~変な日常~
・おふざけ
・こういうのもHENTAIものなんでしょうか?
・ぬちゃぬちゃあき、久々の投稿ですわ~
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うちにはゆっくりが二匹ほど居た。
一匹は親父が友人から余ったからやる、と言われて貰ったゆっくりけーねだ。
けーねらしく本を読んだり、なにやら書き物をしたりとあの森の賢者(笑)とは大違いな殊勝さを見せ親戚間の中でも大人気ないい子だ。
そしてもう一匹いるのだが、こいつはちょっと問題ありなのだ。
それの名前はゆっくりかぐや。ちなみに胴付き
何でも曾祖父さんがどっかから買ってきたか拾って来たかで家に居るのだが、動かない、食事もしない、と完全に置物状態で全く以て面白くない。
何でも昔、つまり曾祖父さんが生きていた頃はよく動いていたらしく、とても気に入られていたそうだ。
こうして置物状態になったのは曾祖父さんが死んでかららしい。
しかもこのかぐや、厄介なことにある秘密を抱えて生きている。
曾祖父さんが残した遺産、おそらく小国程度なら軽く意のままに出来るぐらいの莫大なものがあるのだが、それを預けている某銀行の暗証番号その他諸々をかぐやにしか教えていないそうなのだ。
曾祖父さんが死んだときは、それはそれは大変な騒ぎになったそうだ。
何せ遺言にはたったこれだけしかかかれていなかったらしい。
『かぐやを楽しませた奴に儂の金をすべてやる!無論かぐやを死なせたらゲームオーバーだぞ?』
アグレッシブな爺さんである。
まぁ、親戚中で色々試してみてはみたのだが、かぐやは全く反応せずに年月が過ぎ、今となっては七十年前のことになる。
もう諦められ、処分でもするか?って話になった時に俺が引き取った。
一応俺にも財産の相続権はあるし、何かの拍子で起きることがあれば万々歳だしな。
ゆっくりは元々飼ってたし嫌いではない。
けーねはかぐやに何度かちょっかいを出してるみたいだが全くの無反応だった。
七十年の年期は伊達じゃ無かったね。
まぁ、とにかく、この話は俺がどのようにしてこのかぐやを楽しませてやって財産を手に入れるかって話な訳だ。
正直チョロかった。
偶然に偶然が重なっただけのような気もするけどな。
さて、前口上はこれ位にして。
それでは始まり始まり。
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「おい、おきたらどうなんだ!もうあさだぞ!ごはんもたべないのか!?」
今日も朝からけーねがかぐやを起こそうと体当たりをしている。
「あー。けーねー。そこらへんにしておけよー。正直お前もかぐやも怪我されると面倒だしなー。」
「む・・・すまないごしゅじん」
いつもと変わらない光景。
朝けーねがかぐやに体当たりして俺がそれを適当なところでやめさせる。
完全に習慣化してきているな。
「だがな、ごしゅじん。あいつはいささかたいだすぎるとわたしはおもうのだ。」
「そうだなー。怠惰だなー。羨ましいなー。」
怠惰でいることは人生において最も幸せなことだと俺は考える。
別にこのかぐやのように一日中寝て、食事もしないような生活を望んでいる訳では無いぞ。
会社に行かなくてはならない、学校に行かなくてはならない、そう考えれば考えるほど布団から出たくなくなるものだろう?
まぁ・・・・・そう言うことだ。察してくれ。
「ごしゅじんまでがたいだなせいかつをおくることはゆるさないぞ!!」
そう言って俺をしたから睨んでくるけーね。
うーん。こうも威厳がないと睨まれてもかわいいとしか思えないんだよなー。
「へいへい。大丈夫ですよー。けーねせんせー。」
「へんじは『はい』だ!!!」
「はいはい」
「『はい』はいっかい!!!」
そう言えば二日前も同じやりとりしたな。
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とまぁ、こんな感じの毎日を送っていた訳だ。
本当だったらこんな感じで今も過ごしていたんだろうけどこの後俺らは衝撃的な出会いをするわけだよ。
全てのきっかけは一枚の広告だったんだ。
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休日というのは何故こうも簡単に過ぎていくものなのだろうか。
「あぁ、俺の土曜日が・・・・・・・饅頭のために潰されるとは・・・・・・・」
「ゆっがぁああああああ!!!やめるんだぜ!!!!まりささまはちょうイケッメンなんだぜええええええええ!!!」
「ゆぅううう。まりさをはなしてね!!せっかくのまりさのイケッメンふぇいすがきずものになっちゃうよ!!!!」
「む、むきゅ!そんなこと・・・・ありえないわ!!!」
現在の状況を簡潔に説明しよう。
1・・・けーねと河川敷を散歩中
2・・・まんじゅうがあらわれた!!
3・・・まんじゅうのたいあたり!!
4・・・しかし、かわされてしまった!!
5・・・まんじゅうはなかまをよんだ!!
6・・・クリームまんじゅうとまんじゅう2があらわれた!!
中略
17・・・まんじゅうではあいてにならなかった!!
「・・・・・簡潔じゃないな。すまん。」
「ごしゅじん。だれにあやまっているんだ?」
「いや、気にしないでくれ。」
さて、それじゃあ何でこいつ等が勝負を仕掛けてきたのか問いただしてみようか。
最近になってゆっくりは人間と関わろうとしないものなんだけどな。
「なぁ。なんでこんなことしたんだ?」
最初に俺の足の下で蠢いている黒饅頭が答えてくれた。
「かんったんなんだぜ!ぱちゅりーがまりささまにならくそにんげんにもかてるっておしえてくれたんだぜ!!!」
はぁ・・・・また賢者(笑)かよ・・・・
「今俺の足の下にお前は踏まれてるけど?」
「・・・・・・ひきょうなんだz」
有意義な会話が見込めないので靴の底で自慢のイケメンフェイスを少し削ってやった。
「ゆぎゃあああああああああああああああ!!!!!!まりささまのかおがああああああああああああああ!!!!!」
「ゆううううううううううううう!!!!????まりさの、まりさのたったひとつのりてんのおかおがあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
黒饅頭の悲鳴と同時に赤饅頭の悲鳴まで聞こえてきたよ・・・・
「ぷんぷん!!かおにきずのついたまりさなんてクズのめーりん以下だよ!!!もうしらないよ!!!!!」
「れいむうううううううううううううううううううううう!!!!!どうじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
あーうるさいよ。
「なぁけーね?」
「ん?」
「あのまりさってイケメンだった?」
「じょうだんですよね?」
「・・・・・・・・すまん」
今のけーねはちょっと怖かった。うん。
さて、それじゃあ賢者(笑)か。
「あー。ぱちゅりー?何で人間に勝てると思ったんだ?」
紳士的に聞いてやろう。
てか返答はもう予測ついてるけど。
「むきゅ!!それはこのm」
「魔導書に書いてあったは無しな?」
とりあえず出鼻は挫いてやる。
「それはただのチラシだよ。」
けーねも追い打ちをかける。
「チ、チラシ・・・さん・・・・・・・?」
あれま?思ってたよりも早い段階で受け入れてる。
もしかしたら根はいい奴なのかもね。
「そ、チラシ。そこに書いてあるのはな、えーと?・・・・貴重なゆっくり展!!初の全希少種網羅!!!だって。」
親切に読んでやるとぱちゅりーはわなわな震え始める。
「う、うそ・・・・うそよ・・・・・・そんなこと・・・・・ぱちぇはけんじゃなのよ・・・・・・・・」
「けんじゃ?ぐしゃのまちがいだろ?」
あれま、けーね先生ったら難しい言葉知ってるんですね。
「むきゅ?ぐしゃ?」
どうやらぱちゅりーは言葉の意味が理解できていないご様子。
「ちっ。そんなのだからおまえはバカなんだ。いくぞ、ごしゅじん。」
舌打ちはよくないよ先生。もっとお上品にいきましょう?
「あ、ちょっと、待てよ。」
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「むきゅ・・・・・ぱちぇは・・・・おバカさんなのね・・・・・・・」
このぱちゅりー、けーねに言われた一言でなにやら心持ちが変わったご様子。
「ぱちぇは・・・・・・・ほんもののけんじゃになるわ!」
そう言って人間の街に繰り出していくぱちゅりー。
彼女には明るい未来が待っているかもしれない。
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「うーん。」
「ごしゅじん、どうしたんだ?」
「いやね、さっきのチラシのゆっくり展。ちょっと行ってみようかなーと思ってねー。」
そう、実は結構気になっていた。
全部の希少種ってんだから一生に一度みれるか見れないかの珍しい奴もいるかもしれないしな。
「なら、あしたいこう。どうせごしゅじんはひまだろう?」
「うぐっ。結構ヒドいですよ先生。俺にだって女の子と一緒にお茶したりとか」
「そんなひといないでしょうが」
「うぐぅ。そうはっきりと言われるのはちょっと・・・・・・」
結構な心の傷を負っている俺にけーねはとどめの一撃をたたき込んだ。
「じじつです!!」
先生・・・・心が痛いです・・・・・
あぁ、そうそう。余談だけど散歩の帰り道、同じ場所を通ったらぱちゅりーが一匹死んでた。
自転車にでも引かれたんだろうな。
くわばらくわばら。
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ゆっくり展に行った俺らであるが、もう他の客がうぜぇうぜぇ。
けーねを連れてるからだろうけど、絡んでくる絡んでくる。
「あら!お宅のけーねちゃんかわいいですねぇ。」
「あ、はぁ。ありがとうございます。」
うざい。主にその体型がうざい。
「でも、うちのれいむちゃんの方が可愛さでは上をいってるわね!!」
「かわいくってごめんね!!!」
うざい。主にその存在がうざい。
「すみません。これからこのごしゅじんデートなのでいそいでるんです。ほらごしゅじん。ひとをまたせるとはなにごとですか。いそぎますよ!」
けーねが機転を利かせてくれた。こいつ、覚えとけよ・・・・
「あーら!ごめんなさい!私ったら!それじゃあがんばってらっしゃいね!!」
「ああ、はい。ありがとうございます。」
「なぁ、けーね?」
「なんだ?ごしゅじん。」
「怒るよ?」
「・・・・・・・すまなかった。」
分かればよろしい。
「いやぁ、それにしても人が多いね。ゆっくり連れも多いし。」
「そうだな。あ、あそこのお兄さん、てんこみエレクトしてる。」
「・・・・・・・先生。そう言うところに気づかないであげてくださいな。」
「む・・・すまない。」
まぁ、確かにHENTAIは多いね。さっきからけーねにとんでもない熱視線を送ってくる人も相当数いるし。
おお、こわいこわい。
「お、見ろよけーね。あのかぐやゲームしてるぞ。」
「すごいな・・・・ほんとうにうごいてる。」
動いてるかぐやをみたのはそう言えば初めてだ。指先だけだけど。
「おぉ、あっちはゆゆこだ。すげぇ。ドスまりさ食ってるよ。」
「くちのうごきがまったくとまらないな・・・・・・・」
大食喰らいなのは知っていたけどここまでスゴいものか・・・・・・
「みろ!ごしゅじん!ゆかりがいるぞ!!ねてるけど」
「おお!ゆかりだ!!寝てるけどな・・・・・」
ああやって胴付きで寝っころがってる姿を見ると我が家のかぐやを思い出す。
「お!もこうだ。」
「もこたん!!どこ!!??」
先生?なんかどうしたんですか?
「ほら・・・・・あそこ・・・・・・」
「あれが・・・・・・もこたん・・・・・・ぽっ・・」
ちょっと先生?最後のそれなんですか?
「あのー先生?どうしたんですか?」
「思っていたよりも可憐なのだな・・・・・・」
ん?なんか喋り方って言うか発音?が少し変わった?
「せんせー?」
とりあえずけーねの目の前で手を振ってみる。
「ああ・・・・・もこたん・・・・・・・・」
意味がないようなのでもこうが見えないように回れ右してみる。
「はっ!!私は何を・・・・・・」
「こっちが聞きたいよ・・・・・てか喋りが流暢になってるけど?」
「え?あーあーあー。・・・・・本当だ。でも原因は分かるぞ!私は今初めて生もこたんを見た。スゴい衝撃だった・・・・・・たぶんそれだ。」
ええー。なにそれー。
「所詮、私もゆっくりと言うことだよご主人。」
「そんなんで済ますのはどうかと思うけど、ゆっくりなら仕方ないと思える自分がいるのがイヤだな。」
ちょっと自己嫌悪していたらけーねが真剣な声で話しかけてきた。
「ご主人。」
「ん?なんだ?」
「・・・・・・・・・もこたん買わない?」
「高いから無理。」
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~ゆっくり展からの帰り道~
「ご主人。」
「駄目。」
「何も言っていないじゃないか。」
何を言いたいかは想像がつく。差詰めもこうの話だろう。
あれからもこうの素晴らしさについて一時間ほど喋られちゃったよ。
もうお腹いっぱい。
「駄目なものは駄目だ。往生際の悪い奴だな。」
「違う。買うとかそう言う話ではない。」
「じゃあ何だよ。」
「大爺様の生家の近くには竹林があるのだろう?」
なんかイヤな予感がしてきたよ?
「・・・・・・あるよ。」
「そこにもこたんはいる。」
けーねは自信たっぷりな声と顔でそう言い切った。
「・・・・・・・・・・ごめん。俺はお前が何言ってるのかまったく分からない。」
「もこたんは竹林にいるものだ。本で読んだし。それに私の眠っていたもこたんセンサーがビンビンに立っているんだ。」
いや、訳分からんし。
「それにもこたんを見せればかぐやだって起きるはずだぞ。」
「いや、それはないな。」
「なぜ?」
かなり不思議そうな顔をするけーね。
「もこうとかぐやってのは俺でも知ってる常識だよ。まず最初にあのかぐやにした事はもこうを連れてくるってことだったらしい。でも、ちょっと反応しただけ。」
そうだ。もこうを連れて見せたところであのかぐやは動かない。
それは過去に検証済みなのだ。
「何を言っているんだご主人!あのかぐやがちょっとでも反応したんだぞ!?とんでもない事じゃないか!!私には分かるぞ!!なぜそれだけの反応で終わったのか!!」
「・・・・・どういう事だ?」
「私はあのもこたんを見てからずっと考えていたんだ。何かが足りないと・・・・・・」
「何が足りない?」
「確かに容姿で言えば最上級のもこたんだった!おそらくかぐやに見せたもこたんもそうだったのだろう。だが、一つ勘違いしているんだよ。」
「勘違いねぇ。」
「あのもこたんは自分が見られることだけが全てになっているんだ!!あれはいわゆるモデルだ!!確かに綺麗だけどももこたんらしさがまったく感じられなかった!!!」
「モデル・・・・ね」
そう言えば叔母さんが言ってたのは、日本で一番綺麗なもこうを見せても少し反応しただけだっけか?
「どうだ?ご主人。もこたんを探しに行く気になったか?」
なんだか生き生きしてるけーね。ちょっときもい。
「まぁ、いいけどさ。正直おまえがもこう欲しいだけだろ?」
こう言うとけーねは、とんでもなく偉そうな顔で
「無論だ!!」
とかぬかしやがった。
キャラが変わって来ちゃったよ。先生。
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~次の週末~
「あーあ。来ちゃったよ。俺って甘いのかなー。」
けーねの言うこと言うこと何でも聞いちゃう俺は駄目な飼い主だな。
「何をいっているんだ!ご主人!ご主人は最高だぞ!!むむ、こっちからもこたんの反応だ!!!行くぞご主人!!」
そう言って勝手に竹林に突進していくけーね。
テンション高すぎてかなりうざいね。
「はぁ、お前ホント調子良すぎ・・・・・・・・」
渋々俺も竹林に入っていく。
爺さん家の竹林の中は思っていたよりもゆっくりがいっぱいいた。
通常種から希少種まで、いろいろいるもんだ。
「うさ!こっちにとってもおいしいあまあまがあるうさ!みんなでいくうさ!!!」
「「「「えいえいゆー」」」」
あー、確かあっちは古井戸のあった方だよなー。さすがてゐ。
「げらげらげらげらげらげらげらげら。」
こっちを指さしながら笑ってるのはうどんげか・・・・・・さすがに野生はうぜぇな・・・・・・・
「ご主人!!こっちだ早く来い!!!」
けーねが俺を急かす。
「はいよ、先生。ところでしっかりいるんだろうな。」
根本的な質問、確信をついて聞いてみることにしよう。
「いるさ!少なくとも今5もこたんを検出してる!!」
なんだよ5もこたんて・・・・・・・
「はぁ、ちょっと怖いよ。先生・・・・・」
「そうなのかー?」
独り言を言っていたらいつの間にかに頭の上にるーみあが乗っていて、合いの手を入れてくれた。
ありがとよ。
「そうなのだー。」
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「ご主人っ。静かにっ!」
どうやらもこうを見つけたようだ。
「んー。どれどれ・・・・・・・・俺から見たらあの時のもこうと何にも変わらなく見えるけどねー。」
なんだかけーねの方から歯ぎしりのようなものが聞こえたけど聞かなかった事にしよう。
「かわらないのかー?」
「変わるみたいだよ。」
るーみあ、君は何で俺の頭に乗ってるんだろうかね?
「ちっ、よく見るんだあの凛々しい顔立ちを。野生の厳しさを生き抜いてきた貫禄があるだろう?・・・・・・・あぁ、やばいって我慢できないって・・・・・・・・・」
真剣に解説してたと思ったら興奮し始めちゃったよ。
「ようは、あのもこうを家に連れ帰りたいんだろ?」
「ああ、お持ち帰りだ。・・・・・お持ち帰り・・・・・・・・ブシュッ!」
ゆっくりにも鼻血みたいなのがあるんだね。この場合は鼻餡か?
「はぁ、肝心のお前が戦力外だな。ちょっと待ってろ。説得してくるから。」
「む、すまない・・・・」
「せっとくなのかー?」
「誰っ!!」
少し近づいただけだって言うのにスゴい反応だな、おい。
「はーい。人間です。」
「るーみあなのだー。」
なんだかかなり警戒してるみたい。少しずつ後退してるよ。
「人間が私に何のよう?もしかしてこの竹林を壊そうって言うの?」
「いやいや。そんな予定は全くないし、する気もないよ。」
「・・・・・じゃあ何の用なの?」
ん?ちょっと待てよ?俺がこうやって出ていったのはいいけど、どう切り出せばいいんだ?
直球で『俺の家に来いよ。』はキモいから却下。
変則的に『あまあまあげるからオジサンのお家こないー?』も論外だな。
あれ?これぐらいしか思い浮かばないの?俺。
うわー、こりゃひでぇ。
「・・・さっきから表情をコロコロ変えて、ちょっと気持ち悪いわよ?」
「うっさいわい!」
さて、どうしたものか・・・・・・
とか考えていたらけーねが自分から動いてくれた。
隠れていた林から飛び出してこう言った。
「私と!友達になってみないか!!」
うわーお。すっごいプラトニックぅ。
「へ?」
なんだか突然現れたけーねに動揺しているもこう。
まぁ、そりゃそうだろ。突然友達にならないかって聞かれてはい、友達になりましょうなんて奴
「私なんかでいいの?」
ってうおぃ!いいのかよ!!そんなんでいいのかよ!!!
「私は、お前と友達になりたいんだ!!!」
友達って、お前。さっきまでかなり性的な目でもこうを視姦してたじゃねぇかよ!
友達じゃねぇー。
「で、でも、私・・・・友達なんてできたことないし・・・・・」
「そんなことどうだっていい!!だから・・・・友達になってくれ!!」
そう言われてもこうは少し考えてから返事をした。
「・・・・・・・・・・・・・うん・・・・」
その返事を聞くと緊張が解けたからかけーねは気絶してしまった。
「あ、おい。けーね!大丈夫か?」
「だいじょうぶなのかー?」
あわてて駆け寄る俺。なんだかんだ言っても家族だし、心配にはなるものね。
「あ、あの、けーねは・・・・大丈夫なの?」
もこうも心配そうに近寄って来た。
「ああ、問題ない。でも一応いったん戻ってオレンジジュースでも飲ませてやるか。」
けーねを抱えて爺さんの家に戻ろうとするが、もこうがついて来ない。
「ん?どうしたもこう。」
話しかけるとビクッともこうが少しふるえた。
俺怖がられてるのかなー?
「その・・・・・・明日も来てくれるの?」
ああ、そう言う事ね。
「いや。お前も一緒に来るんだよ。いやか?」
「いやなのかー?」
するともこうが不思議そうな顔をしてこちらを見てくる。
「いいの?」
「いいのかー?」
「いいんだよ。ほら、着いて来いよ。」
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とりあえずオレンジジュースは無理矢理にでも飲ませたから問題ないだろうけどなかなか目を覚まさない。
この一週間こいつろくに寝てないしね。
倒れるのも無理ないっての。
起きるの待ってられないから気絶したままもこうに抱えさせて車に乗せることにした。
車の中でもこうに言っておくことは言っておくことにしよう。
「もこう。俺の家にはあとかぐやがいるんだ。別に構わないよな。」
「か、かぐやまでいるの!!」
「そうなのかー」
なぜそこまで驚く?
「そっか・・・・かぐやも・・・・・けーねとかぐや・・・・・・・」
「あー。もしかしていやか?」
「いやなのかー?」
するとあわてたようにもこうが弁解した。
「イヤだなんて!・・・・むしろ・・・・・しあわせ・・・・・・・・・・ぽっ・・・・」
・・・・・・・・・・・・そういうことか。所詮こいつらはこいつらか。
心配してる俺がバカバカしくなってくるな。
てかさっきからもこうがうるせぇ。
「けーね・・・・・はぁはぁ・・・・かわいいよけーねぇ・・・・・・・・・」
あー。けーねがやばい奴筆頭だと思ってたけどこいつも相当だな。
「はぁ。めんどくさくなったな・・・・・・・」
「そうなのかー?」
るーみあ。お前いつの間にかについてきてるけど、俺の心のオアシスになりそうな気がする。
「そうなのだー。」
「そうなのかー。」
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結局けーねが目を覚まさないまま自宅についてしまった。
「えーと、かぐやかぐやっと。あれー?どこ置いたっけかな?」
数日前に邪魔だからどこか別の場所に移動させたんだったよな。
えーと・・・・・・屋根裏だったか?
あ、あったあった。
「ほら、かぐやー。もこうだぞー。」
そういいながらかぐやを抱え、もこうの方を向かせるとなんだかビクッと震えた。
「も・・・・・・もこたん・・・・・・ぶっしゃぁああ!!」
うわー。初めて喋ったと思ったら。鼻と思われる位置から鼻血もどきを噴射して気絶しやがった。
なんで俺の周りのゆっくりはこうなんだ?
あー。このよくわからない中身片づけんのメンドくせーな。
ま、フローリングだからいいけど。
「はぁはぁ・・・・・・かぐやの中身・・・・・はぁはぁ。」
・・・・・・・・・・見なかった事にしよう。うん。
もこうは別にかぐやの噴出した中身を舐めるために床に舌を這わせてなんていないぞ!
とりあえず、かぐやとけーねをどっか寝かしつけとくか。
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一応フローリングは雑巾掛けしておいた。
かぐやの中身は全く残っていなかったけど、なんか気分的にイヤだったからだ。
雑巾掛けが終わる頃にはけーねもかぐやも目を覚ましていた。
どうやらかぐやはもこうが気に入ったようで、今では普通に歩き回っている。
七十年の苦労って何だったんだろうね。
まぁ、まずはやるべき事があるな。
俺は風呂を指さしながら風呂をもこうに促す。
「ほら、とりあえず、もこうはこれまでずっと外で暮らしてたんだから風呂にでも入ってきなさい。」
そう、実は結構気になっていたのだ。香しい香りが微かに香ったからね。
「はーい。」
なかなか従順だ。うんいい感じ。
返事をしたもこうは風呂に向かって行った。
「もこたんのお風呂・・・・・・ぽた・・・」
「もこたんが裸・・・・・・・・ぷしっ・・・・・」
こいつらはもう駄目っぽいな。
「おい、かぐや。お前七十年間なんで動きもしないし食べもしなかったんだ?てか生きてられるのかよ。」
かぐやに対してしてみたかった質問第二位だ。
「・・・・・・めんどくさかった。」
うわぁ。こいつひでぇー。
「そうか・・・・・じゃあもう一つ。暗証番号を教えてくれ。」
これこそが一番聞きたかったものだな。
「・・・・・・・・イヤ。まだ満足してない。」
首を横に振るかぐや。こうしてると普通の愛玩ゆっくりみたいでかわいいんだけどね。
「じゃあ、どうしたら満足だ?」
かぐやはしばらく考えてから意を決したように俺にこう言った。
「・・・・・写真・・映像・・・もこたんの・・・いかがわしい・・・・・・ぶっしゃぁああああ!」
自分で言っていながら興奮してまた鼻血がとんでもないことになってしまっている。
かぐやのこの台詞に反応してけーねの感情がヒートアップ。
「お前!何て事言ってるんだ!もこたんの・・・・いかがわしい・・・・・・・・・・・」
「はいはい、ストップ。考えるのをやめるんだ。」
コレ以上散らかされたらたまらないよ。
「はぁ、で、どうやってそんなもの撮るんだ?」
「そこは・・・・人間の盗撮技術というか・・・・・・」
かぐやさん、普通の人間は盗撮技術なんて持ってませんよ?
「でもまぁ、やるなら徹底的にやるぞ。いかがわしい写真だろ?とりあえず小型のカメラが大量に必要か・・・・・・・・」
やるならば全力でやるのが俺のモットーである。
部屋中にカメラと盗聴機仕掛けてオハヨウからオヤスミまでを見守ることにしよう。
「ご主人!そんなのは駄目だ!いくら何でも犯罪はいけない!!」
けーね先生が正論を振りかざすが、鼻血もどきが垂れて頬が上気してるその顔を見せられると全く説得力がない。
「そうか?ならお前はとれた写真やら映像いらないのか?」
うぐっと唸るけーね。
欲望と理性のせめぎ合いって何だか哲学的。
悩んでるけーねにかぐやがそっと耳打ちをする。
「もこたんが裸・・・・・もこたんの玉の肌・・・・・・もこたんの脱衣・・・・・・」
「うっ・・・・・・・・・・・・・・・」
どうやらこれで欲望の方が勝ったみたいだ。
「・・・・・・・・・・・・・私にもちゃんとくれよ・・・」
「はいよ。」
この日から、俺のへんてこな毎日が始まった。
―――――――――――――――――――――――――――
あれから数ヶ月が過ぎ、俺の家は完全に盗撮盗聴屋敷に変貌してしまった。
風呂場には隠しカメラが計十台と盗聴機が様々な角度から音を拾うために五台。
もこうたちゆっくりの寝室には隠しカメラ盗聴機合わせて計五十台。
ゆっくり用のトイレには隠しカメラ八台に盗聴機十台。
その他廊下やリビング、果てには玄関にまでいろいろセットされている。
もう自分でも気持ち悪いくらいの徹底ぶりだ。
けーねとかぐやの生活はもっとひどい。
朝はもこうの寝顔を見ながら一人すっきりー、それから一日中遊び、もこうが風呂に入ると俺の部屋の監視モニターに集まって来る。
もこうが出てきたら何事もなかったかのように接しながら夕飯を取り眠る。
もしかしたら俺の日常はちょっとばかし歪んでしまったのかもしれないな。
「ご主人♪もこたんが風呂に入ったぞ!」
「脱衣シーンはちゃんと録画してる?」
というわけで今日もこいつらは俺の部屋にもこうの入浴シーンを見にやってくる。
「はいはい、撮れてますよ。でもさぁ、お前等ずっともこうと一緒にいるんなら録画してても意味ないんじゃないの?」
なんだかんだで『もこたんストリップ』の録画ストックだけでもバカにならない量なんだよな。
「はぁはぁ・・・・・・もこたん・・・・んっ!・・・・・」
「あ・・・・もこたんのお胸・・・・・ぷしっ!・・・」
聞いてねぇや。
でもまぁ、かぐやから遺産の暗証番号とか聞き出せてストックも全部倉庫に保管してあるから問題ないんだけどね。
ちなみに思ってたよりも遺産は多かったぞ?
ただでさえ莫大な金が七十年も銀行にあったんだ、正直利子だけで生活できるよ。
ちなみに家にある監視カメラ一つで五十万円位だ。
最初は安物だったんだけど、かぐやに『お前が暗証番号を言えばもっと高画質なカメラと高音質の盗聴機が買えるけどどうする?』っていったらすぐに吐いちゃったよ。
欲望に忠実すぎるんだよな、こいつら。
それと、るーみあはちゃんと家にいるぞ。
こいつらが教育上良くないからこの時間帯には俺の部屋には入れないが、大体俺と一緒にいる。
「俺ちょっと出かけるからな?」
聞いていないだろうが一応言っておく。礼儀だろう?
そしてコレもまた、俺の最近の日課。
るーみあを連れた夜の散歩だ。
「おーい。るーみあー散歩行くぞー」
「そうなのかー。」
るーみあは、ふよふよ浮いたと思ったら一瞬で真っ黒い球体に体を変える。
捕食種に定期的な運動はとっても大切らしい。
いつぞやにけーねと散歩に行っていた河川敷がこいつとの散歩コースだ。
河川敷に着くと早速運動を始める。
「ほら、適当に巣穴見つけてこいよ。」
「ここなのかー?」
「・・・・・・・・それは私の社会の窓です。」
「そうなのかー。」
この子ちょっと頭が弱いよ。
「ほら、ここなんかまさにそうだろ。」
そういって雑な作りの段ボール小屋を指さす。
「ここなのかー。」
「ここなのだー。」
俺は段ボールをひっくり返してゆっくりを放り出してやる。
「ゆゆ!!・・・・・ゆ?おうちがなくなってるよ?」
「ゆぴー、ゆぴー。」
「「いちゃいよー!みゃみゃー!!」」
典型的なれいむとまりさの番だ。子まりさと子れいむがいるな。
「そら。るーみあ。あ、でも食べちゃだめだぞー。」
「そうなのかー」
なにが起こったか理解できていないこいつ等にるーみあは黒い球体のまま突撃する。
さすがに落ちている饅頭をるーみあに食べさせる訳にもいかないから、飾りを奪うまでを運動と称している。
「とれたのかー?」
まさに早業。すぐに四匹分の飾りを俺の元に持ってきてくれた。
「取れたのだー。」
「ゆゆ?まりさ?どこに行ったの?さっきまでそこにいたでしょ?」
「ゆぴー、ゆぴー。」
「「ゆゆ!?ゆっきゅりできにゃいくじゅがいりゅにぇ!!!れいみゅ(まりしゃ)がしぇいっしゃいしちぇやりゅよ!!!!!」」
獲物どもが何か言ってるけど気にしない。
俺はるーみあがもってきた飾りをビニールに入れて河川敷のゴミ箱に入れる。
これが俺とるーみあの日課。
「さて、帰るか。」
「かえるのかー?」
「帰るのだー。」
こうして散歩は終わり、寄り道もなにもせずに俺たちは帰る。
「まりさー!どこー!!!」
「ゆぴー、ゆぴー。」
「「いちゃいよおおおおおおおおおおおお!!!!!!みゃみゃあああああああ!!!ぴゃぴゃあああああああああああああ!!!!」」
―――――――――――――――――――――――――――
ああ、そうそう。それからもう一つ。
かぐやたちが眠ってからしばらくするともこうが俺の部屋にやってくるようになったんだ。
「お兄さん・・・・・その・・・今日もお願い・・・・」
「あー。はいよ。」
どうやらもこうはこの事をかぐやとけーねには知られたくないらしい。
ま、当たり前だわな。
「ほらよ、今日の分。」
「うん・・・・・・ありがと・・・・・・・」
実はこいつ、盗撮されてることに気がついているのだ。
盗撮が始まってからちょっと経って、夜中に俺の部屋に来てこんな提案をしたのだ。
『盗撮されるのはいいんだけど、私にもけーねとかぐやの写真とか映像とかくれます?』
俺としては別に構わなかったから了承した。
主にもこうからのリクエストは自分が風呂に入っている時のけーねとかぐやの映像と、トイレの中の映像、それから朝の情事の映像だ。
こいつ等はもうどうしようもないんだなって思ったよ。
「はぁ、お前もお前だよな。好きなら好きだって言えばいいじゃないかよ。まぁ二股だけど。」
「うーん。それも考えてはいるんだけど・・・・・・今はそのときじゃ無いって言うのかな?」
「あ、そ。ま、なんかほかにして欲しいことがあったら言ってくれよ。お前等見てると飽きないからな。」
「そのときはよろしくお願いしますね♪」
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俺の家にはゆっくりが四匹いる。
1匹はゆっくりるーみあ。
ちょっと頭の足りない純粋無垢な可愛らしいゆっくりだ。
もう1匹はゆっくりけーね。
真面目な奴だけど欲望には勝てなかった変態さんだ。
さらにもう1匹はゆっくりかぐや。
曾祖父さんの残してくれた怠惰な変態さん。
最後の1匹はゆっくりもこう。
自分が見られていることを自覚しながら、同じことをやり返して興奮してる変態さん。
4匹中3匹が変態っていうのは正直どうかと思うけど、俺の大切な家族だ。
こいつ等には毎日楽しませて貰ってるし、金は有り余るほどあるんだから、不自由無く暮らしていけるようにしてやりたいと思っている。
「人生には一緒に歩んでいくパートナーが必要だと思うんだね。」
あいつ等が俺に見せてくれるのは少し変わった小さな社会。
俺があいつ等にしてやることは社会を円滑に回すための些細な手伝い。
「さてさて、明日はなにを見せてくれるんだい?」
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おひさしブリーフ、ぬちゃぬちゃあきでありんす。
久方ぶりでした。
べ、別にスレでの議論が原因で投稿しなかった訳じゃないんだからね!!
さてさて、今回のこのSSさんですがHENTAIがどうのって色々言われてたんで自分の原点に還ってみることにしました。
分かる人には分かるかな?
こんなんどうでしょう?
こんなんも一応HENTAIなんですかね?
HENTAIの定義が曖昧で僕にはよく分からんとです。
でもこれからもこういったぬるいSSをひりだしていくと思うんでよろしくお願いいたします。
あぁ、でもこれからは今までみたいな調子に乗ったイチャイチャ系は書くのやめます。
確かに場所が違う気がしますね。自分で自分がうぜぇと思いましたもん。
批判されると縮こまる俺wwwwwうぇwwwwwwだせぇwwwwwwww
てか文章にキレがねぇな。ブランクはでかいぞ!俺!
以上、最近勉強が楽しくてSS書く暇の無いぬちゃぬちゃあきでした。
ではでは
最終更新:2010年10月09日 20:56