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ピンポンダッシュ」を以下のとおり復元します。
水銀燈「つまらないわねぇ…何で、か弱い私たちがこんなことしなきゃいけないのよ…」 
「まったくですぅ」と、これに賛同する翠星石。 
最近、このあたりも物騒になってきたため、教師の間でも防犯パトロールをすることになった。 
今日は水銀燈と翠星石がその当番なのだが、2人ともあまり乗り気ではないようだ。 
水銀燈「…ねぇ、この辺で少し運動でもしなぁい?」 
そういうと、水銀燈はいきなり他人の家のインターホンを押し、そして走り出した。 
「キャーキャー!」と、翠星石が慌ててそれを追いかける。 
やがて、近くの公園まで逃げてきたところで、翠星石が水銀燈を問い詰めた。 
翠星石「どういうことですか!?いきなりピンポンダッシュなんかしやがって!!」 
水銀燈「でも、いい暇つぶしにはなったでしょう?」 
翠星石「…確かに、ドキドキして面白かったですぅ♪」 
水銀燈「ふふ…ゲームって、単純なものほど意外に面白かったりするのよぉ?」 
得意げな顔で、水銀燈は言い切った。 


翠星石「さぁて、そろそろ次行くですぅ!」 
飲み終えたジュースの空き缶を捨て、翠星石はそう言って立ち上がった。 
水銀燈「次って、何の話…?」 
翠星石「決まってるですぅ!今度は翠星石が押す番ですぅ!!」 
水銀燈「…あなたも好きねぇ…。私はもう遠慮しとくわぁ…。」 
翠星石「勝ち逃げは許さねぇですぅ!ほれ、さっさと来やがれですぅ!!」 
そう言って、無理やり水銀燈を立たせると、翠星石は次の標的を物色し始めた。 
あまり乗り気でなかったはずの水銀燈も、準備体操を入念に行っている。 
翠星石「よし、まずはこの家から始めるですぅ♪」 
と翠星石がインターホンに手を伸ばした瞬間、突然後ろからその腕をつかまれた。 
蒼星石「…何を始める気だい?そんなに楽しそうに…」 
後ろを振り返ると、そこにはすでに薔薇水晶につかまった水銀燈と、冷ややかな目をした蒼星石の姿があった。 


蒼星石「君たちのことだから、多分どこかでサボってるんじゃないかと思って見回りに来てみたら…全くなんて事を…」 
2人を生徒指導室で正座させ、お説教を始める蒼星石。その周りには、真紅、薔薇水晶といったおなじみのメンバーもそろっている。 
蒼星石「…もうさ、2人とももう大人なんだから、こういうくだらない事するのはやめなよ…!」 
水銀燈「…でも、いつまでも子供の心を忘れない純真な人って、素敵だと思わ…」 
薔薇水晶「銀ちゃん!!」 
水銀燈「…思わないわよねぇ…。」 
真紅「ところで…あなたたちがやったのは、私たちが声をかけたあの一軒だけなの?」 
翠星石「も、もちろんですぅ!!ねぇ、水銀燈!?」 
水銀燈「そうよぉ…だから、翠星石が全部悪いの。」 
翠星石「なっ!?」 
蒼星石「…ホントに?」 
翠星石「す、翠星石は悪くねぇですけど、あの一軒だけってのはホントですぅ!!」 


その言葉に「ふぅ…」とため息をつきながら、蒼星石は残念そうにこう言った。 
蒼星石「…そう、でもさっき学校に電話があったんだよね…。うちの学校の教師らしき2人が、うちのインターホン鳴らして逃げていったって…」 
翠星石「はぁ!?そんなことで通報するなんて、何て心の狭い…」 
蒼星石「…やっぱり…。そんなことだろうと思ったよ!」 
翠星石「え…!?は、はめやがったですね!?汚ぇ野郎ですぅ!!」 
その言葉に、蒼星石は翠星石の顔をにらみつけてこう言った。 
蒼星石「汚いのはどっちだい!?さ、今からその家に謝りに行くよ!?」 
翠星石「えぇー!?そんなカッコ悪い事、翠星石はしたくないですぅ!!」 
蒼星石「十分カッコ悪い事してるくせに、まだそんなこと言うのかい!?この口は!?これ以上、僕を怒らせないでくれないかな!?」 
そう言って、翠星石の頬を引っ張る蒼星石。そのあまりの痛さに、やっと反省の弁を口にする翠星石。 
その後、みんなでその家に謝りに行くものの、実は留守だったと分かり、翠星石はまたふざけてこう言った。 
翠星石「よかったですぅ♪これで、翠星石もカッコ悪い真似しねぇで済むし、晴れて無罪放免。一件落着ですぅ♪」 
蒼星石「まだそんな事言うのかい、この口は!?」 
翠星石「いひゃい!いひゃいへふぅ!!たはのひょーはんへふぅ!!(訳:痛い!痛いですぅ!ただの冗談ですぅ!!)」 
そんな光景を見て、いつの間にか自分のせいではなくなったことに、水銀燈は思わずほくそ笑む。 と同時に、こんなことも考えていた。
「次は、どんなことして遊ぼうかしら…」と。 
空には、うららかな春の気候にはふさわしくないような、黒い雲が一面に広がっていた。 


完 

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