『お手軽』 5KB
小ネタ 駆除 野良ゆ 超小ネタ 自分がゆっくり駆除するならこうかなー
***まえがき***
・超小ネタ
・名前分かっても言わないでください
・いわゆる総投稿数にカウントされない
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都市部におけるゆっくりの駆除というのは意外に手間がかかる。
まず潰すと餡子が飛び散るし、掃除が面倒臭い。 蹴り飛ばして壁に餡子がこびり付いたら誰に怒られるかも分からない。
ゆっくり専用ゴミ箱を探すというのも難儀だ。 そこまで運ぶのはやはり面倒臭い。 手が汚れるというのも気になる。 ゆっくりは非常
に汚いし、掴み上げると汚い汁を撒き散らす傾向もある。
当たり前とも言えるが、多くの人は、手軽にゆっくりを駆除できる方法はないかと考える。 某QAサイトでは”ゆっくり駆除”のカテゴリ
まで作られて、日夜活発な議論が進められているほどだ。
「ゆっへっへ! おいそこのくそにんげん! まりささまにせいさいされたくなかったらあまあまをよこすのぜ!」
「よこすのじぇ!」
「ゆゆーん! まりさかっこいいよぉ!」
朝、大学の研究室への出動途中でゆっくり一家に出くわした。 健康のために歩こうと思ったのが悪かったらしい。 いつまなら自転車で
スルーしていたところだ。
飛び出てきた一家は、成体まりさ一匹、成体れいむ一匹、子まりさ一匹といったところだ。 激戦区である都市部では、普通くらいの構成
である。
「ゆあーん!? きこえないのかぜ!? まったく、にんげんっていうかとうせいぶつはことばもわからないのかぜ!?」
「ぷっっぷぷー! にんげんしゃんってことばがわきゃらないの!? ば、ばかしゅぎるんだぜ!」
「ゆ! まりさ、そんなこといっちゃかわいそうでしょ!」
「だってほんとうのことだぜ! にんげんさん? くやしかったらなにかいってみたら? ん? ほら!?」
こういうときのために、ゆっくりゴミの袋を用意してある。 40Lサイズの、中々大きなものだ。
それから、常備しているミント味のガムを取り出す。
袋の口を一家の方に向けて、ガムを袋の中に一個入れる。
「ほーらあまあまだぞー」
「ゆゆ! やっとくちをきいたとおもったらこうさんかぜ!? よわい! よわいすぎるんだぜ! なんでぱちゅりーたちはこんなざこによ
わきになってるんだぜ! かえったらまりささまのどれいにしてやるんだぜ!」
「ゆっひゃっひゃっひゃ。 にんげんしゃんってこんじょうなしなんだね!」
「ゆゆーん……いきなりまけをみとめるなんて……さすがににんげんさんをふぉろーできないよ」
「ま、そのこころいきにめんじて、いのちだけはたすけてやるのぜ!」
成体まりさがノロノロと袋の中に入っていく。
あまあまと聞いて身体が逆らえないのだろう。
ガサゴサと中に入っていき、しばらく経つと声が聞こえた。
「ゆー! し、しあわせえええええええええええええ!」
「ずるいよおとーしゃん! まりしゃにもたべさせちぇね!」
「れいむも! れいむも!」
成体まりさのヘヴンな声で、引き寄せられるようにれいむと子まりさも袋の中に入っていく。
全部入ったのを確認すると、袋の口を持ち上げて固く縛る。
こうすることで、無茶苦茶汚いゆっくりを触ることなくゴミ袋の中に入れることができるのだ。
あとは、ゴミ袋の口を持ち上げて――――
「ゆゆ? おそらをとんでるみたい?」
「なんなのぜ? おいくそどれい! まりささまの」
――――電柱にフルスイング
ポイントは袋の先端をジャストミートするように振り抜くことだ。
遠心力でゆっくりは奥のほうに行くので、感覚的にはよく分かると思う。
「ゆぎゃっ」
めきめき、ぽきぽき、ぐしゃり、といったところだろうか。
成体二匹に小さいの一匹はさすがにかさばるので、一撃で死にはしない。 都市部のゆっくりは無駄にしぶといのだ。
「い、いだいいいいいいいいい!」
「ゆがぁ……! な、なにが……なにがあったの!? お、おちびぢゃああああああああん!?」
「ど、どうし――――ゆああああああああ! おちびちゃん!?」
袋の中はカオスな様相を呈しているのだろう。
反応からして、小さいまりさは当たり所が悪く一撃で潰れたらしい。
「く、くそどれいいいい! だずげろおおおおおおお!」
後は何度も叩きつけていくだけで良い。
電柱じゃなくて地面でも可。
しかし、何度も叩きすぎると周りの人たちから変な目で見られるので気を付けよう。
「ゆが! はっはやぐっ!」
「ゆぎゃあああ! ま、まりざああああ! だ、だずげっだずげでええええ!」
「ゆごぉ! ど、どれっいっ、ゆげっ!」
「ゆげふっ! まりっ、ゆがっ! まり、まりざっゆぎぃっ!」
「ゆばぁ! ご、ごべ、んな、ゆああああ!」
「ゆびぃっ! まり……も、もっどゆっぐ……ぢっ!」
「ゆぎゃあ! で、でいぶうううう!? ゆごばぁあ!」
「…………」
「ゆがああああああああああああ! ゆぁっ! ごべんなざい! ゆっ! ごべんなざいごべんなざいいいいいい! ゆげっ!」
なんか今日のはかなりしぶとい。
十回以上叩きつけているのに、まだ中で動いている感触がある。
調子の良いときはだいたい三回くらいで木っ端微塵にできるのだが。
まぁ、ここまで弱らせれば問題ないだろう。
後は町内会のゴミ捨て場にゴミ袋を持って行くだけだ。
叩きつけて弱らせる必要は、以前はなかったのだが……ゴミ袋の口を解いて脱出した例があるらしい。 だから弱らせておくのが慣例にな
りつつある。
袋に入れてフルスイングというのは、汚れないし片付ける必要もないし、ラクな方法の一つといえる。 入れるまでに、手を汚さない工夫
が必要だが、そこら辺は生活の知恵。
「さて、まりさくん」
「……ゆ」
「ぱちゅりーの言うことを聞かずに、絶対勝てない人間にケンカを売って家族を失ったまりさくん」
「…………」
「あれ? だんまり? 言葉が分からないの? ぷっぷー! ま、下等生物のゆっくりじゃ仕方ないよね!」
「だ、だば――――っ!」
もう一回スイング。
地面にばーんと。
「あー? 何か聞こえた気もするが、下等生物のまりさくんが喋るわけないしなー」
「…………っ!」
袋の中で弱く振動する手応えがある。
しぶとい。
最近のゆっくりはまじでしぶとい。
「今からキミはゴミ捨て場に捨てられて、収集車でペチャンコにされて死ぬわけだが」
「……! ……!」
「ごめんなさいって言えたら許してあげるよ」
「…………ご………」
「ん? 本当にやる気? すっげぇ執念だな」
「……ご……べ……んな――――」
「うるせぇっ!」
全力でフルスイング。
たぶん、本日で一番良いスイングだった。
完璧に潰れた手応えだ。
叩けば叩くほど袋の中の餡子が緩和材になってダメージが低くなっていくのは仕方がないとはいえ。
断末魔は聞こえなかったが、逝っただろう。
「はー。 良い運動になったな」
さて、気分の良くなったところで、ちょうどゴミ捨て場だ。
ネットの内側にゴミ袋を放り込んで駆除は終了。
「今日も一日がんばりますか!」
***あとがき***
・お手軽に駆除しようぜ!
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最終更新:2010年11月08日 19:44