青森駅から 10 本目,津軽今別駅から8本目のトンネルが青函隧道であり,その入口から 10 分ほど走ったところにある駅である.
2014年3月14日をもって廃止された.上の写真は駅から青森側を望んだもの.
竜飛海底駅の様子
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線路下のスプリンクラー |
駅情報
青函隧道内にある2面2線のホームを持つ駅であった.「海底」の名を冠しているが,本当に海の下にあるわけではない.駅待合室は非常に広く,用意されたベンチには 1,000 人が一度に着席できるとされていた.トイレは「可」レベル.
この路線を通る列車は少なくないにも関わらず,この駅に停車する列車は非常に少なく,さらに冬場は定期列車が一切停車しないという,いわゆる「到達困難駅」であった.ただし,青函隧道内で万が一の火災その他事故が起こった際には,この駅が緊急避難場所として利用されることとなっている.線路下に埋め込まれたスプリンクラーはそのための設備である.
ホーム・待合室から駅出口までは非常に遠く,通常はケーブルカーに乗り換えてホーム~駅出口間を移動していた.徒歩の場合は 1,316 段もの階段が待ち構えていた.なお,通常の駅とは異なり,竜飛海底駅見学整理券という専用の切符がなければ一般の旅客が乗降できないという特殊な駅であった.
駅出口は「青函トンネル記念館」及び道の駅「みんまや」と隣接していた.近所にコンビニや郵便局の類は存在しない.正確には駅ホームの真上に郵便局があるのだが,駅出口からは距離があった.
このように様々な面で個性的な竜飛海底駅であったが,北海道新幹線開業に向けた工事に伴い,2014年3月14日をもって駅としての営業を終了した.ただし,前述の見学整理券は2013年11月10日をもって販売が終了したため,営業終了間際に当駅を訪れることは不可能であった[1][2].
余談であるが,トンネル内に設置された火災検知器の誤作動を防止するために,青函隧道内は「電車・電気機関車」以外は通過することができない規定になっている.このため,ディーゼルカーなどが通過する際は動力を停止し,電気機関車に牽引されて通過する.また,冷蔵・冷凍機能のためにディーゼルエンジンを搭載した貨物コンテナも,青函隧道通過時に一時的にエンジンを停止する機能を備えたもの以外は通過できない規定になっており,そのようなコンテナには「青函トンネル通過禁止」の表記がなされている.
なお,駅の構造や機能は隣接する
吉岡海底駅と類似していたので,そちらも参照して頂きたい.
参考文献
隣接駅
Copyright c 1997-2014
北海道大学鉄道研究会
(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)
最終更新:2014年06月17日 20:18