『餌』 2KB
いじめ 小ネタ 赤ゆ 捕食種 特にひねりのない小ねたです
紙の箱の中でうごめくもの達。
どれも生まれて間もない赤ゆっくりだ。
彼女達は優越感に浸っていた。
自分達は選ばれたのだ、自分達は飼いゆっくりになれるのだ。
同じケースの中に居た赤ゆっくり。
大きなケースに入れられていたバッチをつけたゆっくり。
そいつらよりも先に、自分達は飼われる事になったのだ。
いっぱいゆっくりしよう。
いっぱいゆっくりさせて貰おう。
箱の中の赤ゆっくり達は、幸せな未来を信じていた。
箱から出された赤ゆっくり達は透明な箱に入れられた。
飼い主に向かって元気に挨拶をするもの。
飼い主に向かって奴隷宣言するもの。
早速おうち宣言するもの。
あまあま要求するもの。
だが、飼い主は赤ゆっくり達に見向きもしなかった。
挨拶を解されなくて泣くもの。
無視されて怒るもの。
くつろいでゆっくりするもの。
うんうん、しーしを垂れ流すもの。
そんな赤ゆっくり達を気にする事もなく、飼い主は何かに呼びかける。
うーっと鳴き声が聞えてきた。
黒い羽を持つゆっくりが、飼い主の周りを羽ばたいている。
異変に気がついた赤ゆっくりは泣き叫ぶ。
気がつかないもの達は思い思いにゆっくりしていたり、悪態をついたりしている。
やがて無視出来ない事が起こる。
一匹の赤れいむが、飼い主に摘み上げられた。
赤れいむは幸せそうな顔で叫ぶ。
おしょらをとんでるみちゃーい!
そして本当に宙を舞った。
飼い主が赤れいむを放り投げる。
ガブッ!
何が起こったか分からない赤れいむ。
やがて痛みが全身を襲う。
狂ったように暴れるが、その牙からは逃れる事が出来ない。
揉み上げを千切れんばかりにピコピコと動かす。
涙と汗が滝の様に流れる。
それを舌で舐め、味を確認する羽つきのゆっくり。
赤れいむにかかっていた圧力がふっと消える。
牙が赤れいむから抜けると、その穴から餡があふれ出す。
生命の危機を本能的に感じる赤れいむ。
必死に叫ぶが、誰も助けに来ない。
舌の上でコロコロと、しばらく転がされる。
ガブッ!
赤れいむは噛み砕かれ、絶命した。
透明な箱の中でそれを見ていた赤ゆっくり達。
何が起こったのか分からず硬直するもの。
狂ったように泣き叫ぶもの。
必死に命乞いをするもの。
震えながら威嚇するもの。
自信の運命を悟るもの。
だが、飼い主は相変わらず、赤ゆっくり達を見ようとしない。
目の前の捕食種に笑いかけるだけだ。
完
徒然あき
最終更新:2010年11月08日 19:54