橋の欄干の上に丸い物が乗っている。
れいむと言うゆっくりだ。
隣には子まりさと子れいむが仲良く並んでいる。
「ゆ?!にんげんさん、れいむたちをここからおろしてくださいぃぃぃ!!」
「はやくしちぇねぇぇぇ!まりちゃがしゃきだよぉぉぉ!」
「きゃわいいれーみゅがしゃきだよ!はやくおろしぇぇぇぇ!!」
俺に気がついたのか、騒ぎ出すゆっくり達。
れいむ種はひっしに揉み上げをピコピコ動かし、子まりさは体をクネクネ動かしながら、欄干の上で醜いダンスを踊っていた。
良く見ると、あんよの辺りが乾いて固まっている。
子ゆっくり達に至っては、あんよが少し赤くなっている。
おそらくこの親子は、焼けたアスファルトかマンホールであんよが動かなくなったのだろう。
そんな状態のゆっくり親子を、誰かが悪戯でここに乗せたのだろう。
俺はこの親子を見てある事を思いついた。
「ゆぅぅぅぅ?!にんげんざん!どこにいぐのぉぉぉぉ?!」
「ゆえぇぇぇん!まっちぇぇぇぇ!まりちゃをたしゅけちぇよぉぉぉぉ!!」
「まちぇぇぇぇぇ!!れーみゅをおろしちぇぇぇぇ!!」
騒ぎ立てる親子の声を背に、俺は今来た道を戻っていく。
数分後、同じ場所に来て見ると、相変わらずゆっくり親子はそこに居た。
なぜか親子の隣には、成体のれいむとありすが二匹追加で並んでいた。
また誰かがここに乗せたのだろう。
「ゆぅ?!にんげんさん!たずけでくだざいぃぃぃぃ!!」
「とかいはな、にんげんさん!あいすをおろしてください!おねがいしますぅぅぅ!!」
「うるさいぃぃぃ!さわぐなぁぁぁ!!でいぶがゆうせんでしょぉぉぉ?!」
「「ゆびぇぇぇぇん!たしゅけちぇぇぇぇ!!」」
こいつ等はこうやって、通行人が通るたびにここで騒いでいたのだろうか?
成体ゆっくりはまだ余裕がありそうだが、子ゆっくり達は大分顔色が悪くなっている。
どの道放っておいたら、ここで干乾びて死ぬだろう。
と、俺は持ってきた物をビニール袋から取り出した。
「ゆぶはー!あつくるしかったんだぜ!まったく、このどれいはしつけがなってないんだぜ!!」
元気良く顔を出したのは成体のまりさ。
こいつも欄干のゆっくり同様、あんよが焼けて動けなくなっていたものだ。
先程、俺を見るなり生意気な口を叩いたので、日の良く当たる場所へ放置しておいたものだ。
だが、俺の思いつきでこいつを取りに戻ったら、俺を奴隷と勘違いしているようだ。
俺は早速このアホ饅頭を、さらし者達の隣に並べた。
「ゆぅ?!なにしてるんだぜ?!さっさと…」
「おいまりさ、この下見てみろ。川が流れているぞ!」
「ゆ?!ゆわぁぁぁ!!たかいんだぜぇぇぇ!!おそらをとんでるみだいぃぃぃ!!」
何故空を飛んでると思ったのかは知らないが、川を見て驚いているようだった。
俺はその隙に他のゆっくり達を端の外側を見れるように並べた。
これで準備は完了だ。
「いいかお前達、このまりさを良く見ておくんだぞ?」
「ゆ?!」
横目でまりさを見るゆっくり達。
そして…
「ゆわぁぁぁぁぁ!おそらをとんでるみ」
ザッパーン!!
勢い良く水しぶきを上げて、まりさは川にダイブした。
しばらくして浮き上がってくる汚い饅頭。
「ゆげ…げべ…どぼじで…」
空気でも含んでいたのだろうが、それもすぐに沈んでいくだろう。
その上この川にはある者が居た。
「かぱー!ゆゆ?!まりさがおよいでいるよ!」
「ほんとうだ!せっかくだからみんなでたべようねー!」
「わーい!!」×沢山
まりさに群がっていく緑色の帽子をかぶったゆっくり達。
この川の名物にもなっている、ゆっくりにとりだ。
にとりは珍しい水中ゆっくりなので、川や池等で暮らしている。
もちろん陸上でも暮らせるようだが、水中で器用に泳ぐゆっくりでもある。
数年前に町おこしのために、この川に十数匹のにとりを放したところ、
順調に増え続けて、今ではこの川の主状態だ。
「やべでぇぇぇ!いだいぃぃぃぃ!までぃざをだべないでぇぇぇぇ!!」
「むーしゃ、むーしゃ、それなりー!やっぱりきゅうりのほうがいいね!」
「そうだね!でも、かっぱまきのほうがもっといいね!」
こうしてにとり達は、あっという間にまりさを食べつくしてしまった。
その様子を見ていた欄干の上のゆっくり達は、悲鳴を上げたり、おそろしーしーを漏らしていた。
「なんなのあれはぁぁぁ?!どうなってるのぉぉぉ?!」
「おきゃーしゃん、きょわいのじぇぇぇぇ!!」
「と、と、と、とかいはじゃないわぁぁぁ!!」
「そんな事はどうでも良いけどさ。ここから落ちたら、お前達もあのまりさみたいになるよ」
「「「「「ゆっひぃぃぃぃ!!」」」」」
ゆっくり達は、改めて自分達の置かれた状況を理解出来た様だ。
先程よりも更に怯え始めるゆっくり達。
あまりにも五月蝿かったので、川にきゅうりを投げ込んでみた。
「かぱー!ゆわーい!きゅうりだよー!」
「わーい!めいゆうがくれだんだね!みんな、おれいをいおうねー」
「めいゆう!ありがとー!」×沢山
にとりは俺の方を見てお礼を言うと、きゅうりを咥えて水の中に潜っていった。
一方、にとりの姿を見たゆっくり一同は、大きな悲鳴を上げると、何匹かは気絶した。
俺はその様子に満足して橋を渡った。
それからしばらくの間、なぜか欄干の上に足の焦げたゆっくり達が並べられる様になっていた。
そのまま干乾びるものあれば、子供が面白がって突き落としていたりもした。
ちなみにこの川は、増水した時に、にとり達が流されて行かない様に、専用の非難場所が用意してあったりする。
その上各所ににとり用のお家も用意してある、ある意味街の飼いゆっくりのような状態だ。
にとり達も人間に協力的で、川に捨てられたゴミを拾い集めたりして、川を綺麗にしていた。
休日になるときゅうりを持った人々が、橋の上からにとりにきゅうりを与えている。
町の野良達とは違い、町に愛されるゆっくりだ。
完
今回は名前入れても問題なかったんですね。
気がついている人も居るかもしれませんが、anko2073 えーきとふらん は自分が書きました。
徒然あき
最終更新:2010年10月15日 21:42