anko2558 憧れの飼いゆっくり

『憧れの飼いゆっくり』 6KB
愛で いじめ ペットショップ おねにー様からのネタです


「ゆゆーん!おねえさん、いつもごはんさんをありがとー!ゆっくりできるよー!」

「さすがおねえさんなんだぜ!ゆっくりしてるんだぜ!」

店員のお姉さんに元気にお礼を言う二匹。
共にお飾りには立派に輝く銀バッチが付いています。
二匹は昨日このペットショップに来たばかりです。
素敵な飼い主にめぐり合える事を夢見て、目を輝かせています。



「ゆーん!そこのおにいさん!れいむをかってね!れいむはおうたがおじょうずなんだよ!」

「ん?あぁ、俺、うるさいの苦手なんだ。それに今日はさなえを買いに来たんだ、わるいな。」

「ゆーん、そうなの…ゆっくりー」

れいむはがっかりした様に顔を下に向けます。
隣のまりさも同じく売れ残っています。
二匹は人気の割には値段が高かったのです。

銀バッチは半端なものでした。
金バッチほど優秀でもない変わりに、銅バッチよりお値段が高め。
餌用ゆっくりの様に安価でもありません。
これが希少種なら変ってきたかもしれませんが、それはどうにもならない事です。
それでも二匹は希望を失いませんでした。

「れいむ、あきらめちゃだめなんだぜ!きっととってもゆっくりしたにんげんさんが、れいむをかってくれるんだぜ!」

「ま、まりさ…ゆっくりありがとう」

二匹は励ましあっている内に、仲良くなっていきました。



「ゆーん、おねえさん、れいむをかってね!れいむはおねえさんのいうことなら、なんでもきくよ!」

「おにいさん、まりさをかってくださいなんだぜ!まりさはおにいさんを、ゆっくりさせてあげられるんだぜ!」

二匹はついに処分品コーナーに行く事になりました。
お値段も半額になりましたが、誰も買い手がいません。
このままでは、加工所で処分される事になるでしょう。
れいむは何時までたっても、飼い主が現れない事を悲しんでいました。
ですが、心のどこかで安心しているのでした。

自分が買われても、まりさに飼い主が見つからないなら、自分は安心して飼いゆっくりになれないよ。

れいむはいつも自分を励ましてくれる、このまりさを好きになっていました。
願わくば、一緒に暮らしたい。
ですが、それは叶わない望みだと、れいむは知っていました。

大抵、飼いゆっくりは単体で飼われています。
番で変われることがあっても、子作りは許されません。
いっそこの願いが叶わぬなら、まりさと加工所で処分されるのも悪くないと思いました。

そんな時、奇跡が起こりました。

『すみません、このれいむください』

それはれいむにとって、待ち望んだ瞬間です。
夢にまで見た瞬間です。
ですがれいむは、心から喜べませんでした。

『どうしたの、れいむちゃん?』

れいむは答えました。

「うれしいけど、なんだか、かなしいよ!だって…だって…まりさとおわかれするなんて…」

「なにいってるんだぜ!まりさは、れいむがしあわせなら、それでいいんだぜ!まりさのぶんも、しあわせになるんだぜ!」

「ま、ま、ま、まりざぁぁぁぁぁ!!」

れいむは泣きました。
泣いて、泣いて、店員さんと、お客さんを困らせました。
それを見たまりさが慌てます。

「れいむ!なきやむんだぜ!にんげんさんにめいわくかけちゃだめなんだぜ!かってもらえなくなるんだぜ!」

ですがれいむは泣くのを止めません。

「いやだよぉぉぉぉ!れいむは、まりさとおわかれするのはいやだよぉぉぉぉ!!いっしょにかこうじょでもいいよぉぉぉ!!」

まりさは困ってしまいました。
そしていつの間にか、まりさの目にも涙があふれました。

『………あなたたち、仲が良いのね。わかったわ。すみません、このまりさもください』

それは信じられない事でした。
まりさも一緒に買って貰える事になったのです。
れいむは何度も何度もお姉さんに聞きなおしました。
お姉さんはその度に、嫌な顔一つせず、れいむに言いました。

『まりさも一緒に買ってあげるわ。だから泣かないで』



それから二匹は、一緒のケースで仲良くお話をしました。
お姉さんは、沢山あまあまをくれると言ってくれました。
お姉さんは、沢山子供を作って良いと言いました。
二匹には信じられない事でした。

「れいむ!いっしょにたくさんのあまあまを、むーしゃむーしゃするんだぜ!」

「まりさ!いっしょにたくさんのあかちゃんをつくろうね!」

『ゆっくりー!』

二匹はとてもゆっくりしていました。





そして…



「ゆーん!ここがおねえさんのゆっくりぷれいすだね!」

「ゆゆ!とってもおおきいんだぜ!ゆっくりできるんだぜ!!」

お姉さんは黙って二匹に笑いかけました。
れいむとまりさも、うれしそうにお姉さんに笑いかけました。





「いやだぁぁぁぁぁ!!もうおちびちゃん、うみだぐないぃぃぃぃ!!」

狭くて暗い部屋の中でれいむは叫んでいます。
その肌はぼろぼろで、髪の毛もお飾りもありません。
もちもちだったほっぺには、「3」と書かれた焦げ後。

「んほぉぉぉぉぉ!!まだまだよぉぉぉぉ!!」

あれほどまりさと、おちびちゃんを作ろうと約束したのに、今はれいぱーに無理やりすっきりさせられています。

「ゆあぁぁぁぁぁ!!おちびちゃんが!おちびちゃんがぁぁぁぁ!!」

額に実ったおちびちゃんは、生れ落ちるとすぐに何処かに運ばれていきます。
れいむは「ゆっくりしていってね!」の、あいさつも出来ません。

「ゆびぇぇぇ!おかーしゃん、どこにゃのぉぉぉぉぉ!!」

「ゆんやぁぁぁぁ!ゆっくちいちゃいぃぃぃぃぃ!!」

おちびちゃんは、れいむの顔を見ることもなく、叫び声を上げて何処かに転がっていきます。
れいむは悲しくて悲しくて仕方ありません。
ですが逃げ出す事も出来ません。

「いやだぁぁぁぁ!!いやだよぉぉぉぉ!!どぼじでぇぇぇぇ?!ずっ!ずっぎりぃぃぃぃぃ!!」

れいむは考える間も無く、すっきりを繰り返していました。





れいむを買ったお姉さんは、加工所の職員でした。
お姉さんはゆっくりを苛めるのが大好きでした。
何時もの様に、ペットショップで苛める為のゆっくりを探していたところ、れいむと出会ったのです。
好きで就職した加工所の仕事にも飽きが来ていたころでした。
そこで思いついたのです。
このれいむを、加工所で「飼ってあげよう」と。

一緒に加工所に連れて来られたまりさは、その日の内に死にました。
沢山食べたいと言っていたあまあまに囲まれて、自分もあまあまになってしまいました。
お姉さんにとって、まりさはれいむを苛める為の、絶好のスパイスだったのです。

加工所のおねえさんは、その事をれいむに丁寧に説明してくれました。
お帽子を取り上げられ、
髪の毛を毟られ、
ゆっくり出来ないように痛めつけられ、
それでもれいむのことを心配していたと、教えてくれました。
潰される瞬間も、れいむの名前を叫んでいた事を教えてくれました。

れいむはれいぱーにすっきりされながら、その話を聞きました。
お姉さんは楽しそうに、れいむに特別にあまあまをくれました。
まりさが死んだその日に生成された餡子。
れいむはそれを無理やり食べさせられました。

「おねえざん!どぼじでぇぇぇぇぇ?!どぼじでぇぇぇぇぇ?!まりざぁぁぁ!まりざぁぁぁ!!ずっぎりぃぃぃぃぃぃ?!!」

結局れいむは、自分が望んだとおりに、加工所に来てしまいました。
まりさとではありませんが、沢山の赤ちゃんを生む事が出来ました。
お姉さんは、れいむの顔を見てうれしそうに微笑んでいました。






おねにーさまの、絵ちゃでのネタ提供を元に書いてみました。

徒然あき
最終更新:2010年11月08日 19:50
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