キハ283系はスーパー北斗で使用されているキハ281系の実績を踏まえ、JR北海道が札幌-釧路間3時間40分台の運転いう目標を掲げて製作した特急型気動車である。キハ281系を基に走行機器、車体形状、客室設備をはじめとする随所に改良が加えられている。
車体はキハ281系と同様に軽量ステンレス製とされ、先頭部が普通鋼製となっている。空調装置が床置型となったため屋根上がすっきりしたほか、側窓の処理がキハ281系の連続窓風に対して独立型となっている。また、前面の愛称表示装置と側面の行先表示装置がLED化されている。
走行機器関係はキハ281系を基に改良が加えられた。エンジン、変速機はキハ281系のものを基本にした改良型が採用されている。台車は急曲線の多い根室本線の線形を考慮して操舵リンクを持つ自己操舵付となったほか、振子の角度もキハ281系よりも大きい最大6度となった。最高速度は130km/hである。
座席はフリーストップ式リクライニングシートで片持支持方式となったため足元が広くなっている。モケットは釧路方面への運転にちなんで、「タンチョウヅル」がデザインされているほか、つかみ手が設置されている。トイレはキハ281系と同様の真空式が採用された。空調装置は床置き型の冷暖房両用形となり、座席の吊り下げ式ヒーターと合わせて暖房はキハ281系の温水式に対して全面的に電気式となった。
札幌-釧路間の特急「スーパーおおぞら」の運転開始以降、キハ283系は好評で増備が繰り返され、帯広への「スーパーとかち」や函館への「スーパー北斗」への投入が行われたほか、2001年7月からは釧路行きの特急列車が全列車「スーパーおおぞら」化されるなど、キハ281系、キハ261系と共に北海道の高速都市間輸送の主役となっている。
現在は特急「スーパー北斗」(札幌-函館間)特急「スーパーおおぞら」(札幌-釧路間)、特急「スーパーとかち」(札幌-帯広間)、ホームライナー(札幌‐手稲間)で使用されている。
その他の情報
 |
 |
走行シーン |
先頭車が中間に入ることも多い |
Copyright c 1997-2010
北海道大学鉄道研究会
(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)
最終更新:2010年02月11日 22:48