anko2189 ゆっくりのくびき1

☆このSSは某絵師様のゆっくりがのたまわった『かいゆっくりはにんげんのどれいだよ』という言葉からインスピレーションを得て書かれました。大ファンです。
☆人間とゆっくりが未遭遇の設定。
☆この世界のゆっくりは『胴付き』がデフォです。
☆前回は胴付やらまりさを○×しちゃったんで今回は□△してみた
☆一部に残酷な表現があります。
☆そしてかなりの鬱展開が。
☆それでもよければ……ゆっくりよんでいってねっ!!



奴隷解放を掲げる軍隊が戦争に勝って、それによる統一が進んでいた頃のこと・・・

「くそどれいいいいいいいい!!ゆっくりしないでさっさとごはんさんとってこいいいいいいいい!!」
「なにしてるんだぜ!?くそどれいはやすんでないでれいむとまりさとおちびのためにごはんさんをたくさんとってくるんだぜ!!」
昼を少し過ぎたくらいの森の中、大人が中腰になれば入れるくらいの大きさの洞窟から酷い怒鳴り声が聞えてくる。
その声に追われるように飛び出してくる一つの人影。
「ゆぅ……」
それはパッと見ると、白いリボンが付いている黒い帽子を被った金髪の少女だった。
だがその顔は人間にしては奇妙に下膨れており、子供ほどの大きさしかない体つきと相まって非常にアンバランスだった。
しかも服を身に着けておらず、本来隠すべき部位は何もなくまっさらな肌色で、しかも爪や耳や鼻がない。
人間のようであって人間とは全く違う外見をした少女。
「ゆぅ……ゆっくりかりにいくよ……」
少女の正体は『ゆっくりまりさ』。
しかも胴付ゆっくりまりさだったのだ。

「ゆぅ……おはなさんをたくさんとるよ……」
先程、怒鳴り声と共に洞窟から飛び出してきたまりさは草原にいた。
取ったお花や草、小さい虫をお帽子の中に詰め込んでいく。
よく見ると、まりさの帽子の頂点が破れており、ぽっかりと穴が開いたような状態になっていた。
虫の場合は穴あき帽子の頂点から逃げてしまう為、手で握って弱らせてからしまう。
そんな感じで狩りにいそしむまりさの周辺にも同じ胴付きゆっくりが数匹いた。
「ゆひぃ……ゆひぃ……」
「もっとなんだね……もっととらないとなんだね……」
「まってね!ちょうちょうさんまってね!!れいむにつかまってね!!じゃないとれいむがゆっくりできないよっ!!」
どのゆっくりも狩りに勤しんでいるが、それ以外にも共通する事があった。
それはどのゆっくりもまりさと同じく、お飾りを欠損している事だ。
れいむはリボンの片方がビリビリに破れているし、ありすはカチューシャの欠片を頭の上にのせ、ちぇんもボロボロの帽子を頭に乗せている。
そしてもう一つ共通する事は、まりさを含めどのゆっくりも、その表情からして全くゆっくり出来ていないだろうということが見て取れることだ。
目は虚ろで、身体は泥だらけ、身体のあちらこちらに強く身体をぶつけたときに出来る痣や傷が多数見受けられる。
ゆっくりはお飾りを何よりも重要視する。
普通、お飾りを欠損したゆっくりは『ゆっくりしていない』とみなされ、「せいっさい!」と呼ばれるリンチを受けて殺されるか、群れでは村八分にされる。
しかし、まりさを含むこの『お飾り欠損ゆっくり』達は、この森の群れで暮らすゆっくり家族の奴隷として仕えている。
同族から『ゆっくりしていないゆっくり』と見られており、他の『ゆっくりしているゆっくり』の奴隷となっている。
『ゆっくりしていないゆっくり』は『ゆっくりできているゆっくり』の奴隷として働くのはゆっくりの社会では当然であり、馬車馬のように働く事を強要され、もし主人や群れの他のゆっくりに逆らうと、群れから容赦ない制裁が加えられる。
ゆっくりできないゆっくりに、ゆっくりする権利など与えられないのだ。

『奴隷』まりさは帽子に詰められるだけ花を取ると、もと来た道を引き返し、先程の家族の待つ洞窟に帰った。
「ゆっくりかえりました……」
「なにゆっくりしてるんだあああああああ!!」
帰ったと同時に主人である『主人』れいむの平手がまりさを襲う。
このれいむも同じく胴付きだ。
「ゆびぃ!!」
奴隷まりさは地面に倒れ、帽子は地面に落ちてしまう。
「どれいがなにゆっくりしてるんだあああああ!!ゆっくりしないでかえってこいっていっただろおおおおおおおお!!ばかなの!?しぬの?!」
「ゆぅ……。ごめんなさいごめんなさい……」
奴隷まりさは土下座をして謝る。
「ゆふん!はんせいしてねっ!わかったらさっさとれいむとまりさのまいほーむからでてねっ!いっかのだんっらんにくそどれいはいらないよ!!」
主人れいむは奴隷まりさの帽子のてっぺん部の穴を掴み、さかさまにして『器』のように使い洞窟の奥に入っていった。
「ゆっくりりかいしました……」
大事なお帽子を取り戻そうという事さえできない。
奴隷まりさはおうちの外に座り込んだ。
「ゆーおちびちゃん!ごはんさんだよー」
「ゆわーい!おにゃかしゅいちゃよー!」
「まりしゃみょおにゃかぺこぺこだじぇ!!」
「ゆふふ。ごはんさんはたっくさんあるからね!なくなってもどれいにもってこさせるからどんどんたべるんだよっ!」
「そうだぜ!おちびたちもなにかあったらどれいにいいつけるんだぜ!どれいはおちびたちのためにはたらくことがじょうしっき!なんだぜ!」
「「ゆゆーん!ゆっきゅりりきゃいしちゃよっ!!」」
そんな家族の会話を聞いて、奴隷まりさは自分の子供の頃を思い出していた。

一人っ子のまりさは両親に大事に育てられた。
両親は『優しい』ゆっくりで、お飾りを欠損したり、失ったゆっくりを、せいっさい!したり邪険に扱う事はしなかった。
両親の言い分としては「じぶんがそうなったときそんなことされたらゆっくりできないよ!」「たしかにゆっくりできないけど……ゆっくりできないならほおっておいてあげようよ!」と言っていた。
周りのゆっくりは『じぶんはそんなまぬけなことはしない』と笑い、せいっさい!を行っていたが、いざ自分がそうなると必死に命乞いをするのが常だった。
偽善的ともいえる両親の言葉だが、『ゆっくりする』ことを何よりも優先し、そして『ゆっくりしていないこと』を心底嫌い、そういうものを殺したり虐めることが『善良』とされるゆっくりの価値観の中においては、稀有な考えであったといえるだろう。
まりさも両親の影響で、お飾りを欠損や損失したゆっくりに対して酷い事を行うことはなかった。
むしろ両親より一歩踏み込み、ゆっくりできないと感じながらも、優しく接していた。
だがいつの頃からか、ゆっくりできないゆっくりを『どれい』にすることが始まった。
ゆっくりにとって『どれい』とは、もっともゆっくりできない状態を指し、もはやゆっくりとしての扱いを受けられない存在と成り下がる事を意味している。
両親は「おなじゆっくりをどれいにするなんてゆっくりできないよっ!」と言って、奴隷を持つ事はなかった。
現にどれいがいなくても生活に困る事はなかったしいなくてもゆっくりできたのだ。
周りのゆっくりがどれいを持ち、どれいを気まぐれにもてあそび、とっかえ引っ返して楽しんでいることを見て、両親やまりさはゆっくりできなかった。
やがてまりさは両親から独り立ちし、元の群れから離れた別の群れに移り住んだ。
もはやその頃になると、『どれいゆっくり』はゆっくりの間で完全に浸透し、どこの群れに行ってもどれいゆっくりは存在した。
まりさは群れに属しはしたが、その様子を見るとゆっくり出来ないので群れの外れに住んでいた。
が、そこで悲劇に見舞われる。
狩りの途中で見ず知らずのまりさに因縁をつけられ、お帽子を傷つけられてしまった。
道端で拾った石がそのまりさの宝物で、そのまりさはまりさを強盗ゆんと見て襲い掛かってきたのだ。
お飾りを欠損や損失をしたゆっくりがせいっさい!を受けない例外が一つだけある。
それは目撃ゆっくりがいる前でお飾りを傷つけられる事だ。
そうすると同情の余地ありとみなされて、せいっさい!の対象からは外される(ただし、ゆっくりできないゆっくりと見られ、そのことに耐えられなくなった欠損ゆっくりが勝手に死んだり、どこかにいってしまうのがパターン)。
しかし、まりさがお飾りを欠損したのは群れの外で、しかも目撃者が誰もいなかった。
さらに悪い事に、お飾りを欠損し、わんわん喚いているところを同じ群れのありすに見つかってしまったのだ。
そしてまりさは、ゆっくりしていないゆっくりの烙印を押され、群れから『どれいゆっくり』とされた。
そして先の家族へとまりさはあてがわれ、今日までこき使われているのだ。

「ゆぅ……どうしてこんなことに……」
膝を抱えて座り込むまりさ。
自分はゆっくりしていたはずだった。
それなのにどうして……?
だが、最近は思う。
どれいゆっくりを持つ事を『ゆっくりしてない』と言いながらも、自分はそのどれいゆっくり達に対して何もしていなかった。
他のゆっくりがどれいを酷く扱うのを、ただ見ていただけだ。
他のゆっくりからいじめられるのを恐れ、他ゆんとしてそこで見ていただけだ。
それは『ゆっくりしていた』と言えるのだろうか?
「ゆぅ~わからないよ……まりさは……」
とそこに。
「ごはんさんだよっ!どれい!!」
ベチャ
「ゆぶっ!?」
まりさの顔に投げつけられたもの。
それは主人れいむやまりさ、そしてそのおちびたちのうんうんがつまった己の帽子だった。
「ゆぅぅぅ!!くさいいいいいい!!ゆっくりでき『このくそどれいいいいい!!きたないうんうんがれいむさまについただろうがあああああ!!』(ドカッ)ゆげぇ!!」
思わず自分のお帽子を払ったまりさに、主人れいむの蹴りが炸裂する。
帽子を払った拍子に、こびりついていたうんうんが跳ね、主人れいむについたのだ。
「よぐもっ!くそっ!どれいのっ!うんうんっ!をっ!れいむっ!ざまにっ!しねっ!しねっ!しねっ!」
「ゆひっ!ゆびぃぃぃ!やべっ!やべでっ!やべでぐだざいっ!!ゆるじでっ!ごべんなざいっ!!ごべんなざいっ!!ごべんなざいっ!ごべんなざいいいいいいいいいい!!」
自分のうんうんなのに何故かまりさのうんうんにされている。
だが奴隷はそんなことを言うのも許されない。
「ゆふぅ……ゆふぅ……ゆん!くそどれいがはんっせいするんだよっ!さっさとうんうんをかたずけてねっ!そしたらよるごはんさんをたくさんとってくるんだよっ!!ゆっくりしてたらまたひどいめにあわせるからねっ!」
「……ゆっぐ……り……りがい、じ、ばじだ……」
ボロボロになったまりさを放置して、主人れいむはお家の中に引っ込む。
まりさは地面をずーりずーりと這いずり、うんうんまみれで転がる自分のお帽子に近づく。
『ごはんさん』の時間だ。
そして、異臭を放つ主人たちのうんうんを手に取り……そのまま口に運んだ。
「むーちゃ……むーちゃ……ゆぶっ……ゆげぇっ……ゆぐん……むーちゃ……」
ゆっくりのうんうんはゆっくりからすれば異臭を放つゆっくり出来ないものだ。
人間から見ると、それは普通の餡子となんら変わらず、むしろ甘い餡子そのものである。
なので、気持ち悪かろうが、不味かろうが、ゆっくりできないであろうが、ゆっくりが甘味であるうんうんを体内に吸収する事は体力回復に繋がる。
主人れいむもそのことに気づいているのだろうか?
まりさを折檻するときは、永遠にゆっくりする寸前まで痛めつけ、最後に必ず己やおちび達のうんうんをその回りに撒き散らしておくのだ。
なお、狩ったモノを途中で食べると、たとえそれが誰も見ていないと思っていても何処からか主人に告げ口され『どれいのぶんざいでなにかってにごはんさんをたべてるの?ばかなの?しぬの?』と言われ、それこそ永遠にゆっくりさせられてしまいかねない。
なので奴隷が食べられるのは、主人たちのうんうんか気まぐれで与えられる草ぐらいだった。
やがて這いずるのがやっとだったはずのまりさは、立ち上がることが出来るまでに回復していた。
「おぼうし……まりさのおぼうし……ゆっくりしないできれいになってね」
まりさはうんうんを食べることをやめ、近くの川辺まで行き、必死にお帽子についたうんうんを落とす。
いくら体力回復にはなろうとも、ゆっくりにとってうんうんなどごはんさんに出来るわけがない。
なのでまりさは常に空腹だった。
だがそれよりも、お帽子が綺麗になることの方が大事である。
ご丁寧な事に、石か何かでこびりつかせてあるうんうんもある。
「ゆぅぅぅ……まだくさいよ……おはなさんをおいておくよ」
うんうんは落ちても臭いまではどうにもできない。
このままの状態で狩りでとったご飯さんを入れれば、再び主人れいむやまりさから死ぬ寸前まで折檻される。
なのでまりさは、いい匂いのするお花を帽子にいれその状態で狩りをしていた。
何回も何回も痛い目にあってきたまりさが考え出した対処法だった。
結局その日も、複数回狩に生かされ、まりさにはうんうんが夕ご飯となった。

夜。
夕ご飯の狩りを終え、赤ゆっくり達のうんうんの処理(無論お帽子に入れて渡される)をして、奴隷まりさの一日の仕事は終わる。
「ゆぅ……やっとゆっくりできるよ……」
無論、おうちの中には入れてもらえず、おうちの外で一人夜空を見上げる。
れみりゃなどの補食種がいない森での奴隷の扱いはこんなものである。
「ゆぅ……つかれたよ……ゆっくりねるよ……」
おうちの外の壁にもたれかかりうとうととし始める奴隷まりさ。
が。
ガサゴソ
「ゆ?」
主人のおうちの『けっかい』が揺れる。
そしてそこから出てきたのは……主人まりさだった。
「ゆぁぁぁ……ごしゅじん、さま……」
奴隷まりさはガタガタと震え始める。
夜に主人まりさが奴隷まりさの前に立つという『意味』。
奴隷まりさは既に理解していた。
「や、やめてね……もう、まりさ……すっきりーはいやだよ……」
「ゆっくりしてないどれいがさからうのかだぜ?」
「やめてくださいぃぃぃ……」
主人まりさは奴隷まりさを腕を押さえつけ、その体を舐め回し始める。
言葉でしか抵抗出来ない。
もし手を出せば群れによってせいっさい!される。
「おぼうしさんがゆっくりしていないゆっくりをひろってやったのはだれなのぜ?」
「……(だれもひろってほしいなんていってないよ)」
主人まりさの手が奴隷まりさのまむまむに伸びる。
ゆっくりは状況に応じてまむまむ、ぺにぺにどちらも出せるが、主人まりさが求めるのは無論、まむまむの方である。
「いつもゆっくりさせてやっているのはだれなのぜ?」
「……(まりさぜんぜんゆっくりできないよ)」
主人まりさがぺにぺにを奴隷まりさに挿入する。
「ゆふん!!こっちはっ!れいむよりもっ!いいんだぜっ!」
「……ゆっ……ゆっ……ゆっ……ゆっ……(ぜんぜんうれしくないよ)」
己の快楽のみを求める、暴力的な動き。
主人まりさは目をぎらつかせて腰を振り、奴隷まりさは死んだような目で空を見上げつつ体を震わす。
「すっ!すっきりー!!」
「す……っきり……」
主人まりさは恍惚の表情と共に奴隷まりさの中で果てた。
奴隷まりさは体だけの快楽と共に、僅かにすっきりーと呟く。
「ゆふぅ……よかったんだぜ……」
「……」
見ると奴隷まりさのおなかがぽっこりと膨らんでいる。
胎生にんっしんである。
ぺにまむでしかすっきりーをしない胴付きのにんっしんは、当然のごとく胎生になるのだ。
「ゆん。しっかりとしょりするのぜ」
「……」
奴隷まりさは動かない。
顔をそむけ、ささやかな抵抗の意思を見せる。
それをみた主人まりさは囁く。
「なんならまりさがやってやってもいいのぜ?」
「……!!」
奴隷まりさは首を激しく振り、小さく「ゆっくりりかいしました……」と言った。
「それでいいのぜ」
主人まりさはにやりと笑うと、お家の中に戻っていった。
やがて奴隷まりさはむくりと起き上がると、おうちの近くの茂みに落ちていた細い木の棒を手に取った。
「ゆ……ゆぐっ……」
ぽろぽろと涙を流しつつ、
「ゆえっ……ごめんねぇ……ゆっくりしてない、おかあさんで……ごめんねぇ……」
その棒を己のまむまむの中に突き入れた。
「ゆぎっ!!」
そしてまむまむの中を一気にかき回した。
「ぎいいいいいいいいい!!」
大声を出さないように唇をかむ。
『初めて』の時は、主人まりさのお口を押さえつけられた上に、激痛で気絶しているところをやられた。
(どれいからうまれてくるおちびがしあわせーになれるとおうのかだぜ?)
初めての後、散らばった赤ゆっくりの残骸を前にし、泣きじゃくる奴隷まりさに主人まりさは言った。
(どれいのおちびはどれいなのぜ!もしうまれたらむれのみんなですっきりーしてやるのぜ!!)
『二回目』からは自分でやった。
(どれいはずっとどれいなのぜ!!ゆっくりりかいするのぜ!!)
「ゆんんんんんんん!!」
ビチャッ!!
水が飛び散るような音と皮が破れるような音が響く。
地面には形も作られていない黒い紙切れ。
それが三つ。
「……」
奴隷まりさはそれを手に取り、近くの草むらの中に埋めた。
棒を投げ捨て、さっきまで寄りかかっていた壁に寄りかかる。
己を見つめる月と星達から、自分を隠すように帽子を深く被り、うずくまり目を閉じた。

次の日もまりさは狩りを行なっていた。
まりさはおなかの中に耐え難い痛みを感じていた。
木の棒でおなかの中をかき回したのだ。
痛くないはずないし、それがすぐに引くわけがない。
その証拠に、まりさのまむまむだった場所からは、わずかに餡子がにじみ出て零れている。
いつもならここまでひどくないのに、今日はあまりにもひどい。
だが、まりさは声一つ上げずいつものように狩りをする。
それは自分が奴隷だからか。
それとも、生まれる前に己が奪った命へのせめてもの贖罪なのか。
それはまりさのみが知るところである。
「ゆぐっ」
狩りの途中でまりさが膝をつく。
あまりの痛さに耐えられなくなったのだ。
「ゆぅぅぅ……だ、だいじょうぶだよっ……まりさは……まりさは……」
とそのときだった。
「むきゅ?どうかしたのかしら?まりさ」
その声を聴いた瞬間、まりさの心の中に少しだけ光が灯る。
振り返るとそこにはこの群れの長であるぱちゅりーがいた。
「ゆぅ!おさ。ゆっくりしていってね」
「むきゅ。それよりまりさ。ちょうしがわるいのかしら?」
ぱちゅりーは心配そうにまりさに尋ねる。
まりさは長であるぱちゅりーが好きだった。
自分たちどれいゆっくりにも気軽に声をかけてくれ、何か困った事がないかとか、手伝える事がないかとか聞いてくれる。
今でも自分を心配して声をかけてくれたのだ。
「ゆ。なんでもないよっ。まりさはげんきだよっ」
「むきゅう。うそはだめよまりさ。……ふかくはきかないけど、このやくそうさんをつかいなさい。うごけなくなったらこまるのはまりさでしょう?がんばりなさい」
「ゆっ!おさ!ありがとう!!ゆっくりしていってね!」
長ぱちゅりーはまりさに薬草を渡すと去っていった。
「ゆ!おさはやっぱりゆっくりできるよ。まりさのごしゅじんさまがおさだったらよかったよ……」
もらった薬草をむーしゃむーしゃして、まりさは再び狩りへと戻った。

陽は既に傾き夕方となっていた。
まりさは何度目かになる狩りを行っていた。
ぱちゅりーにもらった薬草のおかげか、身体の痛みも大分引いてきていた。
「ゆ!!おいどれい!!れいむさまはきいろいみさんがたべたいよっ!!ゆっくりしないでとってこい!!」
「とってこないとせいっさい!なんだぜっ!!」
滅多に取れない黄色い実。
以前まりさが見つけてきて、それ以来たびたび要求される食べ物。
正体は野いちご。
まりさは偶然、野いちごが自生している穴場を見つけ、そこから野いちごを得ていた。
「ゆ。きいろいみさん。ゆっくりしないででてきてね……」
しかし、今日は何故か野いちごが全然見つからなかった。
他のゆっくりにとられてしまったのだろうか?
このままでは再びせいっさい!されてしまう……まりさが焦りを感じ始めたときだった。
「や、やべでねええええええええええええ!!ぢぇんはもうずっぎりじだぐないよおおおおおおおおおおおお!!」
ゆっくりの悲鳴が響く。
恐怖と絶望に彩られた絶叫だ。
まりさはびくりと身体を強張らせる。
「ゆにゃあああああああああああ!!」
「んほおおおおおおおお!!いいわああああああ!!いままででいちばんのどれいよおおおおおおおおおおおお!!」
近くの茂みの向こう側。
物音をたてない様にゆっくりと覗く。
そこでは凶宴が開かれていた。
まりさと同じく、群れの奴隷であるちぇんが、群れの一員であるありすにすっきりーを強要されていたのだ。
ありすはれいぱー状態であり、ちぇんを強引に組み伏せ、背後から、まむまむを犯していた。
「いにゃ!いにゃ!!やべでっ!!!ぢぇん!!じぬっ!!じんじゃううう!!」
ちぇんの腹はすでに膨らんでおり、胎生にんっしん!している事が伺われる。
それ以上すっきりーした場合、百発百中であるゆっくりのすっきりーのあと、赤ゆっくりはどこににんっしん!するのか。
それはちぇんの額から延びた幾つもの蔦が物語っている。
送り込まれすぎた精は子を宿す宮を離れ、外部にそれを晒す。
何の抵抗も出来ない小さい命を外部に晒すという危険を冒すのだ。
まるで余分なものを吐き捨てるかのように。
そしてその命は……その恨みとばかりに親の命を容赦なく吸って親自身を殺そうとする。
「うほおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「ゆぎぃ……ぢぇん、のあんご、ざん……ずわないで……ゆっぐ……もっど、ゆっぐ……」
無数に生えてきた蔦から、餡子を吸われ続けたちぇんは、黒ずみ永遠にゆっくりした。
蔦に生えるはずだった赤ゆっくりも母体を失ったことにより黒ずんでいく。
胎生にんっしん!していた赤ゆっくりも、保護を失ったことによりその内部で死んでいった。
「まだまだあたたかいわよおおおおおおおおおお!!しかんぷれいもいけるわあああああああああああ!!」
狂ったれいぱーはちぇんの死体を犯し続ける。
まりさは悲鳴を上げないように口を押さえつつゆっくりと後ずさり始めた。
パキッ
「……ゅっ!!」
「ゆほっ?だれかいるのかしら?」
まりさの背中を冷や汗が落ちる。
「むきゅ。わたしよ。ありす」
が、声は予想外のところから上がった。
「んほっ!?ゆ!おさじゃない。ゆっくりしていってね」
「むきゅん。ゆっくりしていってね」
まりさのいる場所とは反対側、そこに立っていたのは長のぱちゅりーだった。
ありすの凶行を目にしているはずだが、その顔色はいささかの変化もない。
「むきゅ。またどれいをころしたのね。なんびきめかしら?」
「ゆ?なにいってるのおさ?ありすはとかいはなあいをこのこにおしえてあげただけよ。あいのためにしぬなんてとってもとかいはだわ!」
「むきゅきゅ。はいはい」
まりさは下手に動けなかった。
その場で息を殺しつつ、二人の会話を聞く。
「ゆ!それよりもおさ!このどれいはどこのどれいだったかしら?」
「むきゅ。それはみょんのところのどれいよ。あとでみょんにはあたらしいどれいをあげないといけないわね。ありす、それまではありすのどれいれいむに、みょんのぶんもかりをさせなさい」
「ゆぅ……しょうがないわ。わかったわ!」
なんでもない会話。
「ゅ……」
「?」
小さな声が聞えた。
ありすとぱちゅりーは足元を見た。
それはちぇんの赤ゆっくりだった。
奇跡的に命を取り止め、蔦から生れ落ちたのだ。
「ゆ~ゆゆっ?」
なお、成体はみんな胴付であるが、赤ゆっくりの時は胴体がない。
子ゆっくり程まで成長すると胴が生えてくるのだ。
地面の上に転がる赤ちゃんは、キラキラ光る瞳でぱちゅりーを見る。
物陰から見守るまりさは、なんて可愛い赤ちゃんなんだろうと思った。
「ゆ~?おきゃーしゃんなんだねぇ~。ゆっきゅ『ブチュ』」
長ぱちゅりーは足で赤ちゃんを踏み潰した。
「むぎゅううう。きぶんがわるいわ!くそどれいのごみくずのぶんざいでっ!!」
ぱちゅりーはまりさが今まで見たことも無い、怒りの形相で何度も何度も赤ちぇんだったものを踏みつけた。
赤ちぇんだったものは地面と一体化し、もはやゆっくりがいた痕跡すらわからない。
「むきゅ!むきゅぅぅぅ!!」
「あ、ありす!おちついてねっ!とかいはじゃないわよっ!」
あまりの勢いに、ありすが慌てて止めに入る。
「むきゅぅぅぅ~。ゆん!こんどあの『どれいしょうにんまりさ』にどれいをもってこさせるときはちぇんいがいのにしましょう!」
「そ、そうね!そうだわ!とかいはなまりさがいいわ!あのれいむのどれいまりさのような!!」
「ゆ?」
まりさは小さく呟いた。
ぱちゅりーの言葉に引っかかりを感じたからだ。
「むきゅ?あのまりさ?」
「そうよ!あのまりさよ!あのれいむいっかの1、2、たくさんめのどれいよ!ぱちゅりーもおきにいりでしょ?」
「む……むきゃきゃきゃきゃ!なにってるの?おきにいり?あのどれいを?ありす!あなたじょうだんがうまいわね!!」
ぱちゅりーは声を上げて笑った。
「ゆ?でもぱちゅりーはあのまりさによくはなしかけているじゃない?ちがうの?」
「むきゅきゅ。ありす、かんがえてみなさい。あのまりさをなんのためにどれいにしたの?なんのためにどれいしょうにんまりさにたのんでゆっくりしてないゆっくりに『した』の?あのでいぶいっかがどれいをすぐころしてしまうからでしょう?」
「ゆぅ?そうよ。それでありすが『もくげきゆ』になってどれいにしたのよね?」
「むきゅ。そのとおりよ。あのでいぶのげすっぷりにもたえられるゆっくりがひつようだったのよ。あのどれいまりさはきたいしたいじょうのどれいだったわ。そんなべんりな『どうぐ』をたいせつにつかうのはあたりまえでしょう?」
まりさが聞いているのも知らずに、ぱちゅりーは次々と真実を語る。
「むきゅ。でも、もうだめだわね。あのまりさはびょうきだわ。でいぶのおっとのまりさにあれだけすっきりーとこごろしをさせられて、あんこさんがもうぼろぼろだわ」
「ゆゆっ?そのためのおくすりをあげたんじゃないの?」
ぱちゅりーがあげた草。それは……
「むきゅ。ただのくさよ。おくすりとおもいこんでいれば、つぎのどれいをつれてくるまではがんばれるとおもったのよ」
まりさはぱちゅりーの言葉を、ただ呆然と聞いていた。
ありすもわずかだが薄ら寒いものを感じていた。
「ゆぅ……ぱちゅりー。あなたって……こわいくらいにとかいはね……」
「むきゅ。ほめことばとしてうけとっておくわ。さ、かえるわよ。ごみはこのままでいいわ。どれいしょうにんのまりさをよばないと」
「ゆっ!こんどはまりさよっ!まりさがいいわ!!」
ぱちゅりーとありすは並んでその場から去っていった。

その場には黒ずんだちぇんの死骸と、つぶれた赤ちぇん。
そして、まりさだけが残った。
草陰からゆっくりと出てくるまりさ。
黒ずんだちぇんと潰された赤ちぇんを見下ろす。
どれいにされるゆっくりできないゆっくり。
それは運がなかったり、自分の不注意が招いたこと。
本当にゆっくりしていればこんなことになることはなかったと思っていた。
でもそれは間違っていた。
ゆっくりできないゆっくりは……同じゆっくりによって作り出されていた。
そしてどれいとして……このちぇんのような末路を行く。
まりさは自分のお腹が急激に痛み出すのを感じていた。
それはぱちゅりーにお薬を貰ったという思い込みが切れてきたせいなのだろうか?
あまりに痛くてそのまま地面に倒れ付す。
思い返せば……長であるぱちゅりーは、自分に優しい言葉は投げかけてくれてはいたが、一度たりとも『ゆっくりしていってね』と言ってくれなかった。
ゆっくりにとって大切な言葉。
どれいになってから誰にもかけてもらっていない言葉。
やはりぱちゅりーにとってもどれいとはその程度の存在なのだ。
ゆっくりする価値の無い、ゆっくりできないゆっくり。
でも、ならば、ゆっくりできないゆっくりを作り出すゆっくり達は、本当にゆっくりできるのだろうか?
「ゅ……もう、まりさはつかれたよ……」
どんなゆっくりがゆっくりしているのか?
ゆっくり出来るゆっくりとはなんなのか?
どれいは本当にゆっくりしてはいけないのか?
「ゆぅ……でも、まりさは……ゆっくりできないのはしょうがないね……」
ぱちゅりーも言っていたが、まりさは自分の子供をたくさん殺していた。
それは子供の未来に待つ過酷な運命を嘆いての事だったが……今思うと、もっと別の選択肢があったはずだと思う。
「ゆ……あかちゃん……ゆるしてくれるかなぁ……」
いや、自分が赤ちゃんたちのいる場所にいけるはずがない。
「……ゆぅ……」
まりさが意識を手放そうとしたときだった。
ザッ
何かの音。
「?」
黒いものに覆われる感じ。
少しだけ顔を上げてみる。
目の前には……よくわからない茶色のもの。
もう少し視線を上げる。
見たことも無い、木のように長い棒が続き、それは途中で太くなって、やがて小さな顔にたどり着く。
「ゆ……?」
それはゆっくりと同じような手を持っていて、かがみこみ、まりさの顎を掴むとじろじろと見始めた。
「ゆゆぅ?」
ゆっくりと同じようで少し違う。
まりさは朦朧とした意識の中で、それが同じゆっくりなのだと思った。
「ゆ……ゆっくりできない……まりさを、ころすの?」
「……」
相手のゆっくりは答えない。
「……きいてね。まりさはね、ゆっくりできないわるいゆっくりだよ。だから……まりさころしてね。もう……まりさつかれちゃったよ……。まりさ……は……」
そこでまりさの意識は途絶えた。
そのゆっくりはまりさの様子を観察していたが、懐から水筒を取り出すとその中身をまりさにかけた。
「ゆ……」
まりさは意識を取り戻さなかったが、心なしか顔色が良くなった感じだ。
そしてまりさ身体を抱えあげて、そのまま森を去っていった。

それから数週間後―――

「しゃっしゃとしりょ!くしょどりぇい!」
「おちょーしゃんにいいちゅけるんだじぇ!くしょどれいはしゃっしゃとあまあましゃんをとるんだじぇ!!」
子れいむと子まりさ、二匹の子ゆっくりに罵声をあびせられるゆっくりが一匹。
「ゆうう……ゆっくりりかいしたみょん……」
黒いリボンが破れたみょんが、木の上にある実を取ろうと悪戦苦闘していた。
この子ゆっくり達は、先のどれいまりさをこき使っていたでいぶ一家の子ゆっくりである。
まだ胴体は生えてきておらず、まん丸の顔のみで跳ねたりして移動している。
そしてみょんは、まりさがいなくなり、次に『選ばれた』どれいである。
これもまた、ぱちゅりーがどれいしょうにんまりさに選ばせたゆっくりだった。
みょんは一人で森の中に住んでいたが、今ではどれいとしてでいぶ一家に仕えている。
「いちゅまできゃきゃっちぇるんだじぇ!!ゆっきゅりしているどれいはこうだじぇ!!」
「みょんんんん!?」
子まりさが木の枝でみょんの足を突き刺した。
鋭く尖っていた枝はみょんの足に小さな穴を開けた。
「どれいのぶんじゃいでうるしゃいよっ!!またぷーすぷーすされちゃくにゃかっちゃらしゃっしゃとあまあまさんをとりゅんだじぇ!!」
「みょん……」
みょんは長い木の枝を使い、手を懸命に伸ばし、やっと木の実を手に入れた。
「うめっ!これめっちゃうめぇえええ!!」
「ちあわちぇぇぇぇ!!」
子ゆっくり達が木の実を喰らう。
無論みょんの分はない。
みょんは極力子ゆっくりのほうを見ないようにしている。
別におこぼれがもらえるなどと期待していないのに、そちらの方を見ると「どりぇいのくしぇになまいきにゃんだじぇ!」と言われ、親に言いつけられボコボコにされるのだ。
「おいくしょどりぇい!にゃにそっぽむいてるぉ!?れいみゅたちをみちぇないといけにゃいんでしょおおお!?」
「くしょどれいはおしごちょほうきだじぇ!!おちょうしゃんたちのほうこくだじぇ!!」
そうでなくても結局こうなるのだが。
「みょんんんん……」
みょんはうなだれる。
自分はお飾りを壊したゆっくり出来ないゆっくり。
その思いがみょんを縛っていた。
このみょんのおリボンは親が死に間際に残した親の遺品だった。
とっても大切にしていたのに、大切にしていたのに……突然木の枝が出てきて、リボンを破いたのだ。
そこを知らないありすに目撃された。
ゆっくりできないみょんという噂はあっという間に知れ渡り、気づけばこの一家のどれいだった。
「くじゅどりぇい!!れいみゅはおうちおかえるよっ!おちぇちぇのう『ブチュリ』」
「ゆん!!しょうだじぇ!!しゃっしゃとまりしゃしゃまちょいもうち『グチャ』」
「……ゆ?」
変な音共に子ゆっくりの声が途切れる。
みょんは視線を上げた。
そこには―――たくさん(正確には20人)のゆっくり……いや、人間がいた。
「ゆゆっ?」
その足元には黒い塊。
赤いリボンと黒い帽子が、つぶれて汚れている。
「ゆ―――ゆっく……みょみょ……?みょん?」
初めて見る自分と似た存在、だが、はるかに大きく、とてつもなくゆっくりできなそうな雰囲気を漂わすその存在に、みょんの体は知らず知らずのうちに震えていた。
「コイツ、奴隷ゆっくりか?」
「多分な。よし。群れはすぐそこだ。コイツもつないどけ」
「ああ」
男は呆然とするみょんの首にロープを引っ掛けた。
「みょん!?」
男がロープを引っ張るとみょんの首が絞まる。
別にゆっくりは呼吸をしているので苦しくないが、ロープで無理矢理引っ張られるのは痛い。
「みょんんん!?は、はなしてみょん!!にんげんさんっ……やめてみょんんんん!!」
突然の事でみょんは整理が付かなかった。
みょんはそのままロープで引きずられ、群れある森のほうへと連れて行かれた。

人間たちは群れへと侵入した。
「ゆ……?なんなんだぜ?みたことないゆっくりがいるのぜ?」
群れへと入ってきた人間たちをゆっくりたちが怪訝な目で見つめる。
「あれはれいむのところのどれいのみょんよ?あのゆっくりになにかしたのかしら?」
「わからないよ~?あれはなんていうゆっくりなのかな~?」
人間を見たことないゆっくりたちは、自分たちと同じ姿をした人間たちをゆっくりと判断した。
「おさをよんできてねっ!あのゆっくりとこうっしょう!するよ!」
「おさー!おさー!」
「むきゅう?あれはいったいだれなのかしら?」
長ぱちゅりーが顔を出す。
「むきゅ。わたしがこのむれのおさよ。あなたたちはどこのゆっくりなのかしら?」
「大体……200というところか?」
「ああ。大量だ」
「むきゅ!わたしのはなしをきいているの!むしはゆっくりできないわよっ!!」
人間たちはぱちゅりーのことは無視して、周りにいるゆっくりの数を数えている。
「じゃあ、いつもどおり胴付きは捕獲で、小さいのはつぶしていいな」
「ああ、あと……」
ぱちゅりーの前に立っている男が、腰に下げていた木の棒を取り出す。
「むきゅ!むきゅ!!はなしをききなさーい!!!ぱちゅはもりのけんじゃなのよ!!いいか『紫饅頭もいらん。一部を残して殺せ』むぎゅっぶっ!!」
男はぱちゅりーの脳天に棒を振り下ろした。
ぱちゅりーの頭が凹型に大きくゆがむ。
そして内部のクリームが圧力に耐えられなくなって、目玉や頬を突き破って外にはじけ飛ぶ。
長ぱちゅりーの顔は中身を失ったことにより、デスマスクのようにペラペラになり、しおれた花のようになった。
そして残された胴体は、本体を失ったことによりその場に硬直し棒立ちになる。
「「「「「ゆっ?」」」」」
周りにいたゆっくりたちはその様子を呆然と見ていた。
そして、長ぱちゅりーの胴体が地面にドウッと倒れこんだ瞬間、
「うわあああああああああああああああああ!!おあぢゅりいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
「ゆげええええええええええええ!!ゆげえええええええええええええええええええ!!」
「おざがじんじゃっだあああああああああああああああああ!!」
「どぼじでごんにゃごどおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「もうやだ!!おうぢがえる!!」
大絶叫が森に響く。
「相変わらずうっせーな」
「耳栓あるだろ」
「よし、じゃあ仕事仕事」
人間たちはロープを巧みに操り、恐慌状態になった成体ゆっくり達を次々に捕獲して行った。
「ゆげえええ!!はなじでええええ!!れいむじにだぐないいいいいいいいい!!」
「ころすならどれいにするんだぜええええ!!まりさはたすけてねっ!!」
「おきゃあしゃたしゅ『ブチュリ』」
「ありすのとかいはなおちびちゃんがあああああああああ!?」
成体ゆっくりは捕まるが、胴がまだ生えていない子ゆっくりは容赦なく潰された。
「おきゃあしゃ『ブチャ』」
「やじゃやじゃああああれいみゅしn『グシャ』」
「ゆみょおお!!やめるみょ!ゆ?ゆげえええええええええ!!」
「わがらないよおおおおおおお!!」
「むぎゅううううううううう!!『バン』」
ささやかな抵抗を試みるゆっくりもいたが、人間の持つ長い木の棒であっさりはじかれ、そのまま捕まっていった。
「ここならあんしんだよっ!れいむのけっかい!!さんがあるからね!」
「ゆゆ~ん。おかあさんのけっかいはゆっくりできるよっ!」
「あのゆっくりもはいってこれないのぜ!」
バキャ
「「「どぼじではいってくるのおおおおおおお!?」」」
けっかい!をはっておうちに立てこもろうと試みるゆっくりもいた。
「おちびちゃんたち!!ゆっくりしないでおかあさんのおくちのなかにはいってねっ!!」
「ゆっくち!ゆっくち!」
「ゆゆ~。おきゃあしゃんのおくちのにゃかにゃらあんじぇんだね!」
「ゆっくりできにゃいゆっくりもあきらみぇるね!!」
ヒョイ
「ゆう~!!どぼじでありずのぢがぐにいるのおおおお!!」
「ゆえ~ん!おきゃあしゃんゆっくちしちぇえええ!」
「きょわいよおおお!!」
「ゆっきゅりできにゃいいいい!!」
お口の中に子供を避難させるも、結局人間につかまるゆっくり。
ちなみにあのでいぶ一家は……
「まりざあああああああああ!!さっさとまりさがつかまってねっ!れいむはおうちのなかでゆっくりするよっ!!」
「なにいってるんだぜ!!まりさのほうがゆっくりするんだぜっ!れいむがおとりになるんだぜええええ!!」
おうちの前でどちらがお家の中に入り、どちらが囮になるかを争っていた。
「ゆぎいいいいいいい!!れいむをゆっくりさせないげすまりさはしねええええ!!!」
「ゆがあああああああ!!まりさをゆっくりさせないげすれいむはくたばれええ!!!」
ヒョイヒョイ
「「ゆゆっ!?……どぼじでづがまっでるのおおおおおお!?」」
二匹そろって捕獲されていた。

最終的にはほぼ全部の成体ゆっくりが人間に捕まった。
「さて……こんなもんだろ」
群れがあった中央の広場。
そこにゆっくり達は集められていた。
既に回りは人間に囲まれており、逃げられないようになっている。
成体ゆっくりの数は見立て通り全部で200ほど。
お口の中のおちび達をいれるともっといるだろう。
ゆっくり達は一様に怯えた目を人間に向けている。
そして人間の中でもリーダーと思われる男が話し始めた。
「いいかゆっくり共。貴様らでもわかるように簡単に言おう」
「ゆ?」
「俺たちは人間だ。ゆっくりじゃない」
「ゆゆっ?にんげん、さん?
「そうだ。そして、今日から貴様らは……人間様の奴隷だ」
「ゆゆっ?」
「これから貴様らは人間様のために働くだけの存在だ。それ以外のことは何もない。ゆっくり理解しろ」
「……」
沈黙。
たっぷりと10秒ほどたった後。
「ふ、ふざけるなだぜええええええ!!どれいはどれいゆっくりのやくめなんだぜええええええ!!」
「どぼじでかわいいれいむがどれいになるのおおおおおお!!」
「どれいなんてとかいはじゃないわああああああ!!」
「どれいなんてまっぴらごめんなんだよおおおお!!わかれよおおおおお!!」
「むぎゅううう!!」
「ゆうううう!!ゆっくりしてないにもほどがあるみょんんん!!」
ギャーギャーと騒ぎ始めるゆっくり達。
『奴隷』という言葉がよほど気に食わなかったようだ。
「不服か?」
「あたりまえなんだぜえええええええ!!どれいならそこのくそどれいどもにするんだぜええええ!!」
広場のゆっくりとは別の場所に、この群れで奴隷として使われていたゆっくりが集められていた。
その人数はここにいるゆっくりよりも少ない、50程のどれいゆっくりがいた。
奴隷という言葉が出されてもギャーギャー騒ぐようなことはせず、人間の言葉を俯いて聞いているだけだった。
「そうだよっ!!どれいにするならそこのくずどもにしてねっ!!」
「ゆっくりできないゆっくりはどれいになるのっ!!ゆっくりしたありすたちはとかいはなのよっ!!」
「むきゅ!!そのとおりだわ!!
「「「「ゆうううう!!」」」」
声を上げるゆっくり達。
「ゆっ!!みんな!まりさたちのほうがにんげんさんよりずっとたくさんいるのぜ!!きっとかんたんにたおせるのぜっ!!いまこそたたかうときなのぜっ!!」
リーダー気質があるまりさが声を上げる。
それに呼応するかのようにゆっくり達は声をさらに大きくする。
「ゆううう!!たたかうよおおおおお!!」
「かずのぶがあるのはこっちみょんんん!!」
「むきゅ!さくせんならもりのけんじゃであるぱちぇにまかせなさい!!」
「「「ゆっ!ゆっ!おおおおおおお!!」」」
当の人間を前に堂々と宣戦布告をしている。
それに対し、リーダーの答えは。

「なら死ね」

キラリと光るものが縦に一閃された。
「ゆうう!!まりささまのひっさつぷくーを『ドサリ』……ゆ?」
何かが落ちる音。
まりさはそれに気づいて動きを止める。
足元を見る。
それは……まりさの右腕だった。
切り落としたのは男の振るった剣。
細身の長剣である。
「ゆゆっ?まりさのたくましいうでさん?どうしてじめんにいるの?ゆっくりしないでまりさにもどって『ザシュッ』……ゆ?」
続いて左腕。
「ゆ、ゆ……ゆあああああああああああああああああああああ!!」
絶叫。
ついに痛みがまりさを襲い始めたのだ。
まりさは地面に膝を突き、落ちた腕に向かって舌を伸ばす。
「ぺーろ!ぺーろ!!まりさのかっこいいうでさん!!ゆっくりしないではやくもどってねっ!!いだいがらはやくなおっ『ザンッ』ゆぎいいいいいいい!!」
胴体を少し削り取るような形で、男の剣がまりさの右足を切断する。
「まりざのかもいかのようなあんよざ『ザンッ』ゆぎいいいいいい!!いだいいいいいいいいい!!!」
続いて男はまりさの左足を切り落とした。
「ゆああああああああああああ!!!」
まりさは手足を失った人形のようにその場に転がった。
「いだいいいいいいいいい!!どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおお!?」
ズンッ
「ゆぎゃああああああああああああああ!!」
残った胴体に剣が突きたてられる。
「や、やべっ!!ゆぎいいい!!もうやべっ!!ゆがあああああ!!」
男は何度も剣を突いた。
まりさの胴体は穴あきのチーズのようになり、中の餡子が漏れ出していた。
「や、もう、やべでえええ……いうごどぎぎまずうううう……どれいになりばずうううう……」
まりさは屈服し自ら奴隷になると言う。
「貴様のような手足を失った奴隷はいらん。死ね」
「あ、あ、あ、あ……」
男は剣を振り、まりさの顔と胴体を切り離した。
「ゆぎゃあああああああああああああああ!!まりさのどうたいさんがあああああああああ!!」
それでも生きているまりさ。
ゆっくりは頭を破壊されない限り死なない。
たとえ胴体と頭が泣き別れになっても死なない。
だが胴体が生えたあと、頭はその移動能力を失うようで、そこに居るだけの饅頭と成り果てるのだ。
「いぎいいいいいいい!!ゆぎいいいいいいい!!」
さらには切断された痛みはあるようで、自分ではどうにもならない苦痛を延々と感じ続けるのだ。
男はまりさを見下ろすと、さらに剣を突きたてるためまりさの頭の上に持ってくる。
「や、やべで……もう、やべで……」
グサッ
「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
何度も何度も刺突が繰り返された。
ただ殺すならば、木の棒で一思いに潰せば一瞬で終わるはずである。
だがこれこそが男の狙い。
一匹をむごたらしく殺せば他のゆっくりに与える影響は絶大である。
ついさっきまで声を上げていたゆっくり達は押し黙り、中には吐餡したり、口の中にいたおちびを吐き出してしまったり、代わりに口の中にいたおちびを噛み砕いたり、気絶しているものもいる。
「ゆ”っ……ゆ”っ……ゆ”っ……」
まりさは頭中を穴あきにしている。
すでに死へのカウントダウンは始まっているようだが、まだ生きてはいる。
男はまりさを放置し、他のゆっくり達に目を向ける。
「さてお前ら。何か言う事はあるか?」
「「「「「ゆひいいいいいいい!!」」」」」
「何もないか?じゃあ死ね」
男は近くにてれいむに向かって剣を振り下ろした。
「ゆぎいやあああああああああああああ!!」
あとは同じような解体ショーの再現だった。

「なりばずうううううう!!ゆっぐりはにんげんざまのどれいになりばずううううううううう!!」
群れのゆっくり達が声を上げ始めたのは5匹目のゆっくりが解体され始めてからだった。
「ほう」
だが男は冷めた目でゆっくりを見下ろすだけ。
「ならば……口の中にちっこいのを入れてるやつ。隠しているやつはそいつらを殺せ」
「な、なにいっで……『嫌か。じゃあ死ね』ゆぎゃああああああああああああああ!!」
もはや容赦なしである。
これはゆっくり達に、『逆らう余地は一切ない』ことを見せつけるための『儀式』である。
従わないものは殺す。
「紫饅頭のように役に立たない奴はいらん。死ね」
「ぱぢゅばもりのげんじゃなのよおおおお!!!ばぢゅがじねばにんげんざんがぞぶぎゅえええええええええええ!!」
役に立たないゆっくりは殺す。
「ゆぎぎ……ぜっだいゆるざないんだぜ……いづがふぐしゅ……。ゆゆ!?まりざはなにもいっでないよ!いっだのはれい、ゆびいいいいいいいいいいい!!」
逆らう者は殺す。
「ど、どぼじでぇぇぇ……どぼじでぇしなないんだぜぇ……まりざざまだいあだりが……かんぜんにはいったのにぃぃぃ……」
「もういいな。死ね」
「ぶぎっ!ゆぎい!!や、やべでええええ!!ころずならひどおもいに……いっじゅんでぇ……ゆぎゃああああああああ!!」
力の差を見せつけるために素手で殴り殺し。
「こわいよぉ……どれいなんていやなんだね……」
「だいじょうぶだよちぇん!おとなしくしてればいつかきっとゆっく『ブチャ』
「ゆ?……ゆあ、ゆあああああああ!!!れいむうううううううう!!!わがらないよおおおおおおおお!!どぼじでごんなごどずるのおおおおおおお!!??」
「あ?気まぐれ。」
人間の気まぐれでいつでも殺せる。
―――といったようなことを餡子の髄に染み渡らせるのだ。
結局その『儀式』で20ほどのゆっくりがむごたらしく殺された。
群れにいた主人ゆっくり達はその後、人間たちに引きずられ、とある鉱山にて強制労働させられることとなった。
一方、どれいゆっくり達には別の行き先が待っていた……。
最終更新:2010年10月09日 20:53
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