anko2500 ゆっくりワライタケ

『ゆっくりワライタケ』 16KB
虐待 小ネタ 不運 実験 飼いゆ 現代 虐待人間 プロット無し、思い付くままつらつらと


※善良なゆっくりが酷い目に遭います


「どうしたものか……」

部屋の中央にぽつんと置かれたダンボールの小箱、その中身を確認した僕は頭を悩ませていた。
僕は所謂ゆっくりを虐待する鬼意山と呼ばれる人間だ。
贔屓にしているゆ虐専門のアイテムを取り扱うショップから届いたこの荷物を見下ろし僕は神妙な面持ちのまま思案を続ける。
試供品のモニターとして選ばれた、と態の良い手紙と共に送りつけられたこれは小さな茸だった。

「ゆっくりワライタケ、ねぇ……」

簡素な説明書を片手に小箱にぎゅうぎゅうに押し込まれた人差し指2本分ほどの小さな茸を手に取る。
某チョコレート菓子の成りとそっくりなその茸は名の示す通りゆっくりを笑わせる効果がある餌と記されている。
常に笑ってる奴らを更に笑わせてどうするんだよ、と思わず突っ込みを入れつつもタダで手に入れた物だしとりあえず使ってみるのも一興かと同居ゆんを呼び付けた。

「おーい、れみりゃー」

呼び声に答えるように廊下からドタドタと荒い足音が近付き、ふすまをガラっと開いて万年微笑み顔の胴付きれみりゃが顔を覗かせた。

「うー、よんだどぉー?」

このれみりゃは事後処理用に飼っているゆっくりだ、虐め尽くした通常種の後始末、残飯処理の役割を持たせている。
昨日の耐久3時間チキチキ激熱フライパンあんよ焼き大会で虐待用にストックしていた通常種を切らせてしまっていたので、
少し気が引けたが茸の毒見役にこのれみりゃを使ってみる事にした。

「これ食ってみろ」
「うー、いいにおいがするどー」

どうやらこの茸はゆっくりにとってそそるものがあるらしい、れみりゃは涎を左手で拭ってからぱくりと茸に喰らいついた。
パタパタと小刻みに揺れている黒塗りの羽が一瞬硬直したかと思えば――。

「うー……うーぎゃひゃはひゃはひゃひゃあぁ!!うーぎゃははははー!!!!」

とてもれみりゃ種とは思えない奇怪な笑い声を撒き散らしてれみりゃが転げまわった、
辛うじて語頭が「うー」と言っているのがなんとも言いがたい不快さを引き立てる。
暫く様子を見ていると次第に笑いは収まりぜぇぜぇと肩で息をしながら、れみりゃはぐったりと横たわり僕を恨めしそうに見つめた。

「う”ー……なんなんだどぉ……」
「大義であった。休んでいいぞ」

予想通りというか当たり前というか名前の通りのワライタケだったなぁとぼんやりと考えながら、
これをどうやって虐待に使うか思考を巡らせつつも僕はパソコンを立ち上げた。
ともかく虐待するにも手持ちのゆっくりがないので揃えるしかない、僕はインドア派の虐待鬼意山なのでわざわざ遠征してゆっくりを狩りに行く事はない。
適当にネット内を巡回していると、銀バッジれいむ、同バッジ取得まりさ、未取得子4匹付属と書かれた処分品を見つけ出した。
子4匹の時点で勝手にすっきりーしてしまった訳あり品だと理解できる、
この手の商品にはゆっくりに詳しくない初心者を、子供が付いていてお得と思わせ購入意欲を煽る企業側の魂胆が透けて見える。
一般的にはハズレ商品だが僕はあえて火中の栗を拾いに行く、お届け希望日を来週の日曜に設定して素早くクリックすると購入手続きを済ませる。
多少値は張るが労力と時間をお金で買ったと思えばそれほど高くは思えない、と自分を納得させてパソコンの電源を落とした。
来週までに活用法を考えなければと白紙の企画書を頭に抱え僕はゆっくりワライタケと睨めっこを開始した。



ゆっくりワライタケ



「ご苦労様でしたー」

配達員を見送り僕は手に持ったケージを部屋の中央に下ろした、ケージの中からはごそごそと擦れる音が聞こえてくる。
僕は徐にケージの蓋を開けると、一斉にゆっくりたちの歓声が部屋中に木霊した。

「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」

ケージの中にいたのは注文した通り、親れいむと親まりさを番にして子ゆっくりが同種で2匹づつ系6匹の家族が詰まっていた。
親れいむと子れいむたちは嬉しそうに揉み上げをピコピコと上下させ飼い主である僕を見上げ最大級の愛嬌を振り撒いている。
まりさ種たちも円らな瞳をキラキラと輝かせて緩んだ表情を僕に向けにっこりと微笑んでいる。

(うんいいな、こういう希望に満ち溢れてるゆっくりはQNQNくる、実にいい)

胸に込み上げてくるドス黒い衝動を抑えつつ僕はゆっくりたちに返事をする。

「ゆっくりしていってね」

その単純な一言でゆっくりたちの感情が更に高揚する。
れいむ種たちは犬の尻尾の様に激しく揉み上げを揺らし、まりさ種は身体を上下させて喜びを表現する。

「おにーさんはれいむたちのかいぬしさんだね!とってもゆっくりできるおにーさんだね!!」
「まりしゃのおにーさんはやさしそうなおにーさんなのじぇ!!いっしょにゆっくりしようね!!」
「れいみゅもゆっくちするよ!ゆっくち!」

和気藹々と楽しそうに談笑するゆっくりたち、僕はとりあえずケージから1匹づつ丁寧に取り出してフロアリングの床に並べた。
絶えずピコピコを上下させ部屋を見渡す親れいむ、これかられいむの新しい生活が始まるのだと期待に胸を膨らませている。

「ゆゆーん、とってもすてきなおうちさんだよ。れいむにはもったいないよ」
「まりさはおにーさんをゆっくりさせるためにがんばるのぜ!いっぱいいっぱいゆっくりしようね!!」

一家を並べ終わると、改めて彼らは頭を下げた。

「「「「おにーさん、ゆっくりよろしくね!」」」」

このゆっくりたちの丁寧な仕草を見て僕は確信した、親のれいむとまりさは金バッジ級の思考回路を持ち合わせていると。
僕に対する接し方やゆっくりにしては謙虚な姿勢は銀バッジのそれとは明らかに違う、
なんと不運な事か、子供さえ作っていなければきっと今頃どこぞの富豪に買われて幸せなゆん生を送っていたに違いない、
それが僕のような虐待鬼意山に買われる羽目になろうとは、まぁ哀れんでやっても同情する気はさらさらないけれど。

「お兄さんもみんなに会えて良かったよ、ゆっくりよろしくね。みんなにプレゼントがあるんだ、受け取ってくれるかな?」
「ゆゆっ!?ぷれぜんとしゃん!?れいみゅがもらうよ!!おにーしゃんゆっくりしないでちょうだいね!!ぐじゅぐじゅしないでね!!」
「お、おちびちゃん!そんなことばづかいさんはゆっくりできないよ!おにーさんにゆっくりあやまってね!!」

残念ながら子れいむには教育が行き届いていないらしい、我が子の醜態に親れいむが申し訳なさそうに眼を伏せ謝罪している。

「構わないよ、じゃあまずはれいむにあげようね」
「ゆわーい!!ゆっくち!!ゆっくち!!」

何が飛び出してくるのかと無邪気な子れいむは心を弾ませて待ち侘びる、その姿を姉妹たちや親たちが微笑ましく眺めている。

(さあ、もういいだろう、おっぱじめようじゃないか。楽しいゆ虐の始まりだ!)

僕はにやりとほくそ笑むと後ろに忍ばせた金槌を振り上げた、無骨な黒い鉄の塊が子れいむの頭上に浮かぶ、そして――。

「そおい!!」

ドスンッ――床を叩く轟音とぐちゃりと柔らかい物体が拉げる音が混じり世界が凍り付いた。
笑っていた家族が一点を集中したまま表情から色を無くす、思考が停止し10秒の間を置いた後、怒声が鼓膜を刺激した。

「おちびじゃぁあんっ!!れいむのおちびじゃぁんがぁあああああっ!!!!」
「まりしゃのいもうちょがぁああああっ!!どぉおじでぇええええええっ!!!!」

金槌の側面と床に挟まれ押し潰された子れいむの、唯一無傷で残った揉み上げが痙攣して震えている。
既に本ゆんは死んでいるのだろうが中枢餡から送り出された指令が最期までピコピコを突き動かしたようだ、随分と健気なことで。
辺りを見ると先ほどまで輝かしい未来を想像して有りっ丈の笑顔を見せていたゆっくりたちが、
一転してこの世の終わりを知り絶望したかのような壮絶な悲哀を顔一面に浮かべている。
それを垣間見るだけで僕はなんとも言い難い幸福感に包まれる。
小さな幸せに憂い憂いとしているゆっくりを背中から蹴り倒して溶鉱炉に叩き落す事が僕にとっての最大の悦びだ。
僅かでも反抗心や陳腐な希望に縋り付く野生のゆっくりにはできない、
世の摂理を学び絶望を理解するだけのちゃんとした教育を受けたバッジ取得済みのゆっくりにのみ醸し出せる甘味だ。
この甘味は病み付きになる。

「どおじでぇええ……なんでぇえええっ!!おにーざん、どおじでおちびじゃんにごんなごどを……!!」

固まっている親たちを無視して次に子まりさに狙いを定める。
わざと分かり易く頭上に金槌をチラつかせると、狙われていると勘付いた子まりさは慌てて逃げ始めた。

「やめちぇね!!まりしゃをねらわないでね!!とんとんしゃんはゆっくりしないであっちにいっちぇね!!!やめちぇっていっちぇるでしょぉおお!!」
「ほらほらもっと必死に逃げないと潰されるぞー」
「ゆうぇえええんっ!!やべちぇぇえ!!まりしゃをつぶしゃない、ぎゅえッ――」

再び振り下ろされた鉄槌、子れいむ同様の末路を辿った子まりさは内臓物である餡子を放射線状に描いて吐き出し絶命した。

「ゆあぁあああっ!!ゆっぐりにげるよ!!ゆっぐりゆっぐりぃいいい!!!!」

一家は僕という脅威から逃れるために出口のない部屋の隅を目指して走り出した、
そこまで到達すると壁に頬を摺りまるで一つの生命体にでもなったかの様に身を寄せ合った。
僕はわざとらしく大股で近付くと、目から溢れんばかりの砂糖水を垂れ流して一家が悲鳴を挙げた。

「おにーざんっはぜんっぜんっゆっぐりじでないよぉおお!!」
「どおじでごんなごどずるのぉおお!?れいむだぢはおにーざんをゆっぐりざぜるだめにぎだんだよぉおお!!!」
「ゆえぇええん、きょわいよぉおおお、たじゅげでよぉおおお!!」

ぶるぶると震えるだけで一切の抵抗を見せないゆっくりたち、その弱者っぷりこそ生物界のカーストに相応しいだろう。
僕は徐に腕を伸ばし親まりさを捕まえると忍ばせたラムネを手早く飲ませる、これは睡眠ラムネの派生版の痺れラムネだ、主にあんよ周辺の機能を一時的に奪う効果がある。
睡眠ラムネと違って局部麻酔を掛けられる事からその使用用途は幅広く一部の鬼意山に好評な代物だ。

「あんよざんがうごかないっ、まりさのあんよざんうごいでねっ!おにーざんがらゆっぐりにげるんだよ!!」

早速効果が出始めたようだ、うねうねと異様な動きをしていた底部は呪縛でも掛かったかの様に硬直した。
僕は密かに暖めておいたホットプレートを床に置くと、何の躊躇いもなくまりさを熱した鉄板の上に乗せた。

「ゆぅううぎゃやぁあ”あ”あ”あっ!!あじゅぃい”い”い”い”い”い”いっ!!!!!!!」

唇を破らんばかりに噛み込んで金切り声を上げる親まりさ、その悲鳴に隅で怯えていた一家がゆっくりと近付きホットプレートの周辺に集まった。
当然の反応を暫く眺めた後、例のゆっくりワライタケを取り出すと強引に親まりさの口に押し込んだ、涎を吐きながらもごもごと口を動かし飲み込むと、親まりさは狂ったように笑い始めた。

「やべっゆぎゅうぅううっ!!ゆっ!!ゆぎゃはははっ!!ゆはははっ!!ゆーひひっひひっひ!!!!」

笑っている、口元は笑ってはいるが眼は確実に死んでいる、身体も熱気から逃げようと上半身だけ動かして不可思議な挙動だ。

「うわぁ……」

ある程度予想はしたがここまで奇妙だとは思わなかった、ひいひいと愉快に笑い転げているのは口と声だけ、その他の部位は生き延びようと懸命に身体を捻らせている。
小麦粉の体が焼かれているというのに絶叫に等しい笑い声が不協和音として不気味さを引き立てる。
僕は割り箸で親まりさの頬を突いてみると、ぎょろりと眼球をこちらに向け焦点の定まっていない瞳が助けを求めているものの口元が不釣合いに緩みきっている。

「やめてあげでぇえええ!!まりざがいたがっでるよぉおお!!おにーざん、まりざがしんじゃうがらゆっぐりじないでやべでぇええ!!」

擦り寄ってきた親れいむが番の凄惨な姿に耐えかね僕に救済を懇願してくる。
僕は意地悪な返答を思い立ちまりさを指差してれいむを諭した。

「よく見てごらん、まりさは笑っているよ。あれはとってもゆっくりできることなんだよ」
「ゆぎゃぁあははっぁはあぁっ!!ゆーひゃびゃびゃびゃぁあああ!!!」
「ちがうよ!!ぐるじんでるよぉおお!!どおじでなのっ!?まりざがぐるじんでるのがわがらないのぉおお!?」
「まりしゃのおしょーしゃんがしんじゃうよぉおおお……!!ゆええぇえん、たじゅげであげじぇよぉおお!!!」

家族たちの悲痛な願いも一蹴して暫く放置していると、ぷすぷすと煙を上げ親まりさは身を焼き餡子を溶かす熱に屈し絶命した。
最期には痛みで膨張した両目と緩んだ唇がニイッと釣り上がり珍妙な表情を作り上げていた。

「ゆわぁああん、まりじゃぁああ!どうじでなのぉおお!!どおじでぇえええ!!!」

オブジェと化した親まりさを床に置いてやると焦げて黒ずんだ頬を刷り合わせ親れいむが打ちひしがれる。
同じ様に子まりさと子れいむの悔しさを滲ませぷるぷると震えながら涙を流し頬を濡らしている。
このまま悲しみに暮れさせる訳にはいかない、僕は親れいむの揉み上げを強引に掴み持ち上げた。

「なにずるのぉおお!?もうれいむだぢをいじめないでよぉおお!!」
「まあまあ、これでも食って落ち着くんだ」

再びゆっくりワライタケを押し込む、悲しみに伏して泣いていた親れいむの顔は見る見るうちに強制的な笑顔を作らされる。

「むーしゃむーじゃ……ゆぐっ、ゆゆっ!?ゆひっ、ゆひーっひっひっひぃいいい!!ゆひょおぉおひょおぉおおゆひゃひゃあぁああ!!!!」

笑い始めた親れいむを脇に挟んで僕は天井のフックにロープを引っ掛ける。
そのロープの先端に親れいむを撒き付けると、宙吊りになる形で部屋の真ん中に親れいむが浮かんだ。

「名付けて笑うサンドバッグ、うーんなかなか様になってるね、早速ぶっとばしてみますか」
「ゆひょひょぉおお!!ゆーひぃいっひひひぃいい!!!」

シュッシュと軽く拳を振って準備運動を済ますとキュッと握り締めた拳を笑い袋と化した親れいむの顔面に叩き込む。
バコンッと鈍い音と共に親れいむは跳ねるが、ロープに引き戻されてこちらに引き返してくる。
降りかかってくる親れいむの横っ腹目掛けてもう一発お見舞いする、捻じ込む度に笑い声に濁点が付き親まりさ同様に眼でその悲痛な心情を訴えてくる。

「ゆぎょぉっ!ゆびょーっひょっひょぉおお!!!ゆひぇぇええっ!!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!」
「やめちぇぇえ!!おきゃーしゃんがしんじゃうぅううっ!!やべでよぉおお!!どうじでごんなひどいごどずるのぉおお!!」
「ゆぎゅえぇへっへぇえっ!!ゆびぇえぇえべぇえぇえ!!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!」

足元で子ゆっくりたちが大口を開けて泣きながら跳ねているが一切無視して精密な動作で拳の超高速連打を親れいむにぶつける。
擦り切れていく小麦粉の肌がついに限界に達しあちこちに罅が入った、叩けば叩くほど割れた部分から餡子を放出した。
殴り続ける僕はタコの様に真っ赤に膨れながらも笑い続ける親れいむと一瞬だけ眼が合った。
幸せな飼いゆっくりとしてのゆん生が、まさかこのような凄惨な虐待を受けて終わるとは彼女も思っていなかったのだろう。
わけもわからず放たれる暴風に身を守る術もなく、光を失いつつあるその眼だけが悲しみを物語る。

「ゆぎゃばばぁはあっ!!!ゆーびぇっひぇひぇへええぇええ!!」

こういうスマッシュ系の虐待は泣き言を聞きながらじわじわと殴り倒すのがセオリーだが、言語さえも奪って一方的に壊していくのも悪くないようだ。
何分言葉が出ないのでその他の部位を、眼やピコピコなどを駆使してなんとか僕の拳を止めさせようとするそのお粗末な姿は味があっていい。
思わず僕は頬が緩んだ、最後に思いっきり拳を振り上げ眼と口元の中間の、ちょうど中枢餡がある部分を目掛けて全力の一撃をお見舞いする。

「ばいばいれいむ、また遊ぼうね」
「ゆびぇぇえええっびぇっ!!!」

猛打が親れいむの命を消し炭にした、中枢餡と下腹部の餡子を抉り取られ親れいむは最期の言葉さえも奪われて死に絶えた。
残された死骸はぶらぶらとメトロノームの様に振られ、破れた部分から餡子を滴らせている。
部屋を見れば壁から床、更には天井までれいむの中身が派手に散乱している、後でれみりゃに掃除させるかと考えながら僕は足元を見下ろした。

「ゆわぁああああああんっ、おきゃぁああじゃん!おにーざんのゆっぐりごろじぃい!!ゆっぐりじないでじねぇえええ!!!」
「ゆぐっ……ゆぐっ……まりしゃのおきゃーしゃんをかえじでね!まりしゃのおとーしゃんをなおじでね!!ゆうぇえええんっ!!」

泣きじゃくる子ゆっくりたち、ぴょんぴょんと跳ね回り憎悪に満ちた可愛らしい顔を必死に僕に見せつけている。
最後の締めは実験だ、僕は防音処置のなされたケースを取り出すと2匹をそれにぶちこんだ。
後は小箱から全ての茸を取り出しケースの中に投入すると蓋を閉めた。
泣き叫んでいる子ゆっくりたちの声は遮断され、細めた眼と歪んだ口だけがものを訴えていた。
散らかった部屋を掃除させるためにれみりゃを呼びつつ僕はこの子ゆっくりの経過を見守るべくテレビの横に置いて遠くから眺める。
さてどうなりますやら、ニタニタと笑いながら僕は腕を組んで子ゆっくりたちを傍観した。


―――――――――――――――――


部屋の隅で正座したれみりゃがご馳走を目の前に、今か今かと待ち侘びている。
あれから3日ほど経った、餌を一切与えずゆっくりワライタケのみを与え、いつまで耐えられる事が出来るのかという実験は佳境に向かっている。。

「…………」

ケースの中で眼の下に隈を作り、頬が痩せこけ、ストレスで髪は抜け落ちた変わり果てた子まりさが今も尚爆笑を続けている。
防音処置が施されたケース内なのでこちらにまで音は伝わってきていないが、笑う度に小麦粉がポロポロと落ちている事から限界はもう目の前だろう。
隣の子れいむはつい5時間ほど前に息絶えた、その様は黒ずんだ笑う饅頭だ。
最初はゆっくりワライタケに手を付けた2匹であったが、その効能に疲れ果て一切口にせず僕に何かを訴えて口をぱくぱくと動かしていた。
しかし迫る空腹についに耐え切れず茸を食し、再び発作を起こす、発作が収まる頃には激しい運動により空腹になり、
また口に入れては全力で笑い続け疲弊していく、疲弊すればするだけ空腹は加速し、悪循環を絵に描いた様に子ゆっくりたちは弱っていった。
そしてその結果がこれだ、寒天の眼も白目を向いて最早どの方角を注視しているのかさえ分からない。
アンケートハガキに今回のゆっくりワライダケの感想を書き連ねた僕は、最後に防音ケースの蓋を開けた。
驚く事にそこに一切の音は存在していなかった、どうやら子まりさの喉はとうの昔に潰れてしまったらしい。

「まりさ、可愛い笑顔だよ。とってもゆっくりしてるね」
「…………」

子まりさは答えられない、この笑顔が隣の子れいむ同様に途切れて動かなくなるまで後少しだろう。
僕は死に逝く子まりさの絶望を骨までしゃぶり尽くすつもりでニッコリと微笑むと、嫌味たっぷり問い掛けた。

「お兄さんはまりさたちを飼えて幸せだったよ、まりさも沢山笑えて幸せだったかな?」

僕の質問に答弁を返すかの様に、子まりさの蝋燭の残り火は音もなく消えて煙を吐いた。
後に残るはれみりゃの胃袋に収まる子ゆっくりたちの亡骸だけだ――。



END


 今まで書いたもの:

 http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/2415.html

 書いた人:おおかみねこあき
最終更新:2010年11月15日 19:00
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