その存在がまず最初に感じたのは“歓喜”であった。
肺に吸い込む空気は清水のように透き通って感じられた。
やけに散らかった匂い立つ部屋の窓から射し込む光ですらもが愛おしく思えた。
それに当たれば自分の肌は醜く焼け爛れ崩れていくと知っていてもだ。
今はこの目に写る全てが、この肌で感じる全てが、ただただ懐かしくて愛おしくて仕方なかった。
曰く阿鼻地獄の刑期は京に匹敵するという。
故にその地獄に落とされ無限と見紛う刑罰を受けることと相成った男にとって、此度まろび出た現世は楽園にしか見えなかったらしい。
「感謝。感謝か。
その感情を自覚したのは生まれて初めてだ。礼を言うぞ界聖杯とやら」
男は人の身を超えた存在であった。
男女の陰陽すら超え、定命の縛りさえ超え、千年の時を生きた。
自分の生のために他の全てを踏み台とし数え切れない嘆きと怒りを生み出した。
その結果彼は人の想いに滅ぼされ無間に続く阿鼻地獄へと堕とされたが、死んで治るような悪癖ならばそもそも千年は続かない。
地獄よりまろび出た今でさえ、男はあるがままの己を保っていた。
彼の真名は、
鬼舞辻無惨。
クラスは、バーサーカー。
狂気と呼ぶにさえ悍ましく禍々しい精神構造を有した、千年分の悲憤の源流。
全ての鬼の、始祖である。
「ついぞ誰一人私の役には立たなかった。
青い彼岸花は見つからず、鬼狩りを滅ぼすことも叶わず。
最期に抱いた願いの的すら私の期待に応えるには至らなかったが……」
あまりにも多くの人間が彼のために地獄へ堕ちた。
鬼舞辻無惨が生まれたことで生まれた笑顔と生まれたことで失われた笑顔の数を比較すれば、勝つのは圧倒的に前者だ。
無惨自身そのことは自覚しているし知っている。
知っているが、だから何だというのだ。
彼はそう思っている――今もなお。
地獄に堕ち、己の罪を痛み苦しみという形で思い知らされた今であってもだ。
馬鹿は死んでも治らないというが、それは鬼畜の性もそうであるらしい。
無惨に自分の罪を悔いる心などは未だ一切芽生えていない。
そしてそれは今後も変わらずそうなのだろう。
彼にとって全ての犠牲は己のためで、おまけにそのどれもが己の本懐に届かなかった役立たずという認識だ。
彼方におわす神も仏もこの男の汚れた魂を浄化することだけは不可能であったらしい。
「全能の願望器、界聖杯――それさえあれば私の願いは叶うのだな。
太陽を克服し、他のあらゆる危害も寄せ付けない完全にして究極の肉体。
正真正銘の不死を実現出来るのだな?私は。たかだか数十の犠牲を経るだけで」
無惨の道はかつてと同じだ。
彼が目指すのは永遠の生。
当然だろう、彼はただ生きることだけに特化した生命体。
人間的幸福の全てよりも先に“生きる”という目的が存在する突然変異種。
その彼が目指すのは当然聖杯。
青い彼岸花など屑に思えるような奇跡の恩寵――完全なる不死。
「私は永久を生きる究極に成れる……!!
もはや日光に怯えることも、異常者の影を鬱陶しがることも、地獄の責め苦に眉根を寄せることもないのだ。
聖杯さえ手にすれば……それだけで! 私の願いは永久に満たされこの身この魂は最果てまで続く! 想いを受け継ぐ必要すらない!!」
生き物は全て例外なく死ぬ。
故に思いこそが唯一その例外であり不滅。
肉体は死ねばそれで終わりだが想いだけは決して滅ばず受け継がれ、本来到底及び得ぬ大きな存在でさえもを打ち負かす。
それは無惨が千年の果てに見出した一つの悟りであったが。
死を経てなお蘇る魂を知った今では――全ての願いを叶える全能を知った今では。
ああ全て無用。全て無意味。
聖杯こそがこの千年の生の答えであったのだと、今鬼舞辻無惨は理解した。
「あなたはずっと生きていたいだけだったのね。
最初からずうっと。ずうっと、最後までそれだけ。
うふふ、なぁんだ。最初から素直にそう言えばよかったのよ、死にたくないって」
界聖杯を掴む。
全能の願望器で願いを叶え己は真の不滅を実現する。
千年と阿鼻地獄の久遠を重ね合わせても尚到達し得なかった最大の希望を前にした鬼舞辻無惨の耳朶を不快な声音が叩いた。
それは女の声で、砂糖菓子のように甘ったるい声だった。
ひどく優しく、しかし耳にまとわりついていつまでも離れない声。
無惨は彼女の声から煮立てた糖蜜の像を見出した。
「何だ、お前は」
「あなたの人生を夢で見たわ。
とても悲しくて苦しくて何かに怯えてばっかりの人生。
楽しいことなんて一つもなかったのね。いつも怯えて、怖がっていたから」
「私の声が聞こえなかったのか?貴様」
産屋敷耀哉という男を無惨は知っていた。
聞くだけで人の心を拐かすという奇妙奇怪な声を持った男だ。
実際に対面した時も、無惨はその声に自分とは決して相容れない不快な色を見出したが。
彼をこの聖杯戦争に召喚したマスターの女に対しても彼はそれを見出していた。
だが、種類は違う。決して同じではない。
この女の声と貌は、さながら犇めく集合体のようだった。
「ただ生きていたかっただけなのに皆にそれを否定されて。
辛かったわよね。苦しかったわよね。
あなたはただ生きていたかっただけなのにね?」
「その何が悪い。生命活動の続行に全てを費やすのはあらゆる生物の本質だろう。
私はただあるがままに生を望んだだけのこと。狂しているのはそれを悪と看做すこの世の方だ」
「悪いだなんて言ってないわよ?私はあなたを決して否定しないわ。
だってあなたはとても可哀想だもの。ずっと独りぼっちで誰にも理解されなくて。
そんな死人みたいに青ざめた顔で、何百年も頑張ってきたんだものね?」
死人みたいに青ざめた顔。
その言葉を聞いた瞬間、無惨は女の首を掴み吊り上げていた。
猫の瞳孔のような瞳を冷たく彩りその奥に正真の殺意を隠して。
ぐ、と音を立てて女の細い首へ力を込める。
「その薄っぺらな口で私を語るのか、お前は。
不愉快だ。改めなければ貴様を今此処で殺す」
「……ふふ、ごめんなさい。
でもね、見たの――私。さっきも言ったでしょう?
あなたが産まれて生きて、救いようのない悪魔として滅ぼされるまでの人生を」
包帯とガーゼの目立つ身体と人形のように精微な顔貌。
口元を三日月のように吊り上げて女は歌うように語る。
その右手には確かに、鬼舞辻無惨を従える者の証である三画の令呪が刻まれていた。
「存在してはいけない生き物なんてこの世にいないわ。
あなたがどんなに救いようのない悪魔でも生まれたことにはきっと意味がある。
私がそれを肯定してあげるわ。だから安心して? 鬼舞辻くん」
「…………」
「私はあなたの知らない感情(もの)を知ってるの。
知っているかしら? ううん、きっとあなたはこれを知らない。
だってあなたの目、とても冷たいもの。あなたの声、とても虚ろで寂しいもの」
異常者という存在を無惨は知っていた。
それは死を受け入れない存在で、過去にしがみつく存在であった。
敵いもしない相手によって奪われた命を後生大事に背負った挙句、弁えることもせず他ならぬこの自分へ一目散に駆けてくる気狂いの集団。
結果的にそれに滅ぼされたのだから忘れるべくもない。
その恐ろしさも利点も、無惨は余すところなく知っている。
だが。
今彼の目の前で弧を描く口で微笑む女は、彼の前に立ったどの鬼狩りとも違う“異常者”に見えた。
「鬼舞辻くん。あなた、誰にも愛されたことがないのよね」
首を絞められて吊り上げられながら。
女は無惨の顔に手を伸ばしていた。
華奢な手で頬に触れる。
酸欠の苦しみを幾らも宿さない薄笑いの貌で何やら言祝ぐ。
「でも私は違うわ。私は、私だけはあなたを愛してあげられる。
誰にも愛されたことがないあなたを抱きしめて、満たして、赦してあげられるの。
どんなあなたも愛してあげるわ。あなたの過ごした空虚な千年ぶん、私がぜーんぶ満たしてあげる」
「殺されたいのか?」
首を絞める力が強まる。
女の筋肉かあるいは骨か。
分からないが何かが軋む音が鳴る。
「知った口を利くな、人間。
お前は私が願いを叶えるまでの仮の柱に過ぎん。
私がこの世に留まるための要石なのだ。
その分も弁えず大言壮語を繰り返すのなら痛みを与える。もしくは死を下す」
「いいえ?あなたは私を殺せない。
……だってあなたはバーサーカー。マスターなしでこの世界に留まる力なんて持ってないでしょう?」
「貴様」
鬼舞辻無惨は癇癪の性を持つ。
彼にとっては一時の怒りが万事に勝るのだ。
そもそもその悪癖がなければ、彼はこれほどまでの悪鬼にはなっていなかったはずなのだが。
無惨は決して過去を省みない。
己の不興を買った輩が悪いのだと信じて疑わないし、その性は一度死んで地獄に堕ちた程度で矯正されるものでは断じてなかった。
それ故にこの時無惨は心の底からの殺意と共にマスターの女の首を握り潰さんとした。
その致命的な愚行を未遂に終わらせたのは、他でもない仮初めの主の言葉。
「いいわよぉ。そのままぎゅってして」
女はただ笑っていた。
怖がるでもなければ強がるでもない。
にたぁという擬音の似合う粘っこい顔で笑っていた。
笑って、今まさに致命の過ちを犯そうとしている自分のサーヴァントに両手を差し出していた。
「殴っても蹴っても、絞めてもいいわ。
それとも手足を一本ずつちぎってみる?
夢の中であなたがやってたみたいに乱暴に食いちぎる?
私は人間だからすぐに壊れちゃうかもしれないけどなるべく耐えるようにするわね。
愛されたことのないあなたの孤独を、私がぜ~んぶ受け止めてあげる」
鬼舞辻無惨の怒りは人間のみならず、彼の同族である鬼たちにとっても恐怖と絶望の象徴だった。
よほど重用されているお気に入りでもない限りその場で殺される。
ただ殺されるだけならばまだマシだ。
最悪、身体を生きながらに崩壊させられて万死に勝る苦痛を与えられる可能性さえある。
過去に無惨の怒りを躱し逆に機嫌を取ってみせたある鬼は、眼前の怒れる無惨に殺されようとしているこの瞬間すら夢見心地であると称した。
その異常性を買われ生き延びた鬼の名を魘夢といったが、彼はあくまで鬼。
今自分の首を握り潰さんとする無惨の手を愛おしそうに撫でて笑っているのは、正真正銘ただの人間なのだ。
傷だらけでゴミと汚物の匂いがする、妙齢の美女。
鬼である無惨にしてみれば、食糧か精々鬼化させる候補程度にしかなり得ないだろう陳腐な存在。
「だからほら。私で千年ぶんスッキリしちゃお?」
「……」
「それとも気持ちいいことの方がいい?
そうよね。鬼舞辻くんは千年間ずっと落ち着く暇もなかったんだもんね。
いいよ。私に出来ることなら何でもしてあげるから好きにして?
殺す?犯す?もっとひどいこと?恥ずかしいこと?鬼舞辻くんは何が好きかな?」
無惨は女の身体を汚れた床へと投げ捨てた。
きゃっというわざとらしい悲鳴と共に女の軽い体重で床板が軋む。
無惨は背中を打った彼女を見るのではなく、自分自身の手を見つめていた。
それはまるで、何か誤作動を起こした機械を見つめるような眼差しだった。
殺すと決めた女。
それを何故今自分は投げ捨てた。
答えは未だ判然としないが。
もしも彼が普通の肉体と寿命を持った“人間”のままであったならば、その答えはすぐに弾き出せたかもしれない。
気持ちが悪い。
彼の感情を言語化するならそれに尽きる。
葉の裏に群がる毛虫を見つけた時のような。
腐敗した犬猫の死骸が膨張してぶぅぶぅと奇怪な音を立てて弾けているのを見た時のような。
そんな、身体中の毛穴が粟立つような生理的嫌悪感。
「その汚れた口で喋るのを今すぐ止めろ」
伸ばした腕が肉の塊に変わる。
質量保存の法則を無視した異形の身体は無惨の身体を離れて女の半身を包み込んだ。
単なる拘束の一環ではあるが、たかが拘束といえども鬼の御業。
華奢で非力な女が自らこの戒めを解くのはまず不可能であるに違いない。
「お前は私が完全な生物になるための贄に過ぎない。
私以外の全ての英霊が死んで界聖杯が降臨するまで、お前はただ魔力を吐き出し続けていればいいのだ」
「分かったわ。それまで生きていればいいのね?」
「業腹だが、お前の存在がなければ私は現界を保てない。
別な贄が見つかるか……聖杯の降臨を果たすか。
それまでは貴様のような汚らわしい売女が呼吸することを許してやろう」
鬼舞辻無惨は真に化物と呼ばれるべき存在を知っている。
息を吸って吐くように道理を無視し、人間の限界を超えて剣を振るってくる“恐怖”を知っている。
重ねて言うが無惨は理解不能な異常者も知っている。
何百年も無駄な犠牲を払いながら、それでも戦うことを止めない知性と理性の破綻した鬼狩り集団。
最終的に想いを受け継ぐことの意義を理解した無惨の中では今でこそ印象が多少変わっているものの、それでも無惨にとって鬼狩り――鬼殺隊と名乗る人間の群れは狂気の集合体にしか思えなかった。
しかし、である。
肉で戒められ全ての自由を奪われながらもにやにや、にたにたと笑うこの女は――無惨にはそのどれとも違う異様な生き物に思えてならなかった。
「もしも令呪などで私を縛ろうものなら即座に殺す。
その肉は私の意思一つで動き貴様を殺傷するある種の呪いだ」
「あら。他人に命令されるのは嫌いなのね、自分は命令してばかりなのに」
「黙れと言った。貴様の不快な声音が私の鼓膜に触れるのは虫酸が走る」
鬼舞辻無惨は悲しみと怒りの源流だ。
彼がいなければ失われなかった命も、起こらなかった悲劇もどちらも無数に存在する。
その癖無惨は自分が生んだ悲劇に目もくれない。
己を天災のような存在であるとし、それに殺された命に延々固執するのは頭の膿んだ狂人の所業であると心の底からそう信じている。
そう、だからこそ。
この千年、誰もが彼を愛さなかった。
恐怖と力で隷属させた鬼達もそうだし、人間どもなど以ての外である。
彼が人間に擬態して作った妻や身内も、彼の真実を知れば誰しも恐怖か怒りでその心を染め上げたはずだ。
鬼舞辻無惨は生まれてはならなかった命、存在してはいけない生き物であり。
何を置いても殺し滅ぼす必要があると誰もが口を揃えてそう言った。
現世で生きた千年間。
只の一度も、“鬼舞辻無惨”を愛する者など現れはしなかったのだ。
なのに――今。
「寂しくなったらいつでも来てね」
無惨に愛を囁いて微笑む狂人が彼の主を名乗っている。
業腹ながら無惨には理解出来てしまった。
この女はきっと、殺されたとしてもこの薄ら笑いを崩さない。
愛なる、無惨が持たない概念、与えられたこともない概念。
それを囀りながら死んでいくのだろう、この女は。
「私はずっとここにいるから。
この世界でたった一人のあなたのマスターとして」
いつでもあなたを待ってるから。
その言葉に耳を貸さず無惨は霊体化する。
やるべきことは山積みだ。
陽光の下を歩けない忌まわしい束縛は今も健在。
故に昼間は影に潜みつつ、鬼を増やすなり何なりして外堀を埋めていく必要があろう。
そのためには無惨が人の皮を被り、演じ、状況を整えていかねばならなかった。
本来ならばそれはマスターの仕事なのだろうが……この女にそれが可能だとは到底思えない。
(この女は不快だ。
すぐにでも替えの魔力袋を用立てなければ……)
無駄な手間を、と無惨は舌打つ。
今やその姿は人間であるマスターの目からは見えないが。
それでも彼女は無惨がいるのだろうと当たりを付けた虚空を見つめて笑っていた。
【クラス】
バーサーカー
【真名】
鬼舞辻無惨@鬼滅の刃
【ステータス】
筋力C 耐久EX 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具A
【属性】
混沌・悪
【クラススキル】
狂化:EX
地の底で固定された人格。
人間的感性を持ち合わせず良心の欠片も持たない存在。
ステータス上の恩恵はないが、Aランクまでの精神に対する干渉をシャットアウトする。
【保有スキル】
生存意欲:A+
バーサーカーは生きるということに特化した生物である。
自身の死を回避するために行動する際、判定値にプラス補正を受けることが出来る。
同ランクの戦闘続行スキルをデフォルトで内包する。
鬼種の魔:A+
鬼の異能および魔性を表すスキル。
鬼やその混血以外は取得できない。
天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出等との混合スキルで、バーサーカーの場合魔力放出は衝撃波が主。
捕食行動:A
人間を捕食する鬼の性質がスキルに昇華されたもの。
魂喰いを行う際に肉体も同時に喰らうことで、魔力の供給量を飛躍的に伸ばすことができる。
無力の殻:B
人間に擬態することが出来る。
擬態中はサーヴァントとして感知されなくなるが、人の五感までは騙せない。
【宝具】
『千年の始祖』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
鬼の始祖。
鬼舞辻無惨。
千年を生き、同族を増やし、人間を食糧として消費させ続けたその元凶。
彼の肉体には五つの脳と七つの心臓が備わっており、それが常に体内を移動して位置を変え続ける。
異能の域に及ぶ瞬間再生能力、自分の肉体を自在に変化させられる万能性、人間を鬼に変える呪わしき血。
増やした同族に対して呪いをかける能力……等多種多様な異常能力を扱うことが出来る。
しかし欠点として日光を浴びると肉体が焼け焦げ、浴び続ければ灰になって消滅してしまう。
このため太陽の属性を持つ宝具、それどころかただの太陽光でさえ致命傷になり得る。
バーサーカーの血液を注入されても英霊は鬼化しないが、それ自体が非常に有害な物質であるためダメージは大きい。
鬼に対する支配能力は据え置きだがもし仮に英霊の座から呼び出された彼謹製の鬼が存在する場合、その鬼に対しては支配と呪いが働かない。
【人物背景】
千年を生きる闇。
全ての鬼の始祖。
人の想いと受け継ぐ強さに敗れて阿鼻地獄に堕ちた敗残者。
【サーヴァントとしての願い】
永遠の生命と完全な肉体を持っての受肉。
真の“不滅”へ私は歩む。
マスターについては心底理解不能で気持ち悪いのでさっさと殺したい。
【マスターとしての願い】
ない。
この作り物の世界でいつも通り誰かに愛をあげ続ける。
【能力・技能】
他人の欲を全て受け止め、それを愛として受け入れることに悦びを感じる異常者。
彼女の聖母のようなあり方に入れ込んで破滅している人間も多い。
【人物背景】
若々しくて美しい顔立ちと妖艶な身体を持つ妙齢の女性。
本名不明。ひどく優しくしかし耳にまとわりついていつまでも離れない独特の甘い声色で喋る。
自分の異常さや空虚さを誰かに指摘されても動揺せず微笑み続ける、本物の異常者。
本編終了後、放火の容疑で警察に連行された後からの参戦。
【方針】
聖杯戦争のことは鬼舞辻くんにおまかせ。
私はいつも通り誰かの愛を受け止めるだけ。
最終更新:2021年07月07日 21:01