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anko2055 ~都会のゆっくりとその顛末~ 「夏の一幕」

都会のゆっくりとその顛末 「夏の一幕」

羽付きあき

・第三者視点です
・いくつかの独自設定を混ぜております
・理不尽物ですご注意を

X月X日 AM 8:43 小さな公園にて

「街ゆっくり」
それは市街地に適応したゆっくりの総称で、厳密にはゆっくりの亜種に当たる。
そもそもゆっくりは地域によってその特性に微妙に変化し、対応するため膨大な亜種がいると言うわけだ
と言っても基本は変わらないし、そんな大きく姿形が変わる訳でもない。普通は区別がつかないだろう。
さて、街に順応した街ゆっくり達はその正確な寿命が分からないほどに淘汰圧がかかっている。
その為「しんぐるまざー」と称するれいむが現れたりもするのだ。基本的には片親が殆どの街ゆっくりの中で、番いと子ゆっくりがそろっているのは特に珍しいと言われている。
何故珍しいか?それは「ゆっくりが故」と言う他無いのかもしれない。

小さな公園に来た私の目に、片隅に置かれたダンボール箱があった。
ゆっくりの「おうち」だ。
横に立てかけられたダンボール箱に何処からか拾ったバスタオルの様な長い布切れを覆いかぶせて「ドア」にしている様で、その隙間からはゆっくりの小麦粉の肌がちらりと見えていた。

・・・中からは声が聞こえている。
「おちびちゃん!ほーら!たかいたかいだよ!」
「ゆゆーんすっぎょいはにぇりゅよ!」
「じゅりゅいよ!おとうしゃん!まりしゃにもしちぇね!」
「きれいなおはなしゃんね!ちょっちぇもちょかいはぢゃわ!」
「みゃみゃ!ありしゅも"おけしょうしゃん"がしちゃいわ!」
「ゆふふ!おちびちゃんにはまだはやいわよ!」

声を聞き分けるに全部で6体、番いのありすとまりさが一体づつ、そして子ゆっくり、ないし赤ゆっくりがありす種とまりさ種で二体づつといった所だろう。
辺りにはプラスチックの容器や何か色々な食べ物の食べかすが転がっている。
・・・この公園は街ゆっくりにとってゆっくりプレイスと呼ぶにふさわしい場所だ。
花壇には色とりどりの花が植えられ、小さいながらもビオトープの様な池があり、ゆっくり程度でも小魚を取る事も出来る。また餌場にも近いと言う場所だ。
何故そんな所にゆっくりが居付かないのか?私は当初疑問に思った。
だが、訳を知ると単純なものである。この公園は定期的にゆっくりを「駆除」するためいつの間にか他のゆっくりが寄りつかなくなっただけの話なのだ。
つまりこの街ゆっくり一家はそれを知らずに「おうち」で過ごしていると言う事だ。
夏場なため、ゆっくりは朝早くや夕方近くの時間帯を縫って「狩り」に出かける。
その為、夏の大半はこうして「おうち」の中で過ごすか、昼どき辺りに「おうち」の周辺でいるかのどちらかなのだ。

・・・ゆっくり達の楽しそうな声が静寂な朝を波立てていた。

AM 10:15 「ゆっくりできないいなかもの」

ゆ叩き棒を持った男が公園の中にへはいってきた。
後、持っている物は特には無い様だ。
男がこちらを見て軽く会釈をしてきたので私もそれを返す。
男はそのまま振り返るとゆっくりのいる「おうち」へと近づいて行った。そして

ドカッと音がしてゆっくり達の「おうち」が勢いよく転がった。
布切れやダンボールがはじけるように飛び、中からゆっくりとボロボロのタオルやビー玉、透明の瓶等が飛び出しそこらかしこに散った。

「「「ゆんやあああああああああ!?」」」
未だ状況に気がつかないのか現れたゆっくり達が右往左往して、親まりさへと集まっていく。
「な、なにがおぎだのおおおおお!?」
「ゆ”あ”あ”あ”!?ありずだぢのどがいばなおうぢがああああああ!?」

「ゆびぇええええええん!!いぢゃいわあああああ!!」
「ありしゅのときゃいはにゃたきゃらもにょがあああああ!」
「おうぢがあああ!?どぼじぢぇえええええ!?」
「ゆ”ぇぇぇん!ごわいよおおおお!」

無残にもグシャグシャになって転がったダンボール箱とこのまりさ一家のこまごました小物が四散した光景は、まりさ一家にとってはかなり堪えた様だ。一様に口をあんぐりと開けて砂糖水の涙を流して泣いている。

親まりさが目の前に現れた男を見上げた。
大声を上げながらこう詰問する。
「にんげんざんがやっだのおおおおおお!?」
「うん、そうだよ」
「どぼじでごんなごどずるのおおおおお!?ばでぃざだぢなんにもわるいごどじでないよおおおお!?」
「うん、そうだね」
男はただ興味もない様に淡々と答える。
親ありすが横から口をはさんできたようだ。小麦粉の体をのーびのーびさせ近づき、大きく体を膨らませて威嚇しながら親まりさ以上の大声で捲し立てる。

「いきなりこんなことするなんてとかいはじゃないわ!ゆっくりありすたちにあやまりなさい!」
「えっ、何で?」
「ぷくうううう!おちびちゃんたちがこわがってないちゃってるわ!おちびちゃんにもゆっくりあやまりなさい!」
「ふーん・・・」
男がゆ叩き棒を大きく振り上げありすに叩き下ろした。
ドコンと音がしてありすの小麦粉の体が一瞬凹の様な形になったかと思うそのまま戻る勢いでもんどりうって前のめりに倒れた。

「ゆびぃっ!!」
「あでぃずうううううう!!」
「「おぎゃあじゃあああああん!?」」
「「みゃみゃあああああ!?」

ありすはそのまま花壇の壁面に押し付けられ、ゆ叩き棒で何度も滅多打ちにされて行く。
「ゆっぶぁ”ぁ”!ゆ”ぅ”ぅ”ぅ”ぎっ!!」
男のつま先がありすの顔面を捉えた。その瞬間、ありすの小麦粉の皮が一気にめり込み、パキパキと言う音とともにカスタードクリームと砂糖細工の歯が飛び散った。
そのまま潰れるように下に俯いたありすの頭上に容赦なくゆ叩き棒がのめり込んだ。
地面に潰れるように叩かれて、そのまま男に引き起こされて再びゆ叩き棒で打ちすえられる。

「ゆっぎぃ!いだい”い”い”い”ゆがぁっ!」
「やべでねえええええええええ!あでぃずがいだがっでるよ!ゆっぐりやべであげでねっ!やべであげでねえええええ!!」
「みゃみゃあああああ!」
「にんげんしゃんやべちぇあげちぇええええ!みゃみゃちょっちぇもくるししょうじゃわあああああ!」
「きょわいよおおおおおお!ゆびぇええええん!」
「おきゃあしゃんがいちゃがっちぇるよおおおおお!にんげんしゃんやべぢぇええええ!」
「ゆっきゅり!にんげんしゃん!ゆっきゅり!ゆっきゅりりしちぇいっちぇね!ゆっきゅり!ゆっきゅりしちぇええええええ!!」

親まりさと子ゆっくり達の声が響く。そして頭がバックリと割れ、後方に倒れ込むありす。
カスタードクリームがダバダバと流れているありすはそのまま押し付けられた壁面から脱出しようと仰向けの状態のままけーねくーねと体を動かして何とか脱出しようとするが、ありすの小麦粉の皮の下部の容赦なくゆ叩き棒の柄が振り下ろされた。

「ゆぐぇ”ぇ”っ!!」
くぐもった声をあげてありすの口からカスタードクリームがゴボッと流れ出る。
引き倒されて、そのままありすの小麦粉の皮下部に今度は男の足が飛んできた。
「ゅ”・・・ぐぶぉ”ぇ”え”え”!!」
再びカスタードクリームがゴボリと口から落ちる。
そのまま苦しむように地面に突っ伏すと、ビチャビチャと音を立ててありすが砂糖水とカスタードクリームの混じった物を吐き出した。
「ゆげっ!ゆぐぶっ…ゆぐげっ!げっ!げぇぇぇぇぇえええ・・・!」

カスタードクリームが円形に広がっていく。中には野菜くずやドロドロのおかゆのようになった米、トウモロコシの粒等が混じっており、さながら吐瀉物の様相を呈していた。
男がありすの砂糖細工の髪をつかんで引き上げる。
ダラリと力なく項垂れるありすに男はこう言った。
「で、よく聞こえなかったなぁ。あやま・・・るとかろとか・・・なんて言ったの?」
「ゆぎっ・・・ゆぐっ・・・い”だい”わ”ぁ”ぁ”ぁ”」
「言えよ」
「ごんなのどがいばじゃないぃ”ぃ”ぶごぉっ!」
男がゆ叩き棒を横にブン回してありすを打ちつけた。勢い激しく左右に振れた後、ぶーらぶーらと振り子のように動く
「で、なんて言ったの?」
「ゆ”!ゆ”ぐっ・・・ごべんなざいぃ”ぃ”・・・」
「え?」
「ゆっぐりあやばるがらおろじでぼじいわ・・・ごべんなざいっ…ごべんなざっぶぐっ!」
男がありすを地面に叩きつけた。
自身の出したカスタードクリームの上にべシャリと落ちて、男のゆ叩き棒が止めとばかりに落ちてくる。
ドコッと音がすると「ゆぎっ」と言うくぐもった声の跡にありすはそのままピクピクと震えたまま突っ伏して動かなくなってしまった。
 
「あでぃずうううううううう!!」
「「みゃみゃあ”あ”あ”あ”!!」」
「「おぎゃあじゃあ”あ”あ”ん!!」」

一斉に喚きだす親まりさと子ゆっくり達。
男は手を伸ばして、子ありすを一体引っ掴んだ。
「ばなじじぇ”ぇ”ぇ”!!ぎょわいわお”お”お”お”!ぱぱっ!ぱぱぁ”ぁ”ぁ”っ!!」
「おぢびぢゃああああん!にんげんざんっ!!おぢびぢゃんをゆっぐりばなじでねっ!おぢびぢゃんいやがっでるよ!?」

ぐねぐねと手の中でうんうんとしーしーを垂らし、砂糖水の涙と涎をまき散らしながら必死に動いている。
男はまりさ一家の「おうち」だったダンボール箱の中から一枚のチラシを拾った。恐らく元々はタオルの下に敷いていたものだろう。
それで子ありすをクシャクシャと包みこむ。丁度茶きん絞りの様な形になっている。

「きゅらいわあああ!きょきょからだぢちぇえええええ!みゃみゃっ!ぴゃぴゃあああああ!!」
チラシに包まれた子ありすが内側からくぐもった叫び声をあげる。
何をするのだろうか・・・そう思っていると男がライターでチラシに火を付けた。

・・・火はすぐさまメラメラと燃え上がり、子ありすの小麦粉の皮を焼いていく。
「ゆ”・・・!にゃにいいいい!?あぢゅっ!あぢゅいっ!あぢゅいわあああああ!!あぢゅいいいいい!あ”あ”あ”あ”!!ぴゃぴゃっ!みゃみゃっ!だぢゅげぢぇっ!だじゅげぢぇええええええええ!!」

叫び声とともに小さな火だるまがごーろごーろと転がる。
火の奥から寒天の両目を見開いて絶叫しながら転がりまわる子ありすが現れる。
激しくごーろごーろと転がっていた子ありすであったが暫くするとぐーねぐーねとしか動かなくなり、ブスブスと煙が上がった頃には上下に微かにのーびのーびと動くだけでそれ以外は全く動かなくなっていた。

「ゆひゅー・・・!ゆひゅー・・・!」

小麦粉の皮はこんがりと焼けており、赤茶色になっていた。
飾りは完全に燃え落ち、チリチリになって少し残った砂糖細工の髪が数十本ほど残っているだけで後は燃え落ちてしまっている。
動いているのは息を吐いたり吸ったりする時に僅かに小麦粉の体が上気するだけだ。
「おぢびぢゃんっ!おぢびぢゃんんんんんっ!ゆっぐりよぐなっでね!ぺーろぺーろ!」
「ゆひゅー・・・!ゆ”ぎっ・・・ゆひゅー・・・!ぴゃ・・・ぴ・・・みゃ・・・みゃ・・・だじゅ・・・で・・・」

親まりさが近付いてきた時に、僅かに体を動かし、何度か親まりさにすーりすーりを繰り返すとそのまま地面に突っ伏して、あにゃるからうんうんがぶぴっ、ぶぴっとひり出されると、完全に動かなくなってしまった。

「おぢびぢゃんんんんんんんんんんんん!!までぃざのおぢびぢゃんがああああああああ!!」
涙を流す親まりさをしり目に男が小麦粉の皮を寄せ合って震えている子ゆっくり達に向かった。
その時、男の足元に親まりさが体当たりをくらわせた。全く答えてない様子だが、それでも親まりさが懸命に何度も何度も体当たりを繰り返す。
「おぢびぢゃんっ!いげざんのぼうににげでねっ!」

ズボンに食らいつきながら親まりさが叫ぶ。
子ゆっくり達が池の方へと懸命に跳ねて行った。
暫くして子ゆっくり達が男から十分離れたと同時に親まりさが池の方へ飛び跳ねる。

池の前で右往左往している子ゆっくり達に追いつくとこう言った。

「いまからおぼうしさんでぷーかぷーかするよっ!ゆっくりおとーさんについてきてね!」
「ゆ!でみょまりしゃまだいっきゃいしかぷーかぷーかしちゃこちょにゃいよ!?」
「きょ、きょわいよぉぉ・・・まりしゃぷーかぷーかできにゃいよぉぉ・・・!」
「ゆっくりはやくしてねっ!おとーさんがさきにいくからおとーさんのかみにつかまってたらだいじょうぶだよっ!おちびちゃんはおとーさんのあたまにのってね!」
子ありすを頭の上に載せると、池に帽子を落としてそれに乗り込む。
バランスを整えてると、残った子まりさ達に振り向いて叫ぶ。

「はやくっ!はやくおぼうしさんのうえにのってねっ!」
「ゆ!ゆゆ!」
「ゆ、ゆっくりわかっちゃよ!」

慣れない動きで子まりさが池に帽子を投げ込みそれに乗り込むと、親まりさの砂糖細工の後ろ髪を口で加えると、親まりさが木の枝をオールの様に使って池の岸から離れた。

「みずさんのうえならあんぜんだよ!」

と言っても池事態は非常に小さく、私が助走をつけて飛んでも飛び越えられそうな程の幅であった。(恐らく1mもない)
深さも膝丈あるかないか程度で、とてもじゃないが何を根拠に安全だと言っているのかはなはだ疑問である。

「ゆ!ゆ!おちびちゃんしっかりつかまっててね!」
「「ゆ、ゆっくりわかっちゃよ!」」

頭に子ありす、そして後ろに子まりさ二体と言う構成のため、そんなにスピードは出せないのだろう。
ノロノロとした速度でオールを漕いでゆっくりと離れていく。
男が池のヘリに立った。そしてまだあまり離れていない親まりさの後部を一気に蹴りあげる。
「ゆ”わ”あ”あ”あ”あ”!!」
「ゆんやああああああ!」
「ゆひっ!ゆあああ!?」
「ゆ!ゆゆうううっ!」

池の向こう岸へと吹っ飛ぶ親まりさ、すぐさま振り向いて子ゆっくり達を確認するが・・・
「ゆぐっ!お、おぢびぢゃん!?おぢびぢゃんっ!!おぢびぢゃあああああん!」

「たちゅけちぇぇぇっ!ぴゃぴゃああああ!おびょれりゅよぉぉぉっ!」
「ゆんやあああ!まりぢゃのおぼうじじゃんをびっばらないぢぇね!おぢりゅっ!おぢりゅぅぅぅっ!」
「ゆんやああああ!おどーじゃああああん!きょわいよっ!きょわいよおおおおお!」

一体の子まりさは操舵を失いくるくると回る帽子をどうする事も出来ずに泣き叫んでいる。
しかしもう一体の子まりさと浮かぶ帽子を持たない子ありすが問題であった。
水に落ちながらも子ありすが子まりさの帽子に食らいついているのだ。
しかも体が溶けていくパニックで暴れ回っているため子まりさの帽子は安定せず激しく揺れ動いている。

「ゆっぐりばなじでねっ!ばなじでええええっ!ゆがぁぁあ!」
「おねーじゃんだぢゅげぢぇっ!ありじゅものぜぢぇぇぇっ!とけりゅよぉぉぉっ!」
「おぢびぢゃんっ!ばりざのおぼうじざんにのっでねっ!ばやぐっ!ばやぐうううう!!」

近くに浮いている主の失った帽子に必死に誘導する親まりさ。だが子ありすの妨害によりバランスを取るのに精いっぱいで操舵どころでなかった。その上、子まりさ達は水に浮かぶ事がやっとの腕前しかないのだ。
とうとうバランスを崩して子まりさも池へと落ち込んだ。
帽子は反対にひっくり返りこれではもう乗る事は不可能だ。
バシャバシャと水しぶきを上げながらもがく子まりさに、パニックになった子ありすが子まりさの砂糖細工のおさげに食らいついてさらに状況が泥沼化していく。

「ばなじじぇねえええっ!ばなじじぇっ!・・・ばなぜっ!ばなぜっ!ばなぜええええええっ!」
「ゆ”・・・!ゆ”ひ・・・!ゆ”ひっ・・・!」

必死に振り払おうとするが子ありすはおさげを決して離さない。
直後にズブズブと水に子まりさと子ありすが一気に飲み込まれる。
水を吸ってもろくなった底部が落ちて餡子とカスタードクリームも水に流れたためだ。

「ゆ”ぶっ!ゆぶぁっ!おどうじゃあああああん!おど・・・おぶぶぶっ!ぶぐぶぐぶぐ・・・!・・・!!・・・!」
「ぴゃぴゃっ!ぴゃぴゃぁぁ!ゆ”・・・ぶぐぶぐぶぐぶぐ・・・!」

そのまま水にのみ込まれて行くと二度と会う気上がる事はなった。池の小魚達が餡子や小麦粉の皮のカスをついばんでいる。

「おぢびぢゃああああああああんっ!ゆ”!?」
男が親まりさのおさげを引っ掴んで持ち上げる。そのまま地面に振り下ろして叩きつけた。

「ゆ”びぃっ!」

一回では終わらない。2度、3度、4度と勢いを増して叩きつける。
一回目で折れた砂糖細工の歯が口腔に突き刺さり餡子が口から飛び散った。
「ゅ”・・・!ゅ”・・・!びゅっ!
二回目で寒天の右目がはじけ飛んだ。

「ゅ”ぎょっ!ゆっぎぃぃいいいいいいいいい!!までぃざのおべべえええええええ!!いだいいいいいいいいい!!」

三回目で力なく親まりさが項垂れる。引き上げられると餡子がビチャビチャと地面に落ちて行く。

「ゆごぉっ!ゆ”・・・!ゆ”・・・!」

四回目でおさげが千切れた。そのまま地面に勢いよく叩きつけられると、「ゆぎゅっ」と言う声とともに死にかけた虫の様にピクピクと動き、そして完全に物言わぬ饅頭となった。奇しくも親ありすと同じポーズだ。

男は池の方を振り返り、未だに火がついた様に泣きわめく子まりさを見ると、小石を拾って子まりさに向かって投げつける。
子まりさの前方に落ちた小石が大きな波を立てて子まりさの帽子のバランスを崩した。

「ゆんやああああ!きょわいいいいいい!」

波立てられた水面に翻弄される子まりさ。
しかし自身が暴れて水に落ちる様な事は無かった。
男の放った二発目の小石が子まりさの小麦粉の皮右斜め上を吹き飛ばしたからだ。
「ゆぎょっ!」と言う声とともに餡子を飛び散らせて水に落ちる子まりさ。

同じく、浮く事もないまま水面の波が静まっていく。
それを見て男は足早に公園を去っていった。

後に残るのは無残な「おうち」の跡とゆっくりだった物だけである。

翌週・・・PM3:34 新たなゆっくりプレイス

あれから一週間がたった。
公園内は綺麗にゆっくりのいた痕跡が消えており、以前の小さくはあるが手入れをされている静寂な公園へと元に戻った。

「地域ゆっくり」達が整備をしたのだ。
その時、私は地域ゆっくり達にある質問をした。ここに以前いたゆっくりは迷惑だったのだろうか?と
・・・地域ゆっくりの一体が答えた言葉が耳に残っている。「程度を弁えないゆっくりはゲスにも勝るハタ迷惑さだ」と
私が見た限りあのゆっくりは街ゆっくりではないだろう。
恐らく山から下ってきたか、それとも捨てゆっくりだったのか・・・
いずれにせよそれを知る術は無いし、知った所でどうなる事でもない。
飾りも残して行ったし暫くここにゆっくりが立ち寄る事はないだろう・・・と思っていたが昨日の大雨で匂いなんて限りなく消えてしまっているだろう。
私は公園のベンチから腰を上げ、公園を後にする。

公園の出口の前で、三体のゆっくりとすれ違った。

「むきゅ!ここはとってもすばらしいゆっくりぷれいすよ!あなばね!」
「ここならゆっくりできそうなんだぜ!」
「さっそくおうちのざいりょうをあつめなくっちゃ!」
「そのまえにごはんさんをとるんだぜ!」
「・・・!!!」
「・・・!!」
「・・・!」

そしてまた、何も知らずに迷い込んだゆっくりがこの公園に居付く。
この公園からゆっくりが完全にいなくなる日は恐らくないだろう。
ゆっくり達の嬉しそうな声が私の背中越しに聞こえている。
夏がこもった夏の風が、ゆっくりと私の頬をなでていた。
最終更新:2010年10月09日 20:20
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