satii
第3章
15
im kest, sae felar alf ok kanan ka axef.
翌日、紗枝は喫茶店でカナンと数学を勉強していた。
kanan:hol kaz@saa, ol fok alx i 1 a 10, son kop em 55, kok?`
カナン：ペンを回しながら「えーと、1から10の数を足すと、和は55だよな？」
sae wikik xed xiv.
紗枝は声に出さずにうなずいた。
@in tu knoos, del ol fok alx i 1 a 14, son kop em toal?`
「この問題見てくれ、『1から14を足し合わせるといくつになるか』」
@knoos zekt, tex apa e nif in.
saa, tu et hao 105, alfi, kokko haalsan e kasalx`
「初歩的な問題だね、レベル表示を見ると。
えーと、答えは105、つまり三角数の公式で」
@tu san et "l a tie l o 1 tun e 2 " kok?`
「それって『n×括弧n＋1括弧閉じ÷2』だよな？」
@ya, xanxa xaxat soa nanna`
「そう、先生はそう言ってたね」
@tur, an fit knoos xan a ti lex tu em toal ol fok alx i soom a metel?`
「じゃあ本当の問題を言うな。『ソームからメテの組み数字を足すといくらか』」
sae evik las a zid ok elet pels.
紗枝は困った顔で顎に手をやった。
@mm? non xir ji di na mil el yol vil tu haalsan nya#`
「うん？公式が使えないから指がたくさんいるわ……」
@tal tu luna knoos 3, in`
「でもこれが第3問に来てるんだ、ほら」
sae vais les kanan ji a lu.
紗枝はカナンが指し示すところを見る。
@hqmm#non zep vil a, mil kit t alx te 1. kanan, tyu zep sen mian?`
「うーん……計算できないわ。始めの数が1じゃないと。カナンはできるの？」
@an das tu, lex#`
「こうするといい――」
kanan leis kit ele kon mem di. tu yun dola le tifles osn.
カナンは丸を積み重ねて台形を描いた。上部を取り除いたピラミッドのようだ。
@tu ele til 9 nif. yul nif aven, sol 15 mem xa. yan nif alka, sol 7 tisee`
「この台形は9段からなる。最下段には丸が15個ある。最上段は7個だ」
sae wikik.
うなずく紗枝。
@im kes, ans leis xiit ele kok.
aE ou, tal im tur, ans ev xiit tu ele se koot on mo. in? yun soa`
「次に、同じ台形を描く。
あ、ただし今度の台形は逆さまに置こう。いい？こんな風に」
@haan. tur, lena til miyu teeze`
「なるほど。これで平行四辺形ができるね」
@yan tu teeze til toal filfen on hix?`
「それでこの平行四辺形の横の長さは？」
@alfi#zok t ele et 7 kont zekt tuul et 15. xom hix e teeze et 22 xan`
「長さは……台形の上底が7で下底が15だから、平行四辺形の横の長さは22」
16
@yan tu til filfen del 9 on has man tu til 9 nif, kok?`
「で、9段だったから高さは9だよね？」
@ya. xom eel tuul et 22 a 9 xan`
「うん。だから平行四辺形の面積は22×9なのね」
@xi tu, ans fest xaf tu kon 2 man ans eves sink ele alt`
「そのあと、別の台形を置いてあったからその数を2で割ると」
dias@son fixt em 99 sete? alx lol aε`
はしゃいで「なら答えは99かしら？面白い数！」
@tu eks, el nox vil 100 lan#ta olta el nox il iten soom alen metel tisee`
「つまり、ソームからメテまでを集めても100人……100種に届かないってことだ」
@waa, waa. tu et lol. non en xaklates tu a. kanan, tyu et lexe in.
hai, tu knoos luna sil flomtas eyo?`
「わーわー。面白い。気がつかなかったわ。カナンって頭いいのね。
それで、この問題は期末に出るのかな？」
vientak kol@ans dert xanxa et latis`
片手でガッツポーズして「先生が敬虔な信者であることを祈るよ」
sae sena a lu.
紗枝はカナンにふふふと笑いかけた。
@hai, ti lax etek alt?`
「ところで、お茶換えようか？」
@a ya, sent`
「あ、うん、ありがとう」
son kanan keklik atean.
カナンは店員を呼んだ。
@xanteB lua. hai, ti lax to, sae`
「すみません、店員さん。で、紗枝は何がいい？」
@aridia, ret`
「アッサムティーをお願い」
@son ok bakm?`
「じゃあミルクも要る？」
sae wikik. kanan et axk al etek tan in.
うなずく紗枝。カナンは紅茶にも詳しいらしい。
@lua, aridia ok bakm a lu, yan kmiir ok xisa al an, ret`
「彼女はアッサムをミルクで、僕はダージリンを砂糖でお願いします」
atean@xiyu`
店員「承りました」
etek lunak luus. hayu luus sip tu.
届いた紅茶をすする2人。
halin ati kal@saa, tyu na non et teolo eyo?`
少し上目遣いで「えーと、私のこと馬鹿って思ったかな？」
nik@qp{ an en na soa. tal es?`
驚いて「えっ！？そんなことないよ。どうして？」
@i flon, tyu hot et xanxa. non na txu nya`
「さっきからずっと教えてもらってばかりだから。恥ずかしいなぁ」
@tu et mer ilpasso, sae. an ser ti et lexe. ti til nife rat kok?
helB an et mei e secsems. son an ser ti lut alkalt tons 10 on tas`
「ぜんぜん問題ないよ、紗枝。紗枝が頭いいってことは分かってる。
成績はいいんだよね？覚えてる？ 俺は写真部の部員だよ。
だから試験で紗枝が10位以内ってことは知ってるんだ」
17
tist@tu et hao mil non ar moa tas kok ras di#`
小声で「同じ試験を何回も受けてるんだから、それはできて当然なの……」
@to?`
「え？」
alwik ok nakx@te, tee, vit`
苦笑いして首を振る「い、いや、関係ないよ」
@son, ti et axk a we pant?`
「それじゃ、どの科目が得意なんだ？」
@qm#seta, self#fok milf eyo`
「うん……歴史、文学……と美術かなぁ」
@pant l et daz a mana. ya, an siina tu`
「女の子らしい科目だな。うん、いいと思うよ」
@tyu tan siina tutu?`
「カナンもこの科目が好きなの？」
@tee, an eks nos siina teln tiil`
「いや、紗枝の性格がいいなってこと」
@a ya. non na nau`
「あ、うん。ありがとう」
xi ko vein armiva, luus leevik axef. tur et varfant, velt mer.
1時間以上してから、2人は喫茶店を出た。今は7時で、外は真っ暗だ。
@sort kok? arn tiil de kax hqn?`
「寒くないか？そのコートだけで大丈夫か？」
@tee, non et passo. sent`
「うん、私は大丈夫。ありがとう」
@ti leev xaf map? ol teo, son an na nau man an xook xal a ti`
「もう行かないといけないか？
そうじゃないなら、俺は紗枝ともっと会話できるから嬉しいんだけど」
fiant o txu@ep? tyu nat ban a xook alen non?`
もじもじと恥ずかしがって「えっ？私と話して楽しかった？」
hanoitak@hao! xink an kel sil les an felat ka axef lyu
man an males lax xook alen ti hot`
腕を広げて「そりゃそうさ！実はもう紗枝との会話だけ覚えてて
あの喫茶店で勉強したことなんて忘れそうな勢いさ」
elet har@y#ya? tet tyu ren males les nan felat kokko non`
顔を赤くして「そ……そう？でも私と勉強したことは覚えておいてね」
nax@xiyu. saa, an helik tur nos en feles kel xe`
笑って「了解。ていうか、勉強し忘れてたことがあるのを思い出した」
tik po@to eyo?`
首をかしげて「何かな？」
oho@qm# ti nos`
咳払いして「うん……紗枝のことだ」
@mi?`
「み？」
@en feles kel yul ti nos. son mir xax tuus al an, xanxa`
「紗枝のことを勉強し忘れてた。先生、教えてください」
sae kit luk ok kukl kont wik.
紗枝はくすくすと笑ってうなずきながら歩き始める。
yan luus xelk kit kor erei.
川に向かって月散歩が始まった。
yun pilp@son tyu asm lan to a non, liiz?`
冗談めかして「じゃあ何か質問はあるかな、カナン君？」
@saa#ova, ti kut nos ra varzon, ti ra ok ne?
alfi xite tiil et to?`
「そうだな……例えば、ヴァルゾンに住んでいると言ってたけど、誰と？
要するに、家族構成は？」
18
@qm#xink, non si rsiil. io leeves`
「ん……実は、両親はいないの。2人とも」
@ou#soa xa. pent`
「ああ……そうだったのか。ごめん」
@passo`
「いいよ」
@son ti kor felka kon xiligil kok. alson ti til nife rat a.
see ti ra atu se ves?`
「じゃあ、奨学金で学校に通ってるのか。だから成績がいいのか。
で、ひとりで住んでるのか？」
@qm#kokko#aa#a#`
「ん……あ……ああ……と一緒に……」
dapt@aB#lser?`
眉をひそめて「あ？……兄と一緒に？」
ins dok@ya! ya ya. alser tisse!
aZrkas nonD non tiflates arka du foni a`
眼を見開いて「そう！そうそう。兄だよ！
変だよ、私。一瞬アルカを忘れちゃってた」
@haan. son an akt lax lu se vad. hao, xi tianem ti, sae`
「そうかぁ。早く会いたいなぁ。もちろん紗枝を恋人にしてからだけど」
@smsm, atte a. pin, qm#la akt rin netal mil la et dint.
xom tu et kamil xep xel tyu akt la tisse#憘`
「くすくす、がんばってね。でもね、うん……暗い人で誰にも会いたがらないの。
だからきっと会うのは難しいだろうなぁ……」
im tu, ko evoan fremar a luus ok pam kont axiv.
そのとき、ライトを持った警備員が声をかけて近づいてきた。
@soono, liif sein`
「こんばんは、お兄さん方」
kanan@soonoyun, dyussou. an ter van zank tiil`
カナン「どうもこんばんは。ご用件を伺いましょう」
@tiis et tianal mia?`
「お二人は恋人同士で？」
@tee, dyussou, fin an hatia lu. son ans si faat`
「いえ、僕の片思いです。免許はありません」
@arte, son an das tiis leev ask atu, ke total oken di`
「なんと、なら早くここを離れて人通りの多いところへ行きなさい」
@ax, dyussou, son ans xook van a xok ka lopn. xink, ans korar al alasgalt`
「はい、なら駅で話します。実は大学の西門に向かっていたところでして」
son evoan asex, ponzik nos kont ku @al ferden, liif`.
警備員はほほ笑んで「恋するものに幸あれ」と祈りながら道を譲った。
@hqq, frem kok?`
「ふぅ、危なかったな？」
@ya. la evitlot non et tian tuan nanna?`
「うん。あの人私が彼女だと勘違いしてなかった？」
nakx ok lapx@ "et mﾊp tian", olta aven a戓`
ため息をつきながら苦笑して「最悪でも『もう彼女だと』くらいで」
kukl@xom ren lax non se vosk fein a`
「くす、ならもっと努力して私を求めるんだよ」
@apen愷`
「なんという」
19
luus lukok lopn xi xook.
2人は話しながら駅に着いた。
@saa, son doova in`
「じゃあ、お別れみたいだ」
@ya`
「うん」
halasex@saa, son ti akt me an im kes tan xant?`
請うようにほほ笑んで「それで、次も俺と会ってくれる？」
sae insik jina se dems du foni, tal xi tu, wikik niit.
紗枝は一瞬固まって空中に目をやったが、そのあと優しくうなずいた。
@ya. non nat ban im fis`
「うん。今日は楽しかったよ」
son kanan sinsik nau yun yuli.
子供のように喜びを表現するカナン。
@len ti et min fiiyu, sae. toxel, an serat ti et lant o lexe wen.
tal fis, an serik ti til teln rat.
son yet veer et tie an sols sen ti hatia an az tun`
「やっぱり君は素晴らしいよ、紗枝。昨日は綺麗で頭がいいことが分かった。
それで今日は性格もいいことが分かった。
後は俺が君を恋させられるかどうかだな」
@smsm, ya. see kes, lena fel sil self wen a?`
「くすくす、うん。じゃあ次は文学とかの勉強をしようか？」
@rat naa. mepl, an fel vosk il pant lana taf tons vein`
「いいね。そうだ、俺も順位を上げるために全科目頑張って勉強しようかな」
@ou, tu et vox rat ter`
「お、いい心がけだね」
@yan#ol an vast ti on flomtas,
an na nos tafik vasn l an xiit ti al ite kon`
「そして……俺が期末で紗枝に勝ったら、
紗枝をデートに誘う勇気が得られる気がする」
@hqm#`
「へぇ……」
@qm#alfi, mir ite an ol an vast ti on flomtas, sae`
「うん……だから、期末で勝ったら俺とデートしてくれないか、紗枝」
dapt leiz@#xel tian eyo?`
わずかに顔をしかめて「恋人としてかな？」
nakx@#xel#qm#yaktian?`
苦笑して「……ん……準恋人……として？」
son sae sena, wikik ok asex.
紗枝はふふふと笑って、ほほ笑みながらうなずいた。
@ya, xel xei yaktian`
「うん、準恋人としてなら」
@arteD ax! an fel van vosk!`
「やった！よし！頑張って勉強するぞ！」
kanan bikik tak io e sae kon las io e nos.
カナンは両手で紗枝の両腕をつかんだ。
frem varzon kalzas, sae kuir dunex ok lanvem.
8時半ごろ、紗枝は青鴉と夕飯をとっていた。
@kuim, ti koltat nov ra im fis kok, sae`
「そういえば今日は帰りが遅かったな、紗枝」
@a#a ya?`
「あ……そう？」
20
@ti et xan vokka man flomtas in a. ti en na ani?`
「本当に試験勉強で忙しかったようだな。疲れていないか？」
@passo. qm#sentant, lanvem`
「大丈夫。うん……ありがとう、青鴉」
@xan?`
「本当か？」
@ya#hel, kuim, non til me melsir na fien tu et leiz`
「うん……そう、そういえばほんの少しだけど貧血みたい」
@loki, son an meltem luwa tiil sa mok`
「分かった、なら寝る前に足を温めてやろう」
@ya, sentant. a, lee`
「うん、ありがとう。あ、ねぇ」
@to?`
「何だ？」
@lena teu seelavelant en vort sete?
alson non xal salt 15, alfi non lut mana se teom`
「私たち中位の死神は死なないのよね？
私は15歳のままだし、永遠に少女のまま」
@ya`
「そうだ」
@ol#silm non til hacn az#qm#ova#altianB,
xom lu hot em ifi kont non xal lif sete?`
「なら……もし私に友達や……例えば……彼氏ができたとしても、
老いるのは彼だけで、私は若いままなのよね？」
@hao. tu et teel t avelant`
「当然だ。それは死神の宿命だ」
@tu te#reia eyo?`
「それって……寂しくないかな？」
lanvem halik dapini ok elet lood.
青鴉は意外そうに眉を上げた。
@fi at sod? tu et imyu xel ti nad tu tis`
「何があった？そんなことを気にするなんて珍しいな」
@tu#tis#xan`
「そんな……こと……か」
sae molin ok elet emt.
紗枝は悲しげにうつむいた。
@lanvem#tyu siina az hatia siia fi?`
「青鴉……青鴉は誰かに惹かれたり、恋をしたことはある？」
lanvem in jina du fen, ixnik tu se seer.
青鴉は少し宙を見やったあと、静かにこう答えた。
@tix ti, an vinses alem soa l an til nayu kon`
「お前以外には、そんな痛みを伴う感情は捨ててしまった」
sae asm lax miyu "tix ti" dolk "siina" az "hatia".
紗枝は「お前以外」が「惹かれる」と「恋をする」の
どちらに掛かっているのか聞きたくなった。
ya, tu et volx xalt lu.
そう、それは彼女には重要なことなのだ。
tal lu na vem o naver, hayu asmik elf tu.
だが不安で怖くて、そんなことは聞けなかった。
最終更新：2008年08月04日 01:26
