anko2198 撲殺隊2

ポマギあき





撲殺隊。野良ゆっくりをトンファで撲殺し、駆除する様を人々が名付けたのが由来。
俺は富井俊二。カーキ色の作業服を着て、今日もゆっくりを殴り殺す仕事が始まる。バンに乗って現場へ向かい、野良ゆっくりを探すところだ。

助手席で窓から外の景色を見ているのは、俊明という男。正人は風邪を引いて寝込んでしまっている。あの図体で珍しい事もあるものだ。
その代わりに充てられたのが、俊明というわけだ。この男、撲殺隊に入ったのは最近である。まだ現場経験は無いらしい。
窓越しに外を眺めていた俊明が俺に声を掛ける。

「あの、ちょっといいですか?」
「ん?どうした?」

「あの、撲殺ってどういう風にやるんでしょ?」
「トンファがあるだろ。あれで適当に殴って殺すんだ。その後にゴミ袋に死骸を入れるんだ。」
「分かりました。何か気を付ける事はありますかね?」
「そうだな、ゴミ袋に入れる際は必ず殺してから入れろ。生きたまま入れると、他のゆっくりの中身を使って回復される。
 以前に復活したゆっくりが、ゴミ袋を食い破って逃げようとしたことがあったな。もう一度殴り殺してしまえば、どうということはないが。」
「分かりました。」
「俺からも質問していいか?」
「あ、はい!どうぞ!」
「お前、なんでこの仕事に就いてるんだ。見たところ、インテリって感じがするが。」
「インテリ…ですか。」
「ああ、すまん。褒め言葉のつもりだ。頭が良さそうに見えるって事でな。」
「あ、ありがとうございます。僕は…そうですね。大学を出て就活を頑張ったんですけど、今は不況なので…」
「就職先が見つからなかったのか?」
「ええ…」
「…そうか、不況ってのはいつだって嫌だな。俺も似たようなもんだよ。」
「不況が原因して、この仕事に?」
「ああ…俺もお前みたいに仕事が無くてな。」


増える野良ゆっくり。比例して増加するお家宣言に人々は辟易していた。被害額も馬鹿に出来ないぐらい大きく、子供に怪我をさせる事件も多発した。
政府は各自治体に駆除を迫った。役人だけでは人手が足りなかった。地方から人手不足の声が上がると、政府は駆除隊を創設した。
政府は雇用創出も目論んでいたようで、それは見事に功を奏した。一時的かも知れないが失業率は減少し、俺のような人間は大いに助かった。
学歴不問な点も助かった。彼、俊明のように有能な人間がこの仕事をせざるを得ないというのは、残念ではあるが。

「あの、もう一つ質問していいですか?」
「ああ、何でも答えてやるよ。」
「何でトンファなんですか?ゆっくりを駆除するなら、熊手とか塩水とかがいいんじゃ?」
「熊手は物騒すぎるんだとよ。塩水は愛護派の人間が反対したんだ。」
「愛護派の人間が?」
「ああ、塩水で不必要に時間を掛けて苦しみを与える必要は無いとよ。それでなくとも塩水は殺すのに時間が掛かるからな。」
「なるほど…」
「潰したら潰したで、虫が湧くのが厄介だが仕方ないな…こればっかりは。」
「上の考える事はよく分かりませんね…」
「まったくだよ…」

なんだか重い空気になってきたところで、車は公園に到着した。俺と俊明が車から降りると、腰に携えたトンファを手に取る。

「じゃあ、行こうか。」
「はい!」
「ダンボールを探してれば、ゆっくりに辿り着くよ。」
「ダンボールですか?」
「ダンボールは野良ゆっくりの巣窟なんだよ。どっから持ってきてるかは知らないが。」
「なるほど…」

俺と俊明は公園の植え込みにダンボールが無いか、探し始める。開始二分前後で俊明がダンボールを見つけた。

「あ、先輩ありました!」
「ん?ああ、見つかったら中にゆっくりがいないか確認してくれ。」
「はい。えっと…どういう風に?」
「こういう風に。」

惑う俊明の目の前で、俺はダンボールを蹴っ飛ばした。

「ゆべっ!」
「ゆぼべっ!」
「ゆぴぃぃぃぃ!!」
「ゆぴぇ!い、いちゃいよぉ…」

親れいむ、親まりさ、赤れいむ、赤まりさの標準的な殺意湧く組み合わせの親子が出てきた。

「ゆぎぎ…いだいでしょおおおおおおおお!!なにずるのおおおおおおおおおお!!」
「まりさにひどいことするくそにんげんはしんでね!ゆっくりしないでしんでね!」
「いちゃいよぉ…」
「ぺーりょぺーりょ…」

文句を言う親とは対照的に、赤まりさは赤れいむに献身的だ。

「ま、そんなの関係なく潰すんだがな。」
「「「「ゆ?」」」」

俺はトンファを親まりさに振り下ろした。

「ゆぼっ!い、いだゆぼべっ!!」
「ばりざああああああああああああああああ!!」
「ゆぴょおおおおおおおお!なにしゅるにょおおおおおおお!!」
「おちょうしゃんにひぢょいこちょしにゃいぢぇええええええええええええ!!」

親まりさは帽子が潰れ、頭頂部がヘコんだ。目玉が飛び出し前歯が折れたのが分かる。

「ゆ゙…ゆ゙…」
「どぼぢでごんなひどいごどずるのおおおおおおおおおおおお!!」
「おちょうしゃんぎゃああああああああ!!どぼぢちぇええええええ!!」
「ゆぎぇりょぉ…ゆぎぇりょぉ…」
「俊明、お前やってみろ。」
「あ、はい!」

俺は俊明を促した。俊明はトンファを手に持つと、親れいむに思いっきり殴りつけた。

「ゆべらあああああ!!ゆ゙ぼっ!ゆぎぎゃっ!い、いだぶぼべぇ!!」
「おきゃあしゃんぎゃああああああああああああああああ!!」
「ゆぎぇぇ…ゆぎぇりょぉ…もっちょゆっくち…」
「ゆ゙…ゆ゙…ゆ゙…」

俊明は親れいむに横殴りを連続した。親まりさは目玉を飛び出させたまま、痙攣している。
赤まりさがその光景に耐えきれず、吐瀉を何度か繰り返すと中枢餡を吐き出し死に絶えた。
親れいむはというと、頬を青黒く腫らしている。口から少量の餡子と共に、歯を吐き出した。

「ゆげぇ…れ、れいぶのはがぁ…」
「いやぢゃあああああ!!いもーちょぎゃちんぢゃっちゃあああああああああああ!!」
「ゆ゙…ゆ゙…も…」
「おちょーしゃんしにゃにゃいぢぇええええええええええええええ!!」

俊明は構うことなく親れいむを横殴りする。

「ゆぼっ!ゆげっ!ゆぼっ!ゆぶっ!」
「やめちぇええええええええええええええ!!れいみゅにょおきゃーしゃんにひぢょいこちょしぴぎゃぁっ!!」
「お、おぢびぎぇぇ!」

先程から悲鳴や抗議の声をあげる赤れいむを、俺は踏み潰した。俊明は一心に親れいむを殴り続ける。

「ゆぼぇ!!ゆぐっ!!んぐゅ!いぐゅ!!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!」
「おい俊明。」
「あ、はい!」
「時間を掛けるのも越があると思うが、仕事だから一気に潰そうな。」
「あ、そうでした!すいません!」
「おう!」
「ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙ぼべっ!!!もっどべりゃっ!!」
「終わりました!」
「おう、お疲れさん!」

俊明が親れいむを殺すのを終えると、俺はゴミ袋の口を広げる。俊明がゴミ袋に死骸を入れる。

「ああ、手が汚れちゃいますね。」
「軍手越しでも気持ち悪いだろ。でもまぁ、仕方ないんだよなそれは。」
「仕方ないですね。」

俊明がゴミ袋に死骸を入れ終えた。俺はゆっくりを探すべく、歩き回る。

「あの、何処に行くんですか?」
「ああ、他のゆっくりを探しにいくんだ。」
「え、でしたらそこにダンボールが…」
「ああ、本当だ…うーん、俺も疲れてるのかなぁ。」

正人が風邪を引いている事を思い出す。きっと俺も風邪を引いたのだろう。注意力も散漫になっているし、そう言われれば何だか気怠い。
俺が溜息をついていると、俊明はダンボールを蹴っ飛ばした。

「わぎゃっ!」
「いだっ!」

ちぇんのらんが出てきた。

「あ、先輩!らんが出てきましたけど、これも潰すんですか?」
「ああ、構わず潰してくれ。希少種だろうと何だろうと関係なく野良は殺すんだ。」
「分かりました。」

俊明はトンファで、ちぇんの頭頂部を叩きつけた。

「わぎゃらっ!!」
「ちぇええええええええええええええええええん!!!」
「わぎゃっ!わぎゃぎゃっ!わぎゃらばっ!」
「やめてえええええええええええええ!!ちぇんにひどいことしないでええええええええええ!!」

ちぇんは頭頂部がヘコみ、目玉と共に眼窩からチョコレートを噴出させている。

「わぎゃっ!わぎゃっ!わぎゃらっ!やめぎゃっ!わぎゃっ!!」
「おねがいいいいいいいいいいいい!!やめでよおおおおおおおおおおおおおお!!!」

俊明はそれでも叩きつけた。ちぇんは徐々に二つに割れていく。

「わぎゃっ!わがっ!わががっ!わがっ!わっ!わぎゃあっ!わぎゃらびぇっ!!………」
「ちぇええええええええええええええええええええええええええん!ちぇええええええええええええええええん!」

ちぇんは真っ二つになって死んだ。もっとゆっくりなんて声も聞かせないほど、俊明の殴打は素早いものだった。
らんが泣きながら、ちぇんに向かって叫んでいる。そんな事をしても、ちぇんは生き返らないのに。

「どうしてこんなことするんだあああああああああああああ!!」
「先輩。」
「ん?」
「これもいいんですよね?」
「ああ、いいよ。というか仕事だから野良は全部潰してね。」

俊明は頷くと、らんの尻尾を脚で踏みにじった。

「いだああああああああああああああああああああああああ!!やめでええええええええええええええええええええええ!!」

らんの尻尾を踏みつけて、動きを封じた俊明。そのままトンファを、らんの顔面に向かって振り下ろした。


「いだっ!あがっ!いだいよおおおおお!!なにずぼべぇ!!ゆぐっ…やめて…やめぼごぁ!!!ゆごぁ!ゆぎっ!
 やめぶぼっ!やめでよぼらぁ!!!やべぼふぁぁ!!おめめがばしっ!!いだいいいいいいいいいいいいびりぎゃっ!!」

らんの目玉が潰れ、顔が赤黒く腫れ上がる。顔面は岩面と化していた。俊明は尚も殴り続ける。無表情だが、その目は真剣だった。


「あがらやっ!ちぇ、ちぇぶびょぉ!!だず、だずげあぎゃあああああああああ!!だずげづぶりゃああああああああああああああああ!!
 ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ゆ゙っ…!ぢぇんどゆっぐびりゃぁあ!!」

断末魔の途中で俊明はトンファを振りかざし、最期まで言わせなかった。俊明の口元は、ほんの少しだけ笑っていた。

「お疲れ!」
「あ、はい!」
「お前、大分楽しそうにやってたけど。こういう事って経験あるの?」
「あの…お恥ずかしい話しですが、虐待とか虐殺をちょっとやってまして…」
「ああ、そっちの人間だったのか!いやいや、仕事が捗るようで大歓迎だよ!俺も調子悪いみたいだし。」
「ありがとうございます!」

俺がゴミ袋に死骸を入れていると、俊明は次の獲物を探しに歩き始めた。やり方を理解したようで、歩き方はルンルン気分といった様子だ。
らんの酢飯をゴミ袋に入れていると、れいむが俺の近くに通りがかった。

「らん!ゆっくりあそびに…ゆぎゃああああああああああああああああああ!!らんがああああああああああああああああああ!!」
「ん?」

ゴミ袋に移す為に掴み上げた。らんの死骸を見たれいむが絶叫している。

「ゆんやあああああああああああああああ!!ぼくさつたいはゆっくりできないいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

れいむは絶叫したまま逃げようとする。妙な所で器用と思いつつ、俺は逃げようとするれいむにトンファで殴りつけた。

「ゆぼげえええええええええええええええ!!」

植え込みから出て行くようにして、れいむは転がった。らんの死骸をゴミ袋に入れて、俺は歩いて後を追う。

「ごないでええええええええええええええ!!ごっぢごないでえええええええええええええ!!びんなにげでええええええええええええええええええ!!」
「さっきから何喚いてるんだ?」
「ぼぐさづだいはゆっぐりでぎないいいいいいいいいいい!!れいぶにはおぢびぢゃんいるのおおおおおおお!!だずげでええええええええええええええええ!!」

なぜ撲殺隊の事を知ってるのか、気にはなった。だが、仕事は仕事だ。俺はれいむにトンファを思い切り振り下ろした。

「ゆぼべえええええええええええええええええ…ゆ゙…ゆ゙…ゆ゙…ゆ゙…もっどゆ゙っぐ…」

れいむの顔が前面に膨張した辺りで、れいむは死んだ。俺はれいむを拾い上げてゴミ袋に入れる。
その時、俺は何となく辺りを見回した。花壇から、噴水の影から、公衆トイレから、様々なゆっくりが俺の事を見ていた。
ちょうどいいと思い、俺は花壇に近づく。すると、花壇近くのまりさが大声を発した。

「ぼ、ぼくさつたいだよおおおおおおおおおおおおおおお!!にげるよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

まりさが大声を発すると、周囲のゆっくりはざわつき始めた。

「ゆんやあああああああああああああああああああ!!ゆっくりできないいいいいいいいいいいいいいい!!」
「おちびちゃんはおかあさんの、おくちのなかにはいってね!」
「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」
「むぎょおおおおおおおおおおおお!!ぱちゅはしにたくないわああああああああああああああ!!」
「いやあああああああああああああああああ!!とかいはじゃないいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「わがらないよおおおおおおおおおおおおおおおお!らんしゃまたすけでええええええええええええええええええええええ!!」
「ゆやああああああああああああああああ!!おちびちゃんにげるわよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「ゆぴいいいいいいいいいいいいい!!きょわいよおおおおおおおおおお!!」
「まっちぇえええええええええ!!みゃみゃああああああああ!!おいちぇかにゃいぢぇえええええええええええええ!!」

辺りはパニックになり、公園は騒然となった。俺の姿を見て、殆どのゆっくりが慌てふためいているのだ。
そそくさと公園から逃げ出す、多数のゆっくり達。俺はそれらを追いかけた。

「おい、待て!」
「ゆやああああああああああああああああああ!!こっちこないでええええええええええええええええ!!」

大声を上げたまりさに近づくと、俺は一気にトンファを振り下ろす。

「ゆぼぇえええええええ!!や、やべでええええええええええ!!ばりじゃまぢゃじにだぐないいいいいいいいいい!!」

俺は再びトンファを構えた。いつもより強く、大きく振りかざす。

「ゆばぇ!ゆぼっ!ゆばびいいいいいいいい!!…もっどゆぶぇらぁ!!」

まりさがグシャグシャになると、俺はまりさを掴み上げてゴミ袋に入れる。その時、俊明がこちらに近づいてきた。

「あの!どうしたんですか!何か騒がしいですけど!」
「ああ、公園のゆっくりが俺を見て大騒ぎしてるんだ。」
「え…何ででしょう…」
「話しは後だ、ゆっくりをとにかく潰せ!回収は後でやろう!」
「あ、はい!」

俺と俊明は別れた。俊明は集団で逃げるゆっくりを追い、俺は公園の出入り口に張った。
逃げようと、律儀にも出入り口に集結した野良ゆっくりと対面する。

「ゆぎゃあああああああああああ!!どぼぢでごごにいるのおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「ゆんやああああああああああああああ!!にげられないよおおおおおおおおおおお!!」
「わがらないよおおおおおおおおおおおおおお!!だずげでえええええええええええええええええええ!!」
「むぎょおおおおおおおおおおお!!えれえれえれ…」
「とかいはじゃないわあああああああああ!!ありすをころさないでええええええええええええ!!」
「お、おちびちゃんはおかあさんがまもるよ!」
「「ゆっくりまもっちぇにぇ!!」」

思い思いの悲鳴を口にする野良ゆっくり。俺は動きの速そうな、ちぇんに狙いを定めた。トンファを振り下ろす。

「わぎゃっ!わぎゃらないいいいいい!!あぎゃあっ!!!あぎゃ!わぎゃっ!…ゅ…」

頭頂部の皮が破れ、中枢餡が潰れたらしい。ちぇんはあっという間に死んだ。他のゆっくりは、その光景を見て再びパニックに陥る。

「ゆぎゃあああああああああああああああ!!ちぇんがああああああああああああああああ!!」
「いやだああああああああああああああ!!おがあざんだずげでえええええええええええええええええ!!」
「むぎょおおおおお…えれえれえれ…えれえれ…もっとゆっくりしたか…」
「だめよおおおおおおおおお!!ぱちゅりーまでしんじゃだめよおおおおおおおおおお!!」
「ゆ、ゆっくりしないでにげるよ!」
「「ゆっくちにげちぇにぇ!!」」

れいむ親子が亀が歩くような遅さで、逃げようとする。俺は脚で他のゆっくりを踏みつけながら、れいむ親子へと近づいた。


「ゆぎゃっ!あ、あんこざんもれないでえええええええええええええ!!」
「ゆびょぉぉぉ!!…ゆっ…ゆっ…ゆっ…ゆっ…」
「い、いなかもの!ありすがあいてぶべぇ!!いやあああああああああああああ!!かすたーどさんもれちゃいやああああああああああああああ!!」
「ゆっ!ゆっ!…こっちこないでね!ゆっ!ゆっ!…ど、どぼぢでごっぢぎぢゃうのおおおおおおおおおおおお!!」
「「ゆ?」」

出入り口には甘い匂いが充満していた。一匹たりとも逃がすわけにはいかない。ゴミ袋に入れられた、野良ゆっくりの末路。
それが俺らの給与に、生活に反映されるんだ。ゴミ袋が口を開けて待ち構えている。その要求に俺は応えなきゃならない。

俺はれいむ親子にようやく近づくと、トンファを突き付けた。

「ゆぎょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「「ゆぴぃ!!」」

トンファは、れいむの背中を突き破った。口からトンファの先端が見え隠れしている。

「い、いだいいいいいいいいいいいいい…お、おぢびぢゃんだいじょうぶ…お、おぢびぢゃん!?どぼぢでへんじじでぐれないのおおおおお!!!」

口の中の赤ゆに声を掛ける親れいむ。だが、口からは餡子がドロッと漏れるだけだった。餡子に混じって、リボンや皮が流れ出てくる。

「どぼぢで…どぼぢで………ゆふふ…ゆふふ…ゆふふ…」

親れいむは赤ゆの死骸を見て発狂してしまった。だが、俺にとってそんなことは関係ない。トンファを引き抜くと、再びれいむを殴りつけた。


「ゆぎょっ!…ゆふふ…ゆふぶふぇっ!!…ゆ…ゆふふ…ゆべりゃっ!…ゆふ…ゆふ…ゆごぼぉ!!……ゆふ…ふ……ゅ…」

心を壊したまま、中枢餡も壊れてしまった。親れいむは青黒く腫らした顔で、不気味な笑顔のまま死んだ。
目の前のは、とりあえず潰せた。俊明の方は大丈夫だろうか。俺は俊明を心配して、向かったであろう方向に歩いて行った。

公衆トイレの裏手に到着すると、俊明がいた。俺は声を掛けようとしたが、目の前の光景に驚いて止まった。

「ゆぎぇっ!ゆげっ!やべ…やべでぇ…ぶべらっ!!!」
「やめでええええええええええええ!!ばりざにひどいごどじないでえええええええええええゆげらぁっ!!!」
「ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!…もっどわがら…」
「ゆんやああああああああああああ!!わきゃらにゃいよおおおおおおおお!!ゆぴぃ!!」
「むぎょおおおおおおおおおおおおおおお!!やめでえええええええええ!!ぱぢゅのぜながやぶらないでええええええええええええ!!むげろぉぉぉ!!」
「いながぼのおおおおおおおおおおおおおお!!ゆっぐりじないでじねえええええええええええええ!!!ゆぎりゃあああっ!!」
「ちゅ、ちゅぶれりゅうううううううううううううう…」
「やめでぐだざい!おねがいじばず!さいごのおぢびぢゃんなんでず!」
「ゆぴぃ!!…」
「お、おぢびぢゃんがああああああ…どぼぢでぇぇぇぇぇぇ…ゆぎゃああああああああああ!!もっどゆっぐじびぎゃああっ!!」
「もっと…ゆっく…」
「ばりざぁ…ばりざぁ…ばり…ゆぎゃああああああああああああああ!!やぶらないでええええええええええええ!!ゆぎぎゃあああああああああああああ!!」

驚いた。俊明がトンファで殴ったと思えば、れいむを脚で蹴り上げる。ちぇんにトンファで突き刺すと、隣で泣き叫ぶ赤ちぇんを右手で握りつぶした。
逃げ惑うぱちゅりーを掴み上げ、背中を千切るようにして破った。その中身をありすに掛けると、ありすは激怒した。
ありすが俊明に向かって突進してくる。俊明は笑みを浮かべると、ありすの半身を踏み抜いて殺した。
その後、赤まりさを足で押さえて体重を掛けていく。親まりさが懇願するが、俊明は踏み潰した。親まりさや、れいむは二つに引き裂かれて死を迎えた。
その惨状が終わると、俊明は深呼吸をした。俺は俊明に声を掛ける。

「お、俊明!」
「あ、はい!今終わりました!」
「お疲れさん!よくやったね!」
「いえいえ、自分はまだまだです…」
「取りあえず、拾うか。」
「あ、はい!」

俺と俊明は、ちまちまと死骸を拾う。破られた者、踏まれて靴跡が残った者、目玉が無いもの、様々な死に方をしている。
トイレ裏の死骸を拾い終え、公園の出入り口の死骸も回収し終わる。ゴミ袋はパンパンに膨れあがっていた。

「いや、今日は大量だな!」
「そうなんですか?」

そんな会話を俊明としていると、まりさが俺の後ろを忍び歩いていた。取り逃がしたのだろうか。


「そろーり…そろーり…」
「おお、俊明。あそこにまりさがいるぞ。」
「ああ、そうですね。潰しますか?」
「どぼぢでみづがっぢゃうのおおおおおおおおおお!!!」
「いや、潰す前に聞きたい事がある。まりさ、お前撲殺隊って知ってるか。」
「ししし、しってますううううう!!ゆっくりを、ゆっくりできないようにつぶしちゃうんですううううううう!!」
「誰から聞いた?何処で知った?」
「ばぢゅりーがらぎぎばじだあああああ!!おでがいでずううううう!!だずげでぐだざいいいいい!!」
「嫌だ。」
「ゆ゙ううううううううううううううう!?ゆぼっ!ゆべっ!やべっ!ゆぼぶっ!ゆ゙っ…ゆ゙っ…ゆ゙っ…ゆ゙ぎゃっ!!………」

俺は、まりさの死骸をゴミ袋に入れた。俊明と会話を続ける。

「こいつら、撲殺隊の事を知っている様子だったぞ。」
「ええ、そうですね。多分、光景を目撃した野良ゆっくりが話して回ったんでしょう。」
「逃げられると困るんだがなぁ…」

やりきれない表情でバンに向かうと、れみりゃが近づいてきた。まだ日は沈んでないのに大丈夫なのだろうか。

「う~♪あまあまよこすんだどぉ♪」

れみりゃは、俺が持っているゴミ袋を指さしてそう言った。

「これか?」
「う~♪そうなんだどぉ♪はやくよこすんだどぉ♪」
「先輩、これも殺るんですか?」
「…野良っぽいしな。殺ろう。」
「う~?」

俺と俊明はトンファを構えると、やりたい放題にれみりゃを殴った。

「うあああああああああああ!!やべるんだどぉ!!いだいだどぉ!ぶべっ!ざぐやああああああああ!!だずげるだぶべらっ!…うああああああああああ!!!
 ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!いだいどおおおおおおおおおおおおお!!あぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!
 ぬいでええええええええええええええええええ!やめるんだどおおおおおおおおおおおおおお!!!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!
 でびりゃのおででがあああああああああああああ!!!ざぐやあああああああああああ!!ざぐやああああああああああああああああああああああ!!!
 あぎいいいいいいいいい!!だずげでえええええええええええええ!!いだいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
 でみりゃのめだまがあああああああああああああああ!!みえないいいいいいいいあぐっ!!げほっ!ごほっ!やべるんだどおおおおおお!!
 だずげろおおおおおおおおおお!!ざぐやだずげぶべっ!…ごうまがんがえるんだどおおおおおおお…いぎぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」


れみりゃは、他のゆっくりと比べて長く苦しんだ。手足が変な方向に曲がり、歯がこぼれ落ちた。顔を殴り続けると、三倍ほど腫れ上がった
最期に殴りつけると、一際大きい悲鳴を上げてれみりゃは死んだ。顔は赤黒く、それはダルマのようだった。れみりゃもゴミ袋に詰めた。

「あー、とりあえず今日はお疲れ様。」
「はい!お疲れ様です!」

俺達は今度こそバンに乗ると、帰って行った。今日は大漁だ。帰りに風邪薬を買っておこう。



それ以来、撲殺隊の名は野良ゆっくりの間で噂になった。撲殺隊と会ったら最期、殴り殺されると。ゆっくりできなくされると。
殆どのゆっくりは外出を拒むようになった。殴り殺されたくないからだ。狩りも満足に行えず、餓死するゆっくりが多発した。
ダンボールに閉じこもり、なるべく人を避けるように。物乞いする姿も見られなくなった。全ては撲殺隊に見つからないように。
だが、撲殺隊は必ずやってくる。ダンボールだろうと、路地裏だろうと必ずやってくる。お前を必ず殺しに。


「っていうおはなしがあるんだよ!」
「ゆゆ!こ、こわいよまりさ…」
「「きょわいよおおおおお…!」」
「ゆ!おちびちゃんはしーしーしないでね!」
「まりさがこわいおはなしするからでしょ!ぷんぷん!」
「ぼくさつたいなんかいないよ!あれはゆっくりをこわがらせるためのうそぶべっ!!」
「まりさああああああああ!?」
「「おちょうしゃん?」」

「じゃあ、今日も仕事始めるか!」
「はい!」


カーキ色の作業服を身に纏った男が、そこに立っていた。

「ゆ…に、にんげんさんもしかして…ぼ、ぼ、ぼくさつ…」
「うしょじゃなかっちゃにょおおおおおおおお!!」
「たしゅけちぇえええええええ!!まりちゃちにちゃくにゃいよおおおおおおおお!!」

物語は、振り下ろされたトンファによって終わった。
最終更新:2010年10月13日 11:16
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