誘うのは駄目、だよな？」
@ran o diasex ter, kanan`
「真面目で正直なのね、カナン」
nax yun pilp@ou, tu at ito di?`
からかうように笑って「お、今のポイント高い？」
kukl@xiel tisseЙ`
「くす、ひょっとしたらね？」

alt, flea luk kacte se ves ok elet buuna.
一方、フレアはつまらなそうにカルテを歩いていた。
xink lu na tur jo o dagd.
実際、彼女は怒っていらいらしていた。
fis, lu faktat a secsems.
今日、フレアは写真部に出た。
tal axte setat yu kont yulg vortat.
だがアシュテは殺され、ユルグも死んでいた。
fok kanan leevat semsez kont pio sae lana tiak lu.
その上カナンは紗枝を慰めるために部室から連れ出した。
son flea nat buuna, leevat semsez.
だからフレアは退屈で、部室を出た。
yan lu lunas kacte. lu si zank. tal komo, lu luk atu.
そして今はカルテに来ている。用もなく、なんとなくここを歩いていた。
tur et map velt man kleevel e ruuj.
ルージュの月の5時だからもう暗い。
im tu, ve vik fremar a flea, xook kit a lu.
そのとき、男たちがフレアに近づいて話し始めた。
@hei, yuuna, ti xelk ves?`
「へい彼女、ひとりで散歩？」
alben in#. flea na kit vem se rom.
不良のようだ……。フレアは急に怖くなった。

11
^teo#non lunas fonl atu se ves sin~
（やだ……ひとりでこんなところに来るんじゃなかった）
flea luk sat rak luus kont sek luus.
フレアは無視して通り過ぎようとした。
@weiwei, den sek seder, yuna`
「おいおい、シカトすんなよ」
@tee! te frem a nonD veil non kekl nain kokko anse`
「やだ！近づかないで！アンセで警察呼ぶわよ！」
yan ko vik bikik tank e flea se vien.
1人の男がフレアの手首を強くつかんだ。
@yai! myuo las i non!`
「痛い！手を離して！」
@re em seer, yuna. re ke lyu ok seder`
「静かにしろ、騒がしい女だ。俺らと一緒にこっち来ようや」
@teeo!`
「やだー！」
@der kut re em seer!`
「静かにしろっつってんだろ！」
vik lobik kuo e flea kon las.
男はフレアの口を手で覆った。
@mmmm!`
「んー！」
@wei, atu de rat man kaxn xa lyu. hoian xakl ask seder`
「おい、あっちにカメラがあるからここはまずい。すぐ監視に気づかれるぞ」
im tu, xiv e vekm rigik vel e cuuks.
そのとき、カラスの鳴き声が夕闇を破った。
flea insik xiv, sakik xe alnaat xtames atu.
フレアが声のするほうに目を向けたとき、そこには青年が立っていた。
@wei#ala tiis tor lu mana`
「貴様ら……その少女に何をしている」
lu alnaat le sabes teebe ver gyutik al aben sein.
黒いテーベを着た青年が不良たちを追及する。
@re leev, beo! tu et vit a be!`
「どっかいけクソが！おめーにゃかんけーねーだろ！」
son lu lapxik fil kont tistik.
青年は呟きながら長いため息をついた。
@apen. tu de fas ant tal#saia`
「呆れたものだ。俺の仕事ではないのだが……仕方ない」
@qn? be vort lax a? son der alk xant!`
「あん？死にてーのか？なら手伝ってやんよ！」
vik baog left lanvem. tal lu viedik jam luut kont got las luut se ref.
男は青鴉に飛び掛かった。だが青鴉は落ち着いてその手を捌き胸を蹴る。
@ag!`
「ぐぁ！」
lu vik ik kern al ako, napxik.
男は地面に飛ばされ、気絶した。
@be!`
「てめ！」
aben fidn left lanvem. tal lu viedik aben sein yun milm.
残りの不良も青鴉に飛び掛かる。だが青鴉は踊るようにして不良たちを蹴り飛ばす。
yan luus ik sank al ako xi foni.
瞬く間に不良たちは地面に寝かせられた。

12
@hat#ivn rak#`
「はっ……弱すぎる」
lu kuk tu kont en miyu elet ref. yan lu in flea le dems man seernik.
醒めた表情の青鴉。驚いて固まっていたフレアのほうを見る。
@qm#passo a?`
「うむ……大丈夫か？」
rommag@#ya! a, ax! m, misentant, dyussou! tyu alkik non siina`
びくっとして「うん！あ、はい！あ、ありがとうございます！助けてくださって」
@iio#`
「いや……」
lu sed bad besa i teebe se pamp, leev kit atu.
青鴉はテーベの埃を叩いて払い落とすと、そこを去ろうとした。
@v, vat! miu vat, dyussou! miu yuus non pef sent a tyu`
「ま、待って！待ってください！お礼をさせてください！」
lu alnaat pok a flea ok elet pels.
青年はフレアに振り向いて困ったような顔を見せる。
@ti so bas fi tisee, yunk`
「誰にもそんなことをする必要はないんだがな」
@tet#! noa noan em gins nya#.
　xom ret, miu rens tis est tuan a non, dyussou`
「でも……！私の気が済まないの……。
　だからお願いです、せめて名前だけでも教えてください」
dab leiz@#lanvem`
いささか面倒そうに「青鴉」
@dyussou lanvem#misentant`
「青鴉さん……ありがとうございました」
@a ya`
「そうか」
im lanvem leev sat atu, flea vexlik kon xiv lis.
青鴉が立ち去ろうとしたとき、フレアは小さく悲鳴を上げた。
@yai#!`
「いた……！」
@#to?`
「……何？」
@te, tee vers. non es gelv on kimt na. non atik gelv im elf kit luus nyam`
「い、いや、大したことはないんです。足首を捻挫したみたい。
　逃げようとしたときにくじいちゃったのかなぁ」
flea luk kit ok eel sorthink.
フレアは顔に冷や汗を浮かべながら歩こうとした。
son lanvem fremik a lu ok lapx fil.
だが青鴉は長いため息とともにフレアに近づいた。
@ke xiit filski lyu. mir sins kimt tiil`
「向こうのベンチに行こう。足首を診たい」
@non na txu ati kal tet, xiyu, dyussou`
「少し恥ずかしいけど、分かりました、青鴉さん」
lanvem piok lu a filski, in kimt luut.
青鴉はフレアをベンチに運び、その足首を診た。
@atu es ponk in. ti luk vil im tur in`
「ここが腫れているようだ。これでは歩けないだろう」
@tee, non et passo`
「いえ、大丈夫です」

13
kont ku tu, lu xtam kit. tal lu daptik ok elet yai.
そう言いながら立ち上がるフレアだが、痛そうに顔をしかめる。
son lanvem dalm lu on tak.
青鴉はフレアを腕で支えた。
@saia, an xos van ti a lopn`
「仕方ない、駅まで背負っていこう」
@qp{ te, teere, teere! noa noan em en gins tet sedo se mer a`
「えっ！？い、いえ、結構です！取り返しがつかないくらい申し訳ないですよ」
@an leev vil atu kont en alk ti, yunk.
　mon ti na txu a xos yu vik lif, tal tu et saia man ti til vix.
　kaan tiil na elf jo a ti olta lu ter mez. son koa al an`
「こんな状態で放っておくわけにはいかない。
　若い男に背負われるのは恥ずかしいだろうが、怪我をしているんだから諦めろ。
　たとえ噂を耳にしても親御さんも怒りはしまい。だから乗れ」
@a#ax, dyussou lanvem. sentant#`
「は……はい、青鴉さん。ありがとうございます……」
lanvem aspik al ako. yan flea koak a lu.
地面にしゃがみこむ青鴉。そこにフレアが乗る。
tist@waa, sor o melt nya#`
小声で「わー、高くて暖かいけど……」
@hai, ti ra amB yunk`
「それで、家は？」
@qm#tiitel keno raldura tisse`
「ん……ティーテルのラルドゥラです」
inshaiz@kamil#kaan tiil et satlan az myul sei`
「恐らく……父親は役員か何かか」
@ya, papa et xaxan`
「はい、父は教師をしています」
toalapx@ti et lumir xa`

鼻でため息をついて「お嬢様だったのか」

@tea non ra axtesoot. lu et xaxan tio o leim tisse`
「一等地に住んでるならそうでしょうけど、父は普通の教師ですよ」
lanvem kek galt e lopn, kendik flea i nos.
青鴉は駅の改札まで来て、フレアを降ろした。
@kalt pafl, on an`
「俺が行けるのはアーチまでだ」
@ya, sentant dyussou! tyu alkik non ras 2 asε`
「うん、ありがとうございました！2回も助けてもらっちゃって」
ok sent, flea leevik a vatka.
お礼を言いながらフレアは駅のホームへと去っていった。

im tu durne, sae kuir dunex ok lanvem ka ra luutes.
その夜、紗枝は青鴉と一緒に夕食をとっていた。
@hai, sae, ti ximes fi tex on xiki?`
「紗枝、詩姫について何か分かったか？」
dems du foni@tex?`
一瞬固まって「情報？」
@tex onen xiki a. ti en tabat ke tu ka felka im fis kok?`
「詩姫についての情報だ。今日は学校にそれを調べに行ったんじゃないのか？」
@qp#! y, ya. le tex xan. ya#a, tee, non ximes u im fis tisse`
「あっ……！う、うん。その情報ね。うん……あ、いや、今日は何も」

14
@a ya? hai, xe at sod a ti? ti tur zal in`
「そうか？ところで何かあったのか？様子がおかしいぞ」
@qp, hart!`
「あ、あつ！」
sae nak nik, tilik faid man lemi.
紗枝は驚いてスープでやけどをしてしまった。
@wei wei, ti namt. ti tur passo? komo, ti demses i frem in`
「おいおい、気をつけろ。大丈夫か？さっきからなんだかぼんやりしてるぞ」
@ya, non et passo. sent`
「うん、大丈夫。ありがと」
@hai, an alk van ti yui tex onen xiki im kest`
「それで、明日は詩姫の情報を集めるのを手伝おうかと思うんだが」
dapt man pels@kest?`
困惑して眉をひそめて「明日？」
@alxelf a? ti til zank az pina?`
「まずいか？用事か約束でもあるのか」
@te#tee. tet, non na nan em vokka`
「ち……違うわ。ただ、忙しくなると思うから」
dapt a namo zal@man#?`
妙な態度に眉をひそめて「理由は……？」
@man{`
「理由！？」
sae niksik rek pap, rikik er al elen sin.
紗枝は誤ってコップを倒し、水を机にこぼしてしまった。
@v, vantant!`fip elen@qm#mil#mil flomtas#?`
「ご、ごめんなさい！」机を拭って「えと……き、期末テストだから……？」
@ti fel bas fi lana flomtas e manaka tis. ala ti em arhan ras to naa`
「大学の期末試験に勉強する必要などないだろう。
　何回2年生をやっていると思ってる」
@tet#terB non et teolo. xom non keles les nan felat, ahah`
「でも……ね？私って馬鹿でしょう？だから勉強した内容を忘れちゃったの、あはは」
@haa#n. ilpasso. son ans yui xiit tex onen xiki im takest. xiyu?`
「そう…か。問題ない。ならば明後日詩姫の情報を調べようか、よいな？」
asex iks@xiyu, xiyu`
ぎこちなくほほ笑んで「いい、いい」