anko2428 はんせいしてますごめんなさい

『はんせいしてますごめんなさい』 36KB
虐待 嫉妬 誤解 日常模様 同族殺し 共食い 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 現代 独自設定 よろしくお願いします

ッじめに
善良な個体の虐待です
通常種のみ登場します
グロテスクな表現を含みます
以上の点に注意して読まれるようお願いします


「おにいざん!!! ごべんばざい!!! おでがいでずがらおうじにいれでぐだざい!!!」

街中の住宅街のとある家の玄関前
一匹のれいむが玄関のドアに向かって必死に呼びかけていた

「もうおにいざんどのやぐぞぐやぶっだりじまぜん!
 あやばりばず!!! はんぜいじばず!!!
 だがら、だがらでいぶをもういじどがっでぐだざい!
 おうじのながにいれでぐばさび!!!
 おにいいさあああああああああああああああん!!!」

必死の呼びかけが通じたのか、ドアが開き中から一人の中年男性が出てきた
れいむは悲痛に歪めていた表情をパァっと明るくして中に入ろうとした

「だれもいれるなんていってねーよ」

男性はそう言うと右足を振りあげてれいむの腹を蹴りつける

「ゆぐぅ!!! ・・・・・・ゆ、ゆゆゆごおお・・・げ、げええええ ・・・・・お・・・おにい・・・・さん?」

完全に油断していたれいむは蹴りをまともに受けてしまい、その場にへたり込んでしまう
苦しそうにうねうねと芋虫のように蠢くれいむ
口からは泡だった泥のような餡子を吐きだしている

「ゆごっ! ゆごごっ・・・! でいぶ・・・あやばっだ・・・のに・・・」
「しらねーよ。 謝ったからなんだってんだよ。 謝ったらそれで全部終わりだとでも思ってんの?」
「でぼぉ・・・でぼおおおおお!」
「でもじゃねーよ。 言い訳してる時点で反省する気ゼロだっていってるようなもんじゃねーかよ」
「ゆ、ゆうううううううううう!!! どぼじでえええええ! どぼじでごんなごどにいいいいい!」
「あーうるせーうるせー。 うぜーからさっさと消えろや」

男性はそう言ってドアを閉めてしまった
後に残されたれいむはただただ泣き続け、そのままそこで一晩明かした
翌日、男性が仕事に出かけに中から出てくると、れいむは一目散に駆け寄って挨拶をした

「おにーさん! ゆっくりいってらっしゃい!」

とびっきりの笑顔で挨拶するれいむ
れいむは頑張っていい子にしていればれいむの事を許してくれると考えていたのだ
お兄さんはれいむに一目もくれずさっさと行ってしまった
だがれいむはあきらめない
あきらめてはそこで全てが終わってしまう
お兄さんが許してくれるその日まで、頑張り続けるとれいむは心に誓った

「ゆううううう・・・・ おなかがぺーこぺこだよぉ・・・ べーこんごはんさんがたべたいよぉ・・・」

餌を与えられずに庭に放置されたままのれいむは、さっそく空腹に悩まされた
加工所で生まれ、ショップで育ち、外の世界を知る間もなくこの家にやって来たれいむは
ゆっくりふーどや人間さんの食べ残しを食べていたので、野生のゆっくりがするような食事はしたことが無かった
背に腹は代えられずいやいやながらも庭にぼうぼうと生い茂った雑草を一口かじってみる

「・・・・・・・・・・・・・・・ゆげえええええええええええええええええええええええ!!!!
 にがにがでゆっぐりでぎないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

草を咀嚼していくうちに草の汁が口全体に広がってゆき、苦いという感覚がじわじわとしみ込むように舌へ伝わってくる
耐えられずに吐きだしたが舌や歯茎には味の感覚が残っていた
お水でうがいをしようにも水の入った皿などどこにも見当たらない
れいむは仕方なく、自分の唾液で口の中が満たされるのを待った

とてもこんなものは食べられない
しかし、お腹はすいてしまう

何か他に食べれるものはないか辺りを見渡してみる
どこを見ても草、草、草・・・・・・
れいむはため息をついて後ろにコロンと倒れた
なにも考えずに空に浮かぶ雲を見つめる

「・・・これかられいむはどうすればいいの? ・・・おにいさんはゆるしてくれるのかなぁ?」

白い雲に問いかけるように、れいむは頭の中で不安に思っていることを言葉にした
その問いかけに答えるものはどこにもいない

空腹に耐えきれなくなったれいむは観念してもう一度草に挑戦する
一口むーしゃむしゃする度に溢れる汁を何とか飲み込んで、また新たに草を口に入れる
何度か戻しそうになったが、草を無理やり飲み込むことで何とか耐えきった

「むーしゃむーしゃ・・・・・しあわせええええ!
 このランチさんはとってもとかいはだわぁ!」

向かいの家で飼われているありすがしあわせーと叫んでいる
それを聞くと大粒の涙がぽろぽろとおめめから流れ落ちてきた

「ゆぐっ・・・・・・ゆぐううううう! どぼじでええええええ・・・ おにいざあああああんんんんん・・・・・」

れいむは怒られた理由が全く分からなかった
普段のように言われたことを守り、きちんとルールを守って生活していた
なのに、突然あんよをぺんぺんされ外に放り投げられたのだ
怒られた理由が分からないままのれいむはただただ悲しくて仕方なかった





「おにいざん!? はなじをぎいでね!? でいぶをむじじないでね!?」

固く閉ざされたドアに何度も身体を叩きつけて懇願するれいむ
帰って来たお兄さんと話そうとしたが完全に無視されてしまったのだ
れいむがどんなに呼びかけても、聞こえてくるのはテレビさんの音ばかり

「どぼじでっ・・・ どぼじでなんにぼいっでぐれないの!?
 でいぶはずっどいいごにじでだよ!? どぼじで・・・どぼじでえええええええええ!!!」
「・・・るっせえっつってんだろ!!!」
「ゆぎゃん!」

突然開いたドアが顔面に衝突して吹っ飛ぶれいむ
顔は真っ赤になり歯が何本か折れたが、それでもお兄さんが出てきてくれたことがうれしくて笑顔になる

「おにいさんきいてね! れいむはがんばったんだよ!
 とってもつらかったけどあきらめなかったんだよ!」
「だから、なに?」
「ゆっ・・・ こ、これからももっともっとがんばっておにいさんをゆっくりさせるよ!」
「で? 反省はどうした?」
「・・・ゆぅ? はん・・・せい・・・?」

れいむはぽかんと口を開けたまま固まってしまった
怒られた理由を思い出すことをすっかり忘れていたのだ

「その様子じゃ反省してないみたいだな。 じゃ、そゆことで・・・」
「まっ! まっでね!? でいぶはんぜいじでいいごにじでだよ!?」
「へぇ、じゃあ何をどう反省したか言ってみろよ」
「ゆぅ・・・ それは・・・」
「やっぱり反省してねーじゃねーか。 口だけの反省ならそこらへんのゲスでもできるわ」
「で、でもぉ・・・でもぉ・・・」
「また『でも』か。 まぁいい、それより飯は食ったのか?」
「ゆん!? ごはんさん!? ごはんさんくれるの!?」

ご飯という単語にもみあげを即座に反応させてピコピコ動かすれいむ
目がキラキラと輝いて、涎がたらりと滴り落ちる

「まだやるとはいってねえよ。 そこに草沢山はえてるだろ?」
「ゆん? ・・・くささんはゆっくりできないよ」
「話は最後まで聞け。 そこに生えてる草を全部食べたら飯食わしてやるよ」
「ほ、ほんとにいいいい!? うそじゃない!?」
「本当だ、まぁせいぜい頑張れや」
「ゆわぁい! れいむ、がんばってむーしゃむしゃするよ!」

お兄さんはそう言ってドアを閉めた

「さっそくむーしゃむしゃするよ! くささんはゆっくりれいむにたべられてね!」

草に向かってそう宣言したれいむはおくちを大きく開けて草にかじりついた
お口の中いっぱいに広がる青臭い臭いと、じわじわとにじみ出る苦い草
ゆっくりできない臭いと味を我慢して無理やり口の中へと押し込んで行く

「むうううううじゃあああああむうううううじゃあああああああ・・・・・じばばぜえええええええええええええ!!!」

しあわぜーは本当のしあわせーではなく、無理やりひねり出した言葉だった
そうでもしないと、ゆっくりできなさすぎて餡子がおかしくなりそうだった

「げええええええっぷ! ゆぅ・・・まだまだたくさんあるよ。 でも、れいむあきらめないよ!」

草を全部飲み込むと、また次の草を引っこ抜いて口の中へと押し込む
ようやくお腹がいっぱいになり、次第に眠くなっていくれいむ
しかし、ゆっくりできるべっともふかふかもどこを探しても見当たらない
仕方ないので引っこ抜いた草をしいて、縁の下で眠ることにする

「ゆぅぅぅ・・・ はやくおうちのなかでゆっくりすーやすやしたいよぅ・・・」

冷たい地面に敷いた青臭い草の上へ倒れこむように横になるれいむ
口の中には草の苦い味がまだ残っている

「どぼじでおにいさんはあんなにぷんぷんしてるの? れいむはいったいなにをしたの?
 わからないよ・・・ おにいさんおしえてよ・・・れいむはいったいなんてあやまったらいいの?」

どんなに考えても、れいむは反省すべき理由がわからない
疲れ切ったれいむは考えがまとまらない内に眠ってしまった
れいむは夢の中でべーこんごはんさんをおなかいっぱいむーしゃむしゃした
夢の中でお兄さんはいつものお兄さんに戻って、れいむを優しく介抱してくれる
お兄さんはれいむにしていたことを謝って、れいむのことを許してくれた

(ゆふふふふ・・・ れいむはおこってたけどゆるしてあげるよ・・・
 またいっしょにたっくさーんゆっくりしようね・・・・・)

そんな幸せな夢は、突然中断された
もみあげを引っ張られて無理やり縁の下から引きづり出されたのだ

「ゆ・・・! ゆゆゆゆううううう!? おにいざん!? でいぶになにずるの?!」

混乱したれいむは身体をぐねぐねとうねらせて必死に抵抗した
外はまだ暗く、おひさまは顔を出していない

「まぁ落ち着け。 おまえにプレゼントしてやろうとおもってな」
「ゆぅ!? プレゼントさん!?」
「そうだ、今さっきジョギングしてたらゆっくりが因縁つけてきたんだよ
 んで、フルボッコにしてぶっ潰してやったんだわ。 それがこいつ等な」

お兄さんはそう言うと、ビニール袋から二体のゆっくりの死体を取り出してれいむの前へ放り投げた
恐らく番であろうまりさ種とれいむ種が一体ずつ
大きく目を見開いて、口をだらしなく広げたまま絶命している

「ゆげええええええええええええ!? なにごでええええええええええええ?!」
「だからプレゼントだって。 これ中身は餡子でできてるんだからお前食えるだろ?
 お前の為に持って来てやったんだから遠慮しないで食べていいんだぞ」
「ごんなのだべれるわげないでしょおおおおおおおおおおおおお!? ばがなのじぬのおおおおおおお!?」
「はぁ!? 食えないわけねーだろが! それ食い終わるまでここでみてやるから早く食え。 残さず食え」
「だがらむりだっでいっでるでしょ!? れいむのはなじをぎいでね!?」
「食わなかったらもう許してやらねーぞ。 それでもいいのか?」
「ゆぅ!? なんでそうなるの!?」
「反省してるならくえるよなぁ? なぁ? 反省する気ねえのか、こら」
「・・・はん・・・せい」

反省という言葉を出されたとたん黙ってしまうれいむ
まるで魔法をかけられたように従順になってしまう

「早くしろ。 じゃねーともう許してやんねーぞ」
「・・・ゆっくりりかいしたよ」

一撃で踏みぬかれたのか、脳天を潰されてぺしゃんこになった二つの骸
目玉が飛び出て餡子がはみ出だして表情が読み取れないほど激しく損壊している
はみ出たその餡子を恐る恐る口に含み、飲み下す
口の中には甘いゆっくりした味が広がってゆく
しかし、れいむはまったくゆっくりできない

想像してみてほしい
どんなにおいしそうに調理されていたとしても
それが人間の肉だと知っていてあなたはそれを食べることができるだろうか

「全部残さずたべろよ。 できるだけ早くな」

お兄さんの声がこんなに恐く感じたのは初めてだった




「ゆ、ゆべえ・・・ ゆぎゅううう・・・ ごっくん!」

時刻は昼の十二時をまわり、れいむはようやくゲス番の死体を完食することができた
口の周りにべっとりと餡子をつけたれいむ
その顔は大量のカロリーを摂取しているにもかかわらずげっそりとやつれている

「なんで・・・ でいぶが・・・ ごんなべに・・・・」

死臭が体中に染みつき、一秒たりともゆっくりできない
お兄さんが打った精神強化剤が無ければとっくに餡子を吐いて永遠にゆっくりしてしまっていただろう

「よし、全部食べたな。 偉いぞ、れいむ」
「ゆぅ!? おにいさん!? れいむをゆるしてくれるの!?」

食べ終わるまでずっとそばにいたお兄さんが漸く口を開いた
れいむは期待に腹を膨らませ、もみあげをピコピコさせてお兄さんにすり寄る
しかしその淡い期待は一瞬で打ち砕かれた

「はぁ!? 偉いとは褒めたが許してやるとは一言も言ってねーけども」
「どぼじでぞんなごどいうのおおおお!? でいぶごんなにがんばっだんだよ!?」
「まぁ、頑張り次第では許してやらんこともねーけどよ。 まだまだ頑張りが足りないってこった」
「これいじょうなにをがんばればいいのおおお!? でいぶはもうげんっがい!なんだよおおおおおお!」
「それだけ喚ければ大丈夫だ、問題ない。 れいむ、お前に新しい課題をくれてやろう」
「あたらしいかだいさん!? まだなにかしなくじゃいげないのおおおおおお!?」
「なに、難しいことじゃねーよ。 家の壁を全部なめなめして綺麗にしろ
 それができたらお前を許してやる」
「・・・なめなめってぺーろぺろのこと?」
「そうだ、この家の壁の汚れをすべてぺーろぺろして綺麗にするんだ」
「ぞんだごぼでぎるばずないでじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「それと引き続き庭の雑草毟りもやれよ。 ある程度綺麗になったらまた飯食わしてやるから」

れいむは途方もない課題に茫然自失になった
このれいむにとってあまりに巨大なお家をぺーろぺろで綺麗にしなくてはならないのだ
それに草も食べ続けなければならない

「誠意をみせろよ、れいむ」

そう言ってお家の中に入って言ってしまうお兄さん
今日はお兄さんの仕事が休みの日で、本来ならお兄さんと沢山遊んで好きなだけゆっくりできる筈だった
それがどうだろう
いまのれいむには、ゆっくりのゆのじもない

「ゆぅ・・・ とりあえずくささんをむーしゃむしゃするよ・・・」

それでもれいむはあきらめなかった
与えられた課題を一つ一つクリアすれば、れいむは許されてまたゆっくりした毎日が戻ってくる
そんな一筋の希望にすがる様に、れいむは草をむーしゃむしゃしていった

それから数日後
れいむは草をある程度食べ終えると壁の清掃へと取りかかった
白く塗られた壁は薄らと塵が被っており、れいむが舌で舐めるとそこだけぴかぴかになった
草と違って極端ににがにがな味がするわけではないが、ゆっくりできる味など当然するはずがない

「ゆっくりぺーろぺろするよ・・・ ぺーろぺろ・・・・・」

少しずつ壁の汚れをなめとっていくれいむ
ふと、べーこんごはんさんを食べた後のお皿をぺーろぺろした時のことを思い出した
ぺーろぺろする時はいつも幸せだったのに、今しているぺーろぺろはただただ虚しい

「みゃみゃ! みちぇみちぇ! あのれいみゅかべしゃんをぺーりょぺりょしてりゅわ!」
「しっ! みちゃだめよ! あのれいむはちょっとあんこがふじゆうなのよ、かわいそうなのよ」
「どうしちぇ? いにゃかもにょなにょ?」
「そんなこといったらとかいはになれないわよ! さ、もういきましょ。
 かえったら、ままがぺーろぺろしてきれいにしてあげるわ」
「ゆん! みゃみゃのぺーろぺろはとっちぇもゆっくちできりゅわぁ!」

野良のありすの親子が通りかかって話しているのが聞こえた
れいむは清掃をやめて、その親子をじっと見つめていた

れいむは生まれてすぐに親から引き離され、金バッチをつけた他ゆんのありすやれいむに育てられた
育ての親の言うことを素直に聞いていたのでゆっくりショップの人間さんはやさしくしてくれた
だから、れいむは人間さんの言うことをきちんと守ればゆっくりできると信じている
野良が庭にやってきても無視してやりすごしたし、一緒に遊ぶようなことはなかった

野良は自分勝手でルールをわきまえないとてもゆっくりしていないもの
そういう認識を加工所で刷り込まれたれいむにとって野良とはそういう存在だった

だが、ありすの親子はとってもゆっくりしていた
その理由をれいむは理解できない

「ゆぅ? もしかしてのらはゆっくりできるの? みんなはれいむにうそをついてたの?」

子ゆっくりのころに去勢されたれいむはぼせい(笑)の形成に至らなかった
ぼせい(笑)が存在しないため、おちびちゃんはゆっくりできるという感覚も存在しない
そのため、ありすの親子がゆっくりしていたのは、親子が一緒だからではなく野良だからという認識にすり替わる
加工所やショップで言われ続けていた野良はゆっくりできない存在という認識が揺らぎ始めた
極度のストレスと疲労が伴ってれいむの判断能力は劣化していたこともあり、疑念が頭をもたげる

「こんなことなられいむものらになりたいよ。 のらがあんなにゆっくりできるなんてれいむしらなかったよ・・・」

あんよがずーりずりと外の世界へと向かって無意識に動いていく
門を出ればすぐに外の世界へと出て行けるのだ
後少し、もう少しでゆっくりできる・・・

「なにかんがえてるんだろうね・・・ れいむはおにいさんにせいいさんをみせてゆっくりするんだよ・・・」

お兄さんの存在を思い出して足を止めるれいむ
もしここで外の世界に出て行ってしまったら、お兄さんはもう二度と許してくれないだろう
もう一度・・・もう一度お兄さんとゆっくりするんだ!
れいむは確固たる決意の元、与えられた課題へと取りかかった

「お~頑張ってるじゃねーか。 正直ここまでやるとは思わなかったぞ」
「ゆん! おにいさんじゃましないでね! れいむはがんばってるんだよ!
 がんばってせいいさんをみせておうちにいれてもらうんだよ!」
「そーかそーかいい心がけだな。 そんなれいむにプレゼントをもってきてやったぞぉ」
「・・・ぷれ・・・ぜんと・・・さん?」

プレゼントという単語に凍りついてしまうれいむ
お兄さんが抱えている、がさごそと動く段ボールに視線が釘づけになる

「お、その様子だとプレゼントがなんなのか大体察しがついてるようだな
 じゃあ早速御開帳といこうか。 今日のプレゼントは元気なおちびちゃんでーす!」

お兄さんはそう言って段ボールをひっくり返して中身をぶちまけた
れいむ種とまりさ種が五匹ずつ計十匹の赤ゆっくり達が地面にぼとぼとと落ちてくる

「おとおしゃあああん!? おきゃあしゃああああん!?」
「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい! いちゃいよおおおおおおおおおおお!」
「まりしゃのおぼうちかえちちぇえええええええ! ゆんやああああああああああ!」
「どびょじじぇごんにゃごじょしゅりゅにょおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「ゆぅ・・・ いたいのはいやなんだじぇ・・・ こわいんだじぇ・・・」
「もうやじゃあああああ! れいみゅなんにもわるいこちょしちぇないのにいいいいい!」
「かわいいれいみゅがなんでこんにゃめに・・・・」
「おきゃあしゃん・・・・ おとうしゃん・・・・・」
「ゆっ・・・ゆっ・・・」
「ゆんやあああああああああ! ゆんやあああああああああああ!」
「おちびちゃんたち!? ゆっくりしていってね!? ゆっくりゆっくり!」

突然外に放り出された赤ゆっくり達は一斉に泣き出した
中には瀕死の者もおり、れいむはどうしていいか判らず狼狽する
そんな光景を見てにっこりとほほ笑むお兄さん

「それ、食え」
「・・・・・ゆ ・・・・・お兄さん? いまなんて?」
「食え。 残さず全部食え」
「これ、ゆっくりだよね? おちびちゃんだよね?」
「だからなんだ。 食え」
「で、できないよ・・・ おちびちゃんなんかむーしゃむしゃしたら・・・」
「できぬともうすか。 いま、できぬともうしたか」
「ゆぅ?」
「食わないならお前はもう許さない。 お前はそこで乾いていけ」
「そ、そんな・・・」
「どうした、はやくしろ」
「ゆう・・・・ れいむは・・・」

泣き叫ぶおちびちゃん達
じっとれいむを見つめるお兄さん
ゆっくりの中での最大の禁忌である同族食い
そしてもう一つの禁忌、おちびちゃん殺し
れいむはその片方を既に犯している
もう片方も犯せば、れいむは立派なゲスゆっくりになってしまう

「・・・ゆっくりりかいしたよ」

れいむの中で、理性よりもお兄さんへの恐怖が勝った

「おちびちゃんはれいむにゆっくりたべられてね。 はーみゅはみゅ」
「ゆぴぃ!? ゆんやああああああああああ! はなしちぇええええええええ!」

れいむは一匹の赤まりさを咥える
咥えられた赤まりさはぶりんぶりんとあんよを左右に振って抵抗している
なかなか踏ん切りがつかないのか咥えたまま動かないれいむ
そんなれいむにお兄さんはあるものを注射器で注入した

「ゆひぃ!? ほひひはん?へいふひはひひはほ? ・・・はんはははははははふふはっへひはほ?」

注射器のラベルには『コンポストゆっくり用食欲増進剤 精神強化成分配合』と書かれている
れいむは頭がぼーっとして身体が熱くなっていくのを感じると同時に今まで感じたことのない空腹感を感じた
まるで三日三晩食事を取らなかったような飢え
めがぐーるぐるして、舌がピクピクとひきつる

「はなしちぇええええええええ! まりしゃまじゃしにちゃく『ぐちゃ!』・・・!」

咥えていた赤まりさを噛み潰したれいむ
その光景を見て、他の赤ゆっくり達は一斉に逃げ出した

「なんだかとってもおなかがすいたよ! れいむはたっくさんむーしゃむしゃするよ!」
「こっちにくりゅなあああああああ! このげすうううううううううううう!」

一匹の赤れいむに狙いをつけて飛び跳ねるれいむ
すばやく回り込んで赤れいむをもみあげでつまみあげる

「はなしちぇえええええええええ! れいみゅをたべにゃ『げちょ!』・・・!」
「しあわせええええええええええええええ!」

光悦の表情を浮かべるれいむ
眼下で息を切らしてお腹に体当たりをくり返す赤まりさに気づく

「きょうぢゃいをこりょしちゃげしゅはまりしゃがせいっしゃい!しゅりゅのぜえええええ!
 ゆっくちしにゃいでしゃっしゃちょ・・・ゆわあああああああ!
 はなしちぇええええええ! ゆるしちぇええええ『げしょげしょ!』・・・!」
「しあわせええええええええええええええ!」

「ゆわあ、あ、あ、あ、あ・・・・ みんにゃてべられちゃうのじぇ・・・」
「きょわいよおおお・・・ れいみゅもうしんじゃうにょかなぁ・・・」
「ゆうううう・・・ おきゃあしゃん・・・ おちょうしゃん・・・」
「どびょじぢぇ・・・ どびょじぢぇごんにゃめに・・・」

壁の隅にひと塊りになって震える赤まりさと三匹の赤れいむ
れいむは大きく広げた口でそれらを被うと、口を閉じて一気に噛み砕いた

「しあわせええええええええええええええ!」

「ゆっ・・・ゆげえええええええ!」
「ゆっ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」
「しあわせええええええええええええええ! しあわせええええええええええええええ!」

精神的に追い詰められて餡子を吐く赤まりさと既に瀕死になっていた赤れいむ
それらを食べ終え、最後の一匹になった赤まりさににじり寄っていくれいむ

「ゆわぁあわわわ・・・・ まりしゃ・・・おいしくにゃいよ? たべちぇもおいちくにゃいよ?
 おねがいぢゃかりゃこっちにこにゃいでにぇ? まりしゃとゆっくちしてにぇ?」
「かわいいれいむはむーしゃむしゃするよ!」
「ゆんやあああああああああああ『ぷしゃああああああああ!』あああああああああああ!」

赤まりさの下腹部から、おそろしーしーが勢いよく噴出される
がたがたと震える赤まりさを前に、れいむは笑顔で宣言した

「ゆっくりいただきます!」
「やめりょおおおおおおおお! しにちゃくにゃあ『ぎっちょん!』・・・!」
「しあわせええええええええええええええ!」

全ての赤ゆっくりを完食し終えたれいむ
そんなれいむにお兄さんはこう言った

「見ろよ、あのれいむゆっくりしてないだろ?」
「あんなにかわいいおちびちゃんをたべちゃうなんて・・・ このゆっくりごろし・・・」
「みゃみゃぁ・・・ ありしゅこわいわぁ・・・」

お兄さんの傍らには、先ほどのありすの親子がいた





「おにいさん! おにいさんにもらったぶろっくさんで
 ありすのおちびちゃんがとってもとかいはなこーでぃねいとをしたのよ!」
「みちぇみちぇ!おにいしゃん! ありしゅがんばっちゃわ!」
「すごいなぁ! ありすもありすのおちびちゃんもとっても都会はだな!」

お家の中からは楽しそうなお兄さんとありす親子の声
れいむはそれを聞くと惨めな気持ちになるので聞かないようにしていたが、嫌でも耳に入ってくる

れいむが赤ゆっくりを食い殺したあの後、お兄さんはれいむではなくありすの親子を家に入れた
お兄さんは新しくありす種が飼いたくなったのでつれてきたとのこと
れいむにとってはあてつけにしか思えなかった

毎日のように聞こえるありす親子の生活音
それを聞くたびにいーらいらするれいむ
れいむはただただ耐え続け、今日も壁を綺麗にする

「とってもとかいはならんちさんだわぁ! おにいさんゆっくりありがとう!
 ほら、とちびちゃんもおれいをいいなさい!」
「おにいしゃん! ゆっくちありがちょー!」
「いいんだぞー! いっぱいたべてゆっくり大きくなってね!」

れいむの大好きなべーこんごはんさんの臭いがする
臭いだけ嗅がされておなかが情けない音を立てた
もうここ何日もまともなごはんを食べていないれいむにとっては拷問だ

「ゆうううぅぅぅぅ・・・ れいむのべーこんごはんさん・・・・」

空腹を紛らわすために、その辺に生えていた雑草を毟って口に入れるれいむ
もう雑草の味には慣れたがちっともゆっくりできない

「みゃみゃ! ありしゅこーりょこりょすりゅからみちぇちぇにぇ! こーりょこりょ!」
「とってもとかいわなこーろころだわぁ! おにいさんもみてあげてぇ!」
「可愛いなぁありす! もっかいこーろころして見せてくれるか?」
「ゆっくちりかいしちゃわ! こーりょこりょ!」

楽しく遊ぶありす親子とおにいさん
前はれいむがお兄さんを一人占めして一緒に遊んでいた

「おにいしゃんしゅーりしゅりしちぇ! しゅーりしゅり!」
「だめよ、おちびちゃん! おにいさんはいまてれびさんをみてるのよ!」
「いや、かまわんぞ。 ほーらこっち来い、すーりすり」
「ゆわぁい! おにいしゃんのおちぇちぇとっちぇもあっちゃかいわぁ!
 ありしゅ、おにいしゃんのおちぇちぇだーいしゅき!」

お兄さんの手にすーりすりする赤ありす
その手はれいむだけに優しくしてくれる温かい手だった

「ありしゅ、にゃんぢゃかにぇむいわぁ・・・」
「ちょっとおひるねにしましょうか・・・ おちびちゃんゆっくりおやすみなさい」
「ありしゅおにいしゃんとねむねむしちゃいわ・・・」
「ああ、いいぞ。 ありすもこっちに来いよ」
「ええ!? いいの!? おにいさんはほんっとう!にゆっくりしたにんげんさんね!」
「それほどでもあるよ。 さぁ、みんなでゆっくりお昼寝しようか」
「ゆぅ・・・ ありしゅ・・・ おおきくなっちゃらおにいしゃんのおよめしゃんになりゅ・・・ゆぴー」

お兄さんとお昼寝するのはれいむの特権の筈だった
今は別のゆっくりがおにいさんの手の中で眠っている

「ぺーろぺろ!ぺーろぺろ! ゆっくりしないでかべさんはきれいになってね! ぺーろぺろ!」

れいむは早くお兄さんを取り戻そうと躍起になった
しかし、れいむの小さな舌では壁を綺麗にするのには時間がかかりすぎる
まだ四分の一も終わっていないのだ

「ぺーろぺろ!ぺーろぺろ! ぺーろぺr・・・・ゆぐうううううううう!!!
 なんででいぶがごんなごぢじなぐじゃいげないのおおおおおおおおおおお!?
 おにいざんあんなにやざじがっだのにいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
 なにがいげながっだの!? なにがわるがっだの!?
 でいぶはなにぼあやばればいいぼおおおおおおおおおおお?」

壁に額をつけて、ぽろぽろと零れ落ちる涙を見つめるれいむ

奪われてしまったしあわせ
終わらない課題
ゆっくりできない食事
変わってしまったお兄さん
何が問題で、何が悪かったのか

れいむにはとうとう答えが分からなかった

永遠と続くと思われた絶望的な生活
だが、そんな日々は突如として終わりを告げる

「おにいしゃんはなしちぇええええええ! みゃみゃあああああああ!
 どぼしちぇたしゅけちぇくりぇにゃいにょおおおおおおおおおお!?」
「ごめんなばい! おでがいでぶがらおじびじゃんぼばなじでぐばばい!」
「うるせーよこの屑ども。 あんなに可愛がってやったのに恩をあだで返しやがって」
「どぼしちぇこんにゃこちょしゅりゅにょおおおおおおおおおおおおおおおお!?
 ありしゅなんにもわりゅいこちょしちぇないにょにいいいいいいいいいいい!!!」
「だべえええええええええええええ! ぞんなごどいっじゃだべええええええええ!!
 おでがいだがらおにいざんにあやばっでええええええええええええええええええ!!」
「はー・・・ どうしようもねえクソ餓鬼だな
 お前死刑確定だから。 ゆっくり苦しんで死んでいってね」
「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいい!!!
 もうやじゃ! おうちかえりゅううううううううううううううう!」

お兄さんにつかまれている赤ありすと、顔をぐしゃぐしゃにして謝り続ける親ありす
そんな二匹をお兄さんは汚物でも見るかのように見ていた
れいむが外から家の中を覗くとカーペットの上にシミができている
どうやら赤ありすが粗相をしてしまったようだ

「おい、れいむ! いるか?でてこい!」
「ゆぅ、れいむはここだよ。 おにいさん」

庭に出てれいむを呼ぶおにいさん
れいむは一目散にお兄さんのところへ跳ね寄っていく

「これ、食え」
「ゆぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
「おにいざああああああああああああああん! やべべええええええええええええええ!!!」

さも当然とでも言うかのように言い放ったお兄さん
赤ありすはこのお家に来た日に、れいむがおちびちゃんを食い殺しているのを見ていたので必死に抵抗する
親ありすの方は、泣きながら懇願しつづけていた

「おでがいでずがらおちびじゃんぼごろざないでぐだざいいいいいいいいいいいい!!!」
「言ったよなぁありす。 こいつがトイレで失敗しないようにちゃんと面倒見ろって」
「ありずはじゃんどおじえだわ! でぼじょっどめをはなじだずぎにいいいいいいいいいいいい!」
「阿呆が。 今回だけじゃねーだろーが。 こいつが何回失敗したか覚えてるか?」
「ええっと・・・ いち、にい、たくさん・・・ だぐざんでずうううううううううううう!!!」
「だろぉ? トイレの場所も覚えられないゴミ屑は死んだ方がいいよね! ゆっくりりかいしてね!」
「ぞんだあああああああああああ!!! もういっがいだげじゃんずぼぐばばいいいいいいいい!」
「嫌だよ、何度もチャンスやったのにそれを不意にしたお前が悪い」
「どぼじでえええええええええええええええええええええ!!!」
「ゆんやああああああああああああああ! みゃみゃあああああああああああああああ!」

れいむは呆れた
トイレの場所も覚えられないなんて、なんてバカなんだろう
れいむが同じくらいの大きさだったころはトイレの場所はおろか数や文字まで覚えさせられていた
その程度もできないのにれいむのお家で暮らし、お兄さんを一人いじめしていたなんて・・・

「おにいさん! はやくそのくずをちょうだいね! れいむはおなかがすいてるんだよ!」
「お、れいむはほんとにいい子だな~! 流石は加工所産だけあるな」
「なにいってりゅにょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「やべろおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼだべるなああああああああ!」

れいむは子ありすを直ぐにむーしゃむしゃできるように身構えていた
憎きありす親子に自ら制裁をくわえることができるのだ
楽しくないはずがない

「いくぞ~! ほ~れ!」
「ゆぴいいいい! おしょらをとんじぇるみちゃいいいいいいいいいい!?」
「やべろおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼだべるなあああああああ!」

放り投げられた子ありす、踏みつけられて身動きとれない親ありす
れいむは落下予測地点に先回りして口を大きく開けた
その中に子ありすがすぽりと入り、れいむは思いっきり口を閉じた

「ゆんやああああああ! ありしゅまだしにt『びちぃぐちゃ!』・・・!」
「むーしゃむーしゃ! むーしゃむーしゃ!」

子ありすが絶命しても執拗に噛み砕くれいむ
まるで今までため込んできた不満を全てぶつけるかのように・・・

「しあわせえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
「あでぃずのおじびじゃんがあああああああああああああああああああああああ!!!!」

久々に心の底からゆっくりを感じたれいむ
絶望の真っ只中に叩きこまれたありす

お兄さんはそんな二匹をみて満足そうにほほ笑むとお家の中に入って行った




「はやくしてね! れいむはおこってるんだよ!」

怒りの声を上げるれいむ
口には錆びた錆びた釘を咥えている
庭にはれいむのほかにありす、まりさ、ぱちゅりー、ちぇんがいる
れいむ以外のゆっくりは総出で家の壁をなめて綺麗にしている

「ごべんなべい! あやばりばずがらゆるじでぐださい!」
「もうへとへとなんだぜええええ! おねがいだからゆっくりさせてほしいのぜええええ!」
「むきゅ・・・エレエレエレ。 もっど・・ゆっぐじ・・・」
「わぎゃらないよおおおおおお! ぱちゅりーしっかりしてねええええええ?!」

ぱちゅりーが中身のクリームを吐きだして、心配そうに駆け寄る一同
れいむはそんなゆっくり達に満面の笑みを浮かべて言い放った

「ぱちゅりーはきょうのごはんさんだよ! れいむがむーしゃむしゃするからね!」
「「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」

驚愕するゆっくり達を放っておいて、れいむはぱちゅりー近寄ってほっぺをガブリと食いちぎる

「むーしゃむーしゃ・・・・しあわせええええええええええええええ!」

ぱちゅりーを食べたれいむはとてもゆっくりした表情を浮かべた
他のゆっくりは寄り添ってがたがたと震え、恐ろしーしーを漏らす

「なにしてるの!? さっさとかべさんをぺーろぺろしてね!
 きょうののるまさんをたっせい!するまですーやすやもきんしだからね!」

れいむは咥えた釘を振りかざし、生き残ったゆっくりを仕事へと駆り立てた
あれからお兄さんは野良を拾って来て、その野良に何か不都合なことがあるとお庭に放り出した
外に出されたゆっくり達は庭に住んでいるれいむに番や姉妹を食われ、以後奴隷としてれいむの課題を手伝わされている

「よぉ、れいむ。 今日も精が出るな」
「ゆゆ? おにいさん? あたりまえだよ! れいむはがんばってるんだよ!」
「そーかそーか。 で、結局怒られた理由は分かったのか?」
「ゆぅ? りゆうさん? なにそれおいしいの?」
「ふっ・・・そんなもんか。 まあいい、今日でお前のことをゆるしてやるよ」
「ゆーん!? ほんとうなの!? れいむ、もうがんばらなくてもいいの!?」
「ああ、もう頑張らなくていいんだぞ
 そうなるとそいつらはもういらないよな。 全部食って処分しとけよ」
「ゆっくりりかいしたよ!」
「「「どぼじでぞうなるのおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」」」

涙を流して嘆く野良達はれいむがにじり寄ると直ぐに身構え戦闘態勢に入った
沢山の野良を食らい体調良好なれいむ
僅かな食事しか与えられず貧弱な身体を酷使してきた野良
結果は比を見るより明らかだ

「いぢゃいいいいいいいい! までぃざにひど『ぶすり』ゆぎゃあああああああああああ!」

両目を刺された後まむまむに釘を突っ込まれたまりさ

「わぎゃらないよおおおお! どぼじでごんな『むしゃり』・・・!」

顔面を容赦なく噛みちぎられて断末魔も上げられず絶命するちぇん

「のろってやるううううう! ごのいながぼの『へしゃり』ごべええええええええええええ!」

身体を抑えつけられて不自然な方向へと無理やりへし折られたありす

「れいむのすーぱーむーしゃむしゃたいむはっじまっるよー☆」

物言わぬ饅頭になった四体の野良に、れいむはドヤ顔で言った
苦労の末に獲得したしあわせーな食事
れいむは夢中でむしゃぶりつき、作業着の人間さんがお兄さんのお家を尋ねてきたことに気づかない

「あ、どーもー! お待たせして申し訳ありませ~ん」
「別にいいんですよ。 あれを引き取ってもらえればいいだけなんで」
「はぁーい。 ではさっそく・・・ うわ!これはひどい・・・」
「もう手がつけられなくてどうしようもないんですよ・・・」

明るい声で挨拶をした作業着の人間さんは、れいむを見て絶句した
おいしそうに同族を食べるれいむ
口の周りは餡子やカスタードでべたべた
ゆっくりが饅頭とは言え見ていてあまり気持ちの良い物ではない

「ええっと・・・ じゃあ、連れて行きますね・・・」
「はい、助かります。 支払いはクレジットでも大丈夫ですか」
「あっ・・・ はい、大丈夫ですよ。 ちょっと待っててください」
「ゆーん! がんばったれいむへのごほうびさんだよ! むーしゃむーしゃ!」
「おい、れいむ!」

作業着のお兄さんが支払い用の端末を取りに行くとお兄さんはれいむを呼んだ
れいむは食事を中断され不機嫌そうに膨れるが、お兄さんに呼ばれたので直ぐに笑顔になってすり寄っていく

「おにいさん! れいむがんばったよ!」
「ああ、頑張ったなれいむ。
 そんなことより、れいむ。 今日でお前とはお別れだ」
「ゆーん! おうちにいれ・・・ゆぅ? おわ・・・かれ・・・?」

れいむはお兄さんの言っていることが理解できない
お別れという言葉に思考がフリーズする

「そうだ、お前は加工所に連れて行って処分してもらう」
「しょ・・・ぶん・・・?」
「永遠にゆっくりさせるってことだ」
「ゆううううううううううううううう?! なんでえええええええええ!?」
「さあ、なんでだろうな。 そんなことよりれいむ、怒られた理由は分かったか?」
「ゆぅ!? ぞんなのわがらないよ!?
 でもでいぶがんばっだんだよ!? ぜいいざんをみぜでばんぜいじだんだよ!?」
「だろうな、お前は怒られた理由も分からないで俺に謝罪して反省したわけだ」
「ぞうでず!!! でいぶはおごられだりゆうばわがりばぜん!
 でぼいっじょうげんべいばんぜいじばじだ! あやばりばじだ!
 だがらでいぶを『・・・だよ』・・・ゆ?」
「もともと理由なんてなかったんだよ。 お前は俺のと言った通りずっといい子にしてた
 勝手にむーしゃむしゃすることも、野良っとすっきりして子供を作ることもしなかった
 お前はゆっくりにしては聞き分けのいいやつだったよ」
「・・・じゃあ、どぼじで?」
「だから理由なんてないっていっただろ。 まぁ、早い話飽きたんだわ」
「・・・あきたさん?」
「そうだ、だからお前を家の中から閉め出した
 だけどお前は自分が何か悪いことをして追い出されたと勘違いした。 ただそれだけなんだわ」
「どぼじで・・・? どぼじでなのおおおおおおおおおおお!?
 でいぶがいいごにじでだらあんばにぼめでぐべばぼびいいいいいいいいいいい!!!」
「この数日間、理由も解らないで必死に反省してるお前を見てて十分楽しめたよ
 まぁ、お前の言葉を借りて言うならゆっくりできたってとこだな」
「じゃあ! じゃあ!!! でいぶをもういじどがっで『それはできない』どぼじでえええええ?!」
「言ったろ、飽きたって。 もうお前がどうなろうが知ったこっちゃない」
「ゆうううううううううううううううううううううう!!!!
 なまいぎなぐじをぎいでごべんばばい! ばんぜいじでばぶごべんばばい!!!」
「必死だな、おぃ」

泣いて額を地べたにこすりつけるれいむをニヤニヤと見下ろすお兄さん

「おまたせしました~」

作業着の人間さんが戻ってくるとお兄さんはニヤついた顔をキリっと引き締めた
支払いが済むと作業着の人間さんは透明な箱にれいむを入れた
加工所特性のゆっくり専用防音ケースである

「お゛に゛い゛ざあああああああああああああ『パタン』・・・・」
「じゃあ、お願いしますね」
「はい、でも本当にいいんですか? 銀バッチでとっても懐いてるみたいですけど」
「昔はいい子だったんですよ、でも今は・・・」

そう言って庭に目をやるお兄さん
庭にはれいむが食い散らかした野良の死体が散乱している

「・・・確かにこうなったら手放したくなるのも無理はないですよね」
「すみません、情が湧くといけないので・・・」
「あ、はい。 では、またご利用になる時はよろしくお願いします」
「はい。 ありがとうございました」
「いえいえ。 こちらこそ・・・では」

挨拶を終え、乗って来た軽トラックの荷台にれいむを放り込んで出発する作業着の人間さん
お兄さんは無言でそれを見送った

「ばんぜいじでばずごべんばばい!
 でいぶばわるいごでじば! げずばゆっぐぢでじだ!
 あやばりばずがらゆるじでぐばばい!! おべがいじばず! だのみばず!
 ごでがらばごごぼをいべがべでいいごにじばず! だがらッ! だがらああああああ!!!!」

れいむは透明な箱の中で、誰に聞かれることもない謝罪を繰り返していた





あとがき
前回『anko2410さくのなかとそと』を投稿させていただいた者です
どうやら沢山の方に読んでいただけたようで、大変ありがたいことです
にとりあきさんには素敵な挿絵を書いていただき、本当にありがとうございます
皆さまにこの場を借りてお礼を申し上げさせていただきます

今回の作品はいかがでしたでしょうか
感想がございましたら感想板に書き込んでいただけると大変助かります
次回の作品の参考にさせていただきたいと考えているので
遠慮なく思ったことを書いて頂ければ幸いです
では
最終更新:2010年10月15日 21:38
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