木古内駅から8本目,旧知内駅からすぐのトンネルが青函隧道であり,その入口から 10~15 分ほど走ったところにある駅であった(※註) . 2014年3月14日をもって廃止された.上の写真は駅から函館側を望んだものである.
※正確には木古内駅から9本目,旧知内駅から2本目である.青函隧道の北海道側出口すぐのところには長さ 1.2km のトンネルがあり,これらはスノーシェルターで完全に繋がっているために見かけ上ひと続きのようになっている.通常,トンネル壁の蛍光灯は白色であるが,青函隧道入口には「青・青・青」の順に色付きの蛍光灯が配置されているので,これを目印にしても良いだろう.
吉岡海底駅の様子
駅看板(1993年8月撮影)
青函隧道最深部
駅情報
青函隧道内にある2面2線のホームを持つ駅であった.海面下145mの地点にあり,日本で最も海抜の低い場所にある駅とされていた.駅待合室は非常に広く,用意されたベンチには 1,000 人が一度に着席できるとされていた.トイレは「可」レベル.
この路線を通る列車は少なくないにも関わらず,この駅に停車する列車は2007 年の時点で1本も存在しなかったという,いわゆる「到達不能駅」であった.かつては1日に数本の列車が停車しており,その際に訪れた会員の証言によれば「駅から外に出してもらえず,結局次の列車に乗って駅を後にした」とのことであった.
ホーム・待合室から駅出口までは非常に遠く,通常はケーブルカーに乗り換えてホーム~駅出口間を移動していた.徒歩の場合は 1,184 段もの階段が待ち構えていたが,いずれにしても列車が止まらない(止まっても駅から外に出してもらえない) ので,我々一般人がこれらを利用することはなかったと思われた.
このように様々な面で個性的な吉岡海底駅であったが,北海道新幹線開業に向けた工事に伴い,2014年3月14日をもって駅としての営業を終了した[1][2] .
なお,青函隧道の壁には一定間隔で白色蛍光灯が配置されているが,最深部には「青・青・青・緑3本・青・青・青」の順に色付きの蛍光灯が配置されており,目印となっている.かつては函館方面行き列車でこの最深部を過ぎると間もなく,進行方向左手の壁に「ドリームサイン」という LED の残像現象を利用した JR 北海道のウェルカムメッセージが表示されたのだが,2005 年頃より故障のため動作しなくなっており,復旧の予定もないとのことであった.
駅の構造や機能は隣接する
竜飛海底駅 と類似していたので,そちらも参照して頂きたい.
参考文献
隣接駅
Copyright c 1997-2014
北海道大学鉄道研究会
(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)
最終更新:2019年04月19日 18:21