目次

+ ...

概要

Personal Computer Series(PC Series)は1994年にIBM Personal System/2(PS/2)やPersonal System/1の後継シリーズとして登場した。
主に企業向けのシリーズとして構成されているが、一部シリーズには家庭向けとしてマルチメディア仕様や低価格モデルが用意されていたのが特徴である。
(後述するが、一部の上位モデルではCPUを二基搭載可能なモデルも用意されていた)

また、PS/2で用意されていたタワー型はサーバ向け(IBM PC Server)に集約されてコンシューマ向けとしては翌年の1995年に登場するAptiva(アプティバ)シリーズを待つことになる。

Intel x86仕様

Intel Pentiumを採用したシリーズであるが、一部シリーズは上位シリーズであるIntel Pentium Proが採用されている。

PC 100

1994年に登場したシリーズで低価格モデルとして他シリーズとの差別化(低価格モデルと主流モデルとの)を図るために流通チャネルも限定されていた様である。
RAMに72ピンSIMMが採用されており、最大4枚搭載可能で128MBまで認識可能である。
また、PCI/ISAコネクタを1ポートのみにしたり設計を300 Seriesと共通にしたりとコスト削減を徹底している。
CPUはIntel Pentium(75/100/120/133MHz)の何れかを搭載することが可能となっている。
  • PC 100 Series Model 100(Model 6260-???)

1995年発売のモデルだが、CPUにIntel Pentium(75MHz)が採用されており、スライドドアなどの部品削減で低価格の繋げているのが分かる。

PC 140



Series 300

ISA/PCIアーキテクチャを採用し、IBMで初めてUSBをサポートしたシリーズである。
主にIntel i486DX2やDX4、Intel Pentium P54Cといったプロセッサが採用されており、一部モデルでは上位モデルのIntel Pentium Pro(※1)が採用されている。

PC 330



PC 340



PC 350



PC 360

Intel Pentium Pro(150MHz又は200MHz)を一基搭載可能な上位機種として設定され、当時のIBMとしてはx86仕様のお手頃なワークステーションとしての運用を想定していた。
RAMは72ピンSIMMが採用されており、最大4枚搭載可能で128MBまで認識可能となっている。

  • PC 360 Series Model 360 S150 (Model 6598-Cxx)
  • PC 360 Series Model 360 S200 (Model 6598-Fxx)


PC 365

Intel Pentium Pro(180MHz又は200MHz)を二基搭載可能な最上位機種として設定され、当時のIBMとしてはx86仕様のワークステーションとしての運用を想定していた。
RAMは168ピンDIMMが採用されており、最大4枚搭載可能で512MBまで認識可能となっている。
  • PC 365 Series Model 365 S180(Model 6589-10U,11U,17U)
  • PC 365 Series Model 365 S200(Model 6589-12U,13U,15U,18U)

マザーボードであるが、Intel Pentium Proが二基搭載されていることが確認できるが、当時としてのデュアルプロセッサは特異かつ高価なものである。

Series 700



ちょっとした情報

  • IBM PC Seriesだが、日本国内ではマルチメディアモデルであるSeries 3000は投入されなかった代わりにAptivaシリーズで補完していたりする(当時のイメージキャラは中谷美紀で後年には元SMAPの香取慎吾が起用された)
1995年当時のCM

1996年当時のCM


  • PC 365シリーズ発売と同時にMicrosoft Windows NT 4.0が発売されることとなるが、日本国内ではMicrosoft Windows NT 3.51搭載モデルを先行販売して無償アップグレードクーポンを使用することでアップグレード可能であった(当時の記事:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961014/ibmpc.htm


※1:Intel Pentium Proは後に発展してIntel Pentium Ⅱ Xeonとして1998年に登場した後にPentium Ⅲ Xeonを経て、現在のXeonシリーズとして独立するに至る。
※2:1997年に登場したIBM IntelliStationシリーズへと統合されて、2009年まで継続された後にLenovo ThinkStationとして引き継がれる。
※3:2002年にIBM IntelliStatiom POWERとしてシリーズ統合されるが、2000年に登場したIBM eServer pSeriesでRISC UNIXサーバ向けシリーズとして分別されている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • IBM
  • PC Series
  • Personal Computer Series
  • IBM PC
最終更新:2023年11月04日 01:53