anko2146 でいぶとのせいかつ

でいぶとのせいかつ

愛で いじめ 観察 ギャグ 日常模様 飼いゆ 現代

かなりのぬるいじめです



今日もまた、大声を張り上げてでいぶが喚いている

「なんなのこのまずいごはんさんはでいぶにふさわしくないよ!」

どすんばたんと地団太を踏む度に顎と腹の贅肉?贅餡?
がぶるんぶるんと揺れるのがとても滑稽だ

ふてぶてしい顔
左右に伸びきったぱっつんぱっつんの巫女服
そして頭の上にちょこんと乗ったおリボンに燦然と輝く金バッジ
典型的な育成失敗の金でいぶ

「良いじゃないかこれ、食べ放題だぞ」

そういってでいぶにずっしりと重いまるででいぶの様な袋を見せる
ゆっくりフードそれなり、お徳用サイズでお手頃価格の優れ物
味はそれなり

「とってもそれなりなお前にはピッタリだと思うんだが・・・」
「ゆっがぁぁぁぁぁ!それなりってなにぃぃぃ?めがくさってるのぉぉぉ?ばかなのぉぉぉぉ?
 こんなにかわいいでいぶにむかってぇぇぇぇ!」

何やら大変ご立腹らしい、ぷちマツコ・デ○ックスとか言わないだけ大分マシだと思うんだが・・・
きっと色々難しい年頃なんだろう
さて、とりあえずは・・・だ

「お、可愛いなこのれいむ、髪の毛さらさらー」
「でれびざんにうづっでるれいむじゃないでじょおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

でいぶの話を適当に流しつつ、テレビを見始めた俺にさらに食って掛かるでいぶ
だが無視、今はテレビが見たい

「うーん、とても同じれいむだとは思えないなぁ」
「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎ!でいぶのほうみろぉぉぉぉぉ!!」

しかしこのれいむ可愛いなーコイツも昔はこんなんだったのかねぇ
等と物思いに耽っていると、どすどすとでいぶがテレビの前に回りこんできた

「あ、こらテレビ見えない!」
「こ、こんなぶっさいくなれいむよりでいぶをみてね!おれいはこうきゅうあまあまでいいよ!」
「わははははデブだデブだ!」
「ゆがぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!でいぶはでぶじゃないぃぃぃぃぃ!!!」

さらにドスンバタンドスンバタンと地響きを起こすでいぶを見て
下が空室で良かったとつくづく思う

「あーとりあえず邪魔だからさっさと退く!てい!」

ぺいっとテレビの前に居座るでいぶを投げ飛ばす

「ゆぅぅぅぅぅぅぅゆべ!」

投げ飛ばされたでいぶはころころころと部屋を転がって行き
壁にぶつかり潰れたカエルのような声を上げながら停止した
あのアニメみたいな動き、貫禄の丸さです

「は~ゆうかにゃんと結婚か・・・羨ましいようなそうでもないような」
「も、もうでいぶおこったよ!ぷくぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

自分の扱いに納得いかないらしく
とても面白い顔をしたでいぶが懲りずにテレビにどすどす駆け寄る
そして

「ゆふふふふ、このテレビさんをたすけてほしいなら、でいぶのいうことをきくんだよ!」

凶器をテレビに突きつけて脅迫してきた、中々の姑息さだ
そしてそのテレビに突き付けられた、でいぶの右手に握られているのは

さっきまで食事に使っていたプラスチックのフォーク!

・・・でいぶはプラスチックのフォークでテレビをなんとか出来ると
本気で思っているのだろうか?

「どうするの?でいぶがぷすってしたら!テレビさんこわれちゃうよ?
 ゆっくりしないでさっさとこたえてね!ゆぷぷぷぷぷ!」

すげぇ!本気で思ってる!
なんか面白そうなので少し付き合う事にしよう

「く、くそ!ひきょうな!テレビにはなんの罪も無いんだぞー」
「ゆっふっふ・・・さぁ!」

勝ち誇った顔で高らかとでいぶは宣言した

「でいぶをデブっていったこと、さっさととりけしてね!いますぐでいいよ!」
「え?そっち?」
「そっちってなに?」
「あーいや、なんでもないなんでもない」

てっきり食事改善の要求が来るとばっかり
さすがでいぶ、感動的なくらい今の事しか考えてない上に狭量だ

「解った解った認めよう、お前はデブじゃない」
「わかればいいんだよ!ゆふふ!くそじじぃもすこしはりかいしてきたね!」
「誰がじじぃかこのドマンジュウ、解ったから取り合えずテレビの前からどけ、邪魔」」

余程機嫌が良いのか言われてすんなり退くでいぶ
意外と素直だ、ただ単に単純なだけかも知れない

「でいぶよ、済まなかったな、お前はデブじゃない」
「ゆっくりりかいしたね!そうだよ!でいぶはかわい」
「お前はメタボさんだ」
「どぼじでぞんなごどいうのおぉぉぉぉぉぉ!」

またヒステリーを起こしそうになっているでいぶの顔の前に
先ほど食べかけた食事皿をずいっと突き出す

「まぁ落ち着いて飯でも食えよ!腹減ってるだろ?」
「ゆ?そういえばでいぶおなかぺこぺこだよ!・・・むーしゃむーしゃそれなりー!」

それなりそれなりと連呼しながらガツガツ飯を平らげていくでいぶ
どうやら先程まで今食っている食事に文句を言っていた事は綺麗サッパリ忘れたらしい


このでいぶは、野良だった所を俺が拾った
理由は簡単、からかって飽きないからだ
一人暮らしの寂しさに辟易していた所だし、こういうアホな同居人と過ごすのも悪くない

「それなりーそれなりー!・・・ゆ?なにかでいぶわすれてるきがするよ?」
「ゆっくり気のせいだろう」
「そうだね!てんっさいのでいぶがどわすれなんてするはずないよね!むーしゃむーしゃ」
「はいはいゆっくりゆっくり」

テレビに視線を戻し、でいぶの過剰な自己正当化に適当に相槌など打ちながら
次はどうやってからかってやろうかなーと考えを巡らせる俺だった



拙作

anko2126 『なつかないちぇん』
最終更新:2010年11月15日 18:57
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